今年の東北ミュージカルプログラムのテーマは「つながり」です。
東日本大震災の津波で多くの建物と共に地縁やコミュニティも失われたと言われています。それから月日が経ち、建物や町の復興は進んでいますが、コミュニティの復興はどうでしょうか。仮設住宅にお住いの方々は復興住宅などに引っ越すことが決まったりと、新しく積み上げたつながりがまた失われ、新しい場所で積み上げ直さなくてはいけなくなります。もともと地方都市が抱えている人口流出の課題もあいまって、なかなか元どおりにはできないのが現状です。
被災地の話をしましたが、他の都市でも「つながり」は失われていると思います。つながりを切って、自由気ままに生きていくことがかっこいいと推奨されてきたと思います。インターネットやSNSの普及もあり、ひとりで家にいても商品は購入でき、友達ともつながれるそんな世の中になりました。テクノロジーの発達はありがたいものですが、上手に付き合っていかないといけません。私たちはつながりなしでは、誰かに頼ることなしでは生きてはいけないと気づいている人も多いはずです。
「つながり」が豊かである方が、多様な生き方や価値観を相互に受け取ることができ人生が豊かになると思います。何か困ったときに頼れる人がいるかいないかは人生を大きく分けてしまうと思います。家族や友人、仲間以外にも近所付き合いや、地縁、コミュニティといったものが果たす役割は精神的な安心感にもつながっていくと思います。それが「感謝」になり「思いやり」になっていくのだと思います。
コモンビートは全国で12年間ミュージカルプログラムを運営してきました。先日上演数も100回記念を迎えましたが、ステージにのぼったキャストは約3500人います。コモンビートは今ではひとつのコミュニティになっており、ミュージカルに参加したことがある人たちはなぜかよくわからないけど安心できる存在になりつつあるのだと思います。
このプログラムや公演はひとりでは完成させることができません。必ず誰かの手を借りなくてはいけないと思います。その「誰かに頼る」ということに慣れることも今の時代には必要なことなのではないかと感じています。
こういった顔見知り、心のつながりが全国にもてること、そして韓国をはじめとするアジア諸国、世界中にもてることはとっても意味のあることだと思います。そのためにコモンビートはプログラムという「場」を準備して、多くの人の出会いを創出していきたいと思っています。
頼るときは頼り切って、頼ったら感謝する。
一見普通のことを、ちゃんとやっていくことが大切だと思います。
私自身も頼られたら嬉しいですし、逆に困ったらすぐに頼るようにしています。
もちつもたれつ、つながりが生きる社会を作っていきたいと思っています。
※写真は上演100回記念の集合写真です。
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