CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
中嶋れん(日本共産党 前宮城県議会議員)のブログ

« 質問します。傍聴を。9月4日15時30分から。予算特別委で。 | Main | まもなく稲刈り 猪の農業被害防止を求める声が切実 »
プロフィール

中嶋廉のブログさんの画像
中嶋廉のブログ
プロフィール
ブログ
カテゴリアーカイブ
タグクラウド
<< 2021年07月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
リンク集
月別アーカイブ
最新コメント
QRコード
https://blog.canpan.info/renn/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/renn/index2_0.xml
ILC(国際リニアコラーダー)は、まず計画の全体像の周知をー文部科学省・有識者会議の「ILC計画の見直しを受けたこれまでの議論のまとめ」(7月4日)が、力説しています。一面的な推進論への静かな警告でしょう。 [2018年09月01日(Sat)]
 岩手・宮城の両県などが誘致を進めている国際リニアコライダー計画。「全体像を知りたい」という問い合わせがありました。
 文部科学省のサイトの中に同省が設置した「国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議」の情報を提供しているページがあります。
 そこにアップされている以下の文書がたいへん参考になり、全体像が分かります。
 「国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議 ILC計画の見直しを受けたこれまでの議論のまとめ」右矢印1180704  ILC計画の見直しを受けたこれまでの議論のまとめ.pdf

 素粒子の実験施設であるILC(国際リニアコライダー)計画について、日本学術会議が2013年9月に「時期尚早」という「所見」をまとめました。その後、文部科学省のもとに「国際リニアコライダーに関する有識者会議」が設置され、巨額の投資に見合う科学的意義やコスト面や技術面の課題の検討が行われました。
 ILCの衝突エネルギーを500GeVから250GeVに下げる計画変更が行われたため、有識者会議は再度の検討を加え、これまでの議論のまとめが7月4日に公表されたという経過です。
 
 「まとめ」は、「科学的意義」について、250GeVにすることで、期待されているヒッグス粒子の精密測定は実現可能性がより明確になったとしています。一方で、新粒子の発見の可能性は低くなったこと、衝突エネルギー350GeVが必要なトップクォークの精密測定は「実験ができなくなった」としています。「科学的意義」は、明らかな後退です。
 「まとめ」は、「コスト及び技術的成立性について」で、計画の見直しで期待されたコスト削減について、厳しい報告をしています。本体建設費と測定器関連経費、年間運転経費について、計画の見直しにより約七割になるとしましたが、その一方で、ホスト国である日本の負担割合が高くなること、新たに計上が必要となる経費、予期せぬ出費のための予備費、実験終了後の解体経費が必要であることを明らかにしました。しかも各国政府の経費負担については、明確な見通しがないことが書かれています。日本が誘致を決断すれば、その経費の大半が日本負担にならざるをえないことが浮かび上がっています。
 「国際協力を前提として、人材の確保・育成や体制及びマネジメントに係る諸課題を指摘しているが、これら諸課題の解決について明確な見通しが得られなければ、計画に大きな支障をきたすリスクがあることに十分留意する必要がある」(14ページ)という指摘は、非常に重いものがあります。
 計画の見直しにより、学術界の合意、国民の理解と支持を得るためのハードルは明らかに高くなったのではないでしょうか。
 有識者会議の「まとめ」で重要なことは、法的な規制が必要な事項、想定されるリスクが指摘されたことです。例えば、環境アセスは行われない可能性があり、新たな法的規制が必要です。地方自治体は、新たな行政課題を抱えることになります。「まとめ」が、これまで明らかにされてこなかったリスクの存在を示していることは重要です。例えば、電子線の加速で放射線が放出されるので、加速器トンネルなどが放射能をもつ性質に変化し、放射化した地下水などの放射性物質が漏洩する可能性があります。放射化の影響が残るビームダンプ装置をはじめとする実験装置や空洞は、実験終了後に長期間の維持管理をしなければなりません。
 「まとめ」で私が注目したのは、「まずは見直し後のILC計画の全体像について、国民及び国内外の科学コミュニティ に周知・共有されることが肝要である」(15ページ)と、述べている箇所です。これは、経済効果ばかり宣伝している一面的な推進論への静かな警告でしょう。
 岩手県と宮城県をはじめとした関係自治体は、計画見直し後のILC計画の全体像を正確に把握し直すとともに、住民に知らせて情報共通を図る責務をまず果たすべきだと思います。

有識者会議の「まとめ}.jpg

この記事のURL
https://blog.canpan.info/renn/archive/506
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
 
コメントする
コメント
最新記事
検索
検索語句