
財団法人日本老人福祉財団の理事長に就任して4回目の新年を向かえました。
この間、〈ゆうゆうの里〉のサービス向上のためさまざまな取り組みを提起してきました。問題は山積し、解決すべき事柄はあまたありましたが、理念を掲げる経営をさらに前進することが重要と考えました。幸い、「老後の安心と幸せを提供すること」「職員を大切にすること」と2つの基本理念を掲げ続けていましたし、職員が考えたケアスピリット「あなたは私にとってとても大切な人です」という行動指針も明らかになっていました。
そこで、事故ゼロ運動・職員研究活動の推進等の積極的に展開することによって、組織全体が活性化し、職員が自信を持って働くことができるのではないかと考えました。
組織文化(風土)を高める「梃子」としての具体的活動の推進に心を砕いてきたといえます。
「事故ゼロ運動」は、事故件数が徐々に減少する一方「ヒヤリハット報告」が増え、事故防止・事故対策が早期に実施できるようになりつつあります。
研究活動も定着し、すべての部門で現場発想の研究が実施されるようになってきました。
研究活動の成果をブックレット「実践シリーズbP食べる楽しみをいつまでも」として発刊することもできたことは、本当にうれしいことでした。
今後もこうした取り組みを通じて、職員一人ひとりが力量を高め、利用者の皆さんにいっそうの満足を感じていただけるよう、絶え間なく努力していきたいと思います。
「職員を大切にする」とは「言うは易く行うは難し」ですが、国の「介護職員処遇改善交付金」を受けて、交付金にほぼ同額の財団負担を加えて、介護職員手当や資格手当を新設することができました。少しでも職員の働きに報いるようにしたつもりです。新たに障碍をもった職員を迎えることもできました。
政治も経済も、先行きが見えにくい時代です。事業運営にも困難が立ちはだかることもあることでしょう。しかし、基本理念、サービス(ケア)スピリットに基づき、利用者一人ひとりの傍らにいる姿勢を忘れずに歩んでいけば、どんな苦しい道でも前へ進んで行けるものと信じます。
私も懸命に歩んで行きたいと思います。
日本社会事業大学専門職大学院教授として昨年も講義・ゼミに取り組みましたが、福祉法人経営者への講演をまとめ、ブックレット「社会福祉法人の経営改革」(社会保険研究所)から出版することができました。
昨年NPO学会にシンポジストとして招聘されたことをきっかけに、幅広い広義のNPO(非営利団体)の方がたと交流が深まりました。「日本サードセクター経営者協会(JACEVO)」の共同代表理事という役割も加わりました。
私が福祉の途を志した40年以上前と比べ、サービスの量は圧倒的に増えましたが、供給側の混迷は深まっている一面もあります。「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言」という二宮尊徳の言葉を今こそ噛みしめる必要がありそうです。
皆様にとっても、今年が良い年になるよう祈ります。