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中嶋れん(日本共産党 前宮城県議会議員)のブログ

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裁判所が違法と判示した国民監視を「合法」にするー土地利用規制法案はとんでもない憲法違反ー自衛隊情報保全隊を追及して裁判で闘った体験から[2021年05月30日(Sun)]
#憲法違反の土地利用規制法案は廃案に!
 自衛隊の情報保全隊による国民監視を追及して、あしかけ10年、裁判所に訴えて闘ったことがあります。監視は違法とする仙台高裁の判決が確定しています。
 しかし、菅政権が国会に提出している土地利用規制法が成立したら、国民監視が合法化され、その範囲や方法も無限定になる危険があります。

 自由法曹団が4月20日、「土地規制法案」に反対し、廃案を求める声明を発表しました。この中で、「時の権力による解釈次第で、自衛隊基地の建設に反対する市民運動や基地監視活動などの市民運動が含まれる危険が存し、こうした運動の萎縮や弾圧に利用されるおそれがある」と、強調しています。
「北海道新聞」が5月17日、「土地規制法案 私権侵害の懸念大きい」とする社説を掲載しました。この中で、「かつて自衛隊はイラクへの部隊派遣に反対する市民活動を監視し、職業や支持政党などの個人情報を違法に収集していた」と、指摘しています。
 期せずして自衛隊情報保全隊の国民監視差止訴訟が取り上げられました。その概要は、私のブログの2017年3月4日の記事をご覧ください。
 仙台高裁は、イラク派兵反対を訴えた市民運動を監視し、氏名、職業などを執拗に調べた行為を人格権の侵害にあたると断罪しました。しかし、土地利用規制法が成立したら、今度はそれが合法になるのです。これはまさしく憲法違反の立法です。
 印象深いことがあります。被告の自衛隊側が、みやぎ生協亘理店前で行われた反戦ライブ活動について、10kmの距離がある陸上自衛隊船岡駐屯地の自衛隊員と家族が利用していたので、「悪影響が生じることが考えられる」(控訴理由書)と、監視を正当化しようとしたのです。乙第39号証は、控訴理由書に被告の国側が添付した地図です。
 国家権力は、10km離れている場所の国民監視を正当化しようとしました(違法なのに)。おおむね1km以内の「注視区域」内の調査を合法とする土地利用規制法が成立したら、無限定の監視に走ることは目に見えています。

[●北海道新聞の社説(5月17日)
 土地規制法案 私権侵害の懸念大きい

 安全保障上重要な施設の周辺や国境にある島の土地利用を規制する法案が、衆院で審議入りした。
 策定のきっかけは、航空自衛隊千歳基地(千歳市)など自衛隊基地周辺で、外国資本による土地取得が相次いだことだった。
 防衛施設の保安を徹底するのは当然だ。外資による買収への懸念も理解できる。しかし、それを理由に、過度な私権制限をすることは避けなければならない。
 法案には規制される行為や、政府に認められる調査の範囲などの詳細を明示し、人々の生活や経済活動を不当に制限しないよう歯止めをかけておく必要がある。
 だが小此木八郎領土問題担当相は衆院本会議で「全ての類型の規定は困難」と述べ、法案には具体的に示さない考えを示した。
 安全保障を特別扱いし、法案の不備への対処を後回しにするような姿勢は看過できない。
 このままでは恣意(しい)的な運用がなされる恐れがある。国民への私権制限を政府に白紙委任するような法案は認められない。
 規制対象となるのは自衛隊や米軍、海上保安庁の施設や原発などの周辺1キロ以内と国境の離島だ。
 政府には土地の利用実態を調査する権限が与えられ、施設の機能を阻害する行為に対し中止勧告・命令ができる。従わない際は懲役を含む刑罰を科す。
 特に重要な場所については売買などの事前届け出を義務付ける。
 法案の問題の一つは、外国資本に限らず規制対象としたことだ。
 世界貿易機関(WTO)のルールでは、国籍による取引の差別が原則認められていない。そのため、多くの国民の財産権を侵害しかねない内容になっている。
 さらなる問題は、規制区域や調査項目などの詳細については法成立後に閣議決定する基本方針や、内閣府令などで示されることだ。これでは歯止めなく広げられる。
 かつて自衛隊はイラクへの部隊派遣に反対する市民活動を監視し、職業や支持政党などの個人情報を違法に収集していた。
 法案は、防衛政策のために個人の職歴や戸籍などを幅広く調べ上げ、思想・信条にも立ち入って規制の判断をすることに、お墨付きを与えることになりかねない。
 基地が集中する沖縄では、地価下落や地域経済への影響を懸念する声が強まっている。
 道内でも市街地にある自衛隊施設は多く、影響は避けられまい。
 国会審議を通じ、法案の問題点を徹底的に洗い出す必要がある。


●自由法曹団の4月20日付の声明「『土地規制法案』に反対し、廃案を求める声明」

1 政府は、本年3月26日、「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用等の規制等に関する法律案」(以下「土地規制法案」という。)を閣議決定し、国会へ提出した。
 この土地規制法案は、内閣総理大臣が、自衛隊や米軍の基地などの「重要施設」の敷地周囲おおむね1km内や国境離島等内にある区域を「注視区域」に指定し、@区域内にある土地及び建物(以下「土地等」)の利用状況を調査する、A「施設機能」や「離島機能」を阻害する行為の用に供したり、供する明らかなおそれがあると認められるときは、利用中止などの勧告を行ったり、罰則付きの命令(2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金)を発することをできるようにする、B「注視区域」のうち「特別注視区域」とされた区域においては、土地等の売買などについて、当事者に事前の届け出を罰則付き(6月以下の懲役又は100万円以下の罰金)で義務付けること等が柱となっている。
 政府は、今国会での成立を目指しているが、土地規制法案は日本国憲法の平和主義に反するほか、多くの問題点を有しており、直ちに廃案にすべきものである。

2 日本国憲法は、侵略戦争に対する痛烈な反省もふまえ、前文や9条に具体化された平和主義を掲げ、軍事に関するものに公共性を認めていない。戦前は、国防を理由に、要塞地帯法によって「要塞地帯」と指定された区域への立入り、撮影、模写などが禁止、処罰され、これが国民監視や統制に用いられた。この要塞地帯法は日本国憲法の下では当然に廃止され、軍事・国防のための土地の収用を認めていた戦前の旧土地収用法に対し、戦後、新たに制定された土地収用法は、軍事・国防のための土地収用を削除し、「土地を収用し、又は使用することができる公共の利益となる事業」(第3条)に防衛にかかわるものを含めていない。
 しかし、今回の土地規制法案は、その目的に「安全保障に寄与すること」を掲げ、基地の周辺区域や国境離島等を対象としていることに示されているように、軍事的安全保障の観点から再び国民の私権を制限しようとするものである。
 これは、憲法の平和主義に明確に反するものであって、断じて容認できない。

3 加えて,今回の土地規制法案は、内容それ自体にも数々の問題点や欠陥がある。
 (1) まず、内閣総理大臣は、調査のために必要がある場合、関係行政機関の長等に対し、「注視区域」とされた土地等の利用者らの氏名や住所などの情報提供を求めることができるとされているが、提供の対象となる情報は政令で追加でき、調査項目が歯止めなく拡大する懸念がある。調査が思想・信条に立ち入る恐れもある。しかも、調査のためなお必要があると認めるときは、土地等の利用者その他関係者に対し、報告や資料の提出を求めることができ、提出をしなかったり、虚偽の報告をしたときは処罰するとしており,調査に服することを強制するものとなっている。
 個人の思想・信条が脅かされるおそれに対して、「個人情報の保護に十分配慮しつつ」、「必要な最小限度のものとなるようにしなければならない」(第3条)と規定してはいるが、歯止めとなる担保は何もない。むしろ、自衛隊の情報保全隊が、自衛隊のイラク派兵に反対する市民活動を監視し、個人の氏名や職業、支持政党まで情報を収集・保有していたことについて、裁判所から違法だと断罪され、賠償を命じられたことは記憶に新しいが、今回の土地規制法案は、こうした国家権力による違法な情報収集にお墨付きを与えることにもなりかねない。

 (2) また、土地規制法案では、「施設機能」や「離島機能」を「阻害する行為」を規制対象とし、中止等の命令違反につき懲役もしくは罰金刑の対象としているが、「防衛関係施設の我が国を防衛するための基盤としての機能」、「有人国境離島地域離島の領海等の保全に関する活動の拠点としての機能」など、「機能」の内容は曖昧であり、抽象的にすぎる。同様に、「阻害する行為」という文言も広範にすぎ、定義の体をなしていない。そのため、時の権力による解釈次第で、自衛隊基地の建設に反対する市民運動や基地監視活動などの市民運動が含まれる危険が存し、こうした運動の萎縮や弾圧に利用されるおそれがある。

  (3) さらに、土地規制法案は、自衛隊や米軍の基地であれば一律に「重要施設」としているが、これらの施設も多種多様である。しかも、その敷地周囲おおむね1kmが「注視区域」の対象となりうるのであり、きわめて広範な私権制限をもたらす危険がある。たとえば、沖縄県や神奈川県では米軍基地の多くは市街地にあり、多くの民有地が制限を受けることになりかねず、軍事目的のための権利制限の強化を生むものである。そもそも自衛隊や米軍の施設を一様に「重要」とする発想そのものに、軍事的な必要性が一般国民の権利に優位するという価値観が表れている

 (4) 加えて、そもそも今回の土地規制法案には立法事実もない。政府は北海道苫小牧市や長崎県対馬市の自衛隊基地周辺の土地を外国資本が買収したことを問題視しているが、防衛省は全国約650の「防衛施設」に隣接する土地を調査した結果、「現時点で、防衛施設周辺の土地の所有によって自衛隊の運用等に支障が起きているということは確認をされていない」(2020年2月25日、衆院予算委員会第8分科会)としており、立法の必要性を裏づける根拠すらない。

 そうであるにもかかわらず、土地規制法案の成立を急ぐのは、まさに戦争準備目的というべきもので、有事法制の一環に位置づけられるものである。しかも、それは、いわば「平時」であっても、軍事を優先させて人権制限を容認するものである。そのこと自体が憲法の平和主義に反するものであると共に、現実問題としても外国資本による土地の購入を直ちに安全保障上のリスクとする発想は、属性に着目するものであり、かえって近隣諸国との間で対立を煽ることになりかねず、平和の維持に逆行するものである。

4 以上のように、今回の土地規制法案は、日本国憲法の平和主義に反するものであり、法案の内容としても根本的な問題を抱えている。

 自由法曹団は、この土地規制法案に断固反対し、廃案を求めると同時に、日本国憲法の平和主義に基づく外交を追求し、近隣諸国との関係改善を図ることを強く求める。
以 上

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