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リリカの減らし方 [2017年04月19日(Wed)]
有名でもあり、有効でもあり、悪名も高い?リリカという薬。
有名なのはほかに神経障害に効く薬の選択肢がないから。(類似のものはあります。これより前に出ていたガバぺンチンという薬剤)
効くのは効く。効くまで増量に耐えられる人と副作用に耐えられない人がいる。
副作用はめまい(回るのでなく揺れるタイプ、船酔いだという人が多い)ふらふら感、お年寄りは転んでしまう。そして、眠気、というより意識が飛んでしまう危険な「寝落ち」。ドラえもんののび太君が「1,2,3ぐう、」と瞬間芸で眠るシーンがありましたっけ。
危ないものばかりだけど、平気な人は平気なのが不思議なところ。
眠れるから、その間は痛みを感じなくて済む、と言って、飲み続けている人も少なくないですね。

さて、この薬は急にやめてはいけません。ただし長期、何年も飲んでいたから、離脱に時間がかかるというわけではありません。75mgを朝1・夕2カプセルだったら、一か月ぐらいは夕方(眠前)だけにする。次の月は1カプセルにする。次は25mgを2カプセルで50mg、これは減量幅が小さいので、一か月待たなくても特に症状が悪くなりそう=痛みが出てきた、ということがなければ一週間ぐらいで次の段階25mg1カプセルに(最低量ですね)してみて、フェードアウト。

薬を減量・中止するときには、事前に必ず、担当医師と相談しながらやってください。減量や中止についての責任はすべて処方した医師にあります。そして何か変化があったときには、我慢せずに薬局か医療機関に連絡してください。次の月の診察日になってから、ではいけません。関係あるかないかわからなくても良いのです。看護師や薬剤師に伝えてください。

実は痛みが慢性化しきっていると、もはやリリカ固有の効能は、症状にはあまり関係なくなってくるらしいです。神経痛が急に出始めたとき、悪化したときが本来のリリカの出番。帯状疱疹後神経痛とか、坐骨神経痛とかですね。
いろいろな神経障害に使われて、糖尿病性の神経障害の患者さんも飲んでいたりしますが、困ったことに体重が増えてしまうことが往々にしてあります。食欲が増すのではなくむしろ気持ち悪いのが何か甘いものとかを口にすることで楽になるから、だそうです。
生物学的製剤とステロイド [2017年04月19日(Wed)]
リウマチや膠原病をはじめとする多くの自己免疫性疾患に対して、使われている、生物学的製剤。種類も数も多くなりました。
難病の中にも一部、保険適応が認められている薬剤があります。例えばベーチェット病では眼症状にレミケード(インフリキシマブ)が使用可出来ます。一方で、まだ、サルコイドーシスに関しては正式な保険適応があって使用可能な生物学的製剤はありません。薬が全く使えないという意味ではなく、保険がきかないということです。一回当たりの薬剤代金は約20万円。3割負担なら6万円です。最初の月は2週間後に2回目の点滴注射がありますから、健康保険が使えても月12万円。指定難病であれば、上限額までの自己負担で済みます。この薬は3回目は4週の間隔をあけて、その次からは8週ごとになります。終わりはありません。

全額自費になったら?それは医療費助成制度も使えないことも意味します。ですから、最初の月は40万円、翌月は20万円、その後は2か月ごとに20万円。とても生活できる金額ではありません。貯蓄があれば当面は何とかできるかもしれませんが、非現実的です。金の切れ目が命の切れ目、というやつです。

どの病気もそうですが、徐々に保険診療で使える薬は増える傾向にあります。サルコイドーシスはなまじステロイドが良く効いてしまうだけに、研究や治験など出遅れたのでしょうか?あるいは、医療費コスト・パフォーマンス面から、患者個々の健康寿命やQOLはさておき、むやみに生物学的製剤に走らせないようにしているのでしょうか。

患者の気持ちとしてはステロイド漬けの人生から足を洗いたいと思いますね。ステロイド性の糖尿病や白内障、骨粗しょう症、高脂血症。ほかに選択肢があれば、何とかしたいです。

生物学的製剤には感染症のリスクがあることもよく知られています。肺炎を起こすことがあります。結核やB型肝炎のウイルスが再活性化することもあります。危機管理ができる医療機関でないとそう簡単には治療に導入できません。そして、患者自身が自分の体調をきちんと管理する気持ちも大切、あなた任せではいけないということです。

病気も長く付き合っていると、なれというか自己管理におごりみたいなのができてしまって、いけません。慢心はダメだと思い知らされました。

先月、のどが詰まるような変な感じと吐き気がして、汗びっしょりになって、、とにかく「これはヤバい」みたいな状態、結果的には狭心症でした。初めてのことで、うわさに聞くのとはずいぶんイメージが違いました。幸い、心筋梗塞になる手前で治療してもらえましたので、今があります。命拾いしました。
 その後、いろいろと薬を追加していただき、かれこれ1か月以上、やっと症状が落ち着きました。ペインクリニックの方ではくすりはへらせているものの、結局、全体としての飲み薬が減らないです。