CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
中嶋れん(日本共産党 前宮城県議会議員)のブログ
日本共産党宮城県委員会政策委員長。
シエルの会(自閉症児の親の会)会長。
原発問題住民運動宮城県連絡センター 世話人。
東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター事務局次長。
青森県むつ市大畑町生まれ。青森高校、東北大学理学部物理学科卒。
« ILC計画誘致ー「中間案」になかったのに「新・宮城の将来ビジョン」に。高エネルギー加速器研究所が申請を取り下げたのに、なぜ? 日本共産党宮城県議団が質疑でただしました。 | Main | 女川原発の再稼働中止・廃炉を求める願いをこの署名に結集したいー「原発をなくす全国連絡会」が新たな署名運動を呼びかけました。 »
プロフィール

中嶋廉のブログさんの画像
中嶋廉のブログ
プロフィール
ブログ
カテゴリアーカイブ
タグクラウド
<< 2021年05月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
リンク集
月別アーカイブ
最新コメント
QRコード
https://blog.canpan.info/renn/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/renn/index2_0.xml
学術会議問題で各地の弁護士会が会長声明―違法で違憲でもあるという論証が鋭い[2020年10月14日(Wed)]
 菅義偉内閣が、日本学術会議が推薦した人のうち6人を委員に任命しなかったことは、違法であり違憲でもあることを時の内閣が強行した事件としては安保法制以来の重大な事件でしょう。各地の弁護士会が会長声明を発表し始めました。なぜ違法で違憲なのか、分かりやすく整理しているので貴重です。京都弁護士会の会長声明を紹介します。ぜひ、ご一読ください。

●ダウンロードはこちら
 右矢印1京都弁護士会の声明
 右矢印1滋賀県弁護士会の声明
 右矢印1長野県弁護士会の声明
 右矢印1愛知県弁護士会の声明

「日本学術会議の会員任命拒否を撤回し、同会議の推薦どおりに任命するよう求める会長声明」
      2020年(令和2年)10月12日
        京都弁護士会 会長 日下部和弘
 2020年(令和2年)10月1日、菅義偉内閣総理大臣は、日本学術会議が推薦した会員候補者105名のうち、6名を任命しないで、残りの99名のみを任命した。このような行為は、以下に述べるとおり、違法・違憲である。
 日本学術会議は、「わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とする」(日本学術会議法(以下「法」という。)2条)。そのために、「独立して」、(1) 科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること、(2) 科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること、をその職務とし(法3条)、科学に関する様々な事項について政府の諮問を受け(法4条)、政府に勧告をすることができる(法5条)。このように、同会議は、科学的知識の「連絡」や「能率向上」、科学の「審議」及び「実現」を図ることや政府の諮問を受けて勧告するために存在しているものであり、まさに憲法上の学問の自由(憲法23条)を多面的に実践する会議体であることは、上記法文上明らかである。
 そもそも、学問の生命は、真理の解明をめざす批判的な精神にある。そして、学問研究の成果は、しばしば社会生活を支える既成の価値観への批判とその破壊・革新を招き、そのため政府や社会の側からの敵対的対応を招きがちである。だからこそ、科学者の内外に対する代表機関として科学の向上発達を図り、国民生活に科学を反映浸透させることを担う同会議は、とりわけ政府からの高い独立性が保障される必要がある。
 そのような趣旨から、日本学術会議の高い独立性は、法においても明確に規定されている。内閣総理大臣は、同会議を管理及び監督するものではなく、ただ「所轄」するに過ぎない(法1条2項)。また、同会議の会員は、同会議の推薦に「基づいて」内閣総理大臣が任命する(法7条2項)と規定されている。その推薦の基準とされるのは、「優れた研究又は業績」(法17条)であるが、その基準を満たしているかどうかを適切に判断しうるのは同会議であるから、内閣総理大臣の自由な任命拒否は予定されていないと言わざるを得ない。さらに、内閣総理大臣は、日本学術会議の会員自身から病気その他やむを得ない事由により自発的な辞職の申出を受けたときでさえも、辞職を承認するには日本学術会議の承認を要するとされており(法25条)、また、会員として「不適当な行為」がある場合ですら、同会議の「申し出に基づ」かなければ退職をさせることはできないとされているのであって(法26条)、任命権と表裏一体である辞職の承認権及び解職・解任権についてさえも法律上著しく大きな制限が課されているのである。そして、法にはこれ以外に内閣総理大臣の会員に対する具体的な監督権限は何ら定められていない。
 以上のように、日本学術会議には法律上高度の独立性が要請されているという法文上自明の理解を前提として、政府は、会員の選考及び推薦に関する法17条について、従前の公選制を廃止し推薦制度を導入した1983年(昭和58年)の第98回国会において、内閣総理大臣による任命は形式的任命に過ぎず、会員を選別するものではない旨を何度も繰り返し答弁している。あわせて、政府は、形式的であれ任命を必要とする理由については、選挙を経ずに公務員に就任するために形式上やむを得ないものにすぎない旨答弁した。
 このような日本学術会議の趣旨、目的や、憲法上及び法律上要求される高度の独立性、それに基づき法7条2項の「任命」をあくまで形式的任命と明言していた政府の国会答弁に照らせば、同会議の人事に関する自律性は強く保障されるべきである。上記の諸点からすれば、内閣総理大臣による個別の会員候補者の任命拒否は、当該候補者に「病気その他やむを得ない事由(法25条)」や犯罪行為又は不正行為等の「不適当な行為」(法26条)があるときなど明白かつ外形的な理由が存するときに限られる(それらの事由があるときですら、同法により、最終的には日本学術会議の承認や申し出を必要とされているのであるから、それら以外の理由により、しかも日本学術会議の推薦に反して任命を拒否するなど、同法は全く予定していない)。したがって、当該候補者の思想信条や学術研究などの内容を理由として拒否することが許されないことは当然であることに加え、現内閣の言うような「総合的、俯瞰的活動を確保する観点」からの任命拒否なども、同会議の独立性・自律性を著しく侵害するものであって、法律上絶対に認められていない(「総合的、俯瞰的活動を確保する観点」は、同会議が「推薦」する際の観点であって、内閣総理大臣が「任命」をする際にそのような観点によることは法律上断じて認められていないのは上記のとおりである)。
 しかるに、菅義偉内閣総理大臣は、本件の任命拒否について、「総合的、俯瞰的活動を確保する観点」からであるなどと説明しており、その点においてすでに法の解釈運用を誤り、法違反を犯したものである。そして、それに加え、菅義偉内閣総理大臣は、本件の任命拒否の具体的な理由については全く説明していないが、具体的な理由の説明がないまま人文社会科学系の会員候補者のみの任命を拒否したという事実関係からは、菅義偉内閣総理大臣が、今回の任命に際して、不正行為があったかどうかというような外形的な事情ではなく、その会員候補者の研究内容や思想内容にまで立ち入って検討し、その内容ゆえに、任命を拒否したものと強く疑われるものである。
 そして、実際に、菅義偉内閣総理大臣が、「総合的、俯瞰的活動を確保する観点」から会員候補者の研究内容や思想内容を理由として任命を拒否したとすれば、それはまさに、当該候補者に対する学問や表現の「内容に中立な規制」ではなく「内容規制」そのものである。こうしたことがまかり通れば、個々の科学者が有形無形の外部圧力に屈し、ひいては時の政府の意向に反する研究や言動に躊躇を覚えるなど、個々の科学者の研究や表現活動に対する萎縮的効果をもたらす。菅義偉内閣総理大臣の任命拒否行為は、個々の科学者の学問の自由(憲法23条)及び表現の自由(憲法21条)をも侵害するものとして違憲であると言わざるを得ない。また、菅義偉内閣総理大臣は、具体的な理由を明らかにしないで会員候補者の任命を拒否したものであることは上記のとおりであるが、これにより、研究内容や思想内容を理由として任命を拒否されるかもしれないとの認識を個々の研究者に与えてしまう状況を作出しており、そのような懸念を生じさせること自体が、個々の研究者の研究及び表現に萎縮効果を与えるばかりか、高い独立性が保障されるべき日本学術会議における学問の自由の実践やその基礎となる会員の選考・推薦行為にも萎縮効果を及ぼすものというほかない。したがって、そのような具体的な理由を示さない任命の拒否自体が、日本学術会議における会員の学問の自由を含む個々の研究者の学問の自由及び表現の自由を侵害するものとして違憲と言わざるを得ない。
 以上のとおり、菅義偉内閣総理大臣の行為は違法であるとともに違憲であり、速やかに日本学術会議の会員任命拒否を撤回し、同会議の推薦どおりに任命するよう強く求める。

この記事のURL
https://blog.canpan.info/renn/archive/1090
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
 
コメントする
コメント
最新記事
検索
検索語句