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「ブラジル初のハンセン病全国会議」 ―永年の夢実現― [2026年05月18日(Mon)]

「ブラジル初のハンセン病全国会議」
―永年の夢実現―


ハンセン病患者の約7〜8割は、インド、インドネシア、ブラジルに集中している。

インドは、モディ首相の強力なリーダーシップのもと、全国的に順調に活動が続いている。インドネシアは、先般プラボウォ大統領に直訴し、6〜7月には初の全国会議を開催できる可能性が確実になってきた。昨年はネパール、スリランカにおいても、大統領や首相の出席のもと全国会議が開催され、いよいよ各地での活動が活発化しつつある。

ブラジルには、これまで何度も全国会議の開催を要請してきた。2020年にようやくボルソナーロ大統領(当時)の了解のもと準備が進められたものの、開催3日前にコロナの影響により中止となってしまった。

そのような状況の中、昨年3月ルラ大統領の来日中に直訴し、ようやく先般3月12日〜14日の間、リオデジャネイロで全国会議を開催することができた。ただ、大統領は現地までお越しくださったものの急用のため欠席となり、画竜点睛を欠く結果とはなったが、全国の関係者が一堂に会し、保健大臣の激励もあり、いよいよ積極的な活動が進められることとなった。

もっともブラジルはアメリカと同様の連邦制であり、各州の独立色も強いため、広大な国土において各州を巡る活動は、日本からの距離的制約も含め想像を絶する困難を伴う。

しかし、ネバーギブアップ(決して諦めない)の精神で頑張ってまいります。

以下は、3月12日にリオデジャネイロで開催されたハンセン病全国会議レセプションでの挨拶(原文英語)です。

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ご参加の皆さま。本日、ブラジル初のハンセン病全国会議が開催されましたことを、心より嬉しく思います。また、これまでハンセン病対策に尽力してこられたブラジル政府、WHO、州・市町村、研究者、市民社会、そして回復者団体の皆さまに、心から感謝を表します。また私はルラ大統領閣下がハンセン病問題を、単なる医療課題ではなく、偏見差別を伴う人権問題として一貫して取り組んでこられたことをよく存じ上げております。その信念と行動に、心から敬意を表します。

私は50年以上にわたり、127か国以上の現場でハンセン病、そしてそれに伴う差別の問題に取り組んで参りました。今や医学の進歩により、早期発見・早期治療でハンセン病は治る病気になりました。薬も世界中無料で配布されています。しかし、この病気は初期段階で熱や痛みもないこともあり、自ら病院に来ないことも多々あります。私はハンセン病のこうした特徴を捉え「沈黙の病気」と呼んでいます。そのため現在もなお発見の遅れや厳しい差別や偏見により、ハンセン病の患者、回復者がつらい生活をしている現実は今も変わりありません。

ブラジルは大国であり地政学的に活動が困難な地域もあります。しかし、2007年の補償法の制定、WHOの「The Global Leprosy Strategy 2021–2030 ‘Towards zero leprosy’」の発表、モルハンの活躍、そして今次政権下での補償拡大は、いずれも歴史的な出来事でした。皆さんの不断の努力なしに、これら医療政策を超えた人権と尊厳の回復は実現しなかったことであり、改めて敬意を表します。

しかしながら、貴国におけるハンセン病の取り組みは、まだ道半ばにあることもまた事実であります。新規患者は依然として確認されており、病院に来ない「隠れた患者」も数多く存在すると思われます。また、重度障害を伴う症例も見られ、偏見と差別も完全にはなくなってはおりません。こうした状況にあるからこそ、引き続き国として一丸となって取り組みをしていく必要があるのではないでしょうか。

本日から始まるこのハンセン病全国会議を受け、国家戦略として明確な方向性が出ることを期待しております。そして国家戦略を全国各地で着実に実行し、確かな成果へと結びつけていくことを期待しております。すなわち、連邦、州、市町村が一体となり、早期発見体制をさらに強化し、何より回復者が意思決定により積極的に参加を促していく。この積み重ねが、ブラジルが目指す感染伝播ゼロ、新規重度障害ゼロ、差別ゼロという真の意味での「ハンセン病ゼロ」の実現につながるものと確信しております。笹川保健財団もまた、三つのゼロの実現に向け、皆さまの取り組みに協力を続けてまいりますことをここにお約束いたします。

お集まりの皆さん、ブラジルはハンセン病ゼロに向けてあと少しのところに来ていますが、日本には「百里を行く者は九十九里を半ばとす」という言葉があり、この最後のファイナル・プッシュが何よりも重要であり、また困難を伴うものになります。しかし、もし私たちが力を合わせれば、ハンセン病のないブラジルは実現できます。関係者一丸となって、共に不可能を可能にして参りましょう。ムイト・オブリガード。ありがとうございました。(了)
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