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2024年03月03日

素敵な時間

こんにちは。
本日でさぽらんての学生スタッフを終える藤原です。

最後のお別れブログを書くとき、何を書こう、とずっと考えていて、
だけどまさか本当にこの日が来るとは、と不思議な気持ちになっています。

人生はまさかの連続とよく言いますが、
私にとっての、人生のまさかの連続は、「まさか本当にこの日が来るなんて」の連続です。
いつか卒業し、山口から旅立つ日が来るとわかっていながらも、
普通に山口で生活をして、大学に行って、月に数回このさぽらんてでバイトをする、
という日々がずっと続くと思っていたような気がします。
だけど私は今、「まさか本当にここを去る日がくるなんて」の真っ只中にいます。

そんな今、何を書こうと考えて思い浮かぶのは、
さぽらんてと出会ったときのことです。

高校を卒業して、大学に入学し、一人暮らしをはじめました。
山に囲まれ、自転車で10分ほどの場所にスーパーがやっとあるその場所では、
刺激が少なく、思い描いていた大学生活とはちがっていました。
このころの私は、何か物足りないけどそれが何かわからず、
人生を揺るがすなにか特別なことでも起きないかと思うだけの
もやもやとした時間を過ごしていました。

この心のもやもやを、大学の先生に話したところ、
「ここは都会に比べればやっぱり刺激が少ない。
このまちでは自分から動かないと、何も動かない」というようなことを言われました。
そうか、と思い、研究室から家までの帰り道、心が少し弾んで清々しかったことを、今でも覚えています。
いつも何かを待っているばかりでいた私は、「自分から動かなきゃ」という言葉を考えるようになりました。

そんなときに、大学の授業でさぽらんてでのボランティアの募集がありました。
募集人数は1人。
どうなるかはわからないけど、これだと思い、飛び込んでみることにしました。

そこから、さぽらんてに通うことになりました。
でも、そんなにすぐには人生が変わる特別なことや劇的なことなんかはやっぱりなくて。
だけど5年経ち、さぽらんてと出会ってからの時間を過ごしてきた今、
あのとき、いつも何か物足りなかった私の心はすっかり満たされていて、
たくさんの大きなもの、大切なものを手にしています。

さぽらんてに来て、地域とかかわるようになり、
入学当初は予定していなかった、地域活性化や観光まちづくりに関する研究室に入りました。
そしてさらに、同じ研究室の院に進みました。
院での2年は、本当に大きく、私の人生を大きく動かし、
この先も私の真ん中にあり続けるものを形成することができました。

こういうことのすべてのはじまりが、さぽらんてでした。

何度戻れたとしても、その選択、間違ってないよ!と
あのときの自分に堂々と言ってあげたいと思います。

人生を劇的に変える、まさかの出来事なんてきっとなくて、
自分が選んできたもの、動いて手にしたものの積み重ねが、
自分や人生を大きく変えていくのだと思います。
このことを教えてくれたさぽらんてには、感謝の気持ちで溢れており、
今後も私の人生の大切なものとして残り続けることと思います。

もうひとつ、
6年前にこの山口にきたとき、
「ここを去るときになにかひとつ、ここに来てよかったと思えるものを見つけよう」
と決めました。
在学中、悩みや苦しさに直面したとき、
この答えになるものを私はちゃんと見つけられているのかなと不安になっていました。

しかし、見つけたものは、ひとつではなく、
数えきれないくらいの「ここに来てよかった」と毎日過ごしてきました。
それも、大学の先生、職員さん、院生仲間、さぽらんての方々という、
山口で出会った大好きで大切な人たちのおかげです。
本当に、ありがとうございました。

私は、大好きで大切な人たちがいる山口が大好きです。
うまれてはじめて、地域に愛着を持つという気持ちを知ることができました。
この先どこにいても、この経験と気持ちを知っていれば大丈夫な気がします。

最後に、さぽらんての方々、
いつもあたたかく、優しく、受け入れてくださって本当にありがとうございました。
さぽらんて勤務の日が毎回とても楽しみでした。
誰かのため、まちのためになることを一生懸命に考え、行動する姿を、
いつも尊敬しています。

私も、心からそうなれるよう、ひとつひとつのことに誠実に向き合っていきたいです。
この大切な数年間を忘れることなく、いつか立派な姿でお会いできるよう、
精一杯、頑張ります。

素敵な時間をありがとうございました。

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山口市市民活動支援センター さぽらんて
学生スタッフ  
藤原椋
posted by さぽらんてスタッフ at 14:33 | Comment(0) | (カテゴリなし)
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