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2020年10月18日

わたしにできること

読書感想文の紹介です
平和のバトン〜広島の高校生たちが描いた8月6日の記憶.JPG
平和のバトン
〜広島の高校生たちが描いた8月6日の記憶〜
弓狩匡純  くもん出版

わたしにできること
奄美市立崎原中学校 二年 A・K

 「被爆者というだけで、結婚できんかっ
 た人も多かったし、子どもも原爆症にな
 りよるんじゃないかと思うて、被爆した
 ことをひたかくしにしとった人はようさ
 んおりんさった。」
 この言葉を聞いて、悲しく思わない人はい
ないのではないだろうか。悲しみと何も悪い
ことをしていない人々がこのような目になぜ
合わなければならなかったのかという戦争に
対する怒りのような感情が沸き上がってきた。
これは、広島の基町高校で行っている『次世
代と描く原爆の絵』というプロジェクトに参
加した宇都宮功さんの言葉だ。
 
 一九四五年八月六日八時十五分、広島市に
世界で初めて原子爆弾が落とされた。一瞬の
うちに約五十六万人の人々の尊い命が奪われ
た。三日後の八月九日には長崎県でも原子爆
弾が落とされた。

 被爆者の方々は、平和教育の一環として広
島平和記念館で来館者に自分が体験したこと
を語るというボランティア活動を行っている。
高齢になった今もずっとこの活動を行ってい
る。しかし、言葉だけで伝えることの難しさ
を感じ、「被爆者の方々が見た光景を、生徒
たちで絵にしてもらえないだろうか。と資料
館から基町高校に依頼をした。そうして二〇
〇七年に始まったのが『次世代と描く原爆の
絵プロジェクト』だ。

 宇都宮功さんも孫の未来さんと一緒にこの
プロジェクトに参加した。未来さんが小さい
頃に原爆のことを尋ねてみると「あまり話し
たくない。」と言っていた。しかし、数年前か
ら「時が経つと平和の大切さがわからんもん
が増えてきよった。こりゃあいけん。戦争の
恐ろしさ、ひどさを知っとるわしらが伝えて
いかんといけん」と思うようになったそうだ。
 そして二〇一五年、約三年の時間をかけて
ようやく二人の作品「脳裏から離れないあの
子の眼」が完成した。

 昨年、私は修学旅行で長崎を訪れた。その
とき、被爆者の方の講和を伺った。その講話
の中で一番印象に残ったのは「戦争は人の心
の中で生まれます。」という言葉だった。
戦争は国同士の争い。人間の一対一のけんか
と同じで、意見が違うことで起こる。この講
話を聞くまでは違う理由があって戦争が起こ
ると思っていたが、けんかと同じだという考
えを聞き、今までよりも「戦争」というもの
が他人事ではないのだと感じるようになった。
私は長崎での講話を通して「戦争」というも
のをそれまでよりも知ることができた。
これからは私も被爆者の方から語り継がれた
「戦争」や「原爆」の悲惨さや恐ろしさを伝
えていかなければならないと平和記念公園を
後にしたバスの中で決意したことを思い出す。

 『次世代と描く原爆プロジェクト』に参加
した基町高校の生徒たちも地元の広島で起こ
った悲劇を二度と繰り返さないために、そし
て、ずっと平和な未来を作っていくためにこ
のプロジェクトに参加したのだと思う。
 言葉で戦争を語る、言葉だけでは語り切れ
ないことを絵で表す、その両方には共通した
平和への想いがある。大切なことは自分でで
きることを考え実行していくことなのではな
いだろうか。私はこの本を読み終えた今、自
分にできることを考えてみた。
 私にできることは、言葉を大切にすること
なのではないかと考えている。

私は現在、小中併設校に通っている。祖父
の出身地で、校区のほとんどの方は祖父を知
っている。そのため、地域の方とお会いする
とあいさつ代わりのように「純則の孫」と言
われていた。そのころの私はそう言われると
なんだか恥ずかしく、どう返事をしていいか
わからずにいたこともあった。
しかし約三ケ月前、そんな私を変えてくれる
言葉と出会った。
 今年の四月、祖父の命日に家族で思い出話
をしていた。私が生まれたときに大喜びでシ
ャンパンを開けたこと、短気で怒りっぽかっ
たこと、病気になったときのことなどを、泣
いたり笑ったりしながらみんなで話していた。
その時に祖母がこう言ったのだ。
「こうやって私たちが話をしているうちは、
 おじいちゃんはずっと生きているんだよね。」
はっとした。「そうだ。私たちのなかに祖父は
まだいきているのだ」と。「心の中で生きてい
る」と本やドラマの中でよく聞くこの言葉の
意味がはっきりとわっかた気がした。
「純則の孫」と言われることが恥ずかしさから
うれしさへ変わった瞬間だった。

 言葉には力がある。相手を想う言葉をみんな
が選ぶことができれば、争いもなくなるのでは
ないだろうか。今年は終戦七十五年だった。
これから先、終戦八十年、百年とこの数字がず
っと増えていってほしい。二度と戦争という悲
劇を繰り返さないように。

第56回大島地区読書感想文コンクール 
中学2年生の部 特選 作品


(^^♪)
本のメッセージから、修学旅行で学んだ
「戦争は人の心の中で生まれます。」という言葉
につないで、自分自身の考えを確認することが
素晴らしいですね。
言葉には力がある…これは、とても大切ですね。
力があるからこそ、私たちみんなが、相手のこ
とを考え、思いを巡らせ、しっかり言葉を伝え
ていきたいですね。

本人の了承を得て、イニシャル表記にし、
ブログ用に横書に変更しています。
すばらしい3.JPG

posted by 長ア at 18:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 児童生徒作品紹介

今日は、日曜日。終日雨予報ですが…。

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サシバさんの狩りは続いています。
posted by 長ア at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 自然