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 サルコイドーシスは特定疾患で患者の絶対数が少ないうえに、色々な臓器の障害で発病するので、自分と同じような神経障害(神経サルコイドーシス)の人に出会ったことがありません。
 末梢神経のありとあらゆるところがバラバラにいきなり麻痺したり痛みやしびれを起こしたりします。いわば「全身神経痛」の状態です。治療すると少し回復します。命にはかかわらないと言えばそうなのですが、嚥下障害になったときはむせて水が飲めなくて、すごく困りました。
 手足が不自由で感覚も悪いと、不便極まりないのは事実です。最近でこそ、障がい者の自分から逃げずに、ポジティブに発信・行動することができるようになりました。
 いちばん日常生活を脅かすのが痛みです。麻酔科・ペインクリニックに通院して治療を受けています。神経障害性の痛みには通常の鎮痛剤は効きません。専用の薬や、医療用麻薬のおかげで、病気を発症する前と同じような、活動的な日々が送れるようになりました。写真は曼荼羅花・マンダラゲ・朝鮮朝顔・Datura 日本麻酔科学会のシンボルマークにもなっている薬草の花010.JPG
レミケード [2022年10月02日(Sun)]
多くの難病で、免疫長節薬や生物学的製剤が適応拡大となっています。
サルコイドーシスの治療では、以前はステロイドだけだったのが、一部、メトトレキサート(MTX)が適応となりました。
生物学的製剤については、最近のコロナウイルス感染症の治療で「中和抗体」医薬品が使われたことでご存じの方も多いと思います。ゼビュディ(ソトロビマブ)などのように、薬品名のお尻が「~マブ」となっているのが、抗体医薬品です。
さて、「レミケード」(薬剤名はインフリキシマブ)に関しては、10年ぐらい前に神経サルコイドーシス患者への有効性が報告されていますが、日本国内では本来、保険適応とされる病名は関節リウマチなどで、積極的にサルコイドーシスの治療薬として使われる状況にはまだ至っていないようです。
以下は
個人的な経験ですが、MTXとレミケードの併用療法を続けることでステロイドの量を減らすことができました。現在わずか0.5rで、次回の診察の時には終了といわれています。(最初は30r、時々パルス療法。10年以上飲んでいるので簡単には減らせない。)新たな神経麻痺がおこらなくなって、何年も安定した状態をキープできています。仕事にしても趣味にしても計画が立てられるってすごいことですよ。
不安定なころは、いつ再燃して休まなければならないのか見当がつかないし、土壇場でキャンセルもざらでした。
有給休暇なんてあっという間に使い切っていまい、下半期の通院は毎回「欠勤」になりました。
今はフルタイムで働くばかりか残業も人並みにできる(!?)くらい元気です。
コロナの第7波では我ながらよく働きました。20代のころと同じくらい仕事をしたと思います。
周囲に気兼ねばかりしていたのがウソみたいです。

気になるレミケードの副作用ですが、最初のころは熱が出たりだるさが1から2日あったりしましたが、慣れてきたのか今は何もありません。点滴の時間が2時間かかるので、半日の休暇ではちょっと厳しいのが困りますが、2か月に1回なので、助かっています。

残念ながらすでに出てしまった障害は戻らないようです。
不自由はいろいろありますが、未来が考えられるのってありがたいことです。
サルコイドーシス医療講演会・親睦会のお知らせ [2022年10月02日(Sun)]
サルコイドーシス友の会主催の医療講演会が開催されます。

2022年11月20日(日) 13時から15時

開場:電機ビル共創館3階Bカンファレンス(中会議室)
福岡市中央区渡辺通2-1-82
(地下鉄「渡辺通駅」徒歩1分、西鉄電車「薬院駅」徒歩7分)

医療講演
眼サルコイドーシスの診断と治療
講師:園田康平先生(九州大学大学院医学系研究院眼科学教授)

事前申し込み不要
参加無料
サルコイドーシス友の会医療講演会チラシS.jpg
電機ビル地図.jpg
曲がって見える [2022年06月11日(Sat)]
何気なくノートパソコンを見ていたら、なんだかフレームがビミョーに歪んでいるのに気が付いた。
おかしいな…と思って片目ずつ見たら、左で見ると全く何もない。
右で見ると、輪郭が少し曲がって見える。
あー、これは自分の目が変なんだ。
かかりつけの眼科に行ったら、黄斑上膜という診断だった。黄斑という網膜の一番よく見えるところに、何やらかさぶたみたいなものがかぶさってきて網膜が引っ張られて、物がゆがんで見えているという説明だった。
ほおておいてもなおらないし、進行すると黄斑円孔(穴が開く)になって視力が低下する、とのこと。手術の予約をした。
といっても、かなり日にちがある。
だんだん見え方が変になってきて、横方向は波打っているし縦も曲がっているし、
エクセルを開いたら、マス目がぐにゃぐにゃになっていて気持ちが悪い。
毎日仕事で使うものだから気分が悪いことこの上ない。

GW前に入院して手術を受けた。幸い、黄斑円孔まではなっていなかったので、簡単な手術で済んだ。(黄斑円孔だとガスを入れて何日かうつぶせで過ごさないといけないそうで)。
元に戻るかどうかは何とも言えないけど、少なくとも進行はしないという話だった。何かしらサルコイドーシスで炎症(ブドウ膜炎とか)が過去にあって、その名残ではないか、今は炎症はないようなので、心配ないという。
術後経過はよく、確かによく見えるけど相変わらず波打っている。
こんな感じ。jpg340.jpg

パット見では、箸も曲がっているし、ボールペンも曲がっているし、ホントコレ大丈夫?と確かめたくなる。

そのうち、曲がっているだけでなくて、見たいところのど真ん中やや左が、文字が潰れて読めないことに気付いた。一番困るのは、楽譜を見るときだった。
音符に、♯(シャープ)や♮(ナチュラル)や♭(フラット)が左にくっついているのは、皆さんご存じと思います。これが判別できない!
水平線が上下にぶれて、ちょうど5線紙の一行分ぐらい上下にずれて見えるので(いちおう五線も一緒に上がり下がりはしますが)、何気に見ているとE とCを読み間違う。F とDも間違える。
こういうのは最悪。
jpg341.jpg
落ち着いて何度も読めばわかるけど、初見でサーっと演奏するときはすごく困る。
たいていA4で渡される楽譜をB4に拡大して、多少は見やすくなった。
とにかく譜読みして、なるたけ暗譜していけば本番は何とかなるでしょう。


生物学的製剤 [2021年12月10日(Fri)]
まだサルコイドーシスの治療はステロイドが主流です。
生物学的製剤のレミケードと免疫調節作用のあるMTXを使う治療は一般的にはリウマチの治療として知られています。
内容は関節リウマチの場合と同じ。

週1回のMTX内服
朝夕と次の朝に飲む方法もありますが、私の担当医は初日朝1回全部飲むようにすると副作用が少ないと言っています。
最初の頃は16mg、最大量でじた。今は減って8mgでず。

4週1回のレミケード点滴。
これを組み合わせています。

ステロイドは当初の30mgからゆっくり減量して、まさに10年かけて3mg 
来年は中止できるかもしれません。

レミケードが始まってからは、急にひどい麻痺が出ることはなくなりました。
時に力が入らない日が数日続いても、余りひどくならないで治ります。
医療用麻薬を減量中です [2021年12月10日(Fri)]
神経サルコイドーシスを発病してから10年以上経ちました
手足のしびれと締め付けるような痛み、触ったら電撃が走る知覚異常等々で日常生活もままならない状況でしたが、ペインクリニックで医療用麻薬を治験の段階から使い始めたところ、麻痺があって不自由なのはそのままとはいえ車椅子や自助具を駆使して日常生活を取り戻し社会復帰も果たしました。
運動機能障害は、テクノロジーで解決できる。
バリアはなくせる。

痛みが最大のバリアだった。

ステロイドだけだった時は、何度も急性増悪を繰り返しました。
昨日まで動かせていたのに朝起きたら指が動かないとか。

ステロイドパルス療法は効くので、徐々に回復しますが、行ったり来たりという感じ。

MTXとレミケードを使うようになってからは、増悪することなく、痛みも持続時間が短くなり、知覚過敏が正常化し、自発痛の出る頻度も減って来ました。

麻薬の減量、まずは飲み薬のオピオイド。
トラムセットを1日4回から3回、2回、頓服と減らしました。
無理に減らすのでなく、本当にいたいときは次の薬を飲むタイミングが 待ち遠しいものが、痛みが軽くなると飲み忘れます。昼に飲まなかったな、とか。
多少痛みがあってもそこはスキップして、次の日は昼飲まないで様子見る。

体調の変化でやっぱり辛ければ再開。
元の量に戻ったりする時期もあったけど、辛くなく減量できます。

次はデュロテップパッチです。
3日製剤なのですが、1日1枚づつ張り替えて、常に3枚貼ってある状態です。

貼る、貼る、貼らない。
この周期で、3日に2枚にするか。

貼った時間の36時間後に次を貼って、72時間経過したのを随時剥がす。これも3日で2枚。

すごく忙しかったときに貼り忘れて、痛みが出る前に退薬症状が出て仕事どころではなく困ったことがありましたので、注意が必要です。

後者のやり方なので、時々36時間を過ぎて48時間以上たってしまったことも。
夜、疲れてそのまま寝てしまった。風呂には行ったあと張り替えしなければならなかったのに。
朝寝坊して、慌てて出勤、その時点で退薬症状が出かけて慌ててロッカールームに駆け込んで貼ると同時にトラマール25mgを2錠飲みました。

退薬症状は、まず、予感があります。
何か変、そわそわ落ち着かない感じ。

次に、手のひらと腰の辺りの異常感覚。
皮膚の下、皮下脂肪のあるところから剥ぎ取ってかきむしりたくなるような、やり場のない不快感覚
手のひらを爪などでガリガリ掻いてまぎらわします。腰の辺りはじっと座っていられない、寝てもいられない。体を揺すり続けないと耐えられないものです。

そして、鼻水と涙。
下痢腹痛。
ここまで来る前に、対応が早ければトラムセットまたはトラマールで、消えます。
予感の段階なら、トラマール1錠でも治まります

減量は担当医師の指導に従って、計画的にやっています。
勝手に減量しているわけではありません。

個人差があると思いますので、あくまでも参考と思ってください。

デュロテップパッチの規格は2..1です。一番小さい規格。
何で大きいのを3日ごとにしなかったかというと、当時は血中濃度の上がり下がりに反応して、張り替え日に退薬症状が出てしまったから。1日製剤も同じ理由で毎日が苦痛でした。小さい3日製剤のローテーションになったのは、こんな理由でした。
貼り薬は時間過ぎても急な変動はないとされます。最高血中濃度から下がってくるのに身体が反応していたのでしょうか。
理論上は有効濃度が保たれているのに、退薬症状がなんてあり得ないと思われるでしょうけれど、他に説明のしようがありません。
サルコイドーシスと生物学的製剤 [2021年01月17日(Sun)]
多くの自己免疫疾患と同様に、サルコイドーシスに対しても状態によっては免疫抑制の治療が行われます。制度上、効果効能として収載されている(サルコイドーシスで保険適応になっている)薬品は限定的です。近年、MTX(メソトレキサート、メトレート、リウマトレックス)や、インフリキシマブ(レミケード)の有効性が報告されています。
実際にこれらを使ってみて、どうだったか。個人の小経験を記します。

発症してから、一番状態の悪いときは移動は基本的に車椅子、移乗(トランスファー)がギリギリ自立くらいでした。多少左足は使えるので車の運転を左アクセル・ブレーキでやっていました。車椅子はスロープ付き車両なので後部に積み込んでいました(この積み下ろし、スロープやハッチバックの操作が一人では困難でした。)。症状が不安定で、りはびりをして少し筋力が回復したかと思うと急に一肢の脱力が来て振出しに戻ることの繰り返し。長下肢装具も健側の筋力が落ちてしまい、重くて使いこなせなくなりました。上肢も筋力が徐々に階段状に落ちてきて、屋外を通常の車椅子で自走するのは大変で、電動アシストを使っていました。字を書くと一ページで力尽きていました。

約3年間、MTXとレミケードを最大量使って、四肢の筋力が急に落ちることはなくなり、少しずつ回復し伝い歩き~2本杖歩行まで、屋内は歩けるようになりました。車の乗り降りは楽にできるようになりました。積み下ろしは自立です。
屋外の移動では安全性を考えて電動アシスト車椅子を使っています。

ついつい欲が出てもっと歩けるようにトレーニングしたほうがよいのかと思うときもあります。一方で通常の仕事場面で多少なりとも歩くと一日の終わりごろには足が進まなくなっていますし、週の後半になると気合を入れないとデスクからトイレまで行くのがしんどいことも多々あります。靴は昨年、シューフィッターの煮る専門店で歩行アシスト機能の付いたアシックスの製品に足底坂を入れてもらいました。この靴だと曲がりなりにも「歩く」ことができます。

一番良かったのはステロイドが減量できたことです。急性増悪した時はパルス療法で1000r、その後は飲み薬で20r。長らくそんな状態でしたが、徐々に、それこそ1r単位で減らして、やっと昨年末に一日5rまでたどり着きました。

次に、痛みとしびれが楽になってきたこと。リリカが不要になりました。リボトリールもいらなくなりました。今はセレコキシブと、トラムセットと、デュロテップパッチ(医療用麻薬)の組み合わせで済んでいます。デュロテップは管理が面倒なので、(入院したりすると預けなければならない、海外旅行に行くには届け出が必要、薬が切れると危険なので常に予備を携行しなければならない、など)いずれやめられたら良いなとは思います。

感染症はどうしても年に一回ぐらい起こしてしまいます。あまり特異的な症状が出なくて、たいていは発熱・悪寒のほかは体中が痛い・倦怠感が強いなどでした。(あまりしんどいときは冷蔵庫に入っているスポーツ飲料をとりに行くこともできないので、常温で未開封のものを枕元に備えるようにしました。)

まあ、何とか切り抜けてこられたのは担当医、職場の同僚の皆さん、そして家族のお陰です。コロナウイルスとどう向き合っていくのか、感染したらどうなるのか不安はあります。とりあえず、過去よりも今が一番よい状態なので、恐れず、自分をキープしていきたいです。

タリージェ [2021年01月17日(Sun)]
神経障害性疼痛の治療薬で一番大きなシェアを占めるのが、プレガバリン(商品名リリカ)です。
一条が25rと75rの二つの企画があります。能書によると最初は75rくらいから始めるようにとされています。
有名な副作用は、眠気とふらつきです。個人差が激しくて、高齢者では一日従ねている、フワフワして歩けない・簡単に転んでしまうなど、日常生活レベルが下がってしまうこともあります。
高齢者でなくでも強烈な眠気、というよりむしろ「寝落ち」してしまってヤバい、という人もいます。わたくしも最大で一日300rを内服していました。(体格は小柄です)
眠気を自覚すれば用心できるのですが、さっきまで何ともなかったのに、前触れなく意識が急に飛んでいたというのは危険な現象です。私は、エレベーターを待っていて寝落ちして、乗り過ごしたことがあります。

そんなわけで、眠気が少ないとされる新薬、ミロガバリン(タリージェ)が登場しました。
発売直後から切り替えていただきました。
確かに、起きている間はリリカほどの眠さはありません。しかし、昼休憩で仮眠のときなど一瞬で寝てしまう上に寝過ごしてしまったことがありました。また、注意散漫?で業務中に見落としの頻度が結構あり、これらは薬を注視してからは改善しました。
夜寝るときは寝つきが良い、布団をかける間もなく寝てしまうぐらい。この辺はありがたかったです。
慢性の痛みをコントロールしながら、業務に支障ないくらい頭がすっきりした状態をキープするような理想的な薬はまだまだ、現れませんね。
上記はあくまでも個人の感想です。
仕事が手につかないほどつらい痛みではなくなったので、今は中止しています。
油断禁物。オピオイド離脱症状の恐怖 [2020年06月10日(Wed)]
慢性疼痛で長いこと医療用麻薬製剤【以下オピオイド)を使ってきました。
身体依存ができているのはわかっています。幸い痛みのほうはコントロールができてフルタイムで仕事もできています。
さて、毎日オピオイドの張り薬を貼り換えなければならないのですが、
私の場合は血中濃度の変化で退薬症状が出やすいため3日製剤のデュロテップパッチを
一日ずつずらして3日で2.1mgを計3枚貼っています。

退薬症状の軽いのは鼻水・涙、下痢、ひどくなると体の表面近くに異常な感覚・不快感が手のひらや腰のあたりに出て、何かにこすりつけていないと居ても立ってもいられない状態になります。
じっと寝ていられない。座ってもいられない。静止不能。アカシジアというやつです。
嫌な感覚がたまらず、叫んで転げまわりたいような状態。

で、毎日の日課で貼り忘れないように気を付けているのですが何かの拍子に一枚剥がれ落ちていたらしく、多分それが24時間以上経過したのだと思います。
キターッツ!
レスキューにはモルヒネが早いのですが今は持っていないので、
代用にトラマール(25)をとりあえず1錠、足りません。追加で2錠。
乱用ではありません。
ペインクリニックの先生の指示で、原則、私の場合はトラマール(25)2Tをレスキューにしています。
もちろんデュロテップは貼りました。
こいつが立ち上がるまで24時間しのがなくてはなりません。
ほぼ一睡もできずに明け方何とか落ち着きました。

かゆくならないので腕に貼っています。半そでだとこすれることも多くなります。気を付けよう。
難病あるある漫画を描いてみた [2020年06月10日(Wed)]
サルコイドーシスに限定せずいろいろな難病の友達がいます。障がいゆえに、フツーの人ではありえないような「困った話」を聞きます。不謹慎と思われるかもしれませんがこれがリアルなんです。
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ステロイドの有名な副作用、ムーンフェイス。一見丸々として元気そうに見えるので、免疫力が低下していて感染症にかかりやすいなんて信じてもらえない。

白内障もステロイドの副作用でおこります。手術して眼内レンズを入れると遠くは良く見えるのに知覚は見えにくくなります。とかく人は見せようとして近づけてくれるのですが、これが大迷惑。離してちょうだいっ。
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リウマチは手足の関節だけでなく顎の関節も悪くなります。大きな口が開かないので、食べ物を細かく切って口に入れます。お寿司にパクっとかぶりつきたい気持ちはやまやまですが。厚切りトースト、具だくさんのサンドイッチ、ハンバーガー、おいしく食べられないものがいっぱいあります。
朝のうちは動けませんが、時間がたつと動けるようになります。病院に行けるのは調子が良くなった時。悪い時はそもそも病院に行くことができません。いい時しか人には見られていない。
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パーキンソン病は、目印のないだだっ広いところは歩きにくいんです。平地で一見バリアフリーのところよりも階段のほうが歩きやすい。健康な人には信じてもらえないです。
症状の変動があって、さっきまで動けていたのに急に動けなくなることがあります。やれるときにはバリバリ何でもこなせるから、周りの人はふざけているんじゃないかと思ってしまうこともあるとか。
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フェイスマスク型の人工呼吸器です。息をしていない時間がしばらく続くと強制的に空気を送り込む仕組みになっています。夢中で何か食べていて息を止めているといきなり空気を吸わせようと押し込んできます。

お尻の筋肉が減ってくるとトイレの便座の穴が大きく感じます。座り損ねてちょっと斜めに入ると、はまってしまい、脱出不能!どんぐりコロコロ…
山口県難病講演会・交流会報告 [2019年11月18日(Mon)]
難病交流会報告書

令和元年11月17日
サルコイドーシス友の会 理事 渡邉利絵

名称:山口県難病講演会・交流会「サルコイドーシス友の会」
開催日時:令和元年11月17日(日)13時30分から16時
会場:山口県健康づくりセンター第4会議室

参加人数 8名(患者6名・同伴家族2名)、県職員1名

居住地は山口市、長門市、宇部市、下関市など。
病歴は1年ほどから10年を超える人まで様々。他の指定難病を合併している方も複数ありました。
肺・心臓・眼・筋肉・神経・皮膚など発症部位もそれぞれ異なります。
ステロイド治療で病状が安定し現在は少量(プレドニン5mg)を使用中という方が多かった。

体験談や体力・筋力を維持するために心がけていることなどについて初対面にもかかわらず打ち解けた雰囲気で意見交換しました。

診断がなかなかつかないため治療も開始できず、病状が安定するまでに長期かかってしまったのは共通していた。
就労している世代では休業の長期化は深刻な問題だった。
ステロイドの副作用でムーンフェイス(満月用顔貌)になったのを見た同僚が、「だいぶ太って、元気そうじゃね」と声をかけてくれたのが複雑な心境だった。
内部疾患なので外観からは元気そうに見える。
心臓ペースメーカーが入っているのは見た目ではわからない。

災害時に備えて普段飲んでいる薬は備蓄するようにと指導されるが、現実には定期的な受診日に処方してもらえるのは次回までの日数分丁度の分量で、非常用にとっておく予備はない。
いったん取り分けて非常持ち出しに入れても次の診察日前には取り出して飲むので残らない。
こんな時に災害が起きたらどうしようもない。不安になる。
難病の治療薬、特にステロイドや甲状腺ホルモン剤は薬が切れると命にかかわるので、非常用の処方(例えば一週間分)を認めてもらいたい。

県の職員から指定難病の患者数について説明がありました。
平成31年3月31日現在、指定難病医療受給者証を交付されている患者は11711人。
県内のサルコイドーシス患者数は172人。軽症で医療受給者証の対象にならない人を含めると実際の患者はもっと多くなるはずです。
他の主な難病では SLE720人、強皮症466人、シェーグレン症候群167人、潰瘍性大腸炎1311人、パーキンソン病2328人など。

サルコイドーシス友の会の紹介。
全国組織で東日本支部と西日本支部に分かれます。会報の定期発行、ホームページに医療情報の掲載を行っています。医療講演会や交流会も開催されるが支部の拠点、東京又は京都になるので地方在住者は参加する機会がない。近くでは九州の会員が自主的な支部交流会を年に4回ほど福岡市(博多)で行っています。
入会は任意。(会報の最新号見本誌を配布)

世界希少・難治性疾患の日(rare disease day=RDD)の紹介。
毎年2月末に、世界各国全国各地で難病についての理解を広めようとする取り組みを行ってきました。山口県でも毎年、「難病者アート展」を開催しています。絵画や書・絵手紙、手工芸などあらゆる分野の作品を募集します。参加(出品・観覧とも)無料です。募集の詳細は山口県健康増進課にお知らせしますので、ご興味のある方はふるってご参加ください。

会場に来られるのは病状が落ち着いて比較的元気な人に限られてしまいます。本当に困っている人・苦しんでいる人はこの場所には来られない。そのことは忘れてはならないと思いました。

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