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中嶋れん(日本共産党 前宮城県議会議員)のブログ
日本共産党宮城県委員会政策委員長。
シエルの会(自閉症児の親の会)会長。
原発問題住民運動宮城県連絡センター 世話人。
東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター事務局次長。
青森県むつ市大畑町生まれ。青森高校、東北大学理学部物理学科卒。
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<資料 大川小学校裁判>村井嘉浩知事の上告理由説明(概要) 5月9日 宮城県議会・全員協議会[2018年06月09日(Sat)]

<解説>
 東日本大震災により犠牲になった石巻市立大川小学校の児童の遺族が起こした国家賠償等請求控訴審事件について、5月9日の宮城県議会全員協議会で上告する理由を説明した村井嘉浩知事の発言(概要)を紹介します。議員に配布された説明資料は添付ファイルでご覧ください。
 この発言のうち、「原告側も被告側も一言も申していないのに、裁判所の方が『バットの森』が良かったんじゃないかと指定した」という部分については、2人目の質問者として登壇した自民党の相沢光哉議員の質疑に対する答弁で、訂正が行われました。


(村井嘉浩知事)
 はじめに石巻市立大川小学校の事故によりお亡くなりになりました児童・教職員・地域の皆さまのご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々に心よりお悔やみ申し上げます。
 学校の管理下において、このような痛ましい事故が発生し、多数の児童・教職員の尊い命が失われたことは痛恨の極みであり、県民の命と財産を守るべき知事として、極めて重く受け止めているところであります。
 大川小学校の事故は、我々がけっして忘れてはならないものであり、将来にわたって亡くなられた方々のご無念やご遺族のご心痛に寄り添ってゆかなければならないと考えております。
 また昨日、中島議長より、議会の総意として臨時議会の可能性について検討するように申し入れがございましたが、石巻市議会の審議状況を見守る必要があったこと、明日の上告期限に向けて、訴訟代理人との協議や石巻市との調整をする必要があることなどから、臨時議会を開催する時間的余裕がなく、やむをえず専決処分により上告する方針を固めたところであります。
 今回の訴訟は、県政にとっても、大変重要な案件でありますことから、これは県政を預かる者として、まさに苦渋の決断であります。事故で亡くなられた方々に対して、慎んで哀悼の意を表しますとともに、知事として県民の命を守るという最も重い責任に覚悟を持って全力を尽くす所存でありますので、議員各位のご協力をなにとぞお願い致します。
 それでは資料1ページをご覧ください。石巻市立大川小学校国家賠償等控訴請求事件についての県としての考え方を述べます。
 今回の裁判は、1および2にありますように、東北地方太平洋沖地震により、当時大川小学校の児童74名が死亡または行方不明になった事故の責任をめぐる訴訟であり、大川小学校の設置者である石巻市に加え、教職員の給与を負担している県も国家賠償法第3条1項の規定により、連帯して被告とされたものであります。
 この件につきましては、共に被告とされている石巻市が津波の予見可能性や防災計画そのものが否定されていることなど、判決に受け入れがたい箇所があることから、昨日の臨時議会において、本件訴訟に関する上告の提起および上告受理の決議が可決されたところであります。
 今回の訴訟は、学校の管理下において発生した事故に関するものであり、学校の設置者である石巻市が第一義的に判断を行うべき事案であることから私としては、常々石巻市の判断を最大限尊重していくことを申し上げてきたところでございます。
 こうしたところから4ページの(2)にもあります通り、今回石巻市が上告を決定したことを重く受けとめ、県としても上告すべきものと考えております。
 次に第1審、控訴審のそれぞれの判決内容についてご説明申し上げます。1ページ3にあります通り、第1審判決では、地震発生前の防災については、地震発生から午後3時30分の間における教員の注意義務違反がないことを、震災前の石巻市教育委員会の対応についても、法的な義務はないことなどの点について、県および石巻市の主張が認められたところであります。
 一方、午後3時30分から津波が到達するまでの7分間の予見可能性について、教員が裏山ではなく三角地帯に避難したことの主張が認められなかったことや、2ページの4にありますように、学校設置者である石巻市の判断を尊重し、仙台高等裁判所に控訴いたしました。去る4月26日に仙台高等裁判所において、被告らは連帯して総額14億3000万円あまりの賠償金と遅延損害金を支払うという言い渡しがあり、それを受けまして判決文の精査を進めてまいりました。今回の判決では、第1審では過失とされた地震発生後の責任は認めず、避難場所も裏山では不適当であると判断された一方、第1審の判断とは異なり、事前防災については、今回発生した津波ではなく、高い確率で発生が予想された宮城県沖地震によって発生する津波の危険を予見することは可能であったことや、それを踏まえた学校および石巻市教育委員会の事前の安全確保義務になどに過失があったとして、教育現場の校長をはじめとする教員に対して極めて厳しい義務を課しています。
 それでは具体的にご説明いたします。1点目は予見可能性についてであります。5の(1)ロの(イ)にありますように、控訴審判決は石巻市の大川小学校を避難場所に指定したことは誤りだったとした上で、校長等の知識・識見は地域住民が有していた平均的なものよりはるかに高いレベルでなければならず、ハザードマップによる浸水域予測について大川小学校の立地条件や土木工学も勘案し、独自の立場で批判的に検討すべきであったと判断しております。この点につきましては4ページの(2)のロにありますように、地震発生前の教育現場に対しあまりにも過大を課題を課すものであり、学校保健安全法の安全を守る義務を大きく超えているとともに、過去の裁判所の判断基準からみても過大な要求であり、津波の予見可能性を認定することには無理があると考えています。
 2点目、事前の安全確保義務についてであります。3ページの(ハ)にありますとおり、控訴審判決は校長等は大川小学校の危機管理マニュアルについて、想定された津波の浸水に対して、児童を安全に避難させるに適した第3避難場所として、大川小所在外の地区にある「バットの森」を定め、避難経路および避難方法を記載しておけば、津波による被害を回避できたはずであると判断しております。いま避難場所と申し上げましたけど、第1次避難場所は学校の場合、校舎にいる教室の居た場所、つまり教室の中ですね、第2次避難場所は今回の場合は、グランドということになります。第3次避難場所はその他の場所ということで、それを「バットの森」に高めておけば良かったのではないかとの判断でした。この点につきましては、4ページの(2)のロおよびハにありますように、「バットの森」は大川小学校から、およそ700メートル離れているほか、三角地帯からさらに下っていくことになり、「バットの森」まで児童全員と近隣住民を避難させることは当時としては無理であったし、仮に「バットの森」を避難場所として指定していたとしても、継続した余震が止み、「バットの森」まで倒木や崖崩れが無いことを確認した上でなければ、移動を開始することはできず、津波到達前に「バットの森」に児童全員が安全に避難できたかどうかは明確ではありません。そうしたことから、4ページの2にありますように、控訴審判決では過失を判断する際の着目点が第1審とは大きく異なっていること。
 それから今回の判決が確定し、これが判例になれば全国の教育現場に対して、災害を予測した事前防災が求められ、極めて大きな義務が課せられることになり、判決が与える影響は本県だけに留まるものではないと考えられることから、あらためて最高裁判所の判断を仰ぐ必要があると考えています。
 県といたしましては、今回の事故を後世への厳しい教訓として真摯に受けとめ、二度とこのような災害が児童はじめ県民の命が失われることがないよう防災教育の充実や学校の防災体制の構築に取り組んでまいりますが、今回の被告の判断につきましては、以上ご説明した通りでありますので、ぜひともご理解をたまわりたいと考えております。
 ただ今、準備してまいりました文書を読みましたが、言葉で今回上告した理由を少し申し上げたいと思います。このあと質疑もあり、時間が限られておりますので、ここでお話をさせていただきたいと思います。
 上告した理由はわかりやすく言いますと、3つあります。
 1つは申し上げました通り、1審と2審は、基本的に外から見てますと、原告が全面勝訴して、賠償額もほぼ同額であるということは同じような判決であったように見えると思いますが、中身を精査するとまったく違う判決でございました。
 1審は教員に責任があると言われました。しかし、事前防災、つまり地震が起こる前の準備は、問題がなかったという判決であったわけであります。しかし、今回2審では教員には責任はなしという判決で、しかも裏山に逃げる、学校のすぐ脇にある裏山も避難場所としては適切で無かったという判決でございます。1審とはまったく逆の判決です。
 しかし、事前防災、つまり地震が起こる準備に怠りがあったということで、1審とは全然違うところで、原告が勝訴したということでありますので、我々といたしましては、1審と2審がまったく違う内容であったということに我々としては疑問を感じているということが上告の1つ目です。
 それから、2点目ですが、事前防災についてであります。宮城県は1978年の宮城県沖地震があり、大変大きな被害がありましたが、あれはマグニチュード7.4の地震でございまして、今回の東日本大震災の前までは7.4よりもさらに大きな地震が来るだろうということで、8.0の想定をして準備をしていたわけでございます。
 8.0程度では、当時の知見をもってして大川小学校まで津波は到達しないということで、大川小学校自体が地域の避難場所に指定されていたということでありました。それが今回残念なことにマグニチュード9.0という大地震にみまわれ、津波がきてしまった。学校ものみ込まれてしまったということでございます。
 これを裁判所はそうであったとしても、校長先生や教頭先生、または教務主任、こういった立場にあった人たちは、当時大川小学校があった立地条件など、土木工学の知見をもち、地域住民以上の高いレベルで、安全性を考えて、そして危機対策マニュアルというものをしっかりと見直して、そして避難場所を大川小学校のすぐそばの裏山でもなく、学校から700メートルも離れた「バットの森」にするべきだったと、これは原告側も被告側も一言も申していないのに、裁判所の方が「バットの森」が良かったんじゃないかと指定したということであります。それは本当に現実的であったのかということを問いたいというのが2つ目の理由です。
 3つ目は、これが確定いたしますと、判例になってしまうということです。これは石巻の問題、宮城県の問題ではなく全国の教育現場、全国の子どもを預かるいろんな教育施設にも影響を与える大きな影響をもちます。これを判例としていいのかどうかという、正直に申し上げまして、私は判断しかねます。それだけの非常に大きな影響がある問題でありますので、私には残念ながら、いいとか悪いとか判断する能力はございません。したがって、司法の最高の場であります最高裁に問いたいと考えたということでございます。
 ご遺族の皆さまの気持ちはよくわかりまして、私も子を持つ親として、このような立場になっていたかもしれない、その気持ちはよくわかりまして、けっして賠償金を払いたくないとか、あるいは原告と対立したいとか、そういったことではなくて、それを越えたもっと大きな目的で今回は上告にいたったということで、議員の皆さまにおかれましてはご理解をたまわれればと思っております。
 以上でございます。

●説明資料はこちら右矢印1180509 宮城県議会 全員協議会に配布された説明資料.pdf

<参考>
 原告も被告も「バットの森」を第3次避難場所として持ち出していなかったとした説明に対して、村井知事が行った訂正の発言(概要)は以下のとおり。


(相沢議員)
 先ほどの知事のご説明の中で、控訴審判決の中に「バットの森」が第3避難場所として適切ではなかったのかという指摘或は裏山が大方の考え方と違って、避難場所として適切で無かったという、こういう判決になっているわけであります。このことは私も大変驚いたんですが、控訴審の経過の中で、「バットの森」なり、あるいは裏山については原告・被告とも言及はあったのでしょうか。
(村井知事)
 はい、我々被告の方からはございませんし、先ほど私が安藤議員の答弁の中で、原告も「バットの森」について一言も無かったと言いましたが、訂正させていただきます。原告は例えば津波警報が発令された場合には、ただちに裏山への避難や「バットの森」への移動、待機しているスクールバスへの避難等の具体的内容の手順等を決定し、指示しておくべき義務があったと発言しておられました。したがって、原告側は「バットの森」、裏山という言及はございました。

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