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中嶋れん(日本共産党 前宮城県議会議員)のブログ
日本共産党宮城県委員会政策委員長。
シエルの会(自閉症児の親の会)会長。
原発問題住民運動宮城県連絡センター 世話人。
東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター事務局次長。
青森県むつ市大畑町生まれ。青森高校、東北大学理学部物理学科卒。
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東日本大震災の被災者生活再建支援金の交付状況 宮城県分(2019年11月29日現在 市町村別と宮城県合計)[2019年12月30日(Mon)]
 東日本大震災で被災したり長期避難を余儀なくされた人で、被災者生活再建支援金の交付が決定した件数は、11月29日現在で基礎支援金は13万2588件、支給済み金額は997億1175万円。加算支援金の交付が決定した件数は9万7677件、支給済み金額は1213億0847万5千円。支給済み金額の合計は2210億2022万5千円になっています。
 各市町村別の件数、支給金額、支給事由の内訳は添付ファイルをご覧ください。

●被災者生活再建支援金の交付決定件数と支給済み金額
 右矢印1191129 支援金決定件数.pdf
女川原発審査書案のパブコメへの意見ー360TBqもの放射能を放出する耐圧強化ベント。「使用しない」(東北電力)と言って温存。基準違反を温存するなら女川原発は不合格にするのが当然。住民の深刻な被ばくを招く耐圧強化ベントは撤去を求める。[2019年12月27日(Fri)]
 女川原発2号機の審査書案に対するパブリックコメント(意見公募)は今日が最終日です。活動の合間を縫って意見を提出しました。
 原子力規制委員会は、シビアアクシデントが発生した場合に格納容器の破損を防ぐために、格納容器内のガスを放出するベントを多用する方針に転換しました。「止める、冷やす、閉じ込める」から「止める、冷やす、放出する」への大転換です。ガスの放出に際しては、住民の被ばくなどを防ぐために、放射能を減らすフィルターをくぐらせてから放出(フィルターベント)するとし、女川原発には3機のフィルターベントが設置させることになっています。
 しかし、ここに重大な疑問があります。
 提出した意見を紹介します。

●意見<受付番号201912270000959473>
 239〜245頁にある、格納容器圧力逃がし装置を使用する格納容器破損防止対策に関して、疑問があります。
 東北電力は、原子炉格納容器フィルターベント系による除熱を実施するとしています。
 もともと東北電力は、第133回審査会合(2014年8月28日)において、元からあった耐圧強化ベントも残しておくという考え方を示していました(会議録の73頁)。
 東北電力がフィルターベント系を設置した後も耐圧強化ベント系を温存しているのは、圧力の急激な上昇が起ったりしてフィルターベントを使用できない場合がありえることや、フィルターベントが目詰まりしたりすることがあるからです。
 第133回審査会合における、「我々としては、もちろんフィルタベントをつけたんで、これはもう最優先にしたいと考えています。 ただ、やはりこれをつけたからといって、全て本当に開くのか、万能なのか、あらゆるときいろんなことを考えると、やはり、最後のラストリゾートというか、そういう形で耐圧強化ベントのラインは残しておきたいと考えています」という東北電力の発言は、極めて率直です。
 重要なことは、この時に更田豊志委員も、「何らかの理由でフィルタベントが使えな」いことがありうるという認識にもとづいて発言していることです。

 ところが審査書案の公表を間近に控えた2019年10月4日、東北電力は事業者ヒアリングに「自主対策設備に関する補足説明」を提出し、この中で耐圧強化ベントの使用は「炉心損傷前」に限定し、「炉心損傷後は使用しない」としました。
 その理由として東北電力は、ドライウェルからの耐圧強化ベント系を使用した場合のCs−137の放出量が、7日間で約330TBq、30日間で約360TBqに達するという解析結果を示し、規定基準に定められている「100TBqを上回る」ことをあげて、炉心損傷後に耐圧強化ベント系は使用しないことにしている」と説明しています(下の表を参照)。
 この解析結果は、耐圧強化ベントの使用がいかに深刻な影響を住民と環境に及ぼすかを示しています。それならば、東北電力は耐圧強化ベント施設を撤去すべきです。

 原子力規制委員会は耐圧強化ベント設備の撤去を求めるべきです。しかし、それを要求していません。これは、不信を惹起します。
 表向きは放出されるCs−137を100TBq以下に抑えることにしていながら、内実はフィルターベント系が役に立たなくなったときや、事故が急激に進展して減圧が間に合わなくなったときのために、耐圧強化ベント系を残しておいた方がいいと考えているからではないでしょうか。水素爆発防止対策として導入されている静的触媒式水素再結合装置も、炉心損傷時に瞬時に発生する大量の水素には対応できず、ベントが頼りだからではないでしょうか。
 耐圧強化ベント系の撤去を求めないのは、放出されるCs−137を100TBq以下に抑えるという、自ら決めた規定を自ら否定するものではないでしょうか。ご説明いただくことを求めます。

 東北電力から表明された、耐圧強化ベントの使用は「炉心損傷前」に限定し、「炉心損傷後は使用しない」とする考え方についてですが、これにはベントのタイミングをどうやって判断するのか、早期のベントを運転員に強いることになるのではないかという疑問がつきまといます。
 ベントの時期については、格納容器の圧力が最高使用圧力を超えて、その二倍以下の範囲にある時と定められています。新たに、炉心損傷前という条件も加わりました。
 しかし、事故が急激に進行する場合は、炉心損傷がすでに始まっていても、運転員が「炉心損傷前」と誤って判断して耐圧強化ベント系を使用すれば、規定基準を上回る放射能の放出が現実になります。
 そうなることを避けようとすれば、早い時期にベントをしなければならないという、以前にはなかったプレッシャーが運転員にかかります。
 格納容器の設計に携わった技術者の人たちは、放射能を「閉じ込める」ことを目的にした格納容器にベントシステムを持ち込むことは、「格納容器の自殺行為」と批判しています。
 放射能の直接放出である耐圧強化ベントの可能性を残しておくことは、住民の深刻な被ばくにつながるものであり、「合格」させるべきではないと考えますが、お答えください。

 そもそもシビアアクシデントが起こるような技術、いったん事故が起これば巨大な被害を及ぼし、被害の全体を補償する道もないような技術は、利用しないで他の代替手段に切り替えることが当たり前です。
 既存の軽水炉原発に規制を加えるとしたら、シビアアクシデントの根絶を目標とし、シビアアクシデントの可能性を排除できない原発は「合格」させないようにすべきですが、お答えください。

【耐圧強化ベントの概要図】(10月4日の補足説明より)
191004_d.jpg

























191004 耐圧強化ベント系からの放射能放出量.jpg



















●東北電力が公開したフィルターベント装置(2017年9月17日)
170917.jpg





















<下の図>沸騰水型原発用のフィルターベントの一例。
 格納容器の放射性物質を含むガスは、水を貯めた容器(スクラバー)の底に吹き込まれ、無機ヨウ素などの放射性物質の一部が除去されます。次に、容器の上部の金属フィルターで、残りの粒子状の物質が除去されます。さらに、スクラバーの出口にあるヨウ素フィルターで、有機ヨウ素が除去されます。設計どおりに機能すれば、ヨウ素やセシウムは1/1000程度まで低下することになっています。
 このようなフィルターシステムは、目詰まりをおこして流れが止まってしまう危険性があります。設計方針に、「配管閉塞を防止するため、蒸気凝縮によるドレンが滞留しない設計とする。またフィルタ装置は想定するエアロゾルに対して閉塞しない方針とする」(東北電力)と、わざわざ断っています。
 スクラバー部分に水が大量に流れ込めば、フィルター部分が目詰まりをおこす危険性もあります。
フィルターベント.jpg
女川原発審査書案のパブコメへの意見ー実験データを改ざんして「水蒸気爆発は起きない」とした、虚偽を含む東北電力の主張は再検討すること。水で溶融炉心を受け止めても水蒸気爆発は起こらないという、世界の「常識」に反する判断の根拠を説明するよう求める。[2019年12月26日(Thu)]
 女川原発2号機の審査書案に、原子力規制委員会がパブコメ(意見公募)を実施中。
 炉心損傷対策として、格納容器の下部に3.88bの深さで水を張り、溶融炉心を落下させる「対策」は、水蒸気爆発を招く危険性があります。
 私が発見した東北電力による水蒸気爆発の実験データの誤引用を指摘し、原子力規制委員会に意見と質問を提出しました。

実験データを改ざんしても、それを不問にして「合格」ですか?
●意見<受付番号 201912270000959243>
 審査書(案)は第255ページで、「2.審査結果 規制委員会は、格納容器破損モード「原子炉圧力容器外の溶融燃料−冷却材相 互作用」において、申請者が水蒸気爆発の発生の可能性は極めて低いとしていることは妥当と判断した」としていますが、この判断に疑問があります。
 審査書は、この判断に至った根拠として、第256ページで、申請者の説明を要約して示していますが、申請者の「実機で想定される溶融物の初期の温度は実験条件よりも低く、冷却材中を落下する過程で溶融物表面の固化が起こりやすい」という主張には虚偽が含まれており、原子力規制委員会は再度の検討をすべきです。
 東北電力は、2018年(平成30年)7月26日に開催された第606回適合性審査会において、「水蒸気爆発が発生したKROTOSとTROIの一部実験の特徴といたしましては、外乱を与えて液−液直接接触を生じやすくさせていること、もしくはですけれども、溶融物の初期温度を高く設定していることが挙げられるということでございます。大規模実験の条件と実機条件を比較すると、実機においては液−液の直接接触は生じるような外乱となる要素は考えにくいということ、また、実機で想定される溶融物の初期温度は実験条件よりも低いと考えられる」と主張していますが、その根拠として提出された「資料2−1−3 女川原子力発電所2号炉 重大事故対策等の有効性評価について」に虚偽があります。
 資料の第16、17、18ページに、TROI実験の実験条件および実験結果の表が示されていますが、そもそもこの表は実験者が作成したものではなく、ストラスブール大学の大学院生の博士号取得論文から孫引きしたものです。とくに、大学院生が原論文の温度を不正確に引用していたにもかかわらず、東北電力がこれをそのまま引用したため、東北電力がTROI実験のデータを別のデータに改ざんしたような結果になっています。
 審査会合の議事録によれば、原子力規制委員会と規制庁が温度データの誤りを指摘したことはありません。審査会合とは別にヒアリング等も行われていますが、原子力規制委員会は審査書案作成の時点で実験データの誤引用に気が付いていたのかどうか、ご説明ください。
 実験者の報告によれば、TROI実験の第35番の実験の溶融物温度は、測定値で2990K、補正値で2793Kです。これは「実機で想定される溶融物の初期温度」と同程度ではないでしょうか。「実機で想定される溶融物の初期温度は実験条件よりも低いと考えられる」という東北電力の主張は成り立たないように思われます。この疑問について回答していただくことを求めます。
 TROI実験について、実験者が報告したデータにもとづいて再評価し、「水蒸気爆発の発生の可能性は極めて低い」という判断を再検証していただくことを求めます。

水蒸気爆発が「起こらない」は、世界の常識に反するのでは?
●意見<受付番号 201912270000959494>
 IAEA(国際原子力機関)は、水蒸気爆発対策に対して、「容器バリアに損傷を与える可能性のある蒸気爆発をなくすために、考えられる事故シナリオで溶融炉心が水に落ちないようにすることが好ましい方法である」という認識であると承知しています(IAEA−TECDOC-1791=2016年=)
 原発の水蒸気爆発について、先進国が構成しているOECD(経済協力開発機構)がプロジェクトをつくって研究しています。そのレポートは、「すべての国ではないが、ほとんどの国では、主に未解決の不確実性により、炉外蒸気爆発の考慮が未解決の問題のままである」と報告しています(OECD SERENA Report=2017年=)。「すべての国ではないが」と述べているのは、日本とスウェーデンのことです。
 格納容器の下部に水を張って溶融炉心を受け止めることを「対策」として奨励している日本の原子力規制委員会の考え方は「世界の非常識」と見受けられます。
 OECDが「未解決の問題」としている問題ですから、根拠のある判断をしているのであれば、このパブリックコメントへの回答でその根拠を明示して下さい。
 また、格納容器の下部に水を張って溶融炉心を受け止めるという「対策」を採用するよう、OECDの加盟国にその根拠を示して働きかけるべきですが、お答えください。

追加対策が、逆に水蒸気爆発を巨大にするのでは?
●意見<受付番号 201912270000959514>
 原子力規制委員会は2019年11月12日の第796回審査会合で、溶融炉心を分散する緩衝機構を追加設置することを求めました。東北電力は、緩衝機構をどうつくるか、その素材をどうするか、未定のまま、追加対策を自主的にとることを約束しました。追加対策を条件にして「合格」させようとしていると見受けられました。
 旧・原子力研究所の森山氏ら研究員が、「分散板によって溶融物を水面上で分散させた場合、自発的な蒸気爆発は起こりにくくなったが、起こった場合には通常よりも激しい水蒸気爆発となった」(1994年、JAERI-Review 94-010, p.7)と報告しています。
 追加対策が、逆に住民の危険をさらに増すことはないのか、疑問を覚えます。追加対策を要求したのは原子力規制委員会なので、追加対策が本当に住民の安全につながるのかどうか、ご説明を求めるものです。

水蒸気爆発.jpg
 原子力規制委の後追いではなく、独自の検討を−宮城県の「女川原子力発電所2号機の安全性に関する検討会」に市民運動17団体が要望書。[2019年12月26日(Thu)]
 宮城県の「女川原子力発電所2号機の安全性に関する検討会」あてに、原子力規制委員会の後追いではなく、独自の検討を求める要望書を市民運動17団体が共同で提出しました。ニュースは直ちに、テレビで速報されました(写真下は東北放送のニュースです)。
 全文を紹介します。

宮城県 女川原子力発電所2号機の安全性に関する検討会
座長 若林利男 様
検討会委員 各位

「女川原子力発電所2号機の安全性に関する検討会」に係る要望書

 若林座長はじめ検討会委員のみなさまにおかれましては、「女川原子力発電所2号機の安全性に関する検討会」(以下、検討会)において、宮城県民の安全安心のために審議を重ねていただき、ご苦労をおかけしていることに、感謝いたしております。
 私どもは、女川原発再稼働問題に重大な関心を持って、さまざまな活動をしております宮城県内の市民団体です。
 「東日本大震災後の施設の健全性確認、新規制基準に適合することにより向上する安全性の確認」を行うとする検討会の内容に大いに注目し、2014年11月11日の第1回から2019年10月23日の第21回まで、私どものメンバーは欠かさずに傍聴してきました。
 さて、2019年11月27日、国の原子力規制委員会は、「女川原発2号機の原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案」をとりまとめ、パブリックコメントの後、2020年1月〜2月にも、審査書を確定する見通しとなっています。
 そうなればいよいよ、女川原発2号機再稼動に向けた手続きは「地元同意」が重要な位置をしめるものになります。その際、村井知事は「検討会の検討結果を判断材料にする」と繰り返し述べており、検討会がどのような内容の検討結果をどのような形で出すのかが、たいへん重大な意味を持つものとなっています。
 そこであらためて、若林座長はじめ検討会委員のみなさまに、私たちが検討会に対して考えていることを、以下の9項目にまとめ、「要望書」としてお届けします。お忙しい中とは存じますが、ぜひお読み取りいただき、必要な回答をいただきたくお願いいたします。 
 なお、本「要望書」は、検討会委員のみなさま全員に配付していただきますようお願いいたします。

1、国の原子力規制委員会とは別個に、立地自治体である宮城県が、独自に「安全性検討会」を設置した意義を踏まえた検討を行ってください。
 私たちが傍聴している限り、検討会の多くの時間が東北電力からの説明を聞くことに割かれ、その内容が「原子力規制委員会の後追いでは?」と思わざるを得ないことが多々ありました。原発立地自治体としての視点から、すなわち原発の地元住民の安全を守るという視点から、独自の検討を行うことは出来ているのでしょうか。委員のみなさまそれぞれの専門家としての矜持に信頼し、県民はこの点を注視しております。

2、特に、県民が最も心配している「女川原発が被災原発である」という点について、徹底的に検討してください。
 これまでの検討会の中でも、委員のほうから「女川原発が被災原発である」ことを巡って、東北電力を鋭く追及する場面が何度かありました。この点に最も大きな不安と疑問を抱いていることは県民も同じであり、検討会として、納得のいくまで徹底的な検討をお願いします。

3、女川原発2号機は、事故を起こした福島第一原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWRマークT改良型)です。福島原発事故の原因究明が完全には成されていない中で、女川原発の十分な安全性検討ができるのでしょうか。この点も多くの県民が疑問を抱いています。検討会として、県民への説明責任を果たしてくださるようお願いします。

4、住民の避難計画を検討会の検討項目に加えてください。
 原発立地自治体として原発の「安全性検討」を行う上で、原子力安全の「深層防護」の第5層=「放射性物質の大規模な放出による放射線影響の緩和」(IAEA)、すなわち「住民の避難計画」を検討対象に含めることは当然のことであると考えます。第4層までを検討対象とし第5層のみを外すことに説得的な理由はありません。

5、宮城県議会の「脱原発をめざす宮城県議の会」から検討会へ提出された要望書(2019年10月3日付)の内容に、県民は重大な関心を持っています。
 東北電力が検討会に示したTROI実験に関わる資料に、実験者が報告した原データとはまったく異なるデータが引用されていたことは、あってはならないことです。
 東北電力に対して、本物のデータをいつ知ったのか、誤ったデータを引用した経過と理由は何か、誤りを自ら正そうとしなかった事情は何か、などについて、説明を求めて下さい。
IAEAは「溶融炉心が水に落ちないようにすることが好ましい方法である」(IAEA−TECDOC−1791)という認識です。溶融炉心を水で受け止めるという「安全」対策が、逆に危険な水蒸気爆発を招くことになるのではないでしょうか。
 原子力規制委員会が11月12日の審査会合で、溶融炉心を分散させる緩衝材を設置するように追加対策を求めましたが、原子力研究所(当時)の研究員が「分散板によって溶融物を水面上で分散させた場合、自発的な蒸気爆発は起こりにくくなったが、起こった場合には通常よりも激しい水蒸気爆発となった」(1994年、JAERI-Review 94-010, p.7)と報告しております。追加対策は、逆により危険を増すのではないでしょうか。検討会として徹底的な検証を加えてください。


6、検討会は、はじめに委員側から出された「論点」を原子力安全対策課が85項目に整理し、それについて順次東北電力の説明を聞き委員が意見や質問をする形で進められてきました。が、果たして、その都度なされた東北電力の説明を検討会は「了解」したのでしょうか。各論点についての検討会としての「安全性検討」は「完了」したのでしょうか。説明を聞くことが「検討」ではないはずです。一つひとつの「論点」毎に、了としたのか否かをはっきりさせてください。

7、加えて、「論点」ごとにその都度出された委員からの意見は、その後、東北電力において適切に反映され実施されたのか、検討会としての検証はなされたのでしょうか。
 検討会で出された委員の意見が「棚ざらし」されることがないように、東北電力のその後の実施状況について検証作業を行ってください。

8、検討会としての最終的な検討結果の「まとめ」をどのような形で出すのでしょうか。
 検討会による検討結果が知事の大きな判断材料になる以上、当然、それは委員それぞれからの意見の「羅列」ではなく、検討会として行った検討の「結論」を記述した「報告書」でなければなりません。それ無しには、「東日本大震災後の施設の健全性確認、新規制基準に適合することにより向上する安全性の確認」という検討会の目的は果たせず、知事の判断材料にもなり得ませんから、検討会としての「結論」を委員が協議の上まとめた「報告書」を出していただきますようお願いします。

9、上記の「報告書」を確定する前に、その案を県民に示し、パブリックコメントを行ってください。また、開かれた場で県民との意見交換会を行う等、県民の意見を直接聞いて、それを取り入れる機会を設けてください。
 このことは、今回のような県民の関心の高い重大な事案においては、ごく一般的な行政手続きになっています。
 以上、要望し、文書にて回答をくださるようお願いします。また以上の内容について、検討会委員と要望書提出団体メンバーとの懇談の場を設けていただきたくお願いします。

<共同提出団体> 
・女川原発の再稼働を許さない!みやぎアクション(代表:鈴木宏一)
・宮城県護憲平和センター(理事長:砂金直美)
・原発問題住民運動宮城県連絡センター(共同代表:小林立雄 斉藤信一)
・東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター(代表世話人:綱島不二雄 菊地修)
・生活協同組合あいコープみやぎ(理事長:高橋千佳)
・子どもたちを放射能汚染から守り、原発から自然エネルギーへの転換をめざす女性ネットワー
 クみやぎ(共同代表:小澤かつ 児玉芳江 佐藤郁子 村口喜代 山田いずみ)
・船形山のブナを守る会(代表世話人:小関俊夫)
・女川から未来を考える会(代表:阿部美紀子)
・止めようプルサーマル!止めよう核燃料サイクル!女川原発地元連絡会(代表:近藤武文)
・女川原発の再稼働を許さない石巻地域の会(代表:松浦健太郎)
・女川原発の危険から住民の生命と財産を守る会(事務局長:野博)
・放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク(代表:鈴木健三)
・女川原発の避難計画を考える会(代表:原伸雄)
・みやぎ脱原発・風の会(事務局長:舘脇章宏)
・脱原発仙台市民会議(共同代表:篠原弘典 水戸部秀利)
・さようなら原発いしのまき実行委員会(実行委員長:佐藤清吾)
・みやぎ金曜デモの会(代表:西 新太郎)

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綱領一部改定案、野党連合政権 BSフジ番組「プライムニュース」 志位委員長、大いに語る[2019年12月23日(Mon)]
 日本共産党の志位和夫委員長は12月19日放送のBSフジ番組「プライムニュース」に出演し、党綱領一部改定案や野党連合政権の実現への展望などについて語りました。聞き手は、フジテレビの反町理解説委員長と長野美郷キャスターです。「しんぶん赤旗」から大要を紹介します。

立民・枝野氏との党首会談――「政権を代え、立憲主義を取り戻す」で一致

 冒頭、15日に立憲民主党の枝野幸男代表と行った党首会談について「なぜこのタイミングで」と問われた志位氏は、「臨時国会では野党共闘がずいぶん前進しました。そして(11月24日投票の)高知県知事選挙でもみんなで協力してがんばった。そのご苦労さん会ということで話し合いを持ちました」と述べ、「大きな一致点としては『安倍政権を倒し、政権を代え、立憲主義を取り戻す』という点で一致しました」と述べました。
 反町氏は、カジノを含む統合型リゾート(IR)事業絡みで、東京地検特捜部がIR担当の内閣府副大臣だった秋元司衆院議員=自民、東京15区=の地元事務所などを家宅捜索した受け止めを質問。志位氏は「強制捜査が始まったということですから、疑獄事件になる可能性をもった深刻な事態だと見ています。どれだけの深さと広がりがあるか、よく見ていきたい」と表明。来年の通常国会でも秋元氏の疑惑をただす必要があると述べました。またカジノについても「ギャンブル依存症は、現状でもたいへん深刻な問題になっています。カジノは日本の庶民のふところから巻き上げて、アメリカのカジノ産業に貢ぐだけ。私たちは反対です」と述べました。

なぜ綱領一部改定か――16年間の世界情勢の変化にそくして改定案を作成した

 番組では、フリップで党綱領一部改定案の主なポイントを説明。(1)世界情勢論の組み立ての見直し――志位氏「二つの体制の共存する時代という特徴づけは成り立たなくなった」と説明、(2)資本主義の諸矛盾、貧富の格差、気候変動を特記(3)紛争の平和的解決を原則とした平和の地域協力の枠組みを北東アジアに築くと明記(4)中国について「社会主義をめざす新しい探究が開始され、21世紀の世界史の重要な流れの一つとなろうとしている」としていた部分を削除――という4点をあげ、「なぜいま、大幅な綱領の改定に踏み切ろうとしているのでしょうか」(長野氏)とたずね、やりとりになりました。

志位 いまの綱領は2004年に改定したものなんですね。それから16年たち、世界の情勢の大きな変化が起こっています。いまの世界の情勢に照らして、あわなくなった部分もある。中国の評価などはあわなくなってきた。こういう部分は削除をする。そして同時に、新しい流れとして、希望ある流れも出てきた。そういうものはきちんと明記する。こういう形で、私たちは綱領改定案を提案し、討論をしているところです。

反町 (世界情勢論の組み立ての見直しに関して)「資本主義と社会主義の二つの体制が共存するという特徴付けは成り立たなくなった」と説明されていますよね。どういう時代になったということなんですか。

志位 これまでの綱領では、世界の大きな見方の一つとして、一方に、資本主義の体制がある、他方に、1世紀前のロシア革命で始まった資本主義から離脱した流れがある。ソ連はつぶれたけれども、「社会主義をめざす新しい探究が開始されてきている」として、中国などで(社会主義をめざす)流れが続いているという見方に立っていました。しかし、いまの中国の現状を見ますと、「社会主義をめざす新しい探究を開始」している国と判断する根拠はもはやなくなったと考え、そこは削除するということを提案しています。

反町 そうすると、いま世界は資本主義だけ?

志位 全部が資本主義一色というふうに言うつもりはありません。しかし、「二つの体制が共存する」という特徴づけは、世界史的な流れとしては、中国について、先ほど言ったような見方の変更をするということになりますと、もはや「二つの体制の共存」という規定づけは成り立たないとはっきりさせました。

中国をどうみるか(1)――98年の両党関係正常化と、その後の中国の変化

反町 それはソ連や、中国など、いろんな国にある共産党、社会主義政党に対して一定の歴史的な役割は終えたという意味でおっしゃっているんですか。

志位 ソ連共産党については、ソ連はすでに崩壊したわけですからもう終わっているわけですね。あと大きな流れとして、中国という流れがあったわけです。私たちは中国についてはいろいろな評価をしてきたけれど、2004年の(綱領改定の)段階では、社会主義の事業に対して「真剣さ、誠実さ」をもって取り組んでいると判断しました。
 1998年に日中両共産党の関係正常化がありました。1966年、毛沢東の時代に「文化大革命」があり、このとき中国式の武装闘争を日本共産党に押し付けてくる、乱暴な干渉をやったんです。それで関係が断絶した。しかし(98年の関係正常化にあたり)当時の中国共産党は「真剣な総括と是正」を行ったと公式に表明しました。干渉の誤りを認めたんですよ。おそらく中国共産党が公式に誤りを認めたのは、このケースだけだと思います。そういう中に、私たちは「真剣さ、誠実さ」を見て評価もした。
 しかし、2008年〜09年くらいから中国に変化が起こってきました。新しい大国主義・覇権主義があらわれてきた。

反町 習近平体制になったことによって、ということになりますよね。

志位 胡錦濤体制の2期目の最後の時期くらいから、いろんな後ろ向きの変化が出てくるようになりました。その都度、私たちは率直に意見を言ってきたけれど、慎重に検討するなかで、これはもう「社会主義をめざす新しい探究を開始」している国と判断する根拠はなくなったと考えまして、一部改定案ではその部分を削除したのです。

中国をどうみるか(2)――新たな大国主義・覇権主義と人権侵害の深刻化

長野 志位さんは、先月の党中央委員会総会(8中総)で、中国について「中国公船による尖閣諸島の領海侵入、接続水域入域が激増・常態化している。両国関係の『正常化』を喧伝(けんでん)しながら、領海侵犯を常態化させるというのは、きわめて不誠実な対応だ」と述べています。この他にも、香港情勢で中国を批判するなど、志位さんが中国を批判する発言が最近は目立つわけなんですけれど、いま中国に対してはどんな思いでいらっしゃるんでしょうか。

志位 大きく言って、二つの問題が出てきたと思っております。
 一つ目の問題は、新しい大国主義・覇権主義です。
 これがどこにあらわれているかと言いますと、一つは核兵器問題です。かつて中国は、核兵器廃絶を主張していました。核兵器禁止条約を唱えていた時期もある。ところが、この10年くらいは後ろ向きの態度をとり、核兵器禁止条約に対しても反対、妨害するという立場に立っている。アメリカと一緒になって核兵器廃絶に反対するという大きな変質が起こりました。
 もう一つは、東シナ海と南シナ海における覇権主義的なふるまいです。尖閣諸島の周辺海域で、中国公船による領海侵入を含む接続水域への入域がどうなっているか。(海上保安庁の資料を示しながら)これは最新のデータなんですけれど、今年2019年のデータで、延べ隻数で1053隻。去年の1・7倍で過去最多なんです。これまで年間1000隻を超えたことはありません。激増しているんです。
 この間、日中首脳が相互往来して、「日中関係は完全な正常の軌道に戻った」と宣伝しながら、こうやって領海侵入や接続水域入域を激増させるのは、非常に不誠実な対応だと(思います)。日本が実効支配している地域に対して、どんな言い分があったとしても、力ずくで現状変更を迫るのは国連憲章に反する。だから私たちはこれに抗議し、中止することを強く求めています。
 もう一点の問題は、香港、ウイグル自治区で人権侵害が深刻化していることです。人権問題というのは国内問題でなく国際問題です。人権を擁護し発展させるというのは国際社会に対する義務であり、そのための条約があるわけです。そういうことに照らして、香港で起こっていることは非常に深刻だと(考えます)。私は11月14日に香港での弾圧を即時中止すべきだという声明を出し、中国政府にも伝達しました。
 この香港の事態をみる際に、日本のメディアで「どっちもどっち」というような報道があるでしょ。

反町 学生側もちょっと荒っぽいやり方をしているということですね。

志位 香港警察の暴力も問題だけど、デモ隊の暴力も問題だ、どっちもどっちだと(いうものです)。私はこれは間違っていると思っています。私たちも、デモ参加者による暴力には反対です。平和的な方法で自分の意見を表明することは大事だということは私たちも求めています。しかし、警察の暴力は次元が違いますよ。
 いくつかポイントがあるんですが、今年6月に基本的に平和的な200万人のデモが起こったでしょ。あの当初の段階から中国政府と香港政府は、「組織的暴動」とレッテルを貼って抑圧的措置をとった。これが一つ。もう一つは、丸腰の若者の腹部に向かって実弾を撃った。これは野蛮で言語道断の暴挙だと思うんです。さらにもう一点言いますと、深圳に武装警察部隊を展開させて威嚇をした。武力による威嚇です。
 そして、これを指導・承認しているのは中国の最高指導部です。習近平主席が香港の行政長官と会って、もっとしっかりやりなさいと言い、その督励のもとでやっているわけですよ。ですから、中国政府の直接の責任が問われる。私たちはそう考え、人権弾圧は直ちに中止すべきということを強く求める声明を出しました。

反町 アメリカの場合は関税戦争を仕掛けた後から、別の形で中国に対して人権問題の解決に向けた圧力をかけている。どう考えますか。

志位 私は、今、アメリカがやっているやり方は賛成しかねます。

反町 あくまでも話し合いですか。

志位 話し合いというよりも、国際世論が何よりも大切です。国際世論によって、どこがどう間違っているのかをしっかり突きつけていく。国際世論によって中国による人権蹂躙(じゅうりん)を包囲し、やめさせていく。一定の(制裁)措置を取り始めますと、やはりエスカレーションが起きる。そういう問題があるんですよ。ですから私たちは、何よりも世論で包囲していくことが大事だと考えています。

反町 あくまで言論戦で決着を、ということなんですね。

志位 それが大切です。実は3年前の第27回党大会決議に「中国に新しい大国主義・覇権主義があらわれている」という批判を入れたんですよ。そうしましたら、党大会の直前に程永華中国大使(当時)が中国共産党中央委員会の代表という立場で日本共産党本部を訪ねてきて、私に対して、決議にある中国批判の部分の削除を求めてきました。私は、もちろんきっぱりと拒否し、なぜ中国が間違っているかを、一つひとつじゅんじゅんと話しました。「削除してほしい」と言ってくることは、逆にいえば理詰めの批判は手痛いわけです。

問われる政府の対中外交――言うべきことを言わない外交でいいのか

反町 尖閣の問題では「(中国は)来るな、来るな」というだけですか。

志位 そもそもそれを言ってないじゃないですか、日本政府は。日本政府の一つの大きな問題は、習近平氏を国賓で来春呼ぶことが先にありきで、言うべきことを言っていないことです。日中両国首脳が会ったプレス(発表)を見ても、まともに言っている形跡はありません。尖閣の領海侵犯などに抗議し、「止めなさい」と言った形跡はない。香港についても「弾圧はやめるべきだ」と全然言わない。尖閣は日本の領土ですよ。香港はすぐ近くの国の人権問題ですよ。これぐらい言わなくてどうするのか。

反町 習近平主席の国賓来日について共産党としては反対なんですか。

志位 国賓で招くということが先にありきで、言うべきことを言わないというのは大問題です。まずはこの態度を改めるべきだと思います。

反町 現状は言うべきことを言っていないから、国賓として招くべきではないという理屈にはならないんですか。

志位 言うべきことを言わないで、国賓――最高待遇の訪日ありきというのは問題だと思います。そこまでは言っておきたい。

反町 国賓となると、天皇陛下が習近平主席をお迎えしての晩さん会などさまざまな歓迎行事があります。天皇陛下がそういう形で習近平氏と向き合うことについては皇室の政治利用に当たるのかどうか。

志位 かつてこういうことがあったんですよ。1989年の中国の天安門事件で中国の軍隊がたくさんの学生を殺害したことに対し、私たちは糾弾の声明を出し、国際社会も糾弾した。その直後の時期(1992年)に(日本が)天皇訪中を行い、それが国際的制裁が緩和されていく契機とされたということがあります。そういうことを繰り返してはいけないということを言っておきたいと思います。

反町 今回迷う理由はどこなんですか。なぜイエスかノーが言いにくいんですか。

志位 やっぱり国と国ですから、いろいろな交流一般を私は否定しているわけじゃない。ただ、いま一番問われているのは、国賓に招くということで、相手の嫌がることは一切言わないというやり方をまず改めなさいということです。それを日本政府がきちんとやるかどうかなのです。
 (それを)やった場合に中国が来るかという問題もある。中国はまさに日本がどう出るか見ているわけですよ。ですから、まだ中国は(来日の)回答していない。日本が中国に対して言うべきことを言ってきた場合にはもう行かないぞという姿勢なわけですね。

反町 そうすると先に国賓待遇だというカードを切ってしまった安倍政権の対中姿勢に問題がある?

志位 (中国側に)カードを切ってしまった、招待してしまったわけです。それで(中国は)好き勝手をやっている。これでいいのかということですね。少なくとも尖閣と香港という二つの問題を抱えているわけだから、きちんと日本は道理に立って「間違いは間違いです」と言う。それを中国がきちんと受け入れて日本に来るというんだったら迎えることもあるでしょう。そういう関係じゃないでしょうか。

反町 今月の末に日中韓首脳会談が中国・成都であります。その場において、尖閣問題で対応善処を求める、ないしは香港問題に対する強い憂慮の念を伝えるということを安倍総理からやった場合、(国賓訪日の)環境は整ったと?

志位 河野防衛相が訪中し会談しましたが、尖閣の問題は「強い懸念」といっただけで抗議もしなければ中止要求もしない。香港情勢に対しても「憂慮」しか言わない。「弾圧をやめろ」とは言わない。それを言えるかどうかなんです。

反町 なるほど。言葉として。

志位 言葉として、です。尖閣については(中国公船による領海侵入を含む接続水域への入域が)1・7倍にもなっている事実を突きつけて「力による現状変更はやめなさい」と。中国側に言い分があったとしても、「国際ルールに違反している。だからやめなさい」と言えるかどうか。香港については「弾圧を即時やめなさい」と言えるかどうか。この二つが大きな試金石だと思います。
 私たち日本共産党としては、孔鉉佑駐日大使が先日党本部にお見えになった時に、尖閣と香港についてわが党の立場を伝え、本国にも伝えてほしいと言いました。議論になりましたけれども、最後に大使は「本国に伝える」と言いました。

 中国問題をめぐるやりとりの最後に、志位氏は次のように述べました。

志位 二つ言いたい。
 中国が軍事で来たから、日本も軍事を強めようという「軍事対軍事の悪循環」には私たちは反対です。事実と道理を突き付けて、じゅんじゅんと説く外交が必要だというのが一つ。
 もう一つ言いたいのは、私たちは中国指導部の間違った行動は批判します。しかし反中国というのをあおっていく排外主義、あるいは過去の侵略戦争を美化するような歴史逆行に私たちは反対します。
 (中国の批判をする場合でも)そこはきちんと節度をわきまえた批判をやっていきたいと思います。

貧富の格差の拡大――資本主義の“総本山”のアメリカで社会主義の「復権」が…

長野 綱領改定案の報告で志位さんは、資本主義の矛盾として貧富の格差の拡大を問題視する一方で、資本主義の発達が遅れた国々における社会主義的変革は難しいという指摘もしています。共産党は今の資本主義と社会主義の関係をどうとらえているんですか。

志位 私たちは、「二つの体制が共存するという特徴づけは成り立たなくなった」と表明したんですけれども、それでは資本主義の方が万々歳かというと決してそんなことはない。
 利潤第一主義ということが資本主義の原理です。その矛盾が噴出している。(綱領一部改定案では)とりわけ貧富の格差の世界的規模での拡大と地球的規模での気候変動について、まさに人類の生存のかかった大問題として世界資本主義の矛盾の焦点になっていると特記しました。
 貧富の格差について言いますと、アメリカの『フォーブス』誌は「世界のビリオネア」―10億ドル以上の資産保有者がもっている資産総額が、なんとアフリカのGDP(国内総生産)の4年分に匹敵すると(発表しています)。そのぐらい世界の格差が目もくらむような勢いで広がっている。

反町 なるほど。

志位 それから先進国の内部でも、ほぼ例外なく格差が広がっているという状況があるんですね。その中で私がたいへん印象深かったのが、資本主義の総本山であるアメリカでの二つの世論調査です。
 一つは、大手世論調査機関の「ピューリサーチ」。今年4〜5月に実施した調査では、20代〜30代の若者の半数が資本主義より社会主義がいいと答えた。社会主義に希望を見いだしている。
 もう一つは、NBC系メディアの世論調査で、女性の55%が資本主義より社会主義の社会に住みたいと答えていることです。

反町 民主党上院議員のサンダース氏の政策は共産党から見たら「マル」なんですか。オッケーなんですか。

志位 すべて「マル」とは言わないけれど、ずいぶん接点がある。

反町 アメリカの人たちのソーシャリスト、ソーシャリズムが意識するのはサンダース氏ですよ。

志位 サンダース氏あるいは民主党下院議員のアレクサンドリア・オカシオコルテスさんらの政策を見ますと、富裕層に増税をと(主張しています)。

反町 再分配を強化しますと。

志位 それから、社会保障をきちんとやろうという方向です。再分配をしっかりやる。1%のための富裕層や大企業のための政治から、99%の国民のための政策に切り替えようというのは、私たちと向いている方向は一緒です。
 資本主義の“総本山”のアメリカで、一種の社会主義の「復権」が起こっているというのはたいへん重要なことだと思いますね。

ロシア革命と中国革命――社会主義にすすむ前提のないところからの出発だった

反町 ロシア革命のころに比べて、もっと大きな貧富の格差が生まれているのであれば、いまこそ社会主義革命の時期が目の前に来ているんだぞという意味でおっしゃっているんですか。

志位 ロシアで起こった革命というのは、第1次世界大戦という状況下で起こったものです。特別の状況下で起こった革命なのです。レーニンの時代、とくに晩年の時代には、ずいぶん合理的な探究がされたんですけども、スターリンになって専制主義・覇権主義という大きな変質が起こって(ソ連)崩壊に至ったわけですね。このロシアの革命を見るときに、スターリンの誤りは決定的に大きいんですけども、やはり出発点の遅れというものは大変なものがあったんですね。

反町 出発点の遅れ?

志位 たとえば、レーニンが最晩年に書いている論文を読むと、ロシアで文字の読み書きができる識字率は、1920年の統計で(国民全体の)3割、女性は2割です。ですから、レーニンは、“自分たちは社会主義の革命をやったが、これから文明をつくらなければいけない”と言っています。生産力の水準も低い、まだ主要部門で電化さえされていないところからスタートしなければならない難しさがあった。つまり社会主義に進むうえで不可欠な、高度な生産力、自由と民主主義の制度、人間の豊かな個性――いろんな前提がないところから始めなければならなかった。

反町 今はできている?

志位 マルクスの考え方のなかに、「資本主義の高度な発展は次の社会――社会主義・共産主義に進んでいく条件をつくる」と(いうのがあります)。
 一つは、高度な生産力。二つ目は、経済の社会的な管理と規制の仕組み。たとえば銀行制度など経済の社会的な管理の仕組みができてくると。三つ目に、人民のたたかいによって労働時間の短縮など「暮らしと権利を守るルール」ができてくる。

反町 いまそういうのが進んでいるような気がしますけど。

志位 ええ。四つ目に、自由と民主主義の諸制度がつくられる。最後に五つ目に、人間の豊かな個性が、まだ搾取制度はあるけど生まれるんだと。こういう五つの要素が資本主義の発展の中でつくられてくる。もちろん、いま述べた要素のうちのいくつかは、人民のたたかいによって初めてつくられるし、たたかってこそ先に進めるんですけれど、資本主義の高度な発展のなかで、次の社会に進む物質的な条件、客観的な条件、そして主体的な条件がつくられてくるというのが、マルクスの展望だったわけです。
 そういうことから考えると、ロシア革命が開始された時代、それから中国革命の出発点では、そういう諸条件というのは整っていない。あるいはきわめて未成熟です。そういうところから始めた場合は、革命のあとにそういう条件をつくらなければならなかったわけです。これが非常に難しかった。

日本における未来社会のもつ大きな可能性――「人間の自由で全面的な発展」が目標

反町 今は、どうなんです?

志位 私たちは、今の日本で、一気に社会主義にいこうというプログラムではありません。まず、アメリカ従属と財界中心というゆがみをただす民主主義革命を行い、そのうえでその先(社会主義・共産主義)に進もうというプログラムなのですが、日本の場合、いま言った五つの要素がみな熟しているではないですか。ですから、社会主義に進むならばはるかに大きな可能性と展望が開けてくる。

反町 今の日本にこそ社会主義革命の条件は整っているということですか。

志位 そこに進むいろんな要素が熟してきていると思います。

反町 社会主義革命をめざすという心を共産党は捨ててはないのですよね。

志位 もちろんです。私たちは「社会主義的変革」という言葉を使っています。

反町 革命ではなくて、変革なんだ。革命はやはり武力を使うこと?

志位 違う、違う。私たちの立場は議会で多数を占めて、平和的に進むということです。

反町 そうか、暴力的革命というのはすでに捨てているんだ。闘争手段としては。

志位 それは決してやらない。平和的な手段でやっていくのですが、革命というのはいわば権力が移るということです。
 私たちも入って民主主義的な革命を実行したとするじゃないですか。そうした民主主義的な政権が今度は国民の多数の合意で、社会主義に進もうといった場合に、同じ勢力が中心になって社会主義の道に進むという可能性がかなり高いですよね。その場合は、革命というより「社会主義的変革」という言葉が、適切になると思います。

反町 民主的議会制度に基づいた、徐々な変化。

志位 そうです。一段一段とやっていくということです。

 このやりとりの最後に志位氏は次のように述べました。

志位 一番大事なのは労働時間が短縮され、たとえば1日3時間や2時間、週3日とか4日でもやっていけるようになるということです。残りの自由な時間で、すべての人々に眠っている潜在的な能力を自由に開花させ、自分の能力を豊かに全面的に発展させることができるようになる。すべての人間の自由で全面的な発展を保障する社会――これが私たちのめざす社会主義であり、共産主義なんですね。

野党連合政権――いま安倍政権に代わる政権構想を示すことがどうしても必要

長野 共産党がめざす野党連合政権はどういうもので、どんな形になるんでしょうか。

志位 私たちは野党共闘という道を2015年9月からずっと追求して、3回国政選挙をやりました。一定の成果が上がってきたと思うのですよ。
 ただやはり大きな課題として、野党がみんなで力をあわせて政権をつくろうという合意をつくり、安倍政権に代わる野党の政権はこうだというのを示すことがどうしても必要だと(考えています)。それがないと、国民のみなさんは自民党がおかしなことをやっていても、別の受け皿が見えてこなかったら、なかなか動かないと思うのですね。ですから、それをやろうじゃないかと言っています。

反町 共産党さんはその時には政権に参加するんですか、閣外協力ですか。

志位 閣内か閣外か、私たちは今から、どっちでなければいけないということを言うつもりはありません。

反町 協力はするけれども(閣内に)入らないかもしれない。

志位 その可能性もあると(考えています)。また、入った方がいいとみんなが判断して、われわれも判断すれば、入ることもあるでしょう。

反町 志位さん、総理を狙っています?

志位 それは狙っていません。(笑い)

反町 なんで狙わないの。政権を狙わない政党は、ネズミを捕らない猫ともいう話もあります。

志位 基本的には野党第1党の党首が総理候補ですから。

反町 そんなことないでしょ。野党第1党でないところから、細川さんなんか総理になっているじゃないですか。

志位 それはもう、みなさんがそういうふうにまとまった場合には、何だってやりますよ(笑い)。ただ、基本的には、野党第1党の党首が総理候補だろうということを、私は言ったのです。

天皇の制度――憲法の規定をきちんと守っていくことが何よりも大切

反町 野党連合政権になったときの基本的な政策についていくつか伺いたいのですが、共産党さんは野党連合政権になったら天皇制にたいしては、どう向き合いますか。

志位 これは、今の憲法上の制度について手を付けるとか、変えるとかいうことは考えていません。私たちは今の天皇の制度について、憲法の規定をきちんと守るということを求めます。つまり、天皇は「国政に関する権能を有しない」(第4条)という制限条項を、きちんと守るということを求めます。憲法1条も含めて全条項を守るというのが、私たちの立場です。

連合政権と自衛隊――安保法制を白紙に戻すことが共通の大目標

反町 自衛隊はどうするんですか。

志位 私たちの党の立場としては、自衛隊は憲法と両立しないという立場は変わりません。ただ、この立場を政権の中に持ち込むつもりはないんです。

反町 えっ? どういうことですか。

志位 私たちが参画する野党連合政権がとるべき態度として自衛隊違憲論をとれということを主張するつもりはありません。
 自衛隊と憲法について野党が一致しているのは、2015年の安保法制を白紙に戻す、集団的自衛権の行使はできないようにするということです。だからここまできちんとやるというのが憲法と自衛隊についての私たちの主張です。野党連合政権ではこれを実行すればいい。

反町 国を守るための自衛力は、共産党さんは警察だけでいいのか、軍事力まで持つべきなのか。そこはどうなのですか。

志位 憲法9条というのは、軍事力の保持を禁止しているわけです。ですから、将来的な目標としては、9条の完全実施という目標に進む必要がある。しかし、これはすぐにはできません。国民多数が(9条の完全実施で)合意していく状況をつくるためには、日本を取り巻く国際環境をよくして、国民の多数の合意が成熟して初めて前に進める。それまでは、自衛隊と当然共存していく一定の期間が生まれるというふうに考えています。

連合政権と日米安保――新ガイドラインをただしていく

反町 日米安保はどうするんですか。

志位 日米安保も私たちは、安保条約はこれは諸悪の従属の根源ですから、これも国民多数の合意によって廃棄をすると。そして日米友好条約に変えるという大方針は変えません。
 ただ、これも、野党連合政権にそれを持ち込んだら、一致しませんよね。ほかの党と。だから、持ち込まない。
 そうすると安保条約の問題をどうするか。どこを変えるかというと、新ガイドライン(日米軍事協力指針)です。つまり、新ガイドラインに基づいて安保法制をつくったわけだから、新ガイドラインについては、これをたださないといけない。これを求めていくというのは、野党内で一致しうると思います。

消費税――5%減税で野党が足並みそろうように力をつくす

反町 消費税は、「れいわ新選組」さんを入れるか入れないかどうかは別として、みんなバラバラではないですか。共産党さんは「消費税は5%に戻せ、廃止」を?

志位 緊急にまず5%に戻せと。将来的な目標は廃止ということです。これはよく話し合ってみたいと思っています。
 10%に上げたことで、すでにたいへんな景気悪化が起こっているじゃないですか。家計消費も落ち込む、景気動向指数も落ち込む、それから日銀短観も悪化する。すべてが悪くなっているじゃないですか。ですからこれは、大失政だったことは明らかで、5%に戻すべきだと(主張しています)。5%に戻して景気回復を図るということで、野党の足並みがそろうように、私たちとしては努力したいと思います。

反町 5%(減税分の)11兆円はどこから持ってくるんですか。

志位 私たちの財源政策は、富裕層や大企業に対する優遇税制をただす。そして(所得税などの)最高税率を引き上げる。法人税についても、安倍政権で下げたものは戻すということを考えています。軍事費についても、イージス・アショア、辺野古の埋め立て費用など、メスをズバリ入れていく。「国債を乱発して減税する」というのは理解されないわけであって、やはり歳出・歳入の改革で、財源をこうやってつくります、という政策を具体的に出しています。

「北東アジア版TAC」は大いに可能性がある

反町 共産党さんのお考えというのは、最終的には自衛隊を憲法違反の存在だからなくし、日米安保もなくして、ほかの友好条約のネットワークを張り巡らすという意味で、非武装中立論ですか。

志位 先ほど北東アジアに平和協力の枠組みをつくろうといいましたが、これを緊急にやろうということです。

反町 これはどういうイメージなんですか。

志位 ASEAN(東南アジア諸国連合)ではTAC――東南アジア友好協力条約という条約を結んでいます。あらゆる紛争問題を話し合いで解決しようという条約を結んでいる。とことん話し合いをやって、紛争が起こっても戦争にしない知恵が働いているわけです。こういう平和の地域協力の枠組みがASEANでできている。同じような枠組みを北東アジアにもつくろうではないか。これが「北東アジア平和協力構想」です。2014年の党大会で提案しました。

反町 どこの国、地域を対象としてあげているんですか。

志位 国のイメージは6カ国協議の構成国です。つまり、日本、韓国、北朝鮮、中国、ロシア、アメリカ。

反町 アメリカもここに入れるんですか。

志位 入れます。この6カ国で「北東アジア版TAC」を結ぶということです。つまりあらゆる問題を武力ではなくて、平和的話し合いで解決することを締約国に義務付けるTACを結ぶ。これは不可能な話ではないと思います。
 なぜかというと、いまあげた6カ国は、すでにASEANとの関係では、みんなTACを結んでいるんです。ですからTACを北東アジア域内での平和のルールにしていくことは可能だと思います。まずこの地域を、戦争の心配のない平和と安定の地域にしていく。そのためにはやはり北朝鮮の核問題の解決はどうしても必要です。いまこう着状態や逆行もあるけど、なんとか始まった対話による解決の流れを成功させることができれば、6カ国による「北東アジア版TAC」への道が、大いに開けてくる可能性があると思っています。

「提言」は「多様性のなかの統一」――「三つの転換の方向」をみんなで共有

 最後に志位氏は、「政権交代を実現させるために」を「提言」を求められ、フリップに「多様性のなかの統一」と書いて説明しました。

志位 野党はそれぞれ別の党ですから、それぞれの主張、違いがあっていい。違いがあっても、お互いその違いを認め合って、お互いに敬意を払って、リスペクト(尊敬)して、一致点で協力しよう、つまり、多様性を大事にしながら一致点でしっかり協力していこうと。多様性を大事にしながら、団結を図っていくというのが一番強いのではないでしょうか。

反町 自民党政治打倒の一点が目標化していませんか。

志位 そんなことはありません。野党間ではすでに13項目の政策合意があります。この中には経済の問題もある、原発の問題もある、辺野古の問題もある。きちんと包括的な合意があります。これを土台にしつつ、「三つの転換の方向」をみんなで共有してすすもうではないかといっているんです。
 一つは、憲法に基づき、立憲主義、民主主義、平和主義を回復する。
 二つ目は、格差をただし、暮らし・家計応援第一の政治にきりかえる。
 三つ目は、多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重する政治を築くというものです。
 この三つは、当たり前のことのように見えるけど、みんな安倍政権にないものですよ。立憲主義もない、格差是正もない、多様性の尊重もない。ですから、安倍政権からの転換の理念を示していると思います。
 しかも、この三つは、私は野党がみんな合意できるのではないかと思う。だから、この方向性をしっかりと掲げて、理念もしっかり掲げて、野党が立ち向かっていけば、国民のみなさんの大きな支持は得られるのではないかと考えています。

憲法通りの政治をやったら大改革となり、豊かな日本の展望が開ける

 志位氏に対し視聴者から「時代の流れにより共産党は綱領を改定しましたが、時代の流れ、および変化に伴い憲法は改正しなくていいのですか」(福岡県の30代の男性)の質問が寄せられました。

志位 今の日本国憲法はすごく先駆的なもので、むしろ憲法で書いてあるいろんな問題が実現していない。例えば、憲法24条には「両性の平等」とありますが、日本はジェンダーギャップ指数・世界122位。一番下のほうですよね。あるいは、憲法25条には「社会保障の増進」とあるけど、社会保障の切り捨てばかりやっている。
 ですから変えるべきは憲法ではなくて、憲法をちゃんとやっていない政治の方を変えるべきだというのが、私たちの主張なんです。私は、憲法に書いてある通りの政治をやったら、ものすごい大改革になると思うし、豊かな日本の展望が開けると思っています。

資本主義を乗り越え、先に進むことが大局的に求められている

 また、「新綱領の趣旨にかんがみ、共産党という名称を変えるべきときを迎えたのでは」(東京都の60代・男性)という意見も。

志位 これは(綱領一部改定の)「趣旨にかんがみる」と、ますます共産党という党名が大切だと思っています。
 資本主義の矛盾が噴出し、貧富の格差が広がっています。気候変動は果たして、資本主義という枠組みで解決できるのかという問題があります。もちろん、私たちは資本主義の枠組みの中でも最大限の真剣な取り組みをやって解決のために努力しなければならない。しかし同時に、この問題に取り組んでいる運動をやっている側から、「今のシステムで解決の方策が見つからないのなら、システムそのものを変えなければならない」――つまり、利潤第一――環境より利潤を上に置くような経済システムそのものを変えなければいけないのではないかという議論が起こっているじゃないですか。
 ですから、今の資本主義の矛盾――貧富の格差、気候変動、この二つの大矛盾からしても、資本主義を乗り越えて、先に進むということが大局的には求められていると思います。それが社会主義であり、共産主義なんです。

反町 のれんは変えないと。

志位 変えません。
女川原発で水蒸気爆発の危険? 疑問がますます膨らみました。東北電力と原子力規制委に説明してほしい3つの疑問(高島武雄氏の講演を聞いて)[2019年12月16日(Mon)]
 高島武雄氏の講演を聞きました(12月15日、エルパーク仙台で)。
 IAEA(国際原子力機関)は、水蒸気爆発対策に対して、「容器バリアに損傷を与える可能性のある蒸気爆発をなくすために、考えられる事故シナリオで溶融炉心が水に落ちないようにすることが好ましい方法である」という認識です(IAEA-TECDOC-1791=2016年=)
 原発の水蒸気爆発について、先進国が構成しているOECD(経済協力開発機構)がプロジェクトをつくって研究しています。そのレポートは、「すべての国ではないが、ほとんどの国では、主に未解決の不確実性により、炉外蒸気爆発の考慮が未解決の問題のままである」と報告しています(OECD SERENA Report=2017年=)。
 格納容器の下部に水を張って溶融炉心を受け止めることを「対策」として奨励しているのは、日本とスウェーデンだけで、例外的です。
 欧州委員会エネルギー研究所の研究者(DANIEL MAGALLON)が、「実機の中で水蒸気爆発がトリガーされるかの予測不可能」「水蒸気爆発を防ぐ対策を明確にすることは非常に困難」「十分なエネルギーが供給されれば水蒸気爆発が発生しうる」「トリガーの大きさと,生じうるかどうかは,結論が出ていない」「近い将来においても研究の進展はほとんど期待できない」「必ず起きると考えて水蒸気爆発に耐える設計にする」べきであることをレポートしています(Edited by BAL RAJ SEHGAL,NUCLEAR SAFETY IN LIGHT WATER REACTORS Severe Accident Phenomenology,Elsevier Science Publishing Co Inc(2011),p.265.)
 以上が高島武雄氏の講演の結論部分です。
 新規制基準をつくる議論をした「新安全基準に関する検討チーム」の議事録を見ると、更田豊志氏(現在の原子力規制委員会委員長)が、水蒸気爆発の取り扱いに関与していることが分かります。これも、この講演会で学ぶことができた点です。

 3つの問題に、説明を求めたいと思いました。

(1)、東北電力は「水蒸気爆発が発生する可能性は少ない」「水蒸気爆発が発生しても威力は小さく、格納容器の損壊は起こらない」とし、原子力規制委員会もこれを容認していますが、その根拠を良く説明することが双方に求められます。世界の「常識」とは異なるのですから。

(2)、原子力規制委員会は11月12日の審査会合で、溶融炉心を分散する緩衝機構を追加設置することを求めました。これを条件にして「合格」させようとしています。
 高島武雄氏は、旧・原子力研究所が、「分散板によって溶融物を水面上で分散させた場合、自発的な蒸気爆発は起こりにくくなったが、起こった場合には通常よりも激しい水蒸気爆発となった」(1994年、JAERI-Review 94-010, p.7)と報告していたことを紹介しました。
 追加対策が安全なのか、逆に危険性をさらに増すことはないのか、説明が求められます。

(3)、東北電力は、水蒸気爆発が発生したTROI実験について、誤ったデータを引用して原子力規制委員会と宮城県の安全性検討会に説明していました。
 本物のデータをいつ知ったのか、誤ったデータを引用した経過と理由は何か、誤りを正そうとしなかった事情は何か、等について説明する責任があります。
 原子力規制委員会も、実験データ誤引用をどう判断していたのか、説明が求められます。
 誠実に問題と向き合っていたのかどうか、鋭く問われています。

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女川原発の水蒸気爆発を考えるー水蒸気爆発(Steam Explosion Phenomena)の実験の動画[2019年12月15日(Sun)]
 ユーチューブで公開されている水蒸気爆発(Steam Explosion Phenomena)の実験を記録した動画です。アメリカのニューメキシコで行われた実験。
 格納容器の底部に水を張って溶融した核燃料を受け止めるという「対策」を考える場合は、3分25秒以降からが参考になります。
 5kgの鉄と酸化アルミニウムを3100K(2827℃)で溶融させて1.2bの高さから水に落下させた実験です。水の深さは75pメートル、水の温度は303K(30℃)です。
 最初の動画は、時間を10倍に引き伸ばして、次の動画は時間を300倍に引き伸ばしています。凄まじい爆発が一瞬で起こっていることが分かります。

右矢印1動画はこちら

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女川原発の再稼働中止を求める意見書を採択 宮城県・美里町議会が12月12日[2019年12月14日(Sat)]
東北電力女川原子力発電所の再稼働を行わないことを求める意見書

 東京電力福島第一原子力発電所の事故から8年9カ月余り、全国で4万人以上が避難を余儀なくされており、いまだに収束のめどが立たず、事故原因も解明されておりません。また、立地自治体に限らず広範囲な空間放射線量の測定も続いております。
 柏崎刈羽原発の地元新潟県は、@福島第一原発の事故原因、A健康と生活に及ぼす影響、B安全な避難の方法―という「三っつの検証」を独自に実施し、この検証終了まで再稼働させない意向を示しております。また、東海第2原発に関しては18年3月、実質的な地元同意となる「事前了解権」を従来の東海村に加えて30キロ圏の5市にも拡大し、計6市村の首長は同年11月、「一自治体でも了解しなければ再稼働に進まない」との認識で一致しているとあります。
 本町は女川原発から緊急防護措置区域(UPZ)である30キロ圏内に位置しており、事故発生時には地域に重大な被害を及ぼすことが考えられます。
 日本訪問を終えたローマ教皇フランシスコは「原子力発電が完全に安全になるまで、私は核エネルギーを使いたくない。災害が起こらない十分な保証はない」「核エネルギーの使用は(安全性に)限界がある」と原子力発電の利用に反対を表明したとロイター通信が報じております。
 原子力規制委員会は原発の新規制基準に適合していると認めたが、核エネルギーの利用の技術は未完成であり危険なものと言わざるを得ません。原子炉には莫大な放射性物質が存在しており、完全に閉じ込めておく技術はありません。事故により大量の放射性物質が放出されれば、将来にわたり広範囲で深刻な事態が想定されます。
 よって、町民・県民・国民の命、そして安心安全な生活と故郷を守るために、東北電力女川原子力発電所の再稼働を行わないことを求めます。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和元年12月12日
宮城県美里町議会議長  大橋昭太郎

宮城県知事  村井嘉浩殿
衆議院議長  大島理森殿
参議院議長  三東昭子殿
内閣総理大臣 安倍晋三殿
経済産業大臣 梶山弘志殿
環境大臣   小泉進次郎殿

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臨時国会閉会を受けての訴え―「桜を見る会」徹底追及、「女川原発の審査書案」批判と再稼働ストップーチラシを進んで受け取る人がずいぶん増えました。今朝は泉中央駅前で宣伝。[2019年12月10日(Tue)]
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臨時国会閉会にあたって緊急宣伝、「桜を見る会」の違法行為に「説明しなさい!」の声を、女川原発の再稼働に「許さない!」の声を![2019年12月09日(Mon)]
 臨時国会が閉会しました。16時10分から、仙台市青葉区の二番町・中央通り角(平和ビル前)で緊急宣伝を行い、訴えました。
 「桜を見る会」について。税金による有権者の買収です。安倍晋三後援会主催の前夜祭に関する説明は、政治資金規正法と公職選挙法に違反しています。政権ぐるみの証拠隠滅、「逃げ切り」をはかる自民党・公明党に審判を訴えました。
 女川原発の審査書案について。きたる総選挙で日本共産党の前進、野党共闘の勝利をかちとり、「原発ゼロ法」成立による再稼働中止をめざすことを呼びかけました。

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台風19号で雨漏り、県営住宅を調査しました。まともなメンテナンスをしていないことが原因、これは人災ではないのか!?[2019年12月09日(Mon)]
 先の台風19号により、宮城県の県営住宅のうち342戸で雨漏りなどの被害が発生しました。開会中の県議会に、復旧費を含む補正予算が提案されています。そこで、福島かずえ県議、ふるくぼ和子仙台市議と一緒に、被害が大きい泉区黒松の黒松第三県営住宅を調査に訪れました。
 雨漏りの跡が残っている自宅を見せていただいたSさんから、「風が強い日は雨漏りが起る」というお話を伺いました。計画的なメンテナンスが行われておらず、それが被害を招いているのであれば、これは人災です。
 夫人から「結露がひどい」という声が。窓と壁の断熱化が進められていないことが原因です。
 「住まいは人権」という立場に立たない自民党政治。国と県の、公営住宅からの「撤退」を進めている悪政をたださなければならないと痛感しました。
 明後日の12月11日、宮城県議会の予算特別委員会で福島かずえ議員が取り上げます。

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消費税増税で、東日本大震災を上回る消費支出の落ち込みー総務省の家計調査。日経新聞の速報。[2019年12月08日(Sun)]
 総務省が12月6日に発表した10月の家計調査。日経新聞の速報。
 2人以上の世帯の消費支出は1世帯あたり27万9671円。物価変動の影響を除いた実質で前年同月に比べて5.1%減。マイナスは11カ月ぶり。落ち込み幅は5%から8%に消費税率を上げた後の2014年4月(4.6%減)より大きかった。増税前の駆け込み需要の反動に台風の影響も重なった。
費目別でマイナスの影響が大きかったのは3.9%減の食料だ。軽減税率の対象ではない外食や酒類などで落ち込みが目立った。交通・通信は6.3%減となり、通勤や通学の定期代、タイヤなど税率が上がる前の9月に駆け込み消費がみられた品目で反動減が鮮明になった。
 家電を含む家具・家事用品は16.3%の大幅減となった。電気冷蔵庫や電子レンジといった耐久財のほかに洗濯用洗剤、トイレットペーパーなど買い置きのできる品物が顕著に減った。保健医療で紙おむつ、コンタクトレンズ洗浄液、栄養剤なども落ち込んだ。
 消費増税前後の変化を一時的なブレを除いて比べるため、増税前の1年間の平均の消費支出を100とする指数でみるとこの10月は95.6。前回の消費増税時の14年4月は95.3。今回はキャッシュレス決済でのポイント還元やプレミアム付き商品券など消費の変動をならす様々な対策を打ったが、少なくとも単月では効果が見えにくかった。
 ただ、今回は天候要因も無視できない。台風でそもそも店舗が営業できず、来客が減った影響もあるためだ。消費増税前の駆け込みとその後の反動の程度や消費の基調は読みにくい面がある。総務省の担当者は「今の時点で確たることは言えない。この流れが今後も続くのかどうか注意して見ていきたい」と語った。
 14年は4月に4.6%減った後、5月も8.0%減と落ち込むなど前年割れが消費増税後に13カ月も続いた。世界経済の減速で外需に頼れない状況で、内需の柱である個人消費の低迷が長引くようだと景気の下押し圧力が高まる。政府は5日に景気の下支えも狙った経済対策をまとめた。今後の消費の動向が日本経済のカギを握る。

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女川原発の再稼働中止の請願署名、審査書案のパブコメへの意見提出の呼びかけに、非常に高い関心が集まりました。[2019年12月04日(Wed)]
 12月4日12時から仙台市青葉区の中央通り・二番町角で、女川原発の再稼働中止を求めて来年の宮城県議会に提出予定の請願署名を訴えるとともに、原子力規制委員会のパブリックコメントに対する意見の提出を呼びかけました。
 原発問題住民運動宮城県連絡センターの取り組みで、非常に高い関心が集まりました。11人の参加で、寄せられた署名が92筆。「見解」を収録し、パブコメへの意見提出を呼びかけたチラシは、用意した300枚が無くなりました。

 夕方のテレビ・ローカル放送のニュースでさっそく報道されました。
 テレビ画面の写真は仙台放送(フジテレビ系列)のニュースです。
 そもそも再稼働に対する国民合意がなく、むしろ国民の多数が反対しているのに再稼働のための新規制基準がつくられた。その基準も、原発の安全をどこまで求めるのか、合意がないままに再稼働優先で一方的に決められた―演説の、この箇所が放映されました。

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早朝宣伝で受け取る人がいつもの2倍! 女川原発の審査書案を批判する県政レポートを配布。日本共産党は撃って出る時を迎えています。[2019年12月03日(Tue)]
 県政レポート第27号を作成し、イズミティ前の早朝宣伝で配布しました。
 こちらが宣伝の準備する前に、「ください!」と、言ってきた通勤者が。いつもの2倍くらいの人に受け取っていただきました。なるほど。
 きょう配布したレポートは、女川原発の審査書案を批判した「見解」の全文を収録したもの。再稼働の動きを、多くの県民のみなさまが危機感をもって見つめていることがよく分かりました。
 原発マネーを一円も受け取らない、脱原発を進める原動力である日本共産党は、撃って出る時を迎えています。

●県政レポートはこちらからダウンロードできます
 右矢印1191128 第27号 審査書案への見解.pdf

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女川原発「審査書案 ここがヘン」−痛快に笑い飛ばす勉強会 12月11日に館コミュニティセンターで。よかったら、どうぞ。[2019年12月01日(Sun)]
 女川原発の審査書案が11月27日に公表されました。「もう原発はいらないでしょ!」、「なぜ原発にしがみついているの?」、「審査書のおかしいところは?」と、行く先々で質問攻めにあいます。
 水蒸気爆発に関する電力会社の悦明は、「起こらない」右矢印1「実験温度が高い」右矢印1起こったとしても「爆発は小さい」と、クルクル変わりました。その間に、実験データの「隠ぺい」と「改ざん」がありました。近所の人が、「隠ぺい、改ざん、説明クルクル。それって、安倍政権の森友問題、桜を見る会とおんなじ。おかしくない?」。なるほど。

 地元の人々からの要望があり、平日ですが12月11日(水)18時30分から、懇談会を行うことにしました。

 チラシに「隠ぺい、改ざん、説明クルクル」を入れました。
 新規制基準が、国民合意がないままにつくられたことが、ボタンのかけ違いの始まりで、ここは真剣に。原子炉立地審査指針を廃止した邪悪な意図は、怒りを込めて。お話しします。
 原子力規制委員会の「専門性」と裁量権の濫用は、みんなで笑い飛ばしてみましょう。

●チラシはこちら右矢印1チラシ 191211.pdf

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