未知の素粒子を探すCERNの大型加速器計画が報じられたあと、岩手県議会が「ILC実現を求める意見書」[2019年02月22日(Fri)]
欧州原子核研究機構(CERN)が、未知の素粒子を探す新たな加速器Future Circlar Colider(FCC)の概念設計報告書を発表しました。FCCの総延長は100km(いま最大のLHCは総延長は27kmで、その4倍)、衝突エネルギーはLHCの6倍、建設にかかる費用は240億ドル(約2兆6140億円)と、どれも驚く大きさです。
●1月18日付のニュースはこちらEngadget(エンガジェット)
岩手県議会が2月13日、「国際リニアコライダー(ILC)の実現を求める意見書」を採択しました。「出席議員全員の賛成で」と報道されましたが、日本共産党の3人の議員は採決に加わらず、棄権しました。決議文は以下のとおりですが、日本学術会議の所見を捉え方については異論があるところです。
国際リニアコライダー(ILC)の実現を求める意見書
我が国の成長戦略に貢献し、世界に開かれた地方創生の原動力となる国際リニアコライダー(ILC)の実現のため、速やかに我が国が主導して国際協議を開始し、投資と人材の国際分担に対する基本的考え方を明示するとともに、我が国の科学技術の進展等の柱に位置付けるよう強く要望する。
理由
ILCは、宇宙誕生や質量の起源など、人類存在の核心に迫る謎を究明する研究施設であり、日本が世界に、そして人類に対して大きく貢献することのできる施設である。
また、基礎科学の研究に飛躍的な発展をもたらし、世界最先端の研究を行う多くの人材が定着・交流する国際科学技術イノベーション拠点の形成や、精密実験を支える先端産業の集積につながるものであり、科学技術創造立国の実現や高度な技術力に基づくものづくり産業の成長発展に大きく寄与し、日本再興や地方創生にも資するものである。
昨年末には、日本学術会議によるILC計画の見直し案に関する回答が文部科学省に提出されたところであるが、国際経費分担や人的資源の見通し等に対する懸念が示されたものの、学術的意義は極めて重要であり国際共同研究に日本が貢献する必要性も高いとの所見が示されているところである。
日本におけるILCの実現については、世界の研究者からの期待も非常に高く、また、国内においても、研究者・自治体・民間団体等が誘致に向けて一体となって 取り組んできたところであり、地方議会におけるILCの実現を求める決議の採択や、各界著名人によるILC100人委員会の活動に加え、応援の署名等も30万人を超 えるなど、国民的な関心も非常に高まってきている状況である。
よって、国においては、我が国の成長戦略に貢献し、世界に開かれた地方創生の原動力となるILCの実現のため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1、ILCの実現に向けて、速やかに我が国が主導し、国際協議を開始するとともに、海外パートナー国との投資と人材の国際分担に対する基本的考え方を明示すること。
2、ILCについては、我が国の科学技術の進展、さらに国内の各地方をつなぐ産業・情報・技術のネットワークの形成、震災復興、民間の活力を伸ばす成長戦略、地方創生等の柱に位置付けること。
上記のとおり地方自治法第99 条の規定により意見書を提出する。
平成31年2月13日
岩手県議会議長 佐々木 順 一
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
復興大臣
内閣府特命担当大 臣(科学技術政策、地方創生)
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岩手県議会が2月13日、「国際リニアコライダー(ILC)の実現を求める意見書」を採択しました。「出席議員全員の賛成で」と報道されましたが、日本共産党の3人の議員は採決に加わらず、棄権しました。決議文は以下のとおりですが、日本学術会議の所見を捉え方については異論があるところです。
国際リニアコライダー(ILC)の実現を求める意見書
我が国の成長戦略に貢献し、世界に開かれた地方創生の原動力となる国際リニアコライダー(ILC)の実現のため、速やかに我が国が主導して国際協議を開始し、投資と人材の国際分担に対する基本的考え方を明示するとともに、我が国の科学技術の進展等の柱に位置付けるよう強く要望する。
理由
ILCは、宇宙誕生や質量の起源など、人類存在の核心に迫る謎を究明する研究施設であり、日本が世界に、そして人類に対して大きく貢献することのできる施設である。
また、基礎科学の研究に飛躍的な発展をもたらし、世界最先端の研究を行う多くの人材が定着・交流する国際科学技術イノベーション拠点の形成や、精密実験を支える先端産業の集積につながるものであり、科学技術創造立国の実現や高度な技術力に基づくものづくり産業の成長発展に大きく寄与し、日本再興や地方創生にも資するものである。
昨年末には、日本学術会議によるILC計画の見直し案に関する回答が文部科学省に提出されたところであるが、国際経費分担や人的資源の見通し等に対する懸念が示されたものの、学術的意義は極めて重要であり国際共同研究に日本が貢献する必要性も高いとの所見が示されているところである。
日本におけるILCの実現については、世界の研究者からの期待も非常に高く、また、国内においても、研究者・自治体・民間団体等が誘致に向けて一体となって 取り組んできたところであり、地方議会におけるILCの実現を求める決議の採択や、各界著名人によるILC100人委員会の活動に加え、応援の署名等も30万人を超 えるなど、国民的な関心も非常に高まってきている状況である。
よって、国においては、我が国の成長戦略に貢献し、世界に開かれた地方創生の原動力となるILCの実現のため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1、ILCの実現に向けて、速やかに我が国が主導し、国際協議を開始するとともに、海外パートナー国との投資と人材の国際分担に対する基本的考え方を明示すること。
2、ILCについては、我が国の科学技術の進展、さらに国内の各地方をつなぐ産業・情報・技術のネットワークの形成、震災復興、民間の活力を伸ばす成長戦略、地方創生等の柱に位置付けること。
上記のとおり地方自治法第99 条の規定により意見書を提出する。
平成31年2月13日
岩手県議会議長 佐々木 順 一
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
復興大臣
内閣府特命担当大 臣(科学技術政策、地方創生)
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