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中嶋れん(日本共産党 前宮城県議会議員)のブログ
日本共産党宮城県委員会政策委員長。
シエルの会(自閉症児の親の会)会長。
原発問題住民運動宮城県連絡センター 世話人。
東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター事務局次長。
青森県むつ市大畑町生まれ。青森高校、東北大学理学部物理学科卒。
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女川原発再稼働の地元同意 「支持せず」59% 「河北新報」は世論調査の結果を報道[2021年03月31日(Wed)]
 きょう地元紙の「河北新報」が1面で報道しました。

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女川原発の再稼働ストップ! 1千万署名と政権交代を求める運動で実現めざす―脱原発運動が記者会見。[2021年03月08日(Mon)]
 女川原発の再稼働ストップをめざす今後の市民運動について、みやぎアクション世話人の篠原弘典さん、多々良哲さんといっしょに3月8日13時から、宮城県庁内で記者会見を行いました。
 女川原発の再稼働ストップをめざすチラシが完成すること(一面の写真は下に)、3月27日の「さよなら原発集会」などの一連の企画を紹介。原発問題住民運動宮城県連絡センターが1千万署名を呼びかけ、政権交代を求める対話と一体で運動を推進していることを説明しました。

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「福島第一原発事故10年の再検証ー原子力政策を批判し続けた科学者がメスをいれる」がいよいよ発売に。[2021年02月17日(Wed)]
 日本科学者会議の原子力研究委員会委員長の岩井孝さんから、『福島第一原発事故10年の再検証ー原子力政策を批判し続けた科学者がメスをいれる』が刊行されるというお知らせが届きました。岩井孝さん、舘野淳さんをはじめ4人の共同執筆で、A5判、168ページ。本体価格は1800円です。
 店頭に並ぶのは3月3日の予定という案内ですが、出版元の「あけび書房」は申し込みの受付を始めています。ISBN978-4-87154-185-5 C3036.

 福島第一原発事故から10年が経過しますが、影響は未だに続いており、廃炉作業は国の計画通りには進んでいません。事故機から燃料デブリを全量取り出し、建屋を解体撤去し、土壌汚染を除去して更地にするという廃炉計画は実現できるのでしょうか。本書は対案を提案しています。
 女川原発1号機をはじめ、廃炉が続々に実施されますが、使用済み核燃料と放射性廃棄物処分場の目処が立っていません。それでも、更地方式の解体撤去を進めるのが良いのでしょうか。本書は「墓地方式」と長期保管監視を提案しています。
 破たんが明白な核燃料サイクルからは、潔く撤退すべきであり、百害あって一利なしのプルサーマルは即刻止めるべきです。
 女川原発をはじめすべての原発の再稼働中止、「原発ゼロ」を願う人々に、一読をお薦めします。

●チラシ・申込書のダウンロードはこちら右矢印1210216 『福島第一原発事故 10年の再検証』.pdf

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福島県沖地震による女川原発への影響ー記録と問題意識[2021年02月16日(Tue)]
 2月13日23時08分、福島県沖で最大震度6強の地震が発生しました。
 女川町の高野博さんから、女川町で海岸のエプロンが陥没し、20センチ以上の段差が数十メートルにわたって発生し、漁船に車が横付けできなくなっている様子が発信されました(写真)。
 女川町から、震度は4、加速度は137ガルだったと発表されました。

 女川原発について、東北電力から2月14日、「地震発生による女川原子力発電所の設備点検結果について」が発表されました。

 女川原発は、プレート間地震とプレート内地震の影響が大きく、とくに短周期の揺れが大きな影響を及ぼすことが知られています。今回の地震はプレート内地震、地下60kmで発生したもの。発生した場所は100km以上離れた福島県沖ですが、結構な影響があったことがうかがえます。

 発表文は以下のとおりです。

 昨日(2月13日)23時08分に宮城県内で最大震度6強の地震が発生しました。
 女川原子力発電所においては、安全上重要な設備に異常はなく、周辺への放射性物質の影響もありませんでした。
 なお、地震後の現場パトロールにおいて以下の状況を確認し、復旧作業を実施しております。
1.変圧器避圧弁※1
 地震により変圧器内の絶縁油が揺すられ当該弁が動作したもので、当該弁の点検を行い、必要に応じ新品と交換する。
2.女川3号機タービン建屋ブローアウトパネル※2
 地震により当該パネルが開状態になったもので、点検を行い元の状態に復旧する。
3.女川2号機および3号機放水口モニタ※3
 地震により2号機および3号機のサンプリング用の取水ポンプが停止したことに伴い、同号機の放水口モニタが欠測した。点検の結果異常がないことを確認し、本日4時00分のデータから伝送を復旧した。
4.大容量電源装置※4
 地震発生後、1台で故障を示す警報が発生したことから、今後、点検を実施する。
5.女川3号機除塵機※5
 地震発生後、電源が入らない状態となったことから、今後、点検を実施する。

※1避圧弁:変圧器内の事故による器内圧力上昇時、機器の損傷を防止するため内部の絶縁油やガスを外部に放出する安全弁
※2ブローアウトパネル:建屋内の圧力が上昇した時に押し出され、建屋内の圧力を減圧するためのパネル
※3放水口モニタ:発電所の放水口から放出される液体中の放射性物質の有無を、連続的に測定している設備
※4大容量電源装置:震災後に緊急的に設置した電力を供給するための設備
※5除塵機:冷却用として取水する海水中の塵かいを取水時に取り除く設備

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女川原発に関わる質問書を東北電力に提出。安全対策、老朽化後まで酷使する「20年延長」、3号機の再稼働、使用済み核燃料の保管場所、発電コストなどについて。みやぎ原発センターの取り組みで。[2021年02月03日(Wed)]
 東北電力に、「女川原子力発電所の安全対策等に関わる質問書」を提出しました。
 原発問題住民運動宮城県連絡センターの取り組みです。世話人の高野博氏(女川町)、木伏研一氏(塩釜連絡会)が同行しました。
 同センターは、チェルノブイリ原発事故の調査に参加した日本科学者会議、全国保険医団体連合会の有志からの「原発の安全性を問う運動が重要だ」という提案を受け、1994年秋に発足した運動団体で、科学者、弁護士等の個人および市民団体・労組、地域の会等17団体が参加しています。
 東北電力は、女川原発2号機の設置変更許可を得て2022年度の再稼働をめざしていますが、世論調査では依然として再稼働反対の意見が多数です。安全性に関わる疑問や、重大事故時の避難に関わる不安がその根底にあります。
 電気事業のあり方に関する国民的論議が進むことを願う取り組みです。
 1ケ月くらいで回答していただくことを要望しました。
 質問事項は以下のとおりです。

<安全対策等について>

【1】女川原発2号機の「60年運転」について
 高浜原発の「60年運転」に、高浜町が同意したことがニュースになりました。
 貴社は、脱原発運動団体に、女川原発2号機の「60年運転」を考えていることを述べたことがあります。「60年運転」の方針の検討状況について、ご説明ください。

【2】3号機の再稼働申請について
 貴社は、報道機関の取材に対し、女川原発2号機の再稼働に続いて、3号機の再稼働も準備していることを回答してきています。3号機の設置変更許可を申請する時期について、どのように考えているかをご説明ください。

【3】フィルターベントについて
 女川原発2号機に設置したフィルターベント装置は、日本の原発に導入されるのは初めてで、実績がありません。宮城県の「女川原子力発電所2号機の安全性に関する検討会」で、委員から「再稼働の前にテストをしてほしい」という要望がありました。再稼働の前にテストをすることは可能でしょうか。またテストを行う考えはあるでしょうか、ご説明ください。

【4】耐圧強化ベントについて
 女川原発2号機には過酷事故時に使用する耐圧ベントが設置されていますが、貴社は炉心損傷後に使用した場合に、新規制基準の100TBqを大幅に超える360TBqのCs137が放出されるという解析結果を明かにしています。そこで貴社は、「炉心損傷後には使用しない」(2019年10月4日の事業者ヒアリングに提出した『自主対策設備に関する補足説明』)ことを約束して2号機の「合格」をもらいましたが、本当に使用しないのであれば、耐圧強化ベントは撤去すべきではないでしょうか。また、本来なら女川原発2号機は不合格だと考えられますが、見解をご説明ください。

<1号機の廃炉について>

【1】使用済み核燃料の乾式保管庫について。
 女川原発1号機の廃止措置において、使用済み核燃料を保管する乾式保管庫を「敷地内外」に設置する計画であることが発表され、報道されました。「敷地内」だけでなく「敷地外」にも設置を必要とする事情は何でしょうか。また「敷地外」とは、どこを想定しているでしょうか。その検討状況についてもご説明ください。

【2】L3の放射性廃棄物のトレンチ処分計画について。
 L3の低レベル放射性廃棄物はトレンチ処分する計画ですが、工事はいつ頃に着手する予定でしょうか。L3の放射能汚染のレベルは、福島第一原発事故で発生した指定廃棄物に相当するもので、遮断型処分場での管理・処分が望ましいと考えているのですが、素掘りの穴に埋めて土をかぶせるというトレンチ処分に住民や漁民の理解は得られると判断しているのでしょうか、ご説明ください。

【3】廃炉作業について
 廃炉作業に従事する人員、廃炉に要する経費について、その内訳と経費を積算する際の基礎になるデータも含めてご説明ください。

<発電コストと採算性について>

【1】女川原発2号機の発電コストについて。
 龍谷大学の大島堅一教授は、安全対策工事に約3400億円をかけたとして、女川原発2号機の発電コストは1kWhあたり16円80銭という試算を公表しています。
 また、再稼働させるよりも、再稼働しない方が経費は少ないという試算も公表しています。見解をご説明ください。

【2】夜間電気の優遇処置の打ち切りについて。
 夜間電気を優遇してきた処置を3月末で打ち切るのは、経営状況の悪化が原因でしょうか。理由をご説明ください。

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女川原発構内の新型コロナ感染防止対策の徹底を東北電力に要請ーみやぎ原発センターの取り組み。[2021年02月03日(Wed)]
 東北電力本社を訪問し、「今後の女川原子力発電所における新型コロナウイルスの感染防止の徹底を求める」要望書を提出しました。
 原発問題住民運動宮城県連絡センターの取り組みで、世話人の高野博氏(女川町)、木伏研一氏(塩釜連絡会)が同行しました。
 女川原子力発電所の勤務者で1月13日、初めて新型コロナウイルスへの感染が判明しました。協力企業の従業員2人ですが、その後も14日に1人、17日に2人、23日に1人、25日に1人と続きました。
 専門家は「感染リスクが高まる5つの場面」を避けることを指導していますが、女川原発構内で安全対策工事に携わっている従業員の送迎バスを見て、「不安を覚える」という訴えがあります。女川原発構内では連日2千人を超す人々が長時間の作業に従事しているといいます。
 女川原発の勤務者でこれまで判明した感染者は計7人ですが、土木作業、電気設備工事、事務業務と、特定の現場ではなく、異なる作業に従事している従業員が感染しています。
 政府は2回目の緊急事態宣言を発出した後、主として飲食店での感染抑制をとり、新規感染者は全国的に減少し始めています。新型コロナの感染抑制の戦略では、無症状の人を発見して保護・隔離することがカナメですが、今後の対応では、感染者数をいったん大幅に少なくするために、医療・介護施設などで繰り返しのPCR検査を実施するなど、施設における感染拡大防止へ検査を大幅に増やすことが求められています。過日、九州電力の玄海原発構内でクラスターが発生しましたが、原発構内についても問題意識をもつ必要性があると考えたものです。
 要望した事項は、今後、女川原発で感染者の判明が続く場合は、新規作業員を対象に実施しているPCR検査を社員および協力会社従業員の全員に拡充することや、工事を一時中止する措置をとるなど、感染拡大の防止に万全の対策をとっていただくことです。

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新潟県知事に技術委員会委員への再任を求めた立石雅昭氏の「声明」全文を紹介します。[2021年01月21日(Thu)]
 新潟県の花角知事が20日、原発事故の検証にあたっている技術委員会委員14人のうち7人を不再任にすることを明らかにしました。原発の永久化をめざす自民・公明の菅政権の成長戦略を背後に感じます。
 立石雅昭氏が1月21日に記者会見で発表した「声明」は以下のとおりです。

2021年1月21日
新潟県知事 花角英世殿
 新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会
 委員 立石雅昭(新潟大学名誉教授)

 声明「技術委員会委員の再任を求める要望」

 先般、新潟県原子力安全対策課から、次年度、私と鈴木元衛氏を表記技術委員会委員に再任しない旨の通告がありました。その根拠として、委員の任命/再任にあたって、平成10年度に制定、昨年改訂した「新潟県附属機関等設置及び運営基準要綱ならびに同要綱制定および運営について(通知)」を適用するというものです。
 私は、東京電力柏崎刈羽原発が2007年の中越沖地震によって被災したことを受け、その翌年から新潟県技術委員会委員の委嘱を受け、専門的知見を生かすという立場からその任に当たってきました。また、元原子力研究開発機構の鈴木元衛氏は、シュラウドひび割れ問題が起きた後の2003年、すなわち、技術委員会の設置時から委員を務めてこられました。
 私たちは2011年の福島原発事故後は、福島第一原発の現地視察を含め、事故の要因を検証する課題に真摯に対応してきました。現在、技術委員会は柏崎刈羽原子力発電所の安全性の確認にその検証結果をいかに活かすか、さらに、柏崎刈羽原子力発電所の安全性に関わる問題としてどのような課題があるかを各委員から提出し、議論を進めているさなかです。また、検証総括委員会の報告が出るまでは、技術委員会の検証の役割が継続しているものと考えます。一方、東京電力や経済産業省資源エネ庁が柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を急いでいます。
 そのさなかに技術委員会委員を交代させるということは、これまで技術委員会で積み上げてきた検証潰瘍や審議の経過、現に進行中の議論の継続性をないがしろにするものと考えます。鈴木氏も同意見です。
 県民・国民の命と暮らしを守るうえできわめて重要な課題であるからこそ、技術委員会で積み上げてきた議論を活かすために、ここに、新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会委員への私と鈴木元衛氏の再任を求めます。

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地元同意の強行に激しい怒り なんと114人も署名。女川原発の再稼働中止、「原発ゼロ」基本法の制定を求める初めての街頭署名。[2020年12月16日(Wed)]
 原発問題住民運動宮城県連絡センターが、「原発ゼロ」基本法の制定を求める全国署名に仙台市の街頭で初めて取り組み、女川原発の再稼働中止と原発のない日本の実現を呼びかけました。
 今日の参加者は14人。横断幕を広げるや否や署名に立ち止まる人が続き、なんと1時間で114筆に。「まったく、何を考えているんだか!」「再稼働なんて、ダメに決まっている!」ー激しい怒りをぶつける人が多いことに驚きました。チラシと署名用紙を持ち帰る人がずいぶんいました。この署名は、取り組む構えをもっと大きなものに変えなければならないのではないかと痛感しました。
 次回は平和ビル前で、2021年1月13日(水)12時から13時までを予定しています。

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大飯原発の設置許可を取り消し 大阪地裁判決[2020年12月05日(Sat)]
 福井県や近畿地方の住民ら127人が、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について国の設置許可を取り消すよう求めた行政訴訟の判決で、大阪地裁が12月4日、設置許可を取り消すという判決を下しました。
 もっとも、許可取り消しの効力は、判決が確定しなければ発生しません。国は関西電力などと協議し、控訴する方向です。
 ただし、国による安全審査の妥当性が否定されたことが非常に重要で、女川原発など他の原発の基準地震動が妥当なのかが問われています。
 原発の設置許可を巡る訴訟では2003年、敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」について、名古屋高裁金沢支部が原子力安全委員会(当時)による審査に重大な誤りがあるとして設置許可を無効とする判決を出したことがあります(2005年の最高裁判決で覆された)。

 この裁判では、原発の耐震設計の目安となる「基準地震動」の妥当性が争点になりました。た。地震動は、それを予測する計算式の結果とは乖離があるので、原子力規制委員会は 審査ガイドでバラツキを考慮するよう求めています。2018 年 12 月 19 日付「新規制基準の考え方[改訂版]」において、「当該経験式の前提とされた観測データとの間の乖離の度合いまでを踏まえる必要があることを意味している」と、解説しています。つまり、平均式より大きい地震規模が発生する可能性があるということです。
 関西電力は「不確かさ」を考慮した場合の最大加速度は 856 ガルとし、原子力規制委は2017年5月、新規制基準に適合するとして設置変更許可を出していました。
 原告は、それにさらに「ばらつき」の標準偏差を考慮すれば 1,150 ガルになるとして、現在の原子炉では耐震性を満たしていないと主張していました。
 判決は、関電が算定に使った計算式は過去の地震データの平均値に基づいており、実際に発生する地震は平均値からかけ離れて大きくなる可能性があったと指摘。耐震性を判断する際、想定する地震規模を上乗せして計算する必要があったのに、関電や規制委が「何ら検討しなかった」と批判。規制委の判断に「不合理な点がある」として設置許可を取り消したものです。

●判決 全文
●判決 別紙(関係法令など)
●原告団声明
●弁護団声明

判決要旨は以下のとおり。

平成24年(行ウ)第117号発電所運転停止命令義務付け請求事件
裁判官 森健一 齋藤毅 豊臣亮輔(言渡日 令和2年12月4日)

1 事案の概要

(1) 原子力規制委員会は、平成29年5月24日付けで、被告参加人(関西電力)に対し、大飯原発3号機及び4号機(本件各原子炉)の設置変更を許可した(本件処分)。
 本件は、福井県等に居住する原告らが、本件処分に係る参加人の許可申請(本件申請)が当時の「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則」(設置許可基準規則)で定める基準に適合するものでないにもかかわらず、本件処分がされたものであることなどから、本件処分は当時の核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律43条の3の6第1項4号等に反し違法である旨主張して、その取消しを求める事案である。

(2) 本件の争点は、本件各原子炉の耐震性判断のための基準となる地震動(基準地震動)を策定(想定)するに当たり行われた地震規模(地震モーメント)の設定が、新規制基準に適合している旨の原子力規制委員会の判断に不合理な点があるか否かのほか、原告らが主張するその余の違法事由(基準地震動を想定するための経験式(入倉・三宅式)の選択の違法、制御棒挿入時間の基準超過、F−6破砕帯を活断層と判断しなかったための地盤安定性の見誤り、基準津波の設定の誤り、重大事故時の溶融炉心冷却段備及び放射性物質拡大抑制設備の不 備)が認められるか否かである、

2 判断の概要
 裁判所は、概要、以下の理由から、本件申請について、基準地震動を策定するに当たり行われた地震モーメントの設定が新規制基準に適合している旨の原子力規制委員会の判断に不合理な点があるとして、本件処分は違法である旨判断した。
なお、原告らが主張するその余の違法事由はいずれも採用することができないものと判断した。

(1) 判断枠組み
 原子炉施設の安全性に関する判断の適否が争われる発電用原子炉設置(変更)許可処分の取消訴訟における裁判所の審理、判断は、原子力規制委員会の判断に不合理な点があるか否かという観点から行われるべきであって、現在の科学技術水準に照らし、原子力規制委員会の調査審議において用いられた具体的審査基準に不合理な点があり、あるいは当該発電用原子炉の設置(変更)許可申請が上記具体的審査基準に適合するとした原子力規制委員会の調査審議及び判断の過程に看過し難い過誤、欠落があると認められる場合には、原子力規制委員会の判断に不合理な点があるものとして、その判断に基づく上記処分は違法であると解するのが相当である(伊方原発事件に関する最高裁平成4年10月29日判決)。

(2) 新規制基準における基準地震動の策定に関する定め
ア 設置許可基準規則4条3項は、発電用原子炉施設のうち、一定の重要なものは、その供用中に当該施設に大きな影響を及ぼすおそれがある地震による加速度によって作用する地震力(基準地震動による地震力)に対して安全機能(設置許可基準規則2条2項5号参照)が損なわれるおそれがないものでなければならない旨を定める。
イ 基準地震動の策定に当たっては、敷地に大きな影響を与えると予想される地震について、震源の特性を主要なパラメータで表した震源モデルを設定しなければならない。この点について、設置許可基準規則を受けて原子力規制委員会が定めた内規である当時の「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則の解釈」(規則の解釈)は、基準地震動の策定過程に伴う各種の不確かさ(震源断層の長さ、地震発生層の上端深さ・下端深さ、断層傾斜角等の不確かさ並びにそれらに係る考え方及び解釈の違いによる不確かさ)については、敷地における地震動評価に大きな影響を与えると考えられる支配的なパラメータについて分析した上で、必要に応じて不確かさを組み合わせるなど適切な手法を用いて考慮する旨を定める。
ウ そして、設置許可基準規則及び規則の解釈の趣旨を十分踏まえ、基準地震動の妥当性を厳格に確認するために活用することを目的として原子力規制委員会が定めた「基準地震動及び耐震設計方針に係る審査ガイド」(地震動審査ガイド)は、「震源モデルの長さ又は面積、あるいは1回の活動による変位量と地震規模を関連づける経験式を用いて地震規模を設定する場合には、経験式の適用範囲が十分に検討されていることを確認する。その際、経験式は平均値としての地震規模を与えるものであることから、経験式が有するばらつきも考慮されている必要がある。」(I.3、2、3(2)、本件ばらつき条項)と定める。

(3) 本件ばらつき条項の意義
 経験式は、二つの物理量(ここでは、震源断層面積と地震規模)の間の原理的関係を示すものではなく、観測等により得られたデータを基に推測された経験的関係を示すものであり、経験式によって算出される地震規模は平均値である。そこで、実際に発生する地震の地震規模は平均値からかい離することが当然に想定されている。地震規模(地震モーメント)は、震源モデルの重要なパラメータの一つであり、その他のパラメータの算出に用いられるものであって、基準地震動の策定における重要な要素であるといえる。そうすると、経験式を用いて地震モーメントを設定する場合には、経験式によって算出される平均値をもってそのまま震源モデルにおける地震モーメントとして設定するのではなく、実際に発生する地震の地震モーメントが平均値より大きい方向にかい離する可能性を考慮して地震モーメントを設定するのが相当であると考えられる(例えば、経験式を導く基礎となったデータの標準偏差分を加味するなど)。ただし、他のパラメータの設定に当たり、上記のような方法で地震モーメントを設定するのと同視し得るような考慮など、相応の合理性を有する考慮がされていれば足りるものと考えられる。また、経験式が有するばらつきを検証して、経験式によって算出される平均値に何らかの上乗せをする必要があるか否かを検討した結果、その必要がないといえる場合には、経験式によって算出される平均値をもってそのまま震源モデルにおける地震モーメントの値とすることも妨げられないものと解される。
 本件ばらつき条項の第2文は、以上の趣旨をいうものと解される。このような解釈は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発の事故を受けて耐震設計審査指針等が改訂される過程において、委員から、経験式より大きな地震が発生することを想定すべきであるとの指摘を受けて、本件ばらつき条項の第2文に相当する定めが置かれるに至った経緯とも整合する。

(4) 原子力規制委員会の調査審議及び判断の過程における過誤、欠落 参加人は、本件申請において基準地震動を策定する際、地質調査結果等に基づき設定した震源断層面積を経験式に当てはめて計算された地震モーメントをそのまま震源モデルにおける地震モーメントの値としたものであり、例えば、経験式が有するばらつきを考慮するために、当該経験式の基礎となったデータの標準偏差分を加味するなどの方法により、実際に発生する地震の地震モーメントが平均値より大きい方向にかい離する可能性を考慮して地震モーメントを設定する必要があるか否かということ自体を検討しておらず、現に、そのような想定(上乗せ)をしなかった。
 原子力規制委員会は、経験式が有するばらつきを考慮した場合、これに基づき算出された地震モーメントの値に何らかの上乗せをする必要があるか否か等について何ら検討することなく、本件申請が設置許可基準規則4条3項に適合し、地震動審査ガイドを踏まえているとした。このような原子力規制委員会の調査審議及び判断の過程には、看過し難い過誤、欠落があるものというべきである。
女川原発の再稼働に関わる市町村長会議(11月9日)の会議録が公開されました。反対・異論が出されていたこと、村井知事が強引に一任を取り付けた経過がよくわかります。 県民は同意していない! 市町村長も同意していない![2020年12月04日(Fri)]
 宮城県のホームページに、市町村長会議(11月9日)の会議録が公開されていました。
 3月2日に経済産業大臣が村井知事に「東北電力株式会社女川原子力発電所2号炉の再稼働へ向けた政府の方針について」理解を求める要請を行い、市町村長会議はこの要請に対する回答を行うにあたり、市町村長の意見を聞くことを目的として開催されました。
 柴田町の滝口町長が、この市町村長会議の性格について、「あくまでも首長が意見を述べるだけの会議」「一定の方向性をまとめる会議ではないということをちょっと確認させていただきたい」と発言。美里町、色麻町の町長が再稼働に反対する意見を述べ、避難計画の実効性を不安視する発言も相次ぎました。「読売新聞」の報道によれば、この場で同意の方向を打ち出すシナリオもあったようですが、遠藤副知事が「今回は意見を頂戴する場」と言わざるをえなくなりました(会議録の15ページ)。
 県のホームページには、「宮城県、女川町、石巻市の首長の三者で行う会談における結論を市町村長会議の総意とすることが了承されました」と書いてありますが、村井知事が一人を提案して拍手を求め、パラパラと拍手が起こったところで間髪を入れずに「どうもありがとうございます」と発言して、「秒殺」した様子が会議録からも浮かび上がってきます。

●市町村長会議の会議録(2020年11月9日)

 写真は、市町村長会議が行われた江陽グランドホテルを取り囲むようにスタンディングする県民。
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女川原発の再稼働「県民は同意していない!」の街宣に、たくさんの市民がうなづいていました。たいへん励みになりました。再稼働中止の新たな闘いを呼びかけました。[2020年11月23日(Mon)]
 宮城県内の脱原発運動が共同で本日12時から、仙台市青葉区の平和ビル前で街頭宣伝を行いました。「県民は同意していない」!「町長からの反対意見、市長からの慎重判断を求める意見も村井知事に封じられた!」という訴えに、うなづく市民がたくさんいました。参加者は25人、用意したチラシ400枚がほぼなくなりました。
 たいへん励みになりました。参加されたみなさん、お疲れ様でした。

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雑誌『議会と自治体』12月号に、女川原発の再稼働中止と「原発ゼロ」の日本をめざす展望を寄稿しました。[2020年11月22日(Sun)]
 雑誌『議会と自治体』に、「女川原発の再稼働をキッパリ断念し、再エネ資源を活かす政治を」と題する記事が掲載されました。11月24日発売です。
 宮城県民は女川原発の再稼働に同意してはいません。市町村長会議は、物事を決定する場ではなく、反対・慎重の意見が続出したため、村井知事はその場で同意を表明することができませんでした。
 寄稿した記事は、「原発ゼロ」の希望ある未来をめざす道と、原発・石炭火力に固執する道との対決になっている現状を浮かび上がらせようとしたもので、沸騰水型原発の安全対策があてにはならず、女川原発は本来は「不合格」にすべきだったことを述べています。
 女川原発が東日本大震災で重大事故を免れた偶然について、敷地高が14.8bであったことを平井弥之助・東北電力副社長の卓見によるものだという「都市伝説」について、首藤伸夫・東北大学名誉教授(津波工学)がこれを否定する見解を表明しています。検証こそ求められていると考えています。
 住民運動が、2号機・3号機増設の際の公開ヒアリングで要求し、原発の面前の女川湾を4b浚渫させました。これが女川原発の重大事故を防ぎ、東日本壊滅の事態を回避することができた要因だった可能性が浮かび上がっています。原発の安全性を問い続けることが、いかに重要かを示しています。
 女川原発の再稼働中止、「原発ゼロ」の日本を求める闘いが、希望ある未来に地続きでつながっていると確信しています。
 
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仙台弁護士会が、女川原発の再稼働に反対する会長声明(11月20日)[2020年11月21日(Sat)]
 仙台弁護士会が11月20日、女川原発の再稼働に反対する会長声明を発表しました。声明文は以下のとおりです。

女川原子力発電所2号機の再稼働に反対し,あらためて原子力発電からの撤退を求める会長声明

1 宮城県議会は,2020年10月22日,東北電力女川原子力発電所(以下「女川原発」という。)2号機の早期再稼働を求める請願を賛成多数で採択した。これを受けて,宮城県知事は,同年11月11日,石巻市長及び女川町長と協議した上で再稼働の前提となるいわゆる「地元同意」を表明し,同月18日経済産業大臣に対し「地元同意」を伝達した。今後女川原発2号機の再稼働に向けた動きが加速することが予想される。

2 しかしながら,原子力発電所は,人の生命・身体に対して重大な侵害の危険を及ぼす核燃料物質を大量に利用する発電システムであり,ひとたび重大事故が起きれば時間的・空間的に人知を越える甚大な被害を与え,居住移転の自由(憲法22条1項),財産権(憲法29条),そして平和的生存権(憲法前文,13条,25条)を侵害し,個人の尊厳(憲法13条)に反する最大級の人権侵害を惹き起こすことになる。実際に東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故による未曾有の被害を経験した国民・県民は,このような認識を広く共有している。

3 当会は,上記のように原子力発電所が重大な人権侵害を惹起する危険性のある施設であることに鑑み,2012年2月25日,「原子力発電所からの撤退を求める決議」(以下「2012年決議」という。)を採択した。2012年決議では,国及び原子力発電所等原子力関連施設を有する発電事業者に対して,
⑴ 原子力発電所の新増設(計画中・建設中のものも全て含む。)を止めること。
⑵ 既設の原子力発電所のうち@福島第一及び第二原子力発電所,A敷地付近に活断層が存在したり大規模地震が周期的に発生している地域にあるもの,B運転開始後30年を経過したものは直ちに廃止すること。
⑶ 上記以外の原子力発電所は,10年以内のできるだけ早い時期に全てを廃止すること。廃止するまでの間は,安全基準について国民的議論を尽くし,その安全基準に適合しない限り運転(停止中の原子力発電所の再稼働を含む)しないこと。
⑷ 今後のエネルギー政策は,再生可能エネルギーの推進,省エネルギー及びエネルギー利用の効率化を政策の中核とすること。
を求めた。
 現在,2012年決議から8年9か月が経過したが,当会としては,依然として,あと1年3か月の間に女川原発を含めた国内全ての原子力発電所を廃止し,再生エネルギー等へのエネルギー転換を図るべきものと考える。実際に,現在国内で稼働している原子力発電所は九州電力の玄海原子力発電所4号機の1基のみであるが,全国の電力供給に特段の問題は生じておらず,このようなエネルギー転換も十分実現可能である。

4 女川原発については,「男鹿半島−牡鹿半島構造帯」という東北地方有数の地震地帯に位置し,2008年の岩手・宮城内陸地震をはじめ過去に度々地震の被害を受けており,2012年決議の⑵Aに該当するものとして,当会は,直ちに廃止することを求めていた。これに加えて,女川原発は,周期的な大地震の震源地である三陸沖に臨む立地であり,東日本大震災においても被災したこと,女川原発2号機は,運転を開始して25年を経過しており老朽化の入口に差しかかっていること等原子力発電所の設備そのものの安全性に関する問題を抱えており,さらに近時は,女川原発にかかる重大事故を想定した広域避難計画の実効性についても大きな疑問が投げかけられている。
 女川原発2号機については,原子力規制委員会の新規制基準適合性審査を経て,2020年2月26日,同委員会により原子炉設置変更許可がなされてはいる。しかし,この新規制基準は,同委員会自体が,この基準を満たすことによっても絶対的な安全性が確保されるわけではないものとも説明しており,なお重大事故の発生の可能性があることは否定できない。

5 女川原発2号機の再稼働については,宮城県議会9月定例会の審議を経たものの,県民の声を直接集約する住民投票等の手続を経たわけでもなく,現状では,多くの県民が抱く女川原発2号機の安全性に対する不安が完全に解消されたとは言い難い。
 エネルギー基本計画においては,原子力発電所の再稼働にあたって,その安全性に対する国民の懸念の解消に全力を挙げることを前提とすべきこととされている。それにもかかわらず,住民の不安が解消されているとは言い難い状況のもと,宮城県知事及び女川原発の立地自治体が女川原発2号機の再稼働を容認し,同意を表明したことについて,当会は遺憾の意を表さざるを得ない。

6 宮城県は,福島第一原子力発電所の立地県に隣接し,同原発事故による放射性物質の拡散により広範かつ多くの県民が多大な被害を被った。そればかりか,県内には同原発事故により故郷を離れることを余儀なくされた多くの避難者が現在も生活しており,県民の多くが未だに同原発事故からの復興の最中にある。同原発事故で私たちが得た教訓は,いかなる原子力発電所も重大な事故を発生させる可能性があり,いったん事故が発生すれば,立地自治体の住民に限らず,多くの人々の暮らしに取り返しのつかない多大な損失を与えるということである。
 そこで当会は,原発事故が甚大な人権侵害をもたらすことに鑑み,東北電力が女川原発2号機を再稼働することに反対するとともに,あらためて,国及び原子力発電所等原子力関連施設を有する発電事業者に対し,原子力発電政策からの撤退を求める。

2020年(令和2年)11月20日
  仙台弁護士会 会長 十河弘


女川原発の地元合意に、日本共産党が抗議の「声明」−政権交代で女川原発の再稼働中止と「原発ゼロ」の日本をめざす[2020年11月11日(Wed)]
県民の願いに反する地元同意に断固抗議し、女川原発の再稼働中止と再生可能エネルギーの希望ある未来をめざす政治への転換を訴える

日本共産党宮城県委員会    委員長 中島 康博
日本共産党宮城県会議員団   団長  三浦 一敏
      2020年11月11日

(1)宮城県の村井嘉浩知事、女川町の須田善明町長、石巻市の亀山紘市長が11月11日、東北電力女川原子力発電所2号機の再稼働に同意を表明した。どんな世論調査でも女川原発の再稼働には過半数の県民が反対している。本県は東日本大震災の最大被災県で、隣県の福島第一原発事故による放射能汚染にも見舞われた。復興はまだ完了しておらず、女川原発の再稼働を認めるのであれば、何よりも県民合意を重視しなければならない。住民投票も県民の意向調査もせず、民意をくみとる努力をしないまま同意に踏み切ったことは不当であり、民意に反する同意に断固抗議する。
 新規制基準が欧米の基準より劣っていることは、国会でも宮城県議会でも何度も指摘されてきた。原子力規制委員会の更田豊志委員長自身が「合格しても安全だとは絶対に言わない」という発言を繰り返しており、「合格」をもって再稼働に同意することは、無責任のきわみである。
 避難計画は欠陥だらけであることが、多くの県民から指摘されている。医療・介護施設をはじめ、住民避難のまともな計画と態勢がとられていないのに同意したことは、県民の安全を守る責務の放棄である。
 福島第一原発事故の反省から、重大事故時にとくに深刻な影響がある30`圏のUPZ自治体に避難計画の策定が義務づけられた。当然、再稼働などに関わる同意権(拒否権)もUPZ自治体に与えるべきで、東海第2原発(茨城県)では、立地する東海村だけでなく、UPZの5市にも同意権(拒否権)が拡大された。しかし女川原発では、未だに立地市町に限定されたままである。UPZ自治体でありながら、同意権(拒否権)が与えられていないため再稼働反対の美里町の意思が無視され、反対したり慎重な対応を求めた他の自治体の意見もかえりみられなかったのは不当である。
 同じ沸騰水型原発では、柏崎刈羽原発(新潟県)と東海第2原発が、先に「合格」していながらまだ地元同意を見通せない状況にある。新潟県が、住民の安全を守る立場から、原発の安全性や避難計画の実効性などを県独自に検証し、東海第2原発周辺の自治体も住民合意を尊重する独自の対応をしているからである。後から「合格」した女川原発が、地元同意では最初になったのは、県と立地自治体が、全体として再稼働を推進している国の言いなりだからである。
 同意を直ちに撤回することを要求する。

(2)東北電力管内では3・11後に全原発が停止し、“原発稼働ゼロ”はまもなく10年になろうとしている。原発がなくても電力が十分なことは、この歳月が証明している。
 原発は、いったん事故を起こせばその被害は巨大でかつ長期に及び、被害のすべてを補償する道も用意されていない。他の事故・災害にはない「異質の危険」をもっている原発と人類は共存はできない。
 使用済み核燃料の処分方法がないことが、原発の根本的な欠陥である。核燃料サイクルは破たんし、使用済み核燃料は処理できなくなっている。女川原発では、1号機の使用済み核燃料の乾式貯蔵庫を敷地外にも設置することが検討されている。このうえ2号機を再稼働させれば、毎年16トン(稼働率80%として)の使用済み核燃料が増え、「核のゴミ」による汚染を広げることになる。3号機の再稼働まで準備されていることは論外である。
 原発はビジネスとしても既に成り立たなくなっている。東北電力は住民運動団体に対して、女川原発2号機の「60年運転」を想定していると公言した。安全対策にかかる経費を取り戻そうとして、老朽化した後の2055年まで酷使することは、事故のリスクを増やすだけである。
 福島原発事故を経験した日本が今とりくむべきことは、省エネの徹底と再生可能エネルギーの計画的かつ大量の導入に精力的に取り組み、「原発ゼロ」の日本を実現することである。ここにこそ、本県と日本社会が経済の持続可能な発展をかちとり、新しい科学技術と産業をつくりだす道がある。
 地球温暖化対策も、再生可能エネルギーの開発を中心に据えて、放射能汚染を心配する必要がない、安全で経済性のある方法で二酸化炭素の削減を進めるべきである。

(3)菅政権は、国民の多数が「原発ゼロ」の日本を願っているのに、原発と石炭火力に固執してきたアベ政治を継承する姿勢を露わにしている。
 日本共産党は、立憲民主党、社民党などと共同で、すでに「原発ゼロ基本法案」を国会に提出している。
 女川原発2号機は、再稼働までには安全対策にあと2年を要する。
 宮城県では、女川原発の再稼働に関わる県民投票を求める運動で共同が進められてきた。今度は「原発ゼロ」の政治を求める共同に発展させて、政権交代による再稼働中止と「原発ゼロ」の日本を実現することをめざし、全力を挙げるものである。

以上
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女川原発の再稼働は気候危機打開に逆行、欠陥の疑いに目をつぶる規制委員会を批判、沸騰水型の弱点が温存されている、こんな原発の「60年運転」を認めていいのかー請願審査を前に「見解」を発表しました。[2020年10月09日(Fri)]
 女川原発の再稼働に関わる請願の審査が10月13日と14日の宮城県議会環境福祉委員会で予定されています。請願を共同提出している53団体の代表が9日11時から宮城県庁記者会で会見を行い、「見解」の説明は私が行いました。
 以下が全文です。カラーの小見出しは、私がつけたものです。

女川原発の再稼働中止は、多くの県民の願い
請願の趣旨をふまえて、宮城県と日本・世界の進むべき道を論議する審査を希望する
―常任委員会での請願審査を迎えるにあたっての「見解」―

 開会中の第375回宮城県議会は、女川原発2号機の再稼働問題が最大のテーマになっている。請願を提出した当事者として、まず来週の常任委員会での請願審査に臨む姿勢を明らかにしておきたい。

常任委員会での請願審査に臨む姿勢について

 「『原発ゼロ』の希望ある未来のため、女川原発の再稼働をしないように求める請願」を提出した。その請願趣旨は(1)電気は十分で、原発が事業として成り立たなくなっていること、(2)福島原発事故の避難者がいまだに4万人いるように、いったん事故を起こせばその被害は巨大で、原発には異質の危険があること、(3)「核のゴミ」を子々孫々に残すことは、地球環境への影響や倫理の問題があること、(4)原発の安全性が確立しておらず、避難計画に実効性がないもとで、危険を冒してまで再稼働をする必要があるのか、を問いかけている。そして(5)廃炉事業、省エネルギーや断熱技術の活用、再生可能エネルギーの開発という3つの分野で新しい産業をおこして雇用を増やすという、未来の希望を開く道に踏み出すことを提案している。
 女川原発の再稼働に関する判断は、これからの宮城県のみならず、将来の日本と世界のあり方を左右するものになる。請願の審査にあたっては、請願趣旨の全体を論議することを求めたい。雇用と地域経済、原発と安全技術に詳しい有識者に参考人を依頼する用意があり、請願者として充実した審査に全面的に協力するものである。

 請願審査で重要な論点になると思われる事項に対する「見解」

 住民運動団体が9月10日の緊急要望書で提出した、原発の安全性、避難計画の実効性を問う質問に対して、9月25日に国・県・東北電力からの回答が届いた。その後に行われた宮城県議会の代表質疑と一般質問で、大事な論点が浮上している。
 請願の審査で重要な論点になると思われるテーマについて、以下に「見解」を表明しておきたい。

原発の異質の危険に目を向けよう。「国策だから」という思考停止は、県民の安全を守る責任の放棄するもの。

【1】、原発の異質の危険性について。 
 女川原発の再稼働問題を考える原点は、言うまでもなく福島第一原発事故の体験である。原発には異質の危険があり、いったん事故を起こせばその被害は巨大で、影響が長期にわたって残り、暮らしと生業の回復は困難で、被害の全体を補償する道は用意されていない。
「エネルギー政策は国策だ」といって、議論の入り口で立ち止まり、自らと県民を思考停止に導く議論は、県民の安全を守る責務を放棄するものである。
 原発のような技術利用の可否を判断する際には、リスクの評価、リスク回避の方法があるか、事故時に十分な補償をして受け入れられるリスクに変えることができるか、などについて議論することが当然である。原発再稼働のリスクを正面から議論することを求める。

【2】、原発の安全性について。
 原子力規制委員会は、「合格しても安全だとは絶対に言わない」という立場をとっている。「合格がでたから問題はない」という議論は成り立たず、請願審査において、新規制基準と適合性審査の内実を検証することが求められている。

水素爆発を招く欠陥がある疑いはキチンと検証すべき

 田中三彦氏(元国会事故調委員)から、女川原発などで使われている沸騰水型原発の圧力容器に構造的な欠陥の疑いがあるという新しい知見が提供された。緊急要望書で、原子力規制委員会に検証を求めたが、回答は「既存の対策で十分」だというものだった。
 田中三彦氏の指摘を、専門家は「その可能性はある」と見ている。女川原発は構造的欠陥を抱えていることになり、再稼働後に炉心溶融が起れば水素爆発がおこることを覚悟しなければならない。
 検証すれば、格納用破損防止対策の見直しが必要になる可能性があるが、ボルトの交換などは不可能なので、再稼働できなくなる可能性がある。原子力規制委員会は、再稼働できなくなることを恐れて検証を避けたのではないかという疑問が残る。
 また、既存の対策で本当に十分なのか。水素ガスが発生する機序が変わるので、保安規定等の見直しが必要なのではないか。
 県議会は、以上の諸点について検証を求めるべきである。

安全対策の2つの「切り札」は、どちらも当てにできない

 女川原発をはじめとした沸騰水型原発は、炉心損傷事故が発生した後の除熱が困難である。その「切り札」として(1)代替循環冷却系、(2)フィルターベント―の2つの対策が導入された。そこで緊急要望書で、原子力規制委員会にその有効性を質問した。
 代替循環冷却系は、既設の2つの冷却系が機能しない時のバックアップのために設置されるものなので、既存の冷却系と共通の要因で、同時に安全機能を失なうことは避けなければならない。ところが原子力規制委員会から、代替循環冷却系が既設の冷却系の配管等の「一部を共用している」という回答があった。これではバックアップ施設の要件を欠いており、事故時に確実に機能する保障はない。

 格納容器や原子炉建屋からガスを放出するベントは、除熱だけでなく、圧力による損壊や水素爆発を防止するうえでも「切り札」になっている。ベントは、ガスといっしょに甚大な放射能を放出するので、放射能を減らすフィルターのあるフィルターベント装置を設置することになった。しかしフィルターには、吸着した放射能を再放出する現象があり、目詰まりする危険がつきまとっている。
 原子力規制委員会は回答で、日本ではフィルターベントが導入された実績がないこと、事故時に機能した実績は海外にもないことを認めた。
 県の安全性検討会でもフィルターベントについては、関根勉委員が「実績評価がない」ことを指摘し、岩崎智彦委員は再稼働の前にテストをやってほしいと強く要請した(2020年2月7日)。
 フィルターベントが安全対策の「切り札」であるかどうかは疑問であり、機能試験の実態や信頼性を検証すべきである。

 原子力規制委員会には、「裁量権を濫用している」「審査が独りよがりではないか」という批判が絶えない。基準地震動を超える地震が発生する可能性(超過確率)の評価や、巨大噴火の評価などで、原子力規制委員会は当該学会に所属する専門家から批判されている。
 県の安全性検討会でも、兼本茂委員が原子力規制委員会に対して、各分野の学会や専門家とのコミュニケーションが不十分ではないかと発言したほどである。
 新規制基準と適合性審査が科学的な知見に基づいているか、女川原発が抱えている沸騰水型の弱点は解決されたのかについて、審査を求めたい。

【3】、「避難させない」避難計画、被ばくから県民を守らない緊急時対応について
 緊急要望書では、避難計画の通りには実行できないと住民が指摘した事項に絞って内閣府に質問したが、返ってきた回答はいずれも具体性がなかった。
 女川・牡鹿地域の住民の避難路である国道398号線について、いつまでに整備するのか、具体的な回答はなかった。
 網地島などの離島や牡鹿半島の南部など、荒天時に避難する手段がない地域の住民に関して質問したが、回答は「屋内退避」「天候が回復したら救出」するという現行の避難計画の説明で、無内容のものであった。

 住民運動団体は、(1)原発の周辺に「人口ゼロ地帯」「低人口地帯」を設置すること、その境界で放射線量を250mSv以下にすることを定めた原子炉立地審査指針を廃止して、人口密集地周辺の原発の再稼働を優先させた重大な誤り、(2)放出されるCs-137を福島第一原発事故の100分の1の100TBqと過小評価して避難計画を策定させている問題点、(3)原子力災害対策指針が15回も連続改悪し、「屋内退避」を原則にして「避難させない」避難計画に改悪したことーなどを追及してきた。
 人口密集地の近くにある原発を無理に再稼働させるために、避難計画は住民を被ばくから守らないものにならざるをえない。避難計画の不備に関する質問が、具体的な問題になればなるほど、回答がますますリアリティを欠くようになっている。
 今議会では、「屋内退避」では被ばくを防げないこと、入院患者の避難計画はすでに破たんしていること、退域時検査所の人員・資器材の確保・レーン数などがいまだに不明確であること、避難元自治体と避難先自治体の協定がズサンであることが追及された。
 請願審査においても、検証を求めたい。

【4】原子力発電と石炭火力発電を拡大し、再エネも温暖化対策も潰す政策は重大
 世界各国で、省エネ・断熱技術の活用、再生可能エネルギーの開発が進められ、それが地球温暖化対策のカナメになっている。日本でも近年、エネルギー政策の分野で電気事業の自由化、FIT制度の導入による再生可能エネルギーの開発が進められてきた。
 コロナ禍のもとで世界各国では、経済再生に向けて気候危機打開策を生かすグリーン・リカバリーの動きが始まっている。
 ところが日本政府は、原発と石炭火力に固執している。電気が十分で再生可能エネルギーが年々普及しているもとで原発を再稼働したため、先行して再稼働している原発がある九州電力管内等では、再エネ発電所に接続抑制をかけるようになり、原発は再生可能エネルギーの妨害者になっている。
 加えて今年度から、旧・電力会社に有利な新電力市場の創設が始まった。9月に公表された容量市場の落札結果は異常に高く、このままでは再エネ新電力が打撃を受け、温暖化対策も損なわれてしまうと危惧されている。
 温暖化対策は、この数年の取り組みが決定的に重要である。この状況下で女川原発の再稼働を押し進めることは、気候危機を深刻にする方向にアクセルを踏むことになる。
 ところが県内の地方議会では、現実に進行していることを知らないで、女川原発の再稼働を容認する理由として、ウラン採掘から始まる原発稼働までの一連の行程で二酸化炭素を排出するにもかかわらず、原発が「地球温暖化を抑制する」という事実に反する議論が持ち出されている。
 宮城県議会には、施策の全体を正しく見て審査することを求める。

【5】、「60年運転」から「80年運転」をめざしている問題、使用済み核燃料の問題
 東北電力は、原発が「原則40年で廃炉」のところ、女川原発の運転期間を20年延長する「60年運転」を想定している。東北電力が加入している「原子力産業協議会」は、さらに「80年運転」をめざすキャンペーンを始めている。
 再稼働を容認することは、老朽原発の酷使に道を開くことになる。
 検証を求める。

 女川原発の敷地が狭いために、東北電力は一号機の廃炉に伴う使用済み核燃料を暫定保管する乾式貯蔵庫を敷地外にもつくろうとしている。
 女川原発2号機は、一年運転したら核燃料を18d交換することになっている。稼働率80%であれば毎年16dの使用済み核燃料が増えることになる。
 しかし、再処理はまったく実用化のめどがない。
 「核のゴミ」を県内のどこで保管するのか、天文学的な経費は誰が負担するのか、「トイレなきマンション」を温存する再稼働の是非をどう考えるか、論議を求めたい。

【6】、雇用と地域経済について
 菊地登志子・東北学院大学名誉教授は、女川町の経済と財政に原発が及ぼした効果を研究した結果として以下のように報告している。
(1)女川原発は、町の一部産業に一時的な経済効果をもたらすことはあったが、持続的な産業・雇用の創出につながることはなかった。原発の経済効果は限定的で、産業・雇用創出にほとんどつながっていない。
(2)女川町の財政は、原発に依存するようになったため、新規原発の増設をしない限り年々固定資産税の税収が減少するため、いずれ立ち行かなくなる。電源三法交付金も見込めなくなると、交付金で建設した多くの箱モノの維持管理費が調達できなくなり、町の財政を圧迫する。
(3)原発で働く人々や、飲食店・小売店などのなかには、原発で仕事が成り立っている人々もいる。女川町の財政は原発に依存しているが、体育館、病院などのインフラを整備することができ、そこで働いている人々もいる。
結論として、女川町の未来のまちづくりをどのように描くか、原発に依存しない地域経済をいかにして作り上げるかが問われていると、報告している。

 全国には、原発が立地している地域が17カ所あるが、原発の立地を断念させた地域は53箇所もある。原発に依存しなかった地域のまちづくりから学び、漁業・水産業、地域の特性を生かした地場産業を基幹産業として振興し、再生可能エネルギーを活用した産業を育てていく方向が考えられるのではないか。廃炉にすれば、廃炉作業による雇用と効果が数十年間は続くことも念頭に置くべきである。
 女川町が原発から脱却しなければならない日は必ず訪れる。
 県政の場から、女川町のまちづくりを支援し、廃炉の時代に必要な制度を生み出していく論議を求めたい。

以上

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