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2015年06月29日

「NPO法人の会計実務」の研修にいってきました。

NPOに関する基礎知識を少しずつ増やしたいと思って研修に行かせていただきました。

ちなみに、学生時代に企業会計を学んでいたのと、会社員時代に経理をやっていたので、会計の基礎知識はそこそこあります。
ただし、ブランクがかなり長いです。

NPO法人事務局セミナー
NPO法人の会計実務→日常的な会計事務・仕分けや記帳方法
日時:6月26日(金)13:30〜16:30
会場:パルトピアやまぐち
講師:加藤彰子氏(NPO法人 岡山NPOセンター・NPO事務支援センター長)


1.NPO法人の会計

NPO法人に必須の情報開示。
所轄庁への提出義務があります。
「活動計算書」、「貸借対照表」、「財務諸表の注記」、「財産目録」の4点。
(県内のNPO法人の情報に関しては、山口県NPO法人データベース上で確認できます。)

以前の「収支計算書」が廃止され、「活動計算書」が新たに設けられました。
また、これも新設された「財務諸表の注記」が重要な書類になるとのこと。
活動計算書、貸借対照表で表すことができない活動の有益な情報を示すもの。
特に事業費の内訳把握が重要になるそうです。

企業会計と違い、損益計算書ではなく、活動計算書を作成。
ただし、基本的な考え方は似ています。
僕にもいけそうな気がします。


2.複式簿記を使おう

1つの取引を2つの面から見て記録するもの。
ちなみに、単式簿記とは、家計簿やおこづかい帳のようなもの。

貸借対照表…資産、負債、正味財産の3区分
活動計算書…費用、収益の2区分

企業会計で資本と言っていたものがNPO会計では正味財産と言うようです。


3.勘定科目に慣れよう

問題演習形式で適切だと思う勘定科目を答える練習をします。
ほぼ企業会計の知識でいけそうです。
ただ、NPO法人に特有の勘定科目があります。

例えば…

営利企業ではほぼ「売上高」だけが収益になるのに対し、
NPO法人では「事業収益」の他にも多様な資金調達原資である収益があります。

受取会費、受取寄附金、資産受贈益、受取助成金、受取補助金などです。

また、いかにもNPO法人的な損益…

無償または著しく低い価格での財やサービスの提供を受けた場合、
「施設等評価費用」、「施設等受入評価益」を、
ボランティアによる無償または著しく低い価格による役務の提供を受けた場合、
「ボランティア評価費用」、「ボランティア受入評価益」
を計上することができるとのことです。


4.現金出納帳に慣れよう
現金の収入、支出ベースで記帳します。
ここでは10取引を問題演習形式で実施しました。
事業が分かるように摘要に記入します。

これは楽勝なので問題なし!


5.仕訳に慣れよう

よく使う仕訳20パターンを問題演習形式で実施しました。
事業別損益を把握できるように計上することがポイントです。

企業会計の「期間損益計算」の考え方があてはまります。

…ちなみに、期間損益計算…
今日の企業会計は企業を半永久的に継続すると仮定します。その企業の全存続期間を一定の期間ごとに人為的に区切り、その一定の期間(会計期間)ごとに損益計算を行うこと。
中世ヨーロッパの、一航海ごとに儲けを計算してそれを山分けする、という考え方は事業の継続を前提としたものではない。後に永続的な事業を行うことを目的とした継続企業形態へ移行するのに伴って発達した考え方です。

「前払費用」、「前受収益」の振替処理。
1.取引があった時点で、来期に帰属する損益を「前払収益・費用」で計上してもいいし、2.決算整理事項で処理してもよいとのこと。
処理を忘れないためには前者がおすすめです。

講師に謝金を支払ったとき、税法上該当する場合は、源泉所得税率10.21%を「預り金」として計上すること。
どういう場合に該当するか、詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。

ボランティアスタッフに交通費として一人500円を3人に支払ったとき、
→「旅費交通費」だが、一律に払ったら謝金になることもありうるので注意が必要とのこと。
適切な金額の範囲内の金額かどうか(賃金なのか実費弁済なのか、賃金なら最低賃金を支払わなければいけない)ということを考慮しなければいけないそうです。

以上が今回の研修内容で僕が学んだことです。

なお、僕は現在「NPO法人会計基準」の本を読んでいる途中です。
企業会計との違いを意識しながら少しずつNPO法人について学んでいこうと思います。

なお、7月には「NPO法人の労務」を学びに行きます。
僕にとってほとんど知識ゼロの内容なので楽しみでもあります。

※7月2日(木)に一部加筆修正しました。
担当:高橋
posted by さぽらんてスタッフ at 10:33 | Comment(0) | スタッフのつぶやき
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