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福島龍三郎の「りゅうさぶろぐ」

ふくしまりゅうさぶろうの想い。あれこれ。りゅうさぶろぐ。


インフルエンザ [2025年01月13日(Mon)]
今年の年末年始はインフルエンザに終わってインフルエンザに始まった。

中軽度の方たちのグループホームで、年末に立て続けにインフルエンザへの感染者が出て、大晦日にやっと全員の療養期間が終わったと思ったら、年始早々に新しく感染者が出た。

年始はどの医療機関も検査に来た人たちでごった返していて、県がインフルエンザ警報を出している状況を実感。
今年のインフルエンザは感染力が強いと言われているが、ここまで急速に広がるとは。

今は生活介護と重度の方たちのグループホームで広がっている。

事業所の中でインフルエンザが発生したら必要な対策をするが、決まったことを決まった通りにやるしかない。
コロナを経験してだいぶ慣れているので、あまり焦らなくもなった。

それでも、感染した利用者の方たちの様子を見たり、感染したスタッフの話を聞くと、かなりきつそうなので心配になる。

感染症が発生したときに一番気をつけることは重症化への対応。

もちろん重症化したら私たちではどうしようもないので、しっかり様子を観察しながら必要に応じて医療機関につなぐ備えをしておくこと。

その上で、他の利用者の方たちやスタッフに感染が広がらないようにする。

日中系や訪問系であれば閉所や中止をして、できるだけ感染経路を作らない。
ご本人やご家族、グループホームなどには負担をかけてしまうが、感染を広げない対応を優先させてもらわざるをえない。

事業所として大変なのはやっぱりグループホーム。

グループホームでの対応は、できるだけゾーニングをする、マスク・手袋(必要に応じでエプロンやヘッドキャップなど)の着用、1ケア1消毒の徹底、定期的な換気する、などの基本的な対応をやっていく。

重度の方たちの中には、なかなか部屋に留まってくれなかったり、マスクを着用できない方がいるので、基本的な対応の難しさもあるが…。

このような基本的な対応を感染者の療養期間が終わり収束するまで続けるしかないが、大変なのはスタッフに感染が広がったとき。

支援に入ることができるスタッフが限られてくると、そのスタッフたちに負担が集中してしまう。
支援に入る回数が増えるだけでなく、長引くと気持ち的にもしんどさが増していく。

実際の支援に入るのは普段から支援しているグループホームのスタッフが中心になると思うが、補助的な支援、周辺業務などは他のスタッフにもできることがあり、感染対策中はやらなくてもいい業務などを上司がBCPを踏まえて整理し判断するサポートも必要だ。

そして、感染者が出ている中で頑張っているスタッフたちのことを気がけて、声かけやねぎらいをすることもスタッフたちを孤立させないために大切なこと。

インフルエンザやコロナなどはいつどこで感染するか分からないし、自分が気づかないうちに感染していることも多いので、誰が悪いわけでもない。

事業所で感染が出た時には、お互いさまの気持ちで協力し合いながら乗り切るしかない。

今は生活介護とグループホームの感染が早く収束することを願うばかりだ。


Posted by 龍三郎 at 13:17 | はる | この記事のURL | コメント(0) |
2024年を振り返って [2024年12月31日(Tue)]
今年も残すところあと僅かになりました。

この年末は、はるのグループホームでインフルエンザが広がったこともあり、その対応に追われてバタバタしていました。
最後に感染された方の療養期間が今日で終わります。
皆さんが無事に元気になってくれて本当によかったです。
対応に協力してくれたスタッフの皆さんに感謝です。


2024年を振り返ると、これまでの取り組みが一歩二歩進んできた1年だったと思います。


はるでは今年度から新しい中期計画に基づいて法人の取り組みを進めています。
3年間の中期計画のキーワードは“「一人ひとりのしあわせ」を実現し続けていくために組織の力を高め、健全性を高める”です。

「一人ひとりのしあわせ」は利用者の皆さんやスタッフの皆さん一人ひとりの幸せです。
そのための法人としての基盤をしっかりしていくことを目指しています。

今年度の取り組みとして、
➀はるの将来像をまとめて共有する
A健全な収支状況へ近づける
B老朽化した施設や設備をリニューアルする
に取り組んできました。

➀は主に管理職でワークショップを重ねて、だいぶ将来像のイメージができてきました。
ワークショップでは、「利用者の皆さんを丁寧に支えていきたい」という思いがどの管理職も同じだったことがうれしかったのですが、その思いを中心にこれからのはるの取り組みを考えました。

「利用者の皆さんを丁寧に支えていく」ことを実直に続けていくことで、はるの財産や強みにもなっていくと思います。

Aは4月の報酬改定でこれまでの取り組みが評価されたことでまず改善されました。
これまでの苦労が評価されたことは素直にうれしかったし、それを踏まえてスタッフの皆さんの処遇改善を佐賀県の平均以上に実施できたことが何よりでした。

今はスタッフの皆さんの努力で新しい利用者の皆さんたちを受け入れてくれています。

いい支援をすることでスタッフの皆さんの処遇があがる、そんな好循環を作っていくことができればと思います。

Bでの大きな取り組みはGHはなはな・きらきら・あいあいの移転に向けた準備です。
中軽度の方たちが長年住まれているグループホームも老朽化が進んでいて、その移転先を検討していましたが、新しく建てて移転をすることにしました。

そのための場所の選定や設計、資金繰りなどに取り組んできて、来年7月に移転するという目途を付けることができました。
まだまだ完成・移転まで気を抜けないのでしっかり進めていきたいと思います。

ホームページのリニューアルも長らくの課題でしたが、まずは今のホームページの応急手当をして、あらためてフルリニューアルすることになりました。

フルリニューアルに当たって、あたらめて「はるらしさ」を出せればと思っていますので、ぜひ楽しみにしていてください。

他にも今年の取り組みを振り返ると、
初めて社会福祉士の実習を受け入れて実習生にうれしい言葉をもらったり、
富士町にある保育園跡「アクト富士」でNPO法人元気・勇気・活気の会さんと一緒に竹林再生のためのメンマの商品化に取り組んだり、
haruiroやたこ焼きの販売に取り組んだり、
スタッフの頑張りでいろいろなことに取り組むことができました。


「佐賀中部障がい者ふくしネット」では今年も充実した活動ができました。

今年は指定管理を受けている佐賀市営駐輪場の更新でしたが、あらためてこれから5年間の指定管理を受けることができました。

これも、普段から市民の皆さんが快適に駐輪場を利用できるように運営をしてきたことや、働いてくれている障害のある方や様々な事情のある方たち、受付業務を担ってくれている方たちの頑張りと、担当スタッフのしっかりとしたサポートがあってのことだと思います。

また、今年も佐賀市、小城市にある事業所商品の販路拡大や共同受注はかなりの件数を実施しています。
ますます重要性が増している農福連携も取り組む事業所や農家さんが増えてきました。

ふくしネットは中間支援組織としてこれらをコーディネートしていますが、ただ紹介したりマッチングするだけでなく、コーディネーターが丁寧に準備やサポートをしているからこそ件数も伸びていると思います。

ふくしネットが大切にしている「つながり」の取り組みもしっかり実施できました。
職域別交流会や視察会、きらめきフェスタ、研修会・情報交換会など、加盟団体の皆さんがつながる機会を作って、それぞれのスタッフの皆さんに交流してもらうことができました。

これからも一法人や一事業所のがんばりだけでなく、みんなでつながりながら佐賀の障害福祉を盛り上げていきたいと思います。
そして、これから佐賀市・小城市で「いい福祉」が続いていくための人材育成にも取り組んでいくことができればと思っています。


強度行動障害支援に関しては、今年も強度行動障害支援者養成研修や佐賀県フォローアップ研修に取り組みました。

強行研修は「関係機関との連携」の講師として初めて学校の先生に登壇していただいたり、新しくファシリ仲間が増えたり、年を重ねるごとに充実しています。

フォローアップ研修ではとても頼りになる講師やファシリの皆さんと充実した研修ができています。
教育・医療・福祉が協力して取り組む全国でも例を見ない研修は、これから地域で強度行動障害のある方たちを支える体制を作っていくときに、きっと大きな力になると思います。

国レベルでは肥前精神医療センターさんが中心となって医療従事者向けの研修が実現しようとしています。
これが実現したら本当にすごいことだと思います。

そして、国立のぞみの園が実施している中核的人材養成研修にはチーム佐賀の中心的なメンバーが参加して今後の地方開催のために学んでくれています。

強度行動障害のある方たちへの取り組みは一つひとつ進んでいますが、これから更に佐賀県の地域支援体制づくりをしっかり進めていくために「一般社団法人佐賀県強度行動障害支援推進協議会」を設立しました。

協議会では強度行動障害支援についての普及啓発、政策提言、人材育成などに取り組んでいく予定です。
強度行動障害のある方やご家族、支援者の皆さんの安心やいきいきのために、チーム佐賀の皆さんとこれからも一緒に取り組んでいきたいと思っています。


個人的には、サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者研修指導者研修の意思決定支援コースと基礎研修に関わらせてもらうことになりました。
意思決定支援コースは昨年度から関わっていますが、とても大切な内容だと思います。

また、いくつかの国の研究事業にも参加させてもらっています。

自分は障害のある方たちや福祉の仕事が好きなので、障害のある方たちの暮らしや福祉が良くなっていくために自分が役に立てることはできるだけやっていきたいと思っています。


今年もたくさんの方たちにお世話になりました。
本当にありがとうございました。

どうぞ良い新年をお迎えください。
来年もよろしくお願いします。

Posted by 龍三郎 at 22:19 | はる | この記事のURL | コメント(0) |
焼き肉屋で [2024年12月22日(Sun)]
久しぶりに焼き肉屋に行った。
美味しいお肉とビールが最高だった。

自分たちが席について注文をしていると、近くに大家族の皆さんが入ってきて。
その中にダウン症の男性がいることがすぐに目に入った。

お父さんとお母さん、お兄ちゃんたちに、おじいちゃんおばあちゃんの大家族。
そんな家族の焼き肉会で、リラックスして自然に過ごしているその男性の様子がとても良くて。

お兄ちゃんたちも自然で、その男性を大切にしていることがすぐに伝わってきた。

その店は生ビールをつぐのもセルフの楽しいシステムだったので、楽しい気持ちで何杯目かわからないビールをつぎに行ったときに、思いがけずそのご家族のお父さんが私に声をかけてくれた。

そのお父さんは前にお世話になっていた方だった。
とても熱心で親身で話しやすかったお人柄を思い出し、そのご家族の雰囲気に納得した。

家族で焼き肉屋に来て自然に焼き肉を楽しんでいる様子を見て、家族はやっぱりいいなぁと思った。

こういう姿がどんな人にもあるといいなぁ。


感激したこと [2024年12月16日(Mon)]
最近、とても感激したことがある。

はるの生活介護とグループホームを利用されているTさんが約7年ぶりに両親と会うことができたのだ。

Tさんは重度の知的障害と自閉症がある青年だが、聴覚過敏が強く、なかなか集団で過ごすことが難しい。
特別支援学校の高等部では自宅を出るのがやっと昼すぎで、お母さんが何とか学校に連れてきても教室には入ることができず運動場や体育館で一人で過ごすことが多かった。

Tさんには小学生ぐらいから関わらせてもらっているが、当時は放課後等デイサービスなどの児童系のサービスもなく、はるを立ち上げたときから作業所で使っていた古い一軒家で、放課後や土日に独自のサービスで自分やスタッフが一緒に過ごしたりしていた。

当時はTさんを支えるご両親、特にお母さんは、使えるサービスがないこともあり、かなり疲弊されていた。

忘れならない記憶がある。

Tさんの支援会議が開催された時に、日頃の大変さを涙ながらに話されているお母さんの横に座っていたTさんの妹さんが、急に「仕方ないじゃない。これが我が家の運命だから。」と泣き出だされたのだ。

Tさんや家族を支えることができるサービスや機関がほとんどない中で、参加していた私たちはただ俯くしかなかった。

Tさんは特別支援学校を卒業すると同時にはるの生活介護を利用されるようになった。

しかし、聴覚過敏が強いことで他の利用者の方たちの声が気になり、スタッフも試行錯誤してくれたが、Tさんの苦しさのゆえに他害なども出るようになって生活介護のなかでは過ごすことはできなくなってしまった。

それから生活介護では個別支援をずっと続けているが、当時もご家族の大変さは相当なもので悩みは続いていた。

Tさんと同じように、私たちが関わってきた方たちのなかで、ご本人の状態がきびしくなって、ご本人もご家族もとても大変なところがあった。

何とかしなければと重度の方たちを受け入れるグループホームを作り、Tさんもそのグループホームに入居された。

Tさん自身は聴覚過敏に配慮した個室での生活で落ち着いて生活されるようになってほっとしたが、ご両親はそれからTさんに会うことをためらわれていた。

ご両親が会うとTさんがまた自宅に帰りたくなるかもしれないという気持ちもあったと思うが、お母さんが「(Tさんと会うと)泣いてしまうかもしれない」「(Tさんとは)一生会わないつもり」などと言われていたことを聞くと、ご両親もたくさんの葛藤があったのだと思う。

それからTさんとご両親が会うことなく入居から7年ほどが過ぎた。

そして最近、ご両親が「そろそろTに会おうと思う」と言われるようになった。
その話を聞いて自分もすごくうれしかった。

いきなりTさんとご両親で過ごすのではなく、まずは生活介護のスタッフが毎日連れて行っているドライブの行き先でご両親を会ってもらうことなった。

当日、ドライブのスケジュールにご両親の写真を入れていたが、スケジュールを見たTさんはしばらくジッとご両親の写真を見て動かれなかった。

そして、いよいよ再会の時。

ドライブ先で車から降りて過ごしているTさんのもとにお母さんが近づいてタッチをする。
お母さんが手を出すとTさんも自然に手が出て、手と手が合わさった。

Tさんは不思議そうな顔をしていて、お母さんはとてもいい笑顔だった。
そして、お父さんともタッチ。

この様子を見てとても感激した。
本当に良かったと思った。

Tさんがは、しぶりにご両親を会った3日後ぐらいにホームでシクシク泣かれていた。
Tさんはどんな気持ちで泣かれていたのだろう。

それからもう一度、スタッフと出かけているときにご両親が会いに来られて、これからTさんとご両親だけで週末などに時々Tさんとお出かけをされる予定になっている。

それからTさんが泣かれる様子はない。

親子の関係は私たち支援者では決して代わることはできない。
親子だからこそ、家族だからこそ、何にも代えられない大切なものがあると思う。

Tさんとご両親には(できれば妹さんにも)、是非これから家族の大切な時間を一緒に過ごしてほしい。



Posted by 龍三郎 at 00:00 | はる | この記事のURL | コメント(0) |
中核的人材養成研修の現場訪問 [2024年12月08日(Sun)]
毎月の月初めには社会福祉士取得のためのレポート締め切りがある。
2本のレポートを提出しなければいないのだが、これがなかなかのプレッシャー。

普段の仕事をしながらなのでなかなかゆっくりと時間も取れないし、週末や夕方の空いた時間に何とか書いている。

それでも、毎回の課題に対してテキストを読んだり考えをまとめたりするのはいい学びになっている。
今回のレポートのひとつは「児童・家庭福祉」だったが、子どもの権利のことなど聞いたことはあったが詳しく知らなかったので、あらためてテキストを読んで知ることができ、これもレポートのおかげだと思うことにしよう。

これでレポート提出14本目。
まだまだ先は長い・・・。


先週は国立のぞみの園が実施している中核的人材養成研修の現場訪問として、佐賀の受講者を担当してくれているトレーナーがお越しになった。

今年度は佐賀から中核的支援人材研修に2事業所が参加しているが、その2事業所を直接訪問して受講者にアドバイスしてもらうことが目的。

前日からお越しになったので、はるも見学していただきたくさん話をする時間もあった。
来たいただいたトレーナーの経験とスキルの高さもさることながら、雰囲気や話し方がとても柔らかくアドバイスが聞きやすい。
やはり支援のコンサルをする人は知識や技術だけでなく、コミュニケーション力などの対人スキルが大切なんだなぁとトレーナーのやり取りを見ながら実感。

そのトレーナーが「佐賀のメンバーは安心です。何もアドバイスはいらないぐらい。」と言ってくれていた。
トレーナーのコミュニケーション力の高さを差し引いても、「そうだそうだ」と自分は納得。
佐賀から参加しているサブトレーナーも受講者も佐賀の研修チームの中心。
佐賀には素晴らしい講師陣がいるのです。

トレーナーの訪問に同行しながら、現場でご本人や環境を見た上でのアドバイスはやはり有効な方法だと感じた。

佐賀のフォローアップ研修でも、今年は1回目の事例検討会が終わってすぐにアドバイザーの皆さんが現場を訪問してくれたが、皆さん行って良かったと言っていた。

はるでも毎月コンサルに来ていただいている方のおかげで、支援が充実したりスタッフの安心感になっている。

のぞみの園がやっている中核的人材研修も佐賀のフォローアップ研修も「事例検討+現地アドバイス」の組み立ては同じ。
研修コンテンツとしては地域でやる際にはフォローアップ研修ぐらいがちょうどいいように思うが・・・。


強度行動障害のある人たちへの支援環境は確実に進んでいる。

強度行動障害のある人たちを支えていくためには、自分の事業所や法人だけで抱え込むのではなく、地域としてサポートする体制をどう作っていくかが重要。

地域の支援体制を作っていくためには、まず地域にどのぐらい強度行動障害のある人たちがいて、どのような暮らしぶりをしているかを知り、どのような支援を作っていけばいいか明確することが基本。

佐賀県では令和3年度に実態調査が実施されたが、更に詳しい実態調査の実施も考えてもらっている。

佐賀の研修チームを中心に、地域の人材育成や支援体制作りを計画的におこなっていく団体を設立する準備も進めている。

一つひとつ。

強度行動障害のある人たちや家族が安心して暮らすことができる佐賀になることを目指して。
今年も「きらめきフェスタ」 [2024年11月17日(Sun)]
佐賀市のどんどんどんの森で「きらめきフェスタ」が開催された。

「きらめきフェスタ」は佐賀市・小城市の50事業所ぐらいが集まって組織している佐賀中部障がい者ふくしネット(以下、ふくしネット)が開催していて、今年で13回目になる。

「きらめきフェスタ」は障害のある人たちや障害福祉サービス事業所のことを市民の人たちに知ってもらうための啓発イベント。

佐賀市の中心部にあるどんどんどんの森で開催するようになって3年になるが、福祉関係者やご本人、ご家族だけでなく、市立図書館や公共施設を利用した人たちが「なんかイベントやってるみたい」と来てくれているようになってますますにぎわうようになった。

「きらめきフェスタ」のもう一つの面は、多くのお客さんが集まるので各事業所が自慢の商品やこの日に向けて準備した商品を出して売り上げをあげようと努力してくれること。

売り上げは利用者の皆さんの工賃になるし、利用者の皆さんの工賃が上がると事業所の収入も上がる報酬体系になっているので、参加する事業所の皆さんにとっていい販売の機会になるようにと主催者としても考える。

毎年この時期に開催しているが、秋の一番気候のいい時にも関わらず何故か「きらめきフェスタ」は雨に縁がある。

これまでも必ずと言っていいぐらい大小の雨に合ってきたが、今年も開始直後は小雨が降った。
でも、「きらめきフェスタ」はこれぐらいの雨はどんとこい。

今年の「きらめきフェスタ」も、事業所の皆さんの販売に加えてキッズダンスにともしびダンス、ご当地アイドルの愛純百葉さんのステージ、大道芸人のフーミンやご当地ヒーローのヤマシロンの登場に、ボッチャ協会やスペシャルオリンピックス、西九州大学の岡部ゼミの皆さんのワークショップなどの協力で、大盛況に大成功だった。


この「きらめきフェスタ」は参加する事業所から実行委員を出してもらって色々な役割を分担している。
加盟団体の中には出店はできないけど実行委員だけ出してくれている事業所もある。

具体的な準備はふくしネット事務局スタッフがとても頑張ってやってくれているが、加盟事業所が一緒になってイベントを実施していることを大切にしている。

このようなイベントは準備が大変だ。
事務局スタッフも実行委員を出してくれている事業所にも負担がかかる。

それにも関わらず、なんでこんな大きなイベントをやるのだろうと思うことがある。

啓発もそうだし、事業所の売り上げアップもそうだが、こういうイベントをやる意味にはもっと大切なことがあるような気がしている。

「きらめきフェスタ」だけではなく、このような長くやっているイベントや、もしかしたら地域の祭りなどもそうかもしれないが、大変だけど得ることができるもの、大変だけど築くことができるもの、そんなものがあると思う。

大げさに言うと、ずっと先に絆、伝統、それが積み重なると風土につながるような。

そんな大げさなことではないとしても、「きらめきフェスタ」は佐賀の障害福祉を頑張っている人たちが集まって作り上げているイベントなので、何かしらの(無形の)ものが築かれているように感じる。

大変だけどやる。
大変だけどやり続ける。

その大切さをもっと伝えたいと思うけど、うまく言葉に表せないのがもどかしい。

いずれにしても、今年の「きらめきフェスタ」も良かった。


はるに今の管理職のみんながいて心強いのと同じように、ふくしネットには今の理事の皆さんがいるので心強い。

ふくしネット理事の皆さんは自分の事業所を経営している人たちなので、事業をやる上での酸い甘いを知っているし、何かをやるときの押す引くを知っている。

ふくしネットは設立して23年ぐらいになるが、これまで一つの事業所ではできないことをみんなで取り組んでいくこと、事業所さん同士の「つながり」を大切にして事業を行ってきた。

これからも「つながり」を大切にしながら、佐賀の障害福祉が障害のある人たちにとって、そして働く職員の人たちにとっても、いい福祉であり続けられるような取り組みをやっていきたい。



研修会「生活介護事業所での支援の工夫」 [2024年11月10日(Sun)]
昨日、佐賀県西部発達障害者支援センター蒼空さんが企画された研修会「生活介護事業所における支援の工夫」が多久市の「あいぱれっと」で開催された。

蒼空さんは毎年この研修を開催されているが、それまで生活介護事業所だけを対象とした研修がなかったので、とても貴重な研修会になっている。

生活介護事業は重度の障害がある方たちの通所サービスになるが、重度の障害がある方たちを支援するからこその難しさがある。

障害福祉全体を考えても、重度の障害のある方たち、特に行動上にいろいろな課題がある方たちを支えている事業所はまだまだ少ない。

一部の熱心に取り組んでくれている事業所や、これまでずっとそのような方たちを支えてくれている施設や病院が支えてくれているが、本当はいろんな事業所が重度の障害のある方たちを支えることができるようにならないといけない。

そのような中に、蒼空さんが重度の障害がある方たちを支えている施設や事業所のスタッフの皆さんに向けた研修を企画し、事例検討とグループワークを中心にいろいろなところのスタッフの皆さんが繋がる機会を作り、難しい支援に取り組んでいるのは自分たちだけでなく他にも悩みながら支えている人たちがいることを感じさせてくれ、自分たちの支援にまた向き合う気持ちを感じさせてくれる研修を実施してもらうこととは、まさにソーシャルワークのメゾ(事業所支援、地域作り)としての取り組みだ。

だから、私は蒼空さんが企画してくれるこの研修をとても大切なものだと思っている。

今回、私は研修の最後に話をする機会をいただいた。

もらったテーマは「現場を支える〜利用者も支援者も笑顔の職場作りのために〜」。

これまで組織として現場をどのようにサポートすればいいかすごく考えて取り組んできたし、はるの現場でいろいろ取り組んできてくれたことがあるので、そのことを伝えることにした。

重度の障害がある利用者の皆さん、スタッフの皆さんを支えるために組織(チーム、施設、法人)として何が必要だろう?
という設定にして次のようなことを伝えた。

組織としての方針
個人で支えるのではなく、組織として重度の方たちを支えることが大切。

ミーティング
定期的なミーティングは支援や業務の情報共有や対応の統一をするために必要。
スタッフの皆さんが支援の悩みを抱えこまないためにもミーティングで情報共有をする。

研修
支援の知識や情報を得ることは支援を考える引き出しが増えてアイデアが出やすくなる。
他の受講者との情報交換や講師との関係を作ることもできる。

コンサル
重度の方たちへの支援ではコンサルは必ず有効。
スタッフの皆さんにとって自分たちで対応が分からないときに相談できるところがあるという安心感にもなる。

連携
ご本人の支援をするときに同じ法人内や外部との連携を活かしていくことが大切。
個人や事業所で抱え込まないためにも。

改修
重度の方たちを支援するためには改修や備品の整備が必要となることがある。
組織としてその費用を出すというコンセンサスが必要。

地域の取り組み
支援が難しい方たちを支えていくことは個人や事業所のことだけなく地域の課題。
地域で支えていく仕組みが必要。
そのために佐賀県では強度行動障害支援者フォローアップ研修を実施している。

ざっとこんな内容だったが、当日はもう少し詳しく話をさせてもらった。

そして最後に、厚労省の山根調整官が言われていた次の言葉を皆さんに伝えた。

「支援が上手くいかなくても、支援が難しい人たちを日々支えているというだけでも素晴らしいこと」

この言葉に自分も励まされたし、これからも重度の方たちを支えている支援者の皆さんに伝えていきたいと思う。


Posted by 龍三郎 at 23:18 | はる | この記事のURL | コメント(0) |
佐賀インターナショナルバルーンフェスタ2024 [2024年11月04日(Mon)]
佐賀の秋の風物詩として定着している佐賀インターナショナルバルーンフェスタ。

はるにはバルーンの日本代表としてがんばっているスタッフがいることや、23年前にはるを立ち上げた時から愛知県のバルーニストの皆さんと交流もあり、毎年バルーンフェスタを楽しみにしている。

バルーンは球皮の中の空気をバーナーで温めたり、温かい空気を抜いて冷ましたりして上下する。
操縦する装置はなく、あとは階層によって風向きが違う空の風に乗って移動する。
それだけの仕組みでターゲットに向けて正確に進んで行くから驚きだ。

バルーンは見ていても優雅でファンタジーがあるが、実は熾烈な競技として飛んでいることを知らない人も少なくない。
自然の条件を読み取り、風を活用して、正確にバルーンを操作していくには熟練の腕が必要だ。

自然をたくさん活用して行われるバルーンなので、競技の開催も自然の影響を受けやすい。
雨が降ったらもちろん飛ぶことはできないが、風が強かったり視界が不良だったりしても競技が中止になる。
飛行条件が悪いということだが、生身の人間が球皮の下についているカゴ(バスケット)に乗って空高くまで飛ぶので何より安全は優先されるべきだろう。

その日の気候によって競技が実施されたり中止されたりするので、遠くからバルーンフェスタを見に来た人にとっては中止になるとガッカリだろう。
それでも、バルーンフェスタの会場はステージや大型のテントが立ち並び、露店も相当の数が出ていて、期間中はいろんなイベントが実施されているので会場を回るだけでも十分に楽しい。

ちなみに、私が関わっている佐賀中部障がい者ふくしネット(ふくしネット)でも佐賀市よりテントの一区画をお借りして障害福祉サービス事業所の製品を販売している。

バルーンフェスタには5日間の開催期間中に毎年80万人ぐらいの観客が集まり、大会の開催には開催地の佐賀市や佐賀県も関わって地域あげてのビックイベントとなっている。

そのバルーンフェスタが今年は異例の中断となった。
遠く南に発生した台風が影響したのか、期間中に豪雨の予想が出て早々に2日間の競技中止と会場である嘉瀬川河川敷の閉鎖となった。

もちろん天候も異例だがイベントごとも含めて会場がすべて閉鎖されるのは前代未聞だった。
会場にはすでに業者によってステージや大型テントが設置されていたし、たくさんの出店者も露店を準備していた。

その上での中止と閉鎖をはじめに聞いたときには「そこまでやるか!」と思ったが、果たして豪雨と予想されていた日には嘉瀬川が増水してイベント会場となる河川敷は水没していた。
もし会場を閉鎖していなかったら多くの被害が出ただろう。

今回は豪雨に加えて、嘉瀬川のはるか上流のダムが満水になっていて上流での雨をダムで受け止められなかったことも重なったという。

そのような前情報があったとしても、あのビックイベントを中止する判断は相当のものだったと思う。
どんなイベントもそれまでの準備や関わっている人たちのことを考えるとそう簡単には中止の判断はできにくいもの。
ましてや相当規模の一大イベントを中止する判断は責任感とストレスが半端なかったはず。

自分も責任を負う立場になることが多いので、責任者の方たちが今回の判断をして実行されたことに感激した。
心から敬意を表したいと思う。

佐賀インターナショナルバルーンフェスタは来年も開催される。
佐賀の広い空にたくさんのバルーンが浮かぶ様子はとても幻想的で感動間違いなし!
競技として見てもらうと楽しさも倍増!!

県外の方はぜひ一度見に来てほしい。

はるの全体研修2024秋 [2024年10月28日(Mon)]
昨日の土曜日はアクト富士ではるの全体研修を実施した。

はるでは全体研修を年に2回開催していて、すべての部署のスタッフが集まる。

もちろんサービスは24時間動いているので支援に関わるスタッフは参加できないが、最近はできるだけ現場のスタッフのみんなに研修を受けてもらえるように管理職が自ら支援に入ってくれていることも多い。

会場のアクト富士は佐賀市富士町にある旧保育園跡で、保育園が移転する時にはるに寄贈したいと申し入れを受けてはるが所有している施設。

全体研修は普段は顔を合わせることが少ないスタッフのみんなが集まる貴重な機会。
管理職の会議でみんなに伝えたいことやみんなで学びたいことを考えながら企画するが、スタッフ同士が交流できる大切な機会でもある。

今回の研修もたくさんのスタッフが参加してくれて、一日を通していい研修となった。

今回の研修プログラムを振り返ると。

1. BCP(事業継続計画)について
これまでもBCPはあったが、研修の実施が義務付けられたことから初めて全体研修で実施した。
感染症発生時と自然災害発生時のBCPについて、厚労省が作ってくれている講義動画を見たうえで、はるのBCPを説明した。
厚労省の講義動画と資料がとても分かりやすくて自分も勉強になった。
自分たちで考えて研修を実施するのはとてもハードルが高いので、このような研修教材があるのはすごく大切なことだと実感。
感染症への対応についてはコロナ期間を通して経験を重ねてきたし、自然災害への対応は台風に関して何度も経験した。
それでも、いざという時のために継続的に意識したり対応を確認することの大切さをあらためて感じた研修だった。

2. 感染症対策について
管理職の看護師スタッフが企画してくれて実施。
感染症の基礎的なことについて話を聞いたうえで、今回の研修のために準備をしてくれた手洗い確認のキットを使って手洗いを実際にやってみるという内容。
講義を聞いたあとに、手にクリームを塗っていつものように手洗いをしてもらい、赤外線のキットに手をかざすと洗い残しがどれぐらいあるか分かるという組み立てだったが、自分もやってみると意外と洗い残しがあることが視覚的にわかって、「手洗いは大事」と話しだけで聞くよりもずっと身近に感じることができる内容でとても良かった。

3. 意思決定支援について
これから大切なキーワードになる意思決定支援について基礎的なことをみんなで共有することができたように思う。
グループワークが中心だったので、各部署から集まったスタッフ同士でいろいろな意見交換をしながら考えてもらった。
意思決定支援は大切だと分かっているが実際にやろうとするにはまだ難しさもある。
難しさもあるというか、まだ障害福祉の分野で実践やノウハウが積み重なっていないので、どうやっていくか試行錯誤になるだろう。
はるの支援現場を振り返ると意思決定支援につながる支援もやっていると思うが、まだまだこれから悩みながらやっていくことになるだろう。
いっぺんに意思決定支援ができているということにはならないし、ならなくていいので、自分たちの支援のなかで一つひとつ積み重ねていくことができるといいと思う。

4. メンマ進捗報告
研修の会場となったアクト富士で、地元のNPOと協力しながら地域の竹林再生を目指した「メンマ作り」を進めている。
今は試作段階なので、試作しているメンマを研修のなかでスタッフのみんなに試食してもらい感想を書いてもらった。
私から「なぜメンマ作りに取り組むか」の話をしたが、メンマを作ることだけが目的ではなく、利用者の皆さんにとっての意義やはるとしての目的について伝えさせてもらった。
はるは理念として利用者の皆さんに安心していきいきと生活してほしいということを掲げている。

「メンマ作り」をはじめとしてアクト富士でいろいろな活動ができるようになれば、利用者の皆さんのいきいきとした活動につながるし、はるを利用してみたいということにもつながっていく。
利用者の皆さんに安心していきいきと生活してもらう支援をしていくことが、スタッフのみんなのやりがいや処遇にもつながっていく。

「メンマ作り」は魅力あるプロジェクトだが、それ以外にもキッチンを使ったり他の場所を使って、楽しく魅力的な活動ができるといいと思う。
個人的には、アクト富士でスタッフが作ってくれているヘチマを使った「ヘチマ茶」もぜひ取り組んでみたいプロジェクトである。

こんな充実した全体研修だった。
Posted by 龍三郎 at 00:00 | はる | この記事のURL | コメント(0) |
最低賃金の改定にあたって [2024年10月14日(Mon)]
10月17日から最低賃金が引き上げられる。

佐賀県は56円あがって最低賃金が956円になる。

最低賃金は働いているスタッフの皆さんに事業所から支払う賃金の下限を法的に定めたもの。
下限の引き上げにともない最低賃金に満たないスタッフの皆さんの時給をあげることはもちろん、働いているスタッフの皆さん全体のベースアップを図っていくことになる。

はるのスタッフのみんなの賃金が上がることはとても大切なこと。

障害のある方たちを支えていく、重度の方たちもしっかり支えていく、24時間365日支えていく、できるだけ豊かな生活してもらうことを目指して支えていく、そんなことに日々取り組んでいるスタッフのみんなが金銭的に評価されることは大切だ。

今回の改定を受けて、はるでは10月から準職員、パート職員、嘱託職員の時給を現在の時給から60円上げることにした。

細かくいうと、パートのスタッフは勤務する時間がそれぞれなので、月平均30時間以上勤務してくれているスタッフの時給を一律60円アップ、30時間未満のスタッフの時給を960円ベースにしている。

ほとんどのスタッフが月30時間以上勤務してくれているので、もともとの時給にプラスして長年働いてくれているスタッフはだいぶ水準があがった。

嘱託職員は定年したあとの再雇用スタッフだが同じ条件でベースアップした。
高齢とは言っても皆さんとても元気だし支援をしっかり担ってくれている。
いくつになってもはるで生き生きと働いてほしいと思っている。

最低賃金の改定はもちろん正職員の給与にも反映させなければいけない。
正職員のベースアップの時期は来年の4月としている。
はるでは今年の4月に力を入れて正職員のベースアップに取り組んだが、来年の4月に向けて更にしっかり取り組んでいきたい。

そして、スタッフの賃金を上げていくためには原資の確保が必要。

国も福祉に従事するスタッフの処遇改善に取り組んでくれているが、今年4月の報酬改定における処遇改善が他業種の賃上げ率と比べて明らかに低い水準だったのが苦しかった。

それでも、はるがこれまで必死に取り組んできた重度の障害がある方たちへの支援がやっと評価され、平均工賃算定のための計算式を適正に変更してもらったりしたことでスタッフのみんなの賃上げを実現できた。

もちろん自分たちでも利用者数や利用率を上げたり、業務の効率化などを進めて収支を良くして賃上げの原資を作っていく努力していくことが必要。

それでも、福祉の収入は基本的に国に定められた金額になるので、本当に福祉で働くスタッフの皆さんの賃金を他業種に遜色ないぐらいにするためには、国からの報酬の引き上げが欠かせない。

私たちは現場で利用者の皆さんにいい支援をしていくことを目指していきたいと思う。
そのことがしっかり評価されることを願っている。

Posted by 龍三郎 at 09:51 | はる | この記事のURL | コメント(0) |
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