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中嶋れん(日本共産党 前宮城県議会議員)のブログ
日本共産党宮城県委員会政策委員長。
シエルの会(自閉症児の親の会)会長。
原発問題住民運動宮城県連絡センター 世話人。
東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター事務局次長。
青森県むつ市大畑町生まれ。青森高校、東北大学理学部物理学科卒。
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女川原発の緊急時対応(避難計画)−屋内退避を原則にする大改悪「避難させない避難計画」、住民を放射能から守らない「避難計画のリアル」を記者会見で明るみに出しました。[2020年07月08日(Wed)]
 公開質問書に対して、政府と宮城県が回答不能に陥っていることに関する見解
 避難計画に実行できる裏付けがないこと、避難計画の改善にも期待できないことが明らかになった
              2020年7月8日(火)
 
 安倍総理と宮城県副知事が出席して開催された6月22日の原子力防災会議が、女川原発重大事故時の避難計画を含む緊急時対応を了承しました。政府も宮城県も、この緊急時対応の方針は「具体的かつ合理的」なものだと主張していますが、重大な疑問があります。そこで6月23日、宮城県内の住民運動25団体が連名で公開質問書を内閣府と宮城県に提出しました。
 これに対する宮城県からの文書が7月1日付で、内閣府からの文書は7月2日付で送付されてきました。驚いたことに、内閣府からの文書には10行の文が書かれていましたが、質問した事項に対する回答はなく、宮城県の村井知事名による文書は「係争中につき、回答を差し控えさせていただきます」と、そもそも回答を拒否するものでした。

内閣府の無回答は、緊急時対応(避難計画)に裏付けがないことを自白したもの

 内閣府に対する質問は、住民の放射能汚染を検査する退域時検査所を設置するまでに数日を要することにより発生する交通渋滞への対応、避難所の駐車場不足への対応、病院入院患者と社会福祉施設入居者の避難車両と付添人の確保、住民が避難するためのバス等の輸送能力の確保、自然災害により避難先施設が使用できなくなった場合の対応などについて、その裏付けがあるかどうかを端的に尋ねたものです。
 どの項目に対しても、「裏付けはある」と一言で回答できる質問でした。ところが内閣府の文書は、どの項目に対する回答もありませんでした。県も、裏付けに関わるすべての質問から逃げました。
 緊急時対応に、計画どおりに実行できる裏付けはないと断じざるをえません。

 内閣府の回答文書に、以下のようなくだりがあります。
 「地域原子力防災協議会において、避難計画を含むその地域の『緊急時対応』が、原子力災害対策指針等に照らし、具体的かつ合理的なものであることを確認している。内閣府は、原子力防災会議の了承を求めるため、同協議会における確認結果を原子力防災会議に報告している」
 緊急時対応は、地域原子力防災協議会で策定され、原子力防災会議幹事会を経て、首相及び関係閣僚が参加する「原子力防災会議」に報告されます。避難計画の、いわゆる「実効性」を検討するとしたらこの段階であるはずですが、幹事会以降は内容に関する議論はなく、「指針に沿った事項が列挙されているとの報告を地域原子力防災協議会から受けたので、具体的かつ合理的であると確認した」とする形式が踏まれるだけです。地域原子力防災協議会では、現実に実行可能かどうかという点に関しては「具体的かつ合理的」な検討はまったくなされていません。
 原発の再稼働にあたっては、原子力防災会議による避難計画を含む緊急時対応の確認が不可欠ですが、実効性をチェックしないで確認が行われていることを厳しく指摘するものです。

阻害要因調査結果を活用しなかった宮城県に、避難計画の「改善」を期待できるでしょうか

 宮城県に対する質問では、計画どおりに県民が行動したらかえって命を落とすことになるのではないかと危惧して、計画どおりの行動が可能なのかどうか、緊急時対応に関する疑問の26項目に対して具体的な説明を求めました。
 例えば。県が行った避難経路阻害要因調査で、道路が渋滞した場合に女川原発周辺住民が避難所受付ステーションに到着するまで最大で5日、対策を講じても3日かかるという結果が示されました。その数日間、車両の運転手はどこで眠るのか、トイレはどうするのか、水や食料は提供してもらえるかなどを質問しましたが、回答はありませんでした。
 阻害要因調査結果は避難計画の根幹に関わる重大な情報ですが、宮城県は女川地域原子力防災協議会に報告すらせず、欠陥のある緊急時対応を政府と一緒に了承してしまいました。
 宮城県は緊急時対応について、「訓練による検証、検証結果を踏まえた改善」を進めると繰り返していますが、発言が真実かどうかは実際の行動で確かめられるものです。4888万円余の血税を投入して行った避難経路阻害要因調査の結果を生かすとしたら、緊急時対応を了承する前しかありませんでした。その決定的な時期に行動しなかった村井県政に、今後の緊急時対応の改善を期待できるでしょうか。

 新潟県は、原発事故に関わる3つの検証委員会をつくり、検証が終わるまでは事前了解の申し入れに回答しないという態度をとっています。「原子力災害時の避難方法に関する検証委員会」は、重大事故時の放射能モニタリングと住民に対する情報伝達に不備があるのではないかと政府に問題提起しています。
 県民の命と安全を守る姿勢において、そもそも新潟県と村井県政とでは大きな違いがあることを指摘するものです。

回答不能の背景に、住民の安全より再稼働優先、「避難させない避難計画」への変質がある

 1964年に定められた最初の原発の安全基準=原子炉立地審査指針は、原発の敷地境界で250mSvという住民の被ばく限度を設けていました。福島第一原発事故で放出された放射能による汚染は、10kim地点で1000mSvを超えました。原発で事故は起きないという「安全神話」を信じこんで、住宅地の近くに原発をつくってしまったからです。福島第一原発事故を教訓にするのであれば、立地審査指針の境界基準に適合しない原発を廃炉にするべきでした。
 ところが原子力規制委員会は、原子炉立地審査指針を「今後は適用しない」と決めました。これは原子炉立地審査指針を残すと、既存原発の再稼働の障害になるからで、放射能から住民を防護することよりも既存原発に再稼働の道を残すことを優先させたのです。

 一般公衆に対する放射線の被ばく許容限度は年間1mSvとされています(国際放射線防護委員会の勧告)。これを原発事故時の避難の目安にしたら、既存原発の再稼働は困難です。
 そこで原子力規制委員会は、避難等の防護措置の目安として「全身(等価線量)について7日で100mSv」という、はるかに緩い基準をもちこみました。「7日間で100mSv」が、住民の生命・身体に悪影響を及ぼさないという根拠は示されておらず、「緊急時には原発周辺の住民は被ばくしてもえやむをえない」という考え方を押し付けるものになっています。

 原発周辺の自治体に義務付けられている地域防災計画原子力災害対策編は、原子力規制庁の原子力災害対策指針に基づいて策定することになっています。この指針は、2012年10月に定められてから15回も改定され、改定のたびに内容が後退しています。
 とくに2015年4月の改定で、UPZ住民は「屋内退避」が原則とされ、避難計画は「避難させない避難計画」に変質させられました。

 こうしてできあがった各地の緊急時対応(避難計画)は、放射能による被ばくから住民を守ることができない致命的な欠陥をかかえています。実効性がなく、計画どおりに行動したら、かえって命を失いかねない危険さえあります。避難計画が、具体的な問題になればなるほど合理的な説明ができないことは、いかに実効性がないかを雄弁に物語っています。

女川原発の再稼働中止、原発推進政策の転換を要求する
 
 原子力規制委員会は、「新規制基準に合格しても、安全とは申し上げない」(田中俊一・初代委員長)と、繰り返しています。避難計画に実効性がなく、「緊急時には原発周辺の住民は被ばくしてもえやむをえない」という考え方が持ち込まれているのは重大な問題です。
 原発の再稼働を中止することこそ、命と安全を守る最も確かな道です。
 安倍政権に対して、原発政策の転換を求めるものです。
村井知事に対して、県民の命と安全を守る立場から、これまでの対応を見直すよう、強く求めるものです。

以上

・女川原発の再稼働を許さない!みやぎアクション
・宮城県護憲平和センター
・原発問題住民運動宮城県連絡センター
・東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター
・生活協同組合あいコープみやぎ
・子どもたちを放射能汚染から守り、原発から自然エネルギーへの転換をめざす女性ネットワークみやぎ
・船形山のブナを守る会
・女川から未来を考える会
・止めようプルサーマル!止めよう核燃料サイクル!女川原発地元連絡会
・女川原発の再稼働を許さない石巻地域の会
・原発の危険から住民の生命と財産を守る会
・放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク
・みやぎ脱原発・風の会
・脱原発仙台市民会議
・さようなら原発いしのまき実行委員会
・みやぎ金曜デモの会
・大崎耕土を放射能汚染させない連絡会
・放射能から子どもを守る ふるかわ連絡会
・放射能から岩沼を守る会
・女川原発UPZ住民の会
・女川原発の再稼働に反対する東松島市民の会
・原発問題を考える登米市民の会
・女川原発再稼働に反対する会(涌谷)
・女川原発再稼働ストップの会(美里)
・南三陸原発を考える会

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女川原発の避難計画に関わる公開質問状(6月23日)に、内閣府から回答文書が届きましたが、質問した事項に対する回答はありませんでした。緊急時対応(避難計画)に実効性がないことを「自白」しているように思われます。[2020年07月04日(Sat)]
 宮城県内の住民運動25団体が連名で6月23日、女川原発重大事故時の緊急時対応(避難計画)に関わる公開質問状を内閣府に提出していました。7月2日付で、内閣府から文書回答が届きました。驚きました。
 バス等の輸送手段を必要なだけ確保できるか、放射能汚染の検査所開設まで避難住民が何日も待たされる問題など、質問のすべてに答えはありませんでした。
 回答文はたったの10行。避難計画は「指針等に照らし」具体的かつ合理的だと強弁しています。一方で、内閣府は「改善等を、政府を挙げて行っていく」と書かざるをえませんでした。緊急時対応が現実に実行可能かどうかはまったく検討されておらず、欠陥だらけだからです。
 原子力規制委員会の初代委員長=田中俊一氏が、再稼働をめざしている原発について、適合性審査に「合格しても、安全とは申し上げない」と、繰り返し発言していました。
 この文書回答。私には「指針等に合致しても、実効性があるとは申し上げない」と言っているように思われます。

 回答文は、以下のとおり。

令和2年7月2日
質問者殿
内閣府政策統括官(原子力防災担当)付参事官(地域防災担当)

 2020年6月23日付「公開質問書」により質問のありました件につきましては、以下のとおり回答いたします。
 
 内閣府は、原子力防災会議決定に基づき、原子力発電所の所在する地域ごとに、関係府省庁、地方公共団体等を構成員等とする地域原子力防災協議会を設置している。国(内閣府及び関係省庁)は、同協議会における要配慮者対策、避難先や移動手段の確保、国の実働組織の支援、原子力事業者の協力内容等についての検討及び具体化を通じて、地方公共団体の地域防災計画・避難計画に係る具体化を通じて、地方公共団体の地域防災計画・避難計画に係る具体化・充実化の支援を行っている。
 また、国(内閣府及び関係省庁)及び地方公共団体等は、地域原子力防災協議会において、避難計画を含むその地域の「緊急時対応」が、原子力災害対策指針等に照らし、具体的かつ合理的なものであることを確認している。内閣府は、原子力防災会議の了承を求めるため、同協議会における確認結果を原子力防災会議に報告している。
 なお、「女川地域の緊急時対応」については、防災基本計画に基づき今後も女川地域原子力防災協議会を通じて、訓練による検証、検証結果を踏まえた改善等を、政府を挙げて行っていく。


 内閣府宛の公開質問状は、以下のとおりです。

公開質問書
内閣府政策統括官(原子力防災担当)付
女川地域原子力防災協議会 担当参事官様
令和2(2020)年6月23日

 令和2年3月25日の女川地域原子力防災協議会で女川地域の(避難計画を含む)緊急時対応が「具体的」「合理的」であると「確認」されました。しかるに女川原発の避難計画を考える会の内閣府に対する令和2年3月26日付情報公開請求の結果によれば,内閣府は別添の同開示(不開示)決定書の赤線の文書をいずれも取得していないということが明らかになりました。その意味するところにつき,別紙の質問事項のとおり質問致します。
 つきましては,令和2年7月3日までに質問者目録記載の連絡先までご回答下さいますようお願い申し上げます。

       公開質問事項

1、資料1〜2について
 病院入院患者,社会福祉施設等の入居者の避難手段(車両)と付添人が確保されているのかどうかの裏付けを欠いたまま,資料1〜2について「確認」を行ったと理解してよいか。

2、資料3について
 避難生活に困難が生じる特別な配慮が必要な在宅の避難行動要支援者の移動先(県災害対策本部が調整した福祉避難所)の具体的な場所の裏付け(場所があるのかどうか,あるとすればどこか)を欠いたまま,資料3について「確認」を行ったと理解してよいか。

3、資料4について
 UPZ内の住民が避難する場合に必要となるバスの台数(座席数),一時集合場所にバスが到着するのに要する日数,バスが避難所に到着するのに要する日数,隣接県のバスを確保する責任者,隣接県がバスを確保に要する日数,国土交通省の関係団体,関係事業者が確保できる輸送能力の詳細等について裏付けを欠いたまま,資料4について「確認」を行ったと理解してよいか。

4、資料5について
 資料5と石巻市の広域避難計画のどちらが優先するかについて裏付けを欠いたまま,女川地域原子力防災協議会が資料5について「確認」を行ったと理解してよいか。

5、資料6について
 資料6に記載された対応策によって@避難退域時検査場所による交通渋滞,A避難所受付ステーションによる交通渋滞,B避難所の駐車場不足による交通渋滞が対応可能であるかどうかについて裏付けを欠いたまま,資料6について「確認」を行ったと理解してよいか。

6、資料7について
 自然災害等により避難先施設が使用できなくなった場合のUPZ外の県内避難先候補施設(合計443施設)について,裏付けを欠いたまま使用できると判断し,資料7について「確認」を行ったと理解してよいか。

7、資料(4)の青線の部分について
「宮城県が,県内のバス会社等から調達可能と見込まれるバスの台数(座席数)」
「県内のバス会社等から提供してもらったバスの手配の実行責任者が誰か」
について開示された資料は公益社団法人宮城県バス協会会員名簿,原子力災害時における緊急輸送に関する協定書等の基礎資料にすぎず,調達できるバスの台数(座席数),調達責任者,手配の責任者等の裏付け資料は開示されていない。
 従って,資料(4)青線の事項についても,裏付けを欠いたまま「確認」を行ったと理解してよいか。

8、上記1〜7記載の資料の事項について裏付けを欠いたまま「確認」を行ったのはなぜか

以上

    【 添 付 書 類 】
1.行政文書開示(不開示)決定通知書及び資料1〜7      
  各1通

<質問者>
・女川原発の再稼働を許さない!みやぎアクション
・宮城県護憲平和センター
・原発問題住民運動宮城県連絡センター
・東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター
・生活協同組合あいコープみやぎ
・子どもたちを放射能汚染から守り、原発から自然エネルギーへの転換をめざす女性ネットワークみやぎ
・船形山のブナを守る会
・女川から未来を考える会
・止めようプルサーマル!止めよう核燃料サイクル!女川原発地元連絡会
・女川原発の再稼働を許さない石巻地域の会
・原発の危険から住民の生命と財産を守る会
・放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク
・みやぎ脱原発・風の会
・脱原発仙台市民会議
・さようなら原発いしのまき実行委員会
・みやぎ金曜デモの会
・大崎耕土を放射能汚染させない連絡会
・放射能から子どもを守る ふるかわ連絡会
・放射能から岩沼を守る会
・女川原発UPZ住民の会
・女川原発の再稼働に反対する東松島市民の会
・原発問題を考える登米市民の会
・女川原発再稼働に反対する会(涌谷)
・女川原発再稼働ストップの会(美里)
・南三陸原発を考える会
女川原発の避難計画に関わる公開質問状(6月23日)に、宮城県が回答を拒否[2020年07月03日(Fri)]
 宮城県内の住民運動25団体が連名で6月23日、女川原発重大事故時の避難計画に関わる公開質問状を宮城県に提出していました。7月1日付で、村井知事から「係争中につき、回答を差し控えさせていただきます」という回答がありました。
 おやおや。

 公開質問状は以下のとおりです。

宮城県知事 村井嘉浩様
公開質問書

 宮城県(以下,県)の実施した阻害要因調査(以下,本調査)の結果と,県及びUPZの住民の避難との関係について,別紙のとおり質問致します。
 本年7月3日までに別紙質問者目録記載の連絡先まで文書でご回答下さいますようお願い致します。

            〔質 問 項 目〕
第1 本調査について
1避難期間のさらなる長期化について
@検査場所の立ち上げ日数が加わる
・ 検査場所をいつから稼働できるかについて県は「放射性物質の放出後に開設するため,事故の数日後から数日間使用する」という見解を示している。調査で想定した各検査場所毎のゲートモニター数は93レーンであるが,購入済のゲートモニターは12であり,必要とするそれのごく一部が購入されているに過ぎず,今後の購入計画も事実上未定であること
・ ゲートモニター以外の資材の確保も未了であること
・ ゲートモニターと資材の運搬体制が定まっていないこと(保管場所から各検査場所に誰が運ぶのか,業者に頼んで運んでもらうのであれば,その業者は誰なのか,各検査場所に向かう道路を避難者の車が埋める前に運ぶことができるのか等)
・ 24時間(3交替)稼働を前提にした各種検査場所毎の要員の確保が未定であること(各検査場所毎の要員の数を何人と想定したのか,誰がその要員になるのか,県の職員か,どこの部署の職員か,県が依頼した業者か,どこの業者か,東北電力も要員を出すことになったのか,その場合,東北電力のどこの部署の社員か,事故時にそれらの要員の招集は可能か,検査場所に向かう道路を避難者の車が埋める前に集めることができるのか,集められた要員の各自の役割が定まっているのか,要員予定者を参加させた訓練計画が策定されているのか,策定されているのであれば,要員予定者の職員あるいは社員をその訓練に参加させたことがあるのか,訓練計画が策定されておらず,従って訓練も未実施であれば,寄せ集めの要員が未経験の作業をぶっつけ本番でやれるのか等)
・ どの検査場所を稼働させ,どの検査場所を稼働させないか決めるオフサイトセンター内の現地本部の意思決定システムが整備されていないこと(最低限誰と誰が揃う必要があるか,そのメンバーの速やかな参集が期待できるのか等)からすれば,検査場所の稼働開始は事故の数日後からさらにずれ込むことになるのではないか。その可能性を否定できないのではないか。【質問事項1】

 いずれにしても,検査場所の立ち上げ日数(数日後+α)が,本調査によってはじき出されたUPZの避難期間の3日〜5.5日に加わるのではないか。【質問事項2】

A受付ステーションの交通渋滞に起因する日数と受付ステーションから先の日数が加わる
 本調査によって明らかになった避難に要する日数(UPZの場合,3日〜5.5日)は避難先自治体の受付ステーションまでの推計であるから,受付ステーションに起因する交通渋滞による日数と受付ステーションから避難所までの日数がそれに加わることになる。
 検査場所での検査は要員とレーン数を増やせば1台あたりの処理時間の短縮が図れるが,受付ステーションの場合,予定されている要員の数からして1台ずつの受付にならざるを得ず,市と避難先自治体との間で打ち合わせがほとんど行われていない現状では,受付ステーションの受付は検査場所の検査以上に時間がかかることが予想され,受付人数の多い仙台市,大崎市への避難の場合,受付ステーションの交通渋滞に起因する日数と受付ステーションから先の日数の合計は本調査によってはじき出されたUPZの避難期間の3日〜5.5日を超えるのではないか。その可能性を否定できないのではないか。【質問事項3】

B「検査場所の各レーンから出口に向かう車両が3分おきに1台ずつ発生する」という本調査の想定は甘すぎる
 本調査の「各レーンから出口に向かう車両が3分おきに1台ずつ発生する」という結果は,検査場所内における車両進行のボトルネックとなる安定ヨウ素剤配布にかかる時間を3分と見積もった結果である。レーンに入るまでの行程にかかる時間をカットしたことに合理的理由はなく,その他の行程にかかる時間も含めれば,令和元年11月13日(水)に実施された宮城県原子力防災訓練の「汚染の無い車両が全行程を通過するのに要した時間は平均で6分5秒」「汚染のある車両が全行程を通過するのに要した時間は平均で23分4秒」の方が正確ではないか。【質問事項4】

 ましてや,避難経路に簡易トイレが備え付けられていなければ,検査場所に入った車両の避難者のほとんどがトイレに駆け込むはずであり,避難者の生理的欲求も考慮に入れれば,1台平均10分近くはかかるのではないか。【質問事項5】

Cまとめ
 検査場所の立ち上げ日数+本調査のはじき出したUPZの避難期間3日〜5.5日+受付ステーションの交通渋滞に起因する日数+受付ステーションから先の日数+検査場所の1台あたりの検査時間の見直し(増加)がUPZのトータル避難日数になるが,そのような避難に避難者は耐えられるのか。【質問事項6】

 耐えられると判断する場合,その根拠は何か。【質問事項7】

 ほとんどの避難者が途中で脱落するのであれば,県とUPZの避難計画は無益な計画ではないか。【質問事項8】

2 避難者の生理的欲求を無視していることについて
@トイレと水・食料の補給
 避難経路に指定されている三陸道の石巻方面から仙台方面に向かうルートには,矢本パーキングと春日パーキングしかなく,特に矢本パーキングの駐車台数は大型19台,小型53台分しかなく,ここでもトイレに駆け込む人で渋滞が発生する。三陸道から利府のジャンクションで北上し,東北自動車道に出るまで約12qの間はパーキングエリア等が全くない。
下道の避難では,公衆用トイレがどこにあるのか知る方法がない。公園のトイレはトイレを使う人のための広い駐車場がなく,路上に駐車させトイレに駆け込むことになり,公園のまわりで渋滞が起きる。コンビニには通常トイレがついているが,店員も避難することになれば使用できない。
避難期間が3日〜5日(あるいはそれ以上)ということになれば水や食料の補給も欠かせない。食料,水の補給所と簡易トイレを避難経路上に多数備え付けて,各検査場所,受付ステーションでも食料,水の補給が受けられる体制を整える必要があるが,県とUPZ自治体の避難計画のどこにもそれらに関する規定はなく,女川地域原子力防災協議会の作業部会でもその点については全く議論されていない。避難者の生理的欲求を無視したまま,避難期間が3日〜5日(あるいはそれ以上)ということになれば,定められた避難経路から離脱する避難者が続出し,無理して避難経路に残った避難者には(極度の脱水症状など)生命・健康に影響を及ぼす状況が待っているのではないか。【質問事項9】

 女川地域原子力防災協議会(作業部会)において,トイレ・食料・睡眠・水について検討しなかったのはなぜか。【質問事項10】

A運転手の睡眠について
 避難に要する日数が3日〜5日(あるいはそれ以上)ということになれば,避難する車両の運転手は何回も睡眠を取る必要がある。それをどこで取るのかが問題になる。三陸道から利府のジャンクションで北上し東北自動車道に出るまでの間のように車を止めるべき路肩が狭いところ(後続車の走行の邪魔になる),鷹来の森運動公園の手前のように沿石が並んでいて路肩(歩道)に出られないところもある。
 避難経路から外れて睡眠を取るとしても適当な場所があるのかどうか,適当な場所を見つけることができたとしても近くにトイレが無ければ(通常はない)睡眠を中断してトイレ探しをしなければならない。
 運転手の睡眠は車の継続運転にとって必須事項であるが,3日〜5日(あるいはそれ以上)の避難期間中,運転手はどこで睡眠を取るのか。【質問事項11】

 女川地域原子力防災協議会(作業部会)において,運転手の睡眠について検討しなかったのはなぜか。【質問事項12】

Bバスの運転手の睡眠について
「1日(始業時刻から起算して24時間をいいます。以下同じ)の拘束時間は13時間以内を基本とし,これを延長する場合であっても16時間が限度」「1日の拘束時間を原則13時間から延長する場合であっても,15時間を超える回数は1週間につき2回が限度」と定める厚労省の告示(バス運転者の労働時間等の改善基準のポイント参照)趣旨からして,1人の運転手が運転席で睡眠を取ることを前提に3日〜5日(あるいはそれ以上)の間,連続して運転することが許されていないのではないか。【質問事項13】

 女川地域原子力防災協議会(作業部会)において,バスの運転手の睡眠について検討しなかったのはなぜか。【質問事項14】

3 燃料不足について
避難する車両の中には,燃料を入れる直前に事故を迎える車両も相当数いるはずである。渋滞が発生すれば長時間車エンジンをかけ続けなければならず,季節によっては車内のクーラーや暖房のためのガソリン消費も計算に入れる必要がある。しかし,避難ルートには必要な分だけガソリンスタンドがあるわけではなく,ガソリンスタンドの人員も避難するので,ガソリンスタンドでガソリンの補給を受けることもできない。
 少なくとも各検査場所,各受付ステーションには燃料補給の仕組みを用意する必要がある。燃料の補給体制が全くとれない場合,多数の車両が燃料不足で動けなくなり,その車の避難者の避難が困難になるだけではなく,後続に渋滞を発生させ,全体の避難期間を長期化させる要因になる。
女川地域原子力防災協議会(作業部会)において,燃料不足の問題について検討しなかったのはなぜか。【質問事項15】

4、体調不良者の救出について
 UPZの避難期間が3日〜5.5日に,受付ステーションから先の避難期間,検査場所の立ち上げに要する日数等が加わり,避難期間がさらに長期化すれば,路上の車中にいる避難者の中に体調不良者が次々に出ることが予想され,生命にかかわる事態もあり得る。
 しかし,渋滞の中から体調不良者を救出し,病院に運ぶことは極めて困難である。
 女川地域原子力防災協議会(作業部会)において,高齢者,薬の服用者,乳幼児などが乗っている車両が渋滞の中で3日〜5日(あるいはそれ以上の期間)拘束された場合,どのようなことが起きるのか,体調不良を訴えた人を渋滞の中から救出できるのかという検討を行わなかったのはなぜか。【質問事項16】

5 避難計画(避難経路)に従った避難ができないことが明らかになった場合の対応策が用意されていないことについて

 避難計画(避難経路)に従った避難を開始したものの,渋滞で車が進まず,食料や水を求め,あるいはトイレを探すために避難経路から度々離脱せざるを得ないことになれば,ほとんどの避難者は,いつになったら避難所にたどり着けるのか,このまま避難計画(避難経路)に従った避難を続けるべきかどうか疑問を抱くことになる。
県,市の災害対策本部あるいはオフサイトセンター内の現地本部にそのような問い合わせが殺到した場合,どのような回答をするのか。現状では「分からない」という回答をする以外ないのではないか。【質問事項17】

 バスによる避難の場合,避難期間が3日以上となり,水,食料の補充も得られず,避難経路に従った避難を続ければ体調不良者が多くなることが見込まれた場合,同乗している市の職員の判断で避難経路から離脱することができるのか。【質問事項18】

 その場合,市の職員の判断でどこに避難するのか。【質問事項19】

 避難計画に実効性がないことを明らかになった場合の対応策が用意されていないことは避難者に降りかかる危険性を倍加させるのではないか。【質問事項20】

6 貴重なアドバイスを無視した怠慢について

 平成28年3月24日の国交省との打ち合わせで国交省から
「・検査する台数から考えると,渋滞,トイレ,食料,ガス欠等,課題は多いと見受ける。
 ・渋滞が発生していると,検査をせずに避難する車両も多いのではないか。
 ・30q境界付近だけではなく,より遠いところでの検査も考えると良いのではないか。」
という貴重なアドバイスを得ているにもかかわらず,女川地域原子力防災協議会において,避難期間中,避難者が路上の車中でどういう環境に置かれるか,何が必要なのか,それを補給できるのか,補給できない場合,どのような事態が生じるのかという視点を欠いたまま協議を続けてきたのはなぜか。【質問事項21】

第2、女川地域原子力防災協議会に本調査の結果を出すことなく「確認」が行われたことについて

 本調査は,4888万4060円もの税金を投入して行ったものであり,依頼した調査期間は契約を締結した令和元年9月24日から令和2年3月19日までである。
 しかし,本調査の結果は,女川地域原子力防災協議会の「確認」に全く反映されていない。本調査の期限は,上記のように令和2年3月19日であるが,調査結果のポイントは,宮城県が受注業者に確認すればもっと早く理解することが可能である。UPZについての内閣府の「確認」の案が県や市に明らかにされたのは令和元年11月19日の作業部会である。その案に県や市が同意して協議会の「確認」が得られたのは令和2年3月25日である。その間に県としては,

@阻害要因調査の結果によれば,UPZの避難期間が3日〜5日という結果が出る見込みであること
Aさらに長期化することが確実であること(トータルの避難期間は検査場所の稼働開始までの「数日」と受付ステーションから先の日数及び受付に起因する交通渋滞の日数が@に加わること)
B避難期間中の避難者の生理的欲求等を全く考慮しないで計画が進められてきたこと(バスの運転手が上記Aの期間,車中で睡眠を取りつつ連続運転することは許容されていないこと)
C体調不良者の救出も検討されていないこと
D現場で実効性がないことを知り,避難計画から外れて避難したいという避難者への対応策も検討されていないこと
E検査場所の整備は入口段階にあり,予定した機能を発揮できるかどうかも不明であること
F受付ステーションの打合せもほとんどなされていないこと(現在の打合せ状況からすると,避難者が受付ステーションにたどり着いた頃(避難先に依頼した「数日」が経過したことにより)受付ステーションが閉鎖されていることもあり得ること)
からすれば,「県と市の避難計画(避難経路)に従って(最終の)避難所にたどり着ける避難者はほとんどいない」「多数の避難者の生命・健康を害する恐れがある」
ことを認識できたはずであり,又,認識すべきである。(最終の)避難所にたどり着ける避難者がほとんどいないにもかかわらず,多数の避難者の生命・健康を害することになれば,もはやそれは避難とは言えず,無益かつ危険な住民の車中大量移動に過ぎない。従って県としては@〜Fを3月25日の協議会以前に内閣府に報告し,内閣府の案と矛盾しないかどうか協議の対象にしてほしいと言うべきである。
 それでもなお内閣府が令和2年11月19日に提案したUPZの案の「確認」を迫る時は,3月25日の協議会で「確認」に反対するべきである。段階的避難に実効性がなければ,PAZの住民もUPZの住民と同じ末路をたどるはずであり,バスの確保と手配等はUPZと共通であるので,@〜Fを知れば女川町も同様の判断と行動に出た可能性がある。市と女川町が反対すれば(市のポジションからすれば市単独でも)内閣府は3月25日の「確認」を諦め,@〜Fについて改めて作業部会で検討し直すことになったはずである。

 以上のように,県が実施した阻害要因調査結果によれば,
「県と市の避難計画(避難経路)に従って(最終の)避難所にたどり着ける避難者はほとんどいない」
「多数の避難者の生命・健康を害する恐れがあること」
は確実であり,それを内閣府に報告せず,令和2年3月25日の女川地域原子力防災協議会で内閣府の令和元年11月19日の案に同意した県の判断過程と行動には,重大な事実を考慮しなかった過誤があるのではないか。【質問事項22】

 又,同協議会の令和2年3月25日の「確認」にも考慮すれば結果が変わりうる重大な事実を考慮しなかった過誤があったことになるのではないか。【質問事項23】

 避難の実態がそのようなものであれば,@〜Fを公表し,計画に変更を加えない限り「国が認めてくれれば,県と市の避難計画は正当化されたものと見なされている」という知事の態度と県と市の避難計画にある「迅速かつ確実な避難」は,無益かつ有害な人の移動に避難者を誘い込む役割を果たすことになるのではないか。【質問事項24】

第3、石巻市の避難用バスの台数について

 県のホームページに出ている本調査の結果14頁で,UPZ避難の現状シナリオにおいて発生する避難車両台数が「北方面215台」「北西方面965台」「西方面1217台」と設定されているのは,県の提供した資料に基づくものか。
県の提供した資料に基づくのであれば,県はいつどのような方法でそれらの台数を把握したのか。【質問事項25】

 県の提供した資料に基づくものではない場合,受注業者はいつどのような方法でそれらの台数を把握したのか。【質問事項26】

以 上

<質問者>
・女川原発の再稼働を許さない!みやぎアクション
・宮城県護憲平和センター
・原発問題住民運動宮城県連絡センター
・東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター
・生活協同組合あいコープみやぎ
・子どもたちを放射能汚染から守り、原発から自然エネルギーへの転換をめざす女性ネットワークみやぎ
・船形山のブナを守る会
・女川から未来を考える会
・止めようプルサーマル!止めよう核燃料サイクル!女川原発地元連絡会
・女川原発の再稼働を許さない石巻地域の会
・原発の危険から住民の生命と財産を守る会
・放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク
・みやぎ脱原発・風の会
・脱原発仙台市民会議
・さようなら原発いしのまき実行委員会
・みやぎ金曜デモの会
・大崎耕土を放射能汚染させない連絡会
・放射能から子どもを守る ふるかわ連絡会
・放射能から岩沼を守る会
・女川原発UPZ住民の会
・女川原発の再稼働に反対する東松島市民の会
・原発問題を考える登米市民の会
・女川原発再稼働に反対する会(涌谷)
・女川原発再稼働ストップの会(美里)
・南三陸原発を考える会
女川原発事故時の「女川地域の緊急時対応」に不自然な空白ー新型コロナ入院患者を切り捨てる計画を隠しているのではないか、国と村井知事は説明を![2020年06月23日(Tue)]
 新型コロナのような感染症の流行下において原子力災害が発生した場合を考えたと称して、安倍政権は6月17日の女川地域原子力防災協議会で「女川地域の緊急時対応」を改定し、昨日の原子力防災会議で避難計画を了承しました。
 ところが、改定内容を説明した図では、感染者(重症者)にどう対応するのか、「避難元」と「避難等の実施」の欄だけが、不自然な空白になっています(○をつけている欄 4ヶ所)。
 内閣府は、感染が蔓延している時に原子力災害が発生した場合、「新型コロナに感染した入院患者は避難する必要もなく、避難先も決めなくていい、その病院にとどまって治療を続ける」という趣旨の考え方を示しながら、この文書を非公開としています。このことは、茨城県議会で6月19日、日本共産党の山中たい子議員が指摘して、明らかになりました。大井川和彦・茨城県知事は、これを否定せず、原発事故時の広域避難について住民を放射能から守る「防護措置と感染症対策の両立は困難」という認識を示しました。
 宮城県の新型コロナ患者を女川原発事故時に切り捨てること、関係する医療従事者も巻き添えにして切り捨てることを想定しながら、これを隠すために空白にしているとしたら重大です。安倍政権と村井知事は、新型コロナ感染者に避難元でどう対応しようと考えているのか、説明すべきです。

 関係する文書は、昨日(6月22日)のブログで、リンク先をお知らせしています。

200622 不自然な空白 blog.jpg
女川原発・避難計画を安倍政権が「了承」ー原発事故時に新型コロナ患者は置き去り、医師・看護師も巻き添え。村井知事は県民に押しつけるつもりか![2020年06月22日(Mon)]
 安倍晋三総理、菅義偉官房長官、小泉進次郎環境大臣らが出席して政府の原子力防災会議が10時から総理大臣官邸で開かれ、女川原発の緊急時対応(避難計画)を了承しました(写真は、NHK仙台放送局が放送したニュースより)。
 女川地域原子力防災協議会が策定した緊急時対応は、避難行動阻害要因調査で明らかになった課題に対応していない欠陥品です。
 原発の避難計画としては全国で初めて新型コロナウイルスの感染症対策を盛り込んだとされています。ところが内閣府は、感染が蔓延している時に原子力災害が発生した場合、新型コロナに感染した入院患者は避難する必要もなく、避難先も決めなくていい、その病院にとどまって治療を続けるという考え方を示しています(茨城県議会で6月19日、日本共産党の山中たい子議員が明らかにした)。これは、原発事故時に、新型コロナ患者は置き去りにする、医師・看護師を巻き添えにするという事ではないでしょうか。
 こんな恐ろしい「避難計画」を、村井知事は県民に押し付けるつもりでしょうか。
 内閣府が6月2日に公表した、感染症の流行下で原子力災害が発生した場合の防護措置に関わる非公開資料を公表させ、撤回を求めるべきです。
 明日から宮城県議会の本会議で一般質問が行われます。

●内閣府右矢印1新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた感染症の流行下での原子力災害時における防護措置の基本的な考え方について(6月2日)

●内閣府 女川地域協議会はこちら右矢印1緊急時対応

右矢印1「女川地域の緊急時対応」の改定について

200622_abe.jpg


宮城県が行った女川原発事故時の避難経路阻害要因調査報告書です。情報開示を請求し、きょう公開されたものです。[2020年06月11日(Thu)]
 宮城県は、女川の事故に備える県地域防災計画(原子力災害対策編)や各市町の避難計画の実効性を高めるために、周辺住民の避難に要する時間を再計算し、改善する提案を求めました。県が「構造計画研究所」に委託して行った調査報告書は今年3月に提出されていました。
 開示請求を行っていた「宮城県原子力災害時避難経路阻害要因調査事業」の報告書(概要版は26ページ、本編は441ページ、別冊資料は162ページ)がきょう開示されました。避難計画の実効性を考える素材に活用していただければ幸いです。

●宮城県原子力災害時避難経路阻害要因調査事業 報告書(概要版)
宮城県原子力災害時避難経路阻害要因調査事業_報告書_概要版 - コピー.pdf

●宮城県原子力災害時避難経路阻害要因調査事業 報告書
宮城県原子力災害時避難経路阻害要因調査事業_報告書 - コピー.pdf

●宮城県原子力災害時避難経路阻害要因調査事業 別冊資料
宮城県原子力災害時避難経路阻害要因調査事業_別冊資料編 - コピー.pdf

避難行動阻害要因調査報告書.jpg
女川原発「避難計画」(問題意識のメモ)[2020年05月14日(Thu)]
 5月7日に「脱原発をめざす宮城県議の会」の「女川地域の緊急時対応」勉強会が開催された際に、オブザーバーとして参加させていただきました。その前日に、「女川地域の緊急時対応 今後の調査のための問題意識(メモ)」をまとめておきました。

 原子力防災会議のもとに設置されている女川地域原子力防災協議会が3月25日に「女川地域の緊急時対応」をまとめた。以下のような問題点が見られる。

◎「原子力災害対策指針」の改定の経過について
 避難計画も緊急時対応も、原子力規制庁の「原子力災害対策指針」にもとづいて策定されている。「指針」は、2012年10月31日に制定(告示は同年12月3日)されたが、なんと一部改定が7回、全部改定が8回、7年半で計15回も行われてきた。
 いまの避難計画で想定されている事故はごく限定された事例で、少しでも事故の様態が変われば、避難計画も緊急時対応も全く違うものが要求される。複雑な事態の一つひとつに対し、避難計画を示す必要があるのだが、安倍政権は「指針」を後退させることにより、困難な事態を検討しなくて済むようにしてきた。
 例えば、PPA(50km圏)については、安定ヨウ素剤の配布などを検討する予定だったが、結局やめてしまった。また、放射能の拡散予測シミュレーションは、全国知事会の要請でいったん「活用してもよい」とされたが、再び活用しない方針に変わった。
 緊急時対応と避難計画の実効性を調査するうえで「指針」の変遷を調べる必要がある。

◎「原子力災害対策指針」の問題点について

1、複合災害を想定していないのが実態で、複合災害時に実行不可能になる計画。
 政府の原子力災害対策関係府省会議(第三分科会)などで、複合災害時の問題は一応の検討はされている。しかし、「複合災害も想定した避難・屋内退避の実効性向上に向けて」とサブタイトルがついているように、複合災害時の対応が困難であることが前提で、「少しはマシにしよう」というレベルの議論でしかない。
 緊急時対応の方針には、実際に以下のように、問題点が数多くある。

・準PAZの住民は、もともと孤立しており、船や防災ヘリを活用した避難は荒天時には避難行動が不可能になる。
・東日本大震災時に女川への道路は寸断され、孤立した周辺住民が原発に避難したほど。
 昨年の台風19号でも、女川町から外部に出ることができる道路は寸断された。
 PAZの住民の「優先避難」は、災害時には不可能になる。
・緊急時対応では「屋内退避の活用」が大方針になっているが、大地震で住宅が損壊すれば屋内退避が不可能になる。避難所の施設も利用できない場合が生じる。
・災害が発生した場合に、避難先の市町村が「対応できないことがある」と表明している。
 PAZとUPZの住民は、避難先がなくなるのではないか。

2、住民を放射能による被ばくから守るつもりがない
・そもそも放射能汚染シミュレーションで想定している放射能放出量が異常に少ない。
 原子力規制委員会が「緊急時の被ばく線量及び防護措置の効果の試算について」を示しており、これが内閣府でも使用されている(「原子力防災」のサイトに公開されている)。
 この試算はCs-137の放出量を100TBqなどとした想定で行われている。これは福島第一原発事故のおおよそ100分の1にすぎない。
 原発のシビアアクシデントで放出される放射能の量は、事故の態様により非常に幅広いものになる。ところが、放射能の放出が極めて少ないことを前提にして、住民の被ばくを評価し、避難計画の妥当性を議論している。
 これは、新しい「安全神話」をつくる重大な誤りである。
 重大事故が発生したら県外避難は避けられないが、緊急時対応は県内避難しか考えていない。県外避難を考える必要がないのではなく、放射能放出の想定を非常に少ない場合だけにしているからではないのか。

・退域時検査ポイントの放射能汚染の測定のあり方、基準、測定方法に問題が大きい。
スクリーニングの本来の目的は、住民の体表の汚染を調べて、外部被ばく・内部被ばくの恐れがあるかどうかを判断して、被ばく医療につなげるためである。
 福島原発事故時には、体表面に13000cpuを超える放射能汚染があるかどうかを基準にして測定した。これは、1歳児の甲状腺の等価線量の基準(100mSv)に相当する。
 女川地域協議会の緊急時対応は、放射能汚染が40000cpuを超えるかどうかを基準にしており、これを超える汚染がある車両は簡易除染を行う、これを超える汚染がある住民は検査をすることになっている。(緊急時対応のP161)。
 新潟県は、13000cpuを基準としている。(基準が宮城県とは異なる)

 女川の緊急時対応は、車両の汚染を調べたあと、乗員についてはその車両の一人を代表者として測定する方針になっている。代表者が基準以下であれば、全員が「問題ナシ」になる。
 新潟県は、乗員の一人ひとりについて測定することにしている。(測定方法が異なる)
 宮城県のやり方では、被ばくした住民の「検査漏れ」をつくる。
 これでは、住民の被ばくを防ぐというスクリーニングの目的を投げ捨てることになる。
 計画全体が、県民を被ばくから守るものにはなっていない。

3、「屋内退避」が多用されている、そもそも「避難させない」避難計画になっている
 PAZでもUPZでも「屋内退避」が多用されている。
 しかし、屋内退避には基準がない。被ばく低減へ、県の対応は。
 屋内にいるだけでは被ばくを避ける効果は少ない。木造住宅では、外気の放射能は容易に室内に入り込むので、せいぜい半減する程度。プルームが通り過ぎた後で換気をすると効果がある。大気モニターを設置・配置すること、状況を判断して住民に適切な指示を与える人事の配置、住民に周知し訓練することが必要。現在は屋内退避に国の基準はない。
 市町村で対応がバラバラになるのは好ましくないので、国か県が市町村にガイドラインを示し、屋内退避を活用する仕組みをつくる必要がある。本気で住民の被曝を防ぐつもりがあるのであれば、国に基準策定を求めるべきだ。

 国と宮城県は、退域時検査所を通過する時間をわざと短くして、「絵に描いた餅」にすぎない緊急時対応をもっともらしいものに見せようとしているのではないか。
 新潟県のやり方だと、当然ながら、退域時検査所を通過する時間は長くなる。。
(「新潟県原子力災害時の避難方法に関する検証委員会」資料を参照)

4、「2段階避難」は、そもそも非現実的な計画で、現実にはありえない。
・自主避難の発生を避けることは困難。新潟県では住民の意向調査が行われており、柏崎市では30%の市民が自主避難すると。宮城県では調査はしたのか。今後に調査する考えはあるか。
 災害が発生しているとき、避難情報の伝達に問題がある時等は、自主避難はさらに拡大する。

・モニタリングと住民への避難情報の伝達が適切に行われる状況にはない。
 2段階避難は、モニタリングと避難情報の伝達が完璧でなければならない。
 「新潟県原子力災害時の避難方法に関する検証委員会」が、原子力規制庁と東電を調査した結論として「初期の事故情報や放射線情報が適切に住民に正確に伝わるかどうかについて疑念が残る」と判断し、国に要望を提出した。
 女川地域協議会がとりまとめた緊急時対応には、新潟県の指摘は生かされているか。

・交通渋滞の発生、通過時間の予測シミュレーションは妥当なのか。
 県が委託して行った通過時間を調べるシミュレーションの結果について、資料の開示請求を求めたいが。

5、要支援者の避難は、いまだに困難なままである。

6、PAZ(5km.圏内)、UPZ(30km圏内)の設定は、狭すぎないか。
  福島原発事故の教訓を無視している。気象条件により汚染地域は異なるものになる。

7、PPAを設けず、30km以遠について事実上何も対策がないのは問題ではないか。

8、OILは妥当なのか
 即時避難の開始(OIL1)が500μSv/hなのは、高すぎるのではないか
 一時避難の開始(OIL2)は20μSv/h、妥当なのか。

◎「新潟県原子力災害時の避難方法に関する検証委員会」について 
・公開されている会議の資料と議事録を皮切りにして、今後の資料収集と調査の対象にする必要があると思われる。

◎新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、緊急時対応の全面的な見直し
 小中学校の体育館に避難者を収容することなど、防災計画について、「新しい生活様式」という専門家会議の問題提起を踏まえた見直しが迫られている。
 緊急時対応についても、避難する先は仙台市の市民センターや各自治体の集会所などで、避難者一人当たりの面積が2u程度を想定している。
 オフサイトセンターの仮眠室は、30人が「3密」で過ごすことになっている。
 すべての事項について、全面的な見直しが必要である。
 「屋内退避」を活用する場合、放射能汚染がある状態で外気と換気をすることは厳禁である。「十分な換気を行う」という新型コロナ対策との両立は困難である。

 新型コロナウイルスのようなものが存在している下では、原発は新たな災疫をもたらすだけである。再稼働は断念すべきで、原発そのものと決別すべきである。


女川地域原子力防災協議会がまとめた避難計画を紹介します。女川原発が重大事故をおこした時に、この計画では被ばくしないで安全に避難できるとはとても考えられません。[2020年03月25日(Wed)]
 内閣府や宮城県などでつくる「女川地域原子力防災協議会」が3月25日に東京都内で会合を開き、女川原発が重大事故を起こした場合の半径30q圏内の住民の避難計画をまとめました。
 概要版と全体版をそれぞれ紹介します。

●概要版はこちら 右矢印1200325 女川地域協議会 概要版.pdf

●全体版はこちら 右矢印1200325 女川地域協議会 全体版.pdf

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