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中嶋れん(日本共産党 宮城県委員会政策委員長)のブログ
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「バグフィルターで放射能の99.9%除去」は誤り―異例の日曜日議会 参考人質疑[2017年02月05日(Sun)]
 宮城県議会の環境生活農林水産委員会がきょう11時から開催され、岩見億丈氏(医学博士、宮古市在住)を参考人として招き、「放射性物質汚染廃棄物の焼却に伴うバグフィルターによる放射性セシウム除去の評価について」意見聴取しました。
 日曜日の議会開催は異例です。宮城県の村井知事が放射能汚染廃棄物の全県一斉焼却を打ち出しているなかで関心を集め、20人が傍聴につめかけました。
 岩見氏は、焼却炉の周辺に放射性セシウムが漏出していると指摘した氏の初期の論文には誤りがあったと認めたうえで、2016年発表の論文「放射性セシウムの灰中回収率の推定」については、今のところ廃棄物資源循環学会の査読による異論はでていないと報告しました。
 岩見氏は、3μm以下の粒子はバグフィルターで除去しにくいと主張し、環境省の第2回放射性物質汚染廃棄物安全対策検討会に提出された資料には原著を確認しないで引用した誤記があると批判しました。
 環境研究所の大迫政浩氏が1月10日の参考人質疑で述べた「微粒子になるほど捕集効率が上がる」とする意見については、フィルターを通過する速度が速くなると微細な粒子は取れにくくなること、通常の運転ではブラウン運動により微細な粒子ほどバグフィルターに補足されやすいがバグフィルターの捕集効率が最低になるのは粒径数10nmから数100nmの粒子であることを指摘しました。
 また岩見氏は、バグフィルターは気体を除去できないことを指摘。バグフィルター温度ではすべて固体になっているとしている大迫氏の意見については「平衡状態に達していない動的な変化をシミュレーションした研究は未だにない」と批判し、実際に測定すべきだと力説。そのうえで、環境省が関連する審議会の資料と議事録の多くを非公開にしていることを厳しく批判しました。
 岩見氏の意見発表原稿は添付ファイルのとおりです。
 右矢印1170205 岩見億丈氏の参考人意見原稿.pdf

 私は、ガス吸収瓶による方法では、排ガス中に漏れ出しているセシウムを検出できないのではないかと質問しました。岩見氏は、まったく同じ見解だと述べました。
 また私は、大阪市で平成24年10月11日に行われた実験のデータで、セシウムの濃度が低くなるほど濾紙による捕集率が悪くなる傾向があり、放射能汚染廃棄物の焼却の可否を論じるうえでセシウムの濃度が低レベルの場合の実験こそが必要ではないかと質問しました。岩見氏は、私の意見を認め、大阪市での実験データから推計すると、焼却炉で期待される発生ガス濃度(0.025mg/m3)でのセシウムの円筒濾紙通過率(つまり、どれだけ漏出するか)は20.0%になるという推計を示しました。

 自民党の藤倉知覚議員が、参考人として招致した環境研究所の大迫政浩氏と岩見億丈氏とでは「見解に非常に大きな開きがある」と感想をのべたうえで、県は「岩見氏の見解をどのように受け止めたか」をただしました。佐野環境生活部長は、必要な事項については環境省に問い合わせたいという趣旨を答弁しました。

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