東日本大震災から3年/コモンビートの設立記念日
[2014年03月11日(Tue)]
こんにちは。
NPO法人コモンビートの安達です。
今日で東日本大震災からまる3年が経ちました。亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様とご家族の方々に心よりお見舞い申し上げます。
少し、自分自身の「3年前から今」を振り返ってみたいと思います。
地震が起きたとき、私は東京の高田馬場駅にいました。交通機関はマヒし、当時のコモンビートの事務所があった大塚駅まで歩いて帰りました。
この日はコモンビートの設立記念日で、翌日には年間の活動を振り返るイベントを開催予定でした。全国から人が集まるイベントだったので、各地から開催するのか否かの問い合わせが殺到していました。人が、街が混乱している様子を事務所に戻る道すがら見ていたので、自分自身も混乱していて、イベント開催可否に関してなかなか判断できなかったのを覚えています。
そして、第18期東京ミュージカルが4月からのスタートに向けてちょうど100名のキャストが集まったところでしたが、そのような状況だったのでプログラムをスタートできるのかどうか、中止にしたほうがいいのではないかという判断に迫られました。いろいろなリスクを考えると、今回ばかりは中止のほうがよいだろうと事務局長としては既に頭の中で判断していました。ただ、「こういう状況だからこそ!」という声もあがり、約20名のスタッフは「やりたい」と結論をだし、100名のキャストがそれでも「やる」と言ってくれれば、実施しようという結論になりました。今ではあの時、「実施する」という決断をくだせてよかったなと本当に思っています。
当時、エンターテイメントは「自粛ムード」で、いろいろな催しものが中止になっていました。もちろんそれはしょうがないことですし、ミュージカルを中止にしようと頭の中で思っていたのは、そういった影響があったということでもあります。僕自身は社会も自分の仕事も、先行き不安になってしまい、かなり精神的にしんどくなっていました。そんなときに友人が出演する舞台が、そんな状況でも開催すると聞き、「行ってみよう!」と直感的に思い、観にいきました。僕はもともとエンターテイメントが人の心にもたらす力を信じている部分があるので、そこで歌や踊り、音楽に触れて自分の心が躍るのを感じました。そして自然と「拍手」している自分がいました。拍手することすら自粛するムードだったので、単に拍手をすることですら、とてつもなく喜びだったことを覚えています。
コモンビートはその後、ボランティア数が減っているという情報を受け、なんとか足を運んでもらう方法を考えました。学生・社会人がメンバーに多い団体なので、「1週間の滞在」「ボランティア保険の手続きの煩わしさ」「交通費自己負担」がネックになっていると重い、「バス無料」、「金曜日夜行、日曜日帰りの週末プラン」「ボランティア保険は事務局が全て代行」という方針を打ち出して、12週にわたり約500名のボランティアを送り出しました。災害支援団体ではないので、ピースボートに協力をお願いして受け入れていただきました。
その後、そのボランティア活動がご縁となり、石巻・女川の地域の方々とつながりが増え、私たちがもともと行なっていたミュージカルプログラムを地元の方々と一緒に作りたいと打診。立ち上げにはとても苦労しましたが、2013年1月に東北ミュージカルプログラムの第1期公演を成功させました。そして今年は、第1期出演者が主導となり第2期東北ミュージカルプログラムの実施に向けて動いています。第1期は石巻・女川のみなさんは「参加する」でしたが、第2期は「運営する」というようにステップアップしているのがとても嬉しいです。
東日本大震災により多くのものを失いました。私には計り知れないほどの悲しみがあると思います。当事者にしかわからないことがたくさんあると思います。逆に言えば、第3者にしかできないこともたくさんあると思います。
人と人の「絆」という言葉が震災後はたくさん使われました。私やコモンビートが第3者的立場としてできることは、人と人とをつないでいくことなのではないかと考えています。
私自身、現在石巻や女川に多くの友人ができました。顔がわかる関係が生まれて、「被災地」は「○○さんが住んでいるところ」に変わりました。こういう関係が日本全国にたくさん広がればいいなと思っています。
第2期東北ミュージカルプログラムのプロデューサーを務める女川出身の木村直人(なーくん)さんは、このミュージカルを通して「『石巻などで生きる私たち(人)は今こうなんだ』ということをストレートに表したい。震災時の『過去』や復興後の『未来』ではなく『今現在』を表現したい。」と言っています。私もこれに共感しています。
ぜひ「今」の被災地の様子を実際に足を運んで目にして欲しいと思います。そこにいる人たちと話をして欲しいと思います。「絆」は一過性のものではなく、継続していくものです。東北ミュージカルプログラムや東北でのコモンビートの活動を通して、新しく「絆」が生まれていくことを願っています。
3月11日はコモンビートの設立記念日でもあります。団体の誕生日でもあるこの日を、今後も大切にしていきたいと思います。
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> 東北ミュージカルプログラムWEBサイト(NPO法人コモンビート)
NPO法人コモンビートの安達です。
今日で東日本大震災からまる3年が経ちました。亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様とご家族の方々に心よりお見舞い申し上げます。
少し、自分自身の「3年前から今」を振り返ってみたいと思います。
地震が起きたとき、私は東京の高田馬場駅にいました。交通機関はマヒし、当時のコモンビートの事務所があった大塚駅まで歩いて帰りました。
この日はコモンビートの設立記念日で、翌日には年間の活動を振り返るイベントを開催予定でした。全国から人が集まるイベントだったので、各地から開催するのか否かの問い合わせが殺到していました。人が、街が混乱している様子を事務所に戻る道すがら見ていたので、自分自身も混乱していて、イベント開催可否に関してなかなか判断できなかったのを覚えています。
そして、第18期東京ミュージカルが4月からのスタートに向けてちょうど100名のキャストが集まったところでしたが、そのような状況だったのでプログラムをスタートできるのかどうか、中止にしたほうがいいのではないかという判断に迫られました。いろいろなリスクを考えると、今回ばかりは中止のほうがよいだろうと事務局長としては既に頭の中で判断していました。ただ、「こういう状況だからこそ!」という声もあがり、約20名のスタッフは「やりたい」と結論をだし、100名のキャストがそれでも「やる」と言ってくれれば、実施しようという結論になりました。今ではあの時、「実施する」という決断をくだせてよかったなと本当に思っています。
当時、エンターテイメントは「自粛ムード」で、いろいろな催しものが中止になっていました。もちろんそれはしょうがないことですし、ミュージカルを中止にしようと頭の中で思っていたのは、そういった影響があったということでもあります。僕自身は社会も自分の仕事も、先行き不安になってしまい、かなり精神的にしんどくなっていました。そんなときに友人が出演する舞台が、そんな状況でも開催すると聞き、「行ってみよう!」と直感的に思い、観にいきました。僕はもともとエンターテイメントが人の心にもたらす力を信じている部分があるので、そこで歌や踊り、音楽に触れて自分の心が躍るのを感じました。そして自然と「拍手」している自分がいました。拍手することすら自粛するムードだったので、単に拍手をすることですら、とてつもなく喜びだったことを覚えています。
コモンビートはその後、ボランティア数が減っているという情報を受け、なんとか足を運んでもらう方法を考えました。学生・社会人がメンバーに多い団体なので、「1週間の滞在」「ボランティア保険の手続きの煩わしさ」「交通費自己負担」がネックになっていると重い、「バス無料」、「金曜日夜行、日曜日帰りの週末プラン」「ボランティア保険は事務局が全て代行」という方針を打ち出して、12週にわたり約500名のボランティアを送り出しました。災害支援団体ではないので、ピースボートに協力をお願いして受け入れていただきました。
その後、そのボランティア活動がご縁となり、石巻・女川の地域の方々とつながりが増え、私たちがもともと行なっていたミュージカルプログラムを地元の方々と一緒に作りたいと打診。立ち上げにはとても苦労しましたが、2013年1月に東北ミュージカルプログラムの第1期公演を成功させました。そして今年は、第1期出演者が主導となり第2期東北ミュージカルプログラムの実施に向けて動いています。第1期は石巻・女川のみなさんは「参加する」でしたが、第2期は「運営する」というようにステップアップしているのがとても嬉しいです。
東日本大震災により多くのものを失いました。私には計り知れないほどの悲しみがあると思います。当事者にしかわからないことがたくさんあると思います。逆に言えば、第3者にしかできないこともたくさんあると思います。
人と人の「絆」という言葉が震災後はたくさん使われました。私やコモンビートが第3者的立場としてできることは、人と人とをつないでいくことなのではないかと考えています。
私自身、現在石巻や女川に多くの友人ができました。顔がわかる関係が生まれて、「被災地」は「○○さんが住んでいるところ」に変わりました。こういう関係が日本全国にたくさん広がればいいなと思っています。
第2期東北ミュージカルプログラムのプロデューサーを務める女川出身の木村直人(なーくん)さんは、このミュージカルを通して「『石巻などで生きる私たち(人)は今こうなんだ』ということをストレートに表したい。震災時の『過去』や復興後の『未来』ではなく『今現在』を表現したい。」と言っています。私もこれに共感しています。
ぜひ「今」の被災地の様子を実際に足を運んで目にして欲しいと思います。そこにいる人たちと話をして欲しいと思います。「絆」は一過性のものではなく、継続していくものです。東北ミュージカルプログラムや東北でのコモンビートの活動を通して、新しく「絆」が生まれていくことを願っています。
3月11日はコモンビートの設立記念日でもあります。団体の誕生日でもあるこの日を、今後も大切にしていきたいと思います。
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> 東北ミュージカルプログラムWEBサイト(NPO法人コモンビート)