より良い教育を求める請願5件の採択を求めて討論ー自民・公明が5件とも反対し不採択に[2018年10月18日(Thu)]
第365回宮城県議会の最終日、教育の充実を求めて提出された請願5件について、採択すべきという立場から本会議で討論しました。自民・公明が5件すべてに反対し、不採択になったのは残念です。討論の概要を紹介します。
日本共産党の中嶋廉です。教育に関わる請願5件について、採択すべきという立場から討論いたします。
請願355の2は、「宮城県独自の学級編成弾力化事業を拡大し、公立小・中学校全学年で35人以下学級の実施及び特別支援学級の編成基準を8名から6名に改善することを求める」請願です。
一学級の児童生徒を「40人以下」とする、わが国の学級編成基準は、世界の最低水準です。このため、地方自治体の裁量権を活用して、一学級の児童生徒数を少なくする「少人数学級」編成が各地で取り組まれています。少人数学級に移行した効果として、欠席が減り不登校が減った、学力が向上した、教員のゆとりが生まれ意欲的に仕事を進めるようになったことなどが報告されています。
特別支援学級の編成基準は、児童生徒が8人まで1学級となっています。この基準は、過疎地の学校における複式学級の編成基準を、特別支援学級にそのまま当てはめているもので、一人ひとりの障害に即した配慮や支援をすることは明らかに無理です。
請願は、公立小中学校の一学級を「35人以下」にして、一人ひとりの子どもたちによく目がゆきとどくようにすること、特別支援学級は6人以下にして困難をなくしていくことをめざすものであり、採択を求めるものです。
請願355の4は、「少子化・過疎化が進む地域の高校の存続を図るとともに、学級編成基準を35人以下とするなど弾力的な運用を認めることを求める」請願です。
県立高等学校の将来構想に関わって、県内5カ所で開催された意見聴取会やパブリックコメントでは、地域を存続させるために小規模の高等学校を残してほしいという意見、身近に通学できる高校が無くなるのは復興に反するという意見、高等学校の一クラスを35人以下にすることを求める意見が相次いで提出されました。
県内では近年、小中学校の統廃合が急速に進み、「このまま高等学校まで地域からなくなってしまっていいのか」という、以前にはなかった声が広がっています。
請願は、高等学校において一部で実施されている35人以下学級をさらに推し進めること、少子化・過疎化が進んでいる地域にとくに配慮して地域の存続を図るものであり、賛同をお願いするものです。
請願363の1は、「スクールソーシャルワーカーの全中学校への配置とスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの正規職員化」を求める請願です。
子どもたちの悩みを聞き取り、成長を支えるスクールカウンセラー。家庭の問題も把握して教職員や保護者への助言、関係機関と対応を検討する「ケース会議」を主導するなどの重要な役割を担っているスクールソーシャルワーカー。いずれも重要な役割を果たしています。
しかし、身分のうえでは期間契約の職員であり、専門性の高いスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを確保するためには、正規職員化して身分を安定させることが、どうしても必要になっています。
被災地の児童生徒に対する心のケアがまだまだ必要とされていること、本県の不登校出現率が全国一であること、子どもの貧困が深刻になっていることなどを考慮して、本請願を採択することを求めるものです。
請願番号363の2は、「特別支援学校の過大・過密解消及び仙台市内にもう一校新設すること」を求める請願です。
全国特別支援学校長会や特別支援教育に関わる研究者が、特別支援学校の整備について、適正規模は児童生徒150人程度までだとする提言を繰り返し行っています。それは、この規模を超えれば、一つの体育館で体育の授業や全校的な行事を安定的に開催することが難しくなり、大人数の教職員をまとめていくことにも、学校マネージメントにも、さまざまな困難がおこるからです。
本県でも、仙台圏を中心に過大・過密が深刻で、仙台市秋保地域に特別支援学校を新設することが決まりました。しかし、過大・過密を解消できるかどうかは見通すことができず、仙台圏以外の地域も同様です。
こうした事態を生んでいる原因は、国が特別支援学校の設置基準を設けていないことにありますが、請願はさしあたり県の裁量で問題の解消をめざすよう求めているものです。
障害のある児童生徒、保護者、関係者の想いに応えて、採択するようお願いいたします。
請願363の3は、県独自の給付制奨学金制度の創設を求める請願です。
貧困が世代を超えて連鎖することは許されず、教育を受ける機会の均等をめざして、国において給付制の奨学金制度が創設されました。
しかし、日本学生支援機構の給付型奨学金の宮城県に配当された推薦枠は、平成30年度の大学入学者については426人でした。県内各高校に割り振れば、進学校でも一学年10人前後にすぎず、あまりにも少なすぎます。来年度の推薦枠は、さらに少なくなって、わずか369人になっています。
そこで、国の奨学金制度を補完するために、新潟、秋田、岐阜、長野などの各県が独自の奨学金や返還支援制度を創設しており、若い世代の定住と地元への就労を促進する施策ともしています。
宮城県でも独自の奨学金を創設することは可能であり、この請願の採択を求めるものです。
教職員を増やすこと、教育の予算を増やすことをめざし、よりよい教育を願う県民の声に応えられるよう、議員のみなさまに賛同を呼びかけて、討論といたします。
日本共産党の中嶋廉です。教育に関わる請願5件について、採択すべきという立場から討論いたします。
請願355の2は、「宮城県独自の学級編成弾力化事業を拡大し、公立小・中学校全学年で35人以下学級の実施及び特別支援学級の編成基準を8名から6名に改善することを求める」請願です。
一学級の児童生徒を「40人以下」とする、わが国の学級編成基準は、世界の最低水準です。このため、地方自治体の裁量権を活用して、一学級の児童生徒数を少なくする「少人数学級」編成が各地で取り組まれています。少人数学級に移行した効果として、欠席が減り不登校が減った、学力が向上した、教員のゆとりが生まれ意欲的に仕事を進めるようになったことなどが報告されています。
特別支援学級の編成基準は、児童生徒が8人まで1学級となっています。この基準は、過疎地の学校における複式学級の編成基準を、特別支援学級にそのまま当てはめているもので、一人ひとりの障害に即した配慮や支援をすることは明らかに無理です。
請願は、公立小中学校の一学級を「35人以下」にして、一人ひとりの子どもたちによく目がゆきとどくようにすること、特別支援学級は6人以下にして困難をなくしていくことをめざすものであり、採択を求めるものです。
請願355の4は、「少子化・過疎化が進む地域の高校の存続を図るとともに、学級編成基準を35人以下とするなど弾力的な運用を認めることを求める」請願です。
県立高等学校の将来構想に関わって、県内5カ所で開催された意見聴取会やパブリックコメントでは、地域を存続させるために小規模の高等学校を残してほしいという意見、身近に通学できる高校が無くなるのは復興に反するという意見、高等学校の一クラスを35人以下にすることを求める意見が相次いで提出されました。
県内では近年、小中学校の統廃合が急速に進み、「このまま高等学校まで地域からなくなってしまっていいのか」という、以前にはなかった声が広がっています。
請願は、高等学校において一部で実施されている35人以下学級をさらに推し進めること、少子化・過疎化が進んでいる地域にとくに配慮して地域の存続を図るものであり、賛同をお願いするものです。
請願363の1は、「スクールソーシャルワーカーの全中学校への配置とスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの正規職員化」を求める請願です。
子どもたちの悩みを聞き取り、成長を支えるスクールカウンセラー。家庭の問題も把握して教職員や保護者への助言、関係機関と対応を検討する「ケース会議」を主導するなどの重要な役割を担っているスクールソーシャルワーカー。いずれも重要な役割を果たしています。
しかし、身分のうえでは期間契約の職員であり、専門性の高いスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを確保するためには、正規職員化して身分を安定させることが、どうしても必要になっています。
被災地の児童生徒に対する心のケアがまだまだ必要とされていること、本県の不登校出現率が全国一であること、子どもの貧困が深刻になっていることなどを考慮して、本請願を採択することを求めるものです。
請願番号363の2は、「特別支援学校の過大・過密解消及び仙台市内にもう一校新設すること」を求める請願です。
全国特別支援学校長会や特別支援教育に関わる研究者が、特別支援学校の整備について、適正規模は児童生徒150人程度までだとする提言を繰り返し行っています。それは、この規模を超えれば、一つの体育館で体育の授業や全校的な行事を安定的に開催することが難しくなり、大人数の教職員をまとめていくことにも、学校マネージメントにも、さまざまな困難がおこるからです。
本県でも、仙台圏を中心に過大・過密が深刻で、仙台市秋保地域に特別支援学校を新設することが決まりました。しかし、過大・過密を解消できるかどうかは見通すことができず、仙台圏以外の地域も同様です。
こうした事態を生んでいる原因は、国が特別支援学校の設置基準を設けていないことにありますが、請願はさしあたり県の裁量で問題の解消をめざすよう求めているものです。
障害のある児童生徒、保護者、関係者の想いに応えて、採択するようお願いいたします。
請願363の3は、県独自の給付制奨学金制度の創設を求める請願です。
貧困が世代を超えて連鎖することは許されず、教育を受ける機会の均等をめざして、国において給付制の奨学金制度が創設されました。
しかし、日本学生支援機構の給付型奨学金の宮城県に配当された推薦枠は、平成30年度の大学入学者については426人でした。県内各高校に割り振れば、進学校でも一学年10人前後にすぎず、あまりにも少なすぎます。来年度の推薦枠は、さらに少なくなって、わずか369人になっています。
そこで、国の奨学金制度を補完するために、新潟、秋田、岐阜、長野などの各県が独自の奨学金や返還支援制度を創設しており、若い世代の定住と地元への就労を促進する施策ともしています。
宮城県でも独自の奨学金を創設することは可能であり、この請願の採択を求めるものです。
教職員を増やすこと、教育の予算を増やすことをめざし、よりよい教育を願う県民の声に応えられるよう、議員のみなさまに賛同を呼びかけて、討論といたします。
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