7月3日(木)、陸前高田まちづくり協働センターが主催する「まちづくりコーディネーター育成講座」の第1回を開催しました。
陸前高田まちづくり協働センターでは、開設当初から地域づくり、まちづくりの担い手の育成を目的に、様々な講座を開催しています。
平成26年度は、平成25年度に作成した「地域づくりハンドブック」を教科書に、全4回の講座でまちづくりのコーディネーターの育成を図ります。
※「地域づくりハンドブック」は、これからの地域をつくる上で必要な手法と、地域づくりの主体組織の運営に関するノウハウをまとめた教科書です。
第1回目のテーマは、ずばり「まちづくりを知ろう」です。
講師には、いちのせき市民活動センターのセンター長であり、一関市でまちづくりに長く携わっている小野寺浩樹さんをお迎えしました。
そもそも、なぜ今まちづくりなのか?
まちづくりの動きは被災地だけのものではなく、全国的に活発になってきています。
その理由は、少子高齢化による大幅な人口減少が予想されること。
超高齢化・少子化社会が訪れるという全国的な課題を前に、人が少なくても地域運営が可能となるようにしなければならないこと、そのためには今ある仕組みの再構築と、地域のもつ様々な資源を結びつけ、効果的に活用するコーディネーターが必要になってきます。
そこで今回は、「今、なぜまちづくりなのか?」「誰がまちづくりをするのか?」「まちづくりの仕組みとは?」といった内容で、コーディネーターが身につけるべき基礎知識と考え方を、座学形式で学びました。
まちづくりを行う主体は4つあります。地域(コミュニティ)、行政、企業、NPOです。
それぞれには得意分野があり、そして苦手なところもあります。
その一例として、例えば地域には結び付きという強みがありますが、人口減少により、小さな集落や自治単位においての相互扶助や共同作業ができなくなってきているといった「結の限界」があります。
行政に関しては、住民ニーズの多様化や職員の減少による「公平・平等の限界」が起きているため、やりたくてもできないといった課題があることなどをお話しされました。
では、「やりたくてもできないこと」はどうしたらできるようになるのか…それが「協働」です。講座の中では、協働を「強みのかけ算」と表現されていました。
それぞれの特性・課題を踏まえて、これからのまちづくりとは、まちづくりを行う主体同士が互いの弱みと強みを知ること、その上でお互いに良い所を出し合う、「強みのかけ算」を行うこと。
どこか一つにだけ頼り、要求・要望をあげることは、互いを活かし合うことではありません。
「自分たちにできること(得意なこと)」と、「自分たちではできないこと(苦手なこと)」をそれぞれが認識し、得意としている人に任せることが「強みのかけ算」です。
地域の中で「強みのかけ算」を行うためには、お互いを知らなければなりません。同時に、何が課題であるかも共有することが大切です。
地域の課題を考え、共有し、「じゃあどうしようか?」を考え、みんなが納得したうえで進むために、「話し合いの場」が必要になります。
この「話し合いの場」をつくることがコーディネーターの役割の一つです。
「話し合いの場」については、次回の講座で実践を交えて学んでいただきます。
今回受講者の皆さんになっていただきたい「まちづくりコーディネーター」にとって大切なこととして、「なぜなのか?その背景を知ること」を最後にあげられました。
コーディネーターには今のまちのことを知り、なぜそうなっているのか?という課題の背景を知り、整理整頓したうえでより良いまちを目指した戦略を立てる視点が必要です。
本講座の参加者の皆さんには、講座終了後はぜひ、それぞれの地域に学んだことを活かしていただけたらと思います。
受講者の皆さんの、講義に耳を傾けながら熱心にメモをとっている姿が印象的でした。
参加者の皆さん、遅い時間までありがとうございました。
次回、第2回目のまちづくりコーディネーター育成講座は、「話し合いの進め方を学ぼう」というテーマのもと、9月6日(土)に行います。
次回は少し時間が空いていますが、また参加者の皆さんにお会いできることを楽しみにしております。
2014年07月08日
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