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最新記事
シンポジウム、無事に終わりました! [2008年03月10日(Mon)]
事前申込みとはいえ、ちゃんときてもらえるだろうか、と不安もあったシンポジウムでしたが、ふたを開けてみれば会場ぎっしりと150人の方々が集まりました!

登壇者、参加者みなの熱気が第1部、第2部と進むごとに醸成されて、第3部の分科会ではどこも活発な意見交換やワークが体験できたようです。終了後も参加者同士で話し込む姿がとても印象的でした。

時間は本当に足りなかったと思います。そりゃそうです。多くの立場の思いを4時間に凝縮することはとても難しいことです。でもこれをきっかけにまたいろんなところで、いろんな人たちが現場に関わり、遺族の人たちもまた、ともに考えあえられるような環境ができることを、切に願いたいと思っています。

ご来場のみなさま、本当にありがとうございました。気持ちはあっても、当日足を運ぶことができなかった方も、いつかお会いしましょう。
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Posted by yang at 22:48
いよいよ明日! [2008年03月08日(Sat)]
あと数分で当日になってしまいますが、いよいよ明日、シンポジウムです。先ほどまで都合のついたスタッフと登壇者の方々のプレシンポ(第0部)を行いましたが早速熱い議論が繰り広げられました・・・

さて明日の本番のシンポジウムですが、会場の神戸市産業振興センター(リンクはアクセス)は確かに神戸駅から5分ですが、その道のりは少し難しいので、どうぞ迷われずにお越し下さいね。一応、開始の13時まで神戸駅中央口、国道2号線を横断する歩道橋などに案内係の方を配置する予定ですので、見かけたらどうぞお声をおかけください。

1週間の短い間でしたが、シンポジウムのプログラムの紹介をして参りました。最後は本番ではご挨拶として壇上に立つリメンバー神戸の代表、梁さんの言葉を取り上げたいと思います。

******
 1992年、仲間と始めたホスピスケアを考える集会の中で、「私たちは置き去りにされている」という遺族からの切実なメッセージを聴き取り、翌年から病死遺族を中心とした遺族ケア(神戸ひまわりの会)を、ホスピス活動の一環として行なってきました。
 ひまわりの会の集いを重ねていくうちに、参加者の中でとても居心地の悪そうな、落ち着つかない雰囲気の遺族がいるのに気がつきました。そのような人の多くは事故死や心臓発作を死別の原因にあげて参加していましたが、個人的に話をすると「実は事故死ではなくて自殺なのですが、そのことはとても話せなくて参加しています。他に参加できるような集まりもないし」と教えてくれました。10数年前、自死遺族にとって、死別体験者の集いでさえ死別の所以を隠さなくてはならない状況がありました。
 その後曲折を経ながら、自死遺族に特化した自助グループ「リメンバー神戸」を立ち上げ、現在に至っています。その間、「リメンバー名古屋」「リメンバー福岡」の立ち上げと初期の活動にも関わってきましたが、その経験の中で自死遺族当事者であることと支援者であることの間に「必然的に発生する」垣根を取り壊して連帯することの意味の大きさを学びました。ここで強聴しておきたいのは、垣根を乗り越えるのではなく、「ベルリンの壁の崩壊」がドイツ市民社会の融和をもたらしたように、同時代に共生する仲間として垣根を「取り壊す」ことです。
 自殺者や自死遺族だけでなく、不登校、ニート、精神障害者、失業者、離婚体験者、HIV感染者、オールドカマー、ニューカマーなど「少数者」は差異の強調に基づく偏見や無視や排除や圧迫にさらされています。実は差異の強調とその結果もたらされる情緒的確執は自死遺族同士でも起こりえます。例えば夫を失った配偶者と結婚している息子を失った母親は、「親の育て方が悪いので夫は自ら死を選ぶような人間になってしまった」「嫁のせいで息子は自殺してしまった」という対立や対決を招く可能性があります。かように人が連帯していくためには複雑な障壁が存在しています。
 今回の企画のコンセプトである、「遺族同士の、遺族と市民の、市民同士の連帯を見据えたボトムアップシンポ」は実は20代の若くて柔軟な発想を持つメンバーによって練り上げられたものであり、天命を幾度となく思い知らされた世代としては、若い力の時代を切り拓く叡知に敬服しております。遺族、支援者、市民が固有で多様な存在の意味と関係性を有していることを前提に率直で活発な論議がなされることを通じて21世紀に共生の時代が達成されることを祈念しています。

リメンバー神戸
梁勝則
Posted by yang at 23:46
冊子「大切なあなたへ〜自死遺族のメッセージ」 [2008年03月07日(Fri)]
シンポジウムまであと2日になりました。準備も急ピッチで進んでいます。

今日は、シンポジウム当日に配布する資料の1つである、冊子「大切なあなたへ〜自死遺族のメッセージ」をご紹介します。



2007年に行われたリメンバー名古屋のシンポ、リメンバー福岡のシンポにて、 遺族の皆さんのメッセージのパネル展示を行ったものに、さらにリメンバー神戸でもメッセージを募集し、3遺族会共同の制作で2008年1月に完成しました。 メッセージをお寄せいただきましたみなさまどうもありがとうございました。

近畿では初お披露目として、このシンポ参加者のみなさんにお配りいたします(*今後のリメンバー神戸定例会でも手に入れることは出来ますが、それ以外では近畿では手に入りません)。参加される皆様はどうぞ手に取ってお取りください。そして、何にも脚色されない、特定の文脈にも拠らない、ありのままの遺族の声をお聞きください。
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Posted by yang at 21:16
パネルディスカッションのご紹介 [2008年03月06日(Thu)]
今日は第2部のパネルディスカッションの紹介です。

このブログでも繰り返し申し上げていますが、一言で「自死遺族支援」といっても、その考え方、やり方は様々です。
おそらく大事なことは、支援の善し悪しを断定し、どうあるべきかという議論よりも、実際に行われてきた様々な立場、関わり方のありようをよく理解し、認め合うことなのではないかと考えています。
このパネルディスカッションでは、継続して自死遺族支援活動に携わってこられた様々な立場の方をお呼びしました。岩手県精神保健福祉センターの井上綾子さん、リメンバー福岡代表の井上久美子さん、藍の会仙台わかちあいのつどいの田中幸子さん、リメンバー名古屋の野々山尚志さん・・・いずれも現場で真摯に取り組まれてこられた方達ばかりです。

市民の立場から、行政の立場から、当事者の立場から、同じ当事者でもまたその考え方、ケアのあり方は多様です。もちろんそこには違いだけでなく、普遍的に流れているものもあるはずです。

当日はパネリストの息づかいを感じ、問いかけに耳を傾けながら、様々な垣根を越えて、
ともに生きていくための大きな分かち合いが、皆さんと一緒にできればと考えています。
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Posted by yang at 23:50
基調講演の紹介〜西原由記子さん [2008年03月06日(Thu)]
最初に自死遺族ケアのシンポジウムを考え時に思い浮かんだのは、過去と未来をつなぐ、つまり”今”でありライブ感のあるシンポになれたらいいなあということでした。一言で遺族ケア、とりわけ自死遺族ケアといっても本当にいろんな考え方、見方があります。良かれと思った事が良くなかったり、多くの人がいる場にいてかえって孤独感を感じる事だってあるかもしれません。・・・なぜ自分を遺して逝ってしまったのかについて問い続けるのと同じように、本当の自分を認めてくれる場所がどこなのかについても問い続けるのは、大事なことである一方で、とてもたいへんな作業だと私は思います。そこで安易に「そんなことは考えるべきではない」とか「自殺は○○のせいだ」「こういう遺族ケアがいいのだ」ということを一方的に発信するのではなく、特に現場で関わってきているいろんな立場から一緒に考えることが今求められているのではないかと思いました。

そんなことを考えて、じゃあ最初に誰にお話してもらうのがいいだろうとなったときに、脳裏に浮かんだのが西原由記子さんでした。「自殺する私をどうか止めて」の著者であり、東京自殺防止センターの創設者である西原さんは、本当に波際での自殺防止活動に取り組まれる過程の中で、日本では誰よりも早く遺族の存在に気づき、かれらの声こそ聞かねばならないと考え、電話相談のみならず、都内での遺族のつどいも開いてこられました。今とは違い、社会的な注目もそれほどなかった時代から、今に至るまで、片時も休まずに取り組まれてこられた情熱こそ、今の私たちが受け継がねばならないものと思い、ご依頼申し上げた所、多忙にも関わらず奇跡的に日程の都合も良く快諾してくださったのでした。わずか30分と限られた時間ではありますが、これまでの歴史を最も紡いでこられた西原さんのお話を聞きながら、今、そしてこれからの遺族ケアについて考えたいものです。

今回のシンポジウムに際して、西原さんの声を紹介しておきます。
「遺族関係者の方々が安心して語り、涙を流し、あるいは怒りをぶつけてくださる場を提供して参りました。30年間、横に座って辛いお気持ちを聞かせていただき、共に悩み、共に苦しみ、手を取り合ってほっとするひと時を過ごしてきました」
Posted by yang at 00:33
分科会の紹介(5)〜行政と手をつなぐ [2008年03月05日(Wed)]
分科会の紹介も最後になりました。分科会Eでは「行政と手をつなぐ」と題しまして、自殺対策基本法でも明記され、喫緊の課題とされている、官民連携について考えます。滋賀県立精神保健福祉センターの辻本哲士さんをファシリテーターに、滋賀、京都、福岡でのそれぞれの官民のコラボレーションの事例をご紹介いただきます。

プログラム集の抄録です。
「自殺対策基本法が成立、施行、大綱が発表されたものの行政、自治体が遺族支援についてどのように進めたらよいのか未だ手探り状態です。そのような中でも、福岡市、滋賀県、岩手県、京都市の取り組みなど、行政の場で実際に関わっている立場のかかわり方の違う進め方などを聞き、行政、自治体が取り組む場合のきっかけやヒントになることを行政にいる個人の立場から考えてみる場にしたいと考えています。またその視点から遺族支援を行政、地方自治体、市民、民間団体、のそれぞれのできることから具体的に連携を図り、同じ時代を生きるものとしての支援のありようをさぐります」

それぞれの話題提供者の取り組みについても簡単にご紹介しましょう。
「福岡市では、精神保健福祉センターでの自殺対策として、まず、自死遺族支援に取り組む中で、「リメンバー福岡」と偶然ではあるが必然とも思える出逢いがありました。互いの目的を共有でき、行政や専門家だけでない、ボランティアならではの活動を側面的に支援してきました。」(大坪みどりさん)
「当センターでは、平成18年度より遺族の支援を中心に据えて啓発事業や関係者研修会等を実施してきました。自死遺族支援グループ育成に向けては、自死遺族支援のための啓発事業を契機に、そこに参加された遺族を中心に数回の準備会を経て、分かち合いの場の設立に至りました。遺族のニーズを大切にしながら、行政はどのようなことがお手伝いできるかを模索しながら、歩み出しています。滋賀での現状についてご報告したいと思います」(椙本まどかさん)
「『こころのカフェきょうと』とパートナーシップで取り組みを進めてきました。行政の役割としては、遺族の思いを受け止めて、一緒に施策を考え進めていくことが大切だと考えてます。具体的には、シンポジウムの開催、またセンター内で月2回の「こころのカフェきょうと フリースペース」を開催しています。また遺族支援のリーフレットをこころのカフェきょうとと一緒に作成中です」(前田えり子さん)
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Posted by yang at 00:15
分科会の紹介(4)〜生活再建:法的トラブルでできること [2008年03月05日(Wed)]
分科会Dでは、「生活再建:法的トラブルでできること」と題して、主に現実的問題、生活面や経済的な面について考えます。コーディネーターには「親の自殺を語る会」の木下浩さん、話題提供には同じく「親の自殺を語る会」にも参加し、弁護士である生越照幸さんをお迎えしました。

プログラム集の抄録を掲載します。
「自死遺族支援の生活再建・法的トラブルとして、考えられる差し迫った問題を3つ取り上げたいと思います。一つ目は、大きな枠組みとして「相続」に関して取り上げます。その中でも、@遺産分割、相続放棄、事業の承継などの諸問題、A過労自死に対する支援としての労災申請や使用者に対する損害賠償請求、多重債務による自死に対する支援としての過払い返還請求、その他、自死遺族に対する不当な損害賠償請求などの諸問題、二つ目は、「生活保護」全般に関して取り上げます。最後の三つ目は、@法律専門家などの相談窓口、A専門家間の職域の違い、B専門家に対する民事法律扶助制度を含めた報酬の問題などに関して取り上げます。
 時間が限られていますのですべて取り上げられるか分りませんが、皆さんと共に考え、議論したいと思います」
Posted by yang at 00:14
分科会の紹介(3)〜自殺が起きたその後に:再生を支えるとは?”寄り添う”支援を考える [2008年03月05日(Wed)]
昨日に続いて分科会のご紹介です。分科会Cでは、カウンセリングスペースリヴの主宰者であり、親の自殺を語る会を毎月開催している吉田まどかさんがファシリテーターを務めています。話題提供には看護師であり、東京都内での自死遺族グループのボランティアもしている小山達也さんをお迎えしました。対人援助職という立場でありつつ、そうした枠組みを越えて自死遺族ケアに携わる思いを感じ取ってもらえれば、と思います。

「身近に自殺が起きた時、人は様々な行動を起こし、様々な感情が起こります。感じることを封鎖し、思考停止、無感情になることも。そして何年も経過してから生きにくさを感じることもあります。再生に向かうプロセスは一人一人違います。どんな感情もどんな道を通過するのも、その人にとって必要なことであると認識し、支援者が再生を一緒に歩くとはどういう支援なのか・・・様々な意見を交換しながら道を探ります」(吉田まどかさん)
「私たちの集いでは、日常の中では語ることができない様々な思いを自由に話してもらい、皆で分かち合うことを目的にしています。私は、スタッフとして参加をしているのですが、看護師という専門職でもあり、身体的・精神的問題に関する相談を受けることもあります。ただ集いの目的は、参加者が安心して気持ちを語り、分かち合うことなので、専門職としての私はどちらかというと消極的に関わっています。集いを立ちあげるときに、様々な背景をもったスタッフが遺族支援には必要という認識のもと、参加を続けていますが、専門職としてどのように集いに関わることができるのか日々模索しており、みなさんとご一緒に考えていきたいと思います」(小山達也さん)
Posted by yang at 00:11
分科会の紹介(2)〜遺族ケアで必要なこと、人と人とが同じ目線で同じものを見ようとする事 [2008年03月03日(Mon)]
第2弾は分科会B「遺族ケアで必要なこと、人と人とが同じ目線で同じものを見ようとすること」です。この分科会の企画はリメンバー神戸のボランティアスタッフをしている渭川雄基さんと、ライフリンク会員であり、2006年から行政主催のシンポジウムでの講演や中学高校で「命の授業」を行うなど、こうした領域に積極的に活動してこられた尾角光美さんが共同で企画したものです。お二人が議論を重ねて作成した、プログラム集の抄録を再掲します。

「『愛とは互いに見つめあうことではなく、同じ方向を一緒に見ることである』
 これはフランスの文学者サン・テグジュペリの言葉です。「自死遺族支援」において、行政、遺族会、対人援助職等から遺族へと一方向的にサポートするのが支援の全てではありません。遺族も「日常」を生きているのです。そしてその日常を共有しているのはまさに私たち市民ではないでしょうか。「自死遺族支援」は私たちと無関係な話ではありません。遺族は大切な人を亡くした後、「共に生きる人」を必要としています。「支援」から「共生」へ。本分科会はそれを目指しています。
 そもそも「共に生きる」とはどういうことでしょうか。人と人が「自分にとって重要なこと」や「今、見つめたいこと」を一緒に共有した瞬間、個と個が交わり、一緒に今、生きている世界を織り成す。本分科会では「共に生きる」を実感する為に「相手の目線の先を一緒に見ようとするワーク」を行います。自分が身近な人の自死を経験しているか否かに関わらず、自死遺族の経験を共に分かち合い、人と人とが共に生きる可能性を一緒に追及する機会にしたいと考えています」
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Posted by yang at 23:34
分科会の紹介(1)〜当事者の思いをケアに生かす [2008年03月03日(Mon)]
今回のシンポジウムの目玉の1つに共同主催である自死遺族サポートネット近畿のメンバーによる5つの分科会があります。当日はどれか1つを選ばないといけないのが本当に残念だと思えるほど、いずれの分科会も大事な視点で、またコーディネーター、ファシリーテーターの熱意も並々ならぬものがあります。そこで、5回に分けてそれぞれの分科会ごとの紹介をさせていただきたいと思います。第1弾は分科会A「当事者の思いをケアに生かす」です。

コーディネターの石倉紘子さん(こころのカフェきょうと)より
「ひとことで自死遺族といってもどういった関係の方をなくされたか、そしてどのような問題を抱えているのか、どのような時期にどのような支援が必要なのか、などの違いにより遺族というくくりで遺族同士でも理解していないことがあります。また、男性のおかれている立場や、社会通念上、男性が悲しみを表すことができにくい日本の風土のなかで語り、わかちあいの会に参加する男性遺族も少ない、さらに参加しても居心地がよくない、居場所が少ないなど気持ちを吐き出せる、受け入れられる状況にないのが現実のようです。
 この分科会では、そうした現実を踏まえた上で、様々な立場の遺族から話題を提供してもらい、こうした多様な考え方、あり方について参加者の皆さんと考えを深めていきたいと思います。そして、それぞれの立場の理解を深める中で、会も少ない、参加できる時間帯にやっていない、勤務していたら参加できない、幼い子どもを抱えて会に出ることも、悲しむこともできない遺族にとって現実をどのようによりよいものに変えていけるか当事者としての思いをケアに生かす道を共に見出していきたいと考えています」

話題提供者には竹井京子さん、高谷直美さん、野村さんとそれぞれ当事者の方をお迎えして、分科会参加者のみなさんと一緒に考えていけたらと思います。
Posted by yang at 23:27
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