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NPO法人らぽーる*発達障害・不登校の子どもと家族の居場所作り*

NPO法人らぽーるは広島県の呉市を中心に発達凸凹(障害)児・者や学校に行きにくい子不登校の子ども、若年ひきこもりの子どもや保護者の居場所作りを行っている団体です。 

居場所は安心できてホットひといき出来る場となるように、ストレス発散や情報交換のできる茶話会を開催したり、発達障害のことをDVDで学習、コミュニケーショントレーニングなどを行っています。 

このブログでは、お知らせや日々の活動の報告を行っていきます。 
是非チェック!! ご覧になってくださいね!!  


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【通信2017. 7月ひきこもり】感覚が過敏でつかれてしまうお話 [2020年05月25日(Mon)]
こんにちは。広島県呉市を中心に、発達しょうがいのある子どもや大人の当事者、保護者、そして不登校、学校に行きづらいこどもの保護者の居場所作りを行っているNPO法人らぽーる代表の長尾です。

月曜日になりました。 
毎週月曜日は過去のらぽーる通信に掲載されたエッセーをお届けしております。
本日も聞風坊さんのエッセーを続けて掲載させて頂きますね。

感覚が過敏で疲れてしまうお話  聞風坊

皆さん、こんにちは。夏真っ盛りの日本のひなた・南国宮崎から、当事者や心理職の立場から率直な発信をしている聞風坊(もんぷうぼう)です。

今回は、感覚過敏のお話です。

冷たい物を口に入れてしみるのは知覚過敏として知られていますが、私たちにとってとても大切な感覚が過敏なために生活することがとても苦労するようになっている場合があります。

例えば、日射しがまぶしすぎたり、食べ物に少しでも嫌いな匂いが混ざっていると食べられなくなったり、喉を通る感じが不快で錠剤の薬が飲めなかったり、タグや縫い目が痛がゆくてイライラしたり、蛍光灯の音や外を走る車の音が聞こえてきて目の前の人の言うことが聞き取れなかったり、暑さ寒さに敏感で気分が悪くなったりという風に、暮らしの中の光りや匂いや音や触れてくるものからの刺激をたくさん受け止めてしまうために、とてもストレスが高い状態で、毎日を過ごさねばならない状態のことです。

ありとあらゆるものからの刺激を全部受け止める状態を想像してみると暮らしづらさが分かるかもしれません。

そんな状態だと、外出なんかできません。

落ち着いて人の話なんて聞けません。

じっと教科書を見ていることはできません。

わんさと音が流れ込み、次から次に刺激が目に飛び込んでくるからです。

さて、この状態は発達特性を持つ人の多くが抱える困難と言われています。
そしてまた、ストレスを抱えているときも同じような状態になります。

いずれも心穏やかな状態になれば、治まってくると言われています。

お気に入りの音楽を聴いたり香りを嗅いだり、心地いいクッションを抱いたり、究極ぐっすり眠ったりして、脳の休息を十分取るようにすると軽減するようですよ。
お試しあれ。

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◎親にも好評らしい聞風坊のブログもご覧下さいませ。
 http://monpubowblog.miyachan.cc/ 
著作:『こもって、よし!』、『「親」を育てる「ひきこもり」』&『関わることを考えよう ボクたちはこうしてほしいんだ。』。購入ご希望の方はブログまでご連絡を。



【通信2017.4月ひきこもり】思いやっている気持ちを伝えよう [2020年05月11日(Mon)]
こんにちは。広島県呉市を中心に、発達しょうがいのある子どもや大人の当事者、保護者、そして不登校、学校に行きづらいこどもの保護者の居場所作りを行っているNPO法人らぽーる代表の長尾です。

月曜日になりました。 
毎週月曜日は過去のらぽーる通信に掲載されたエッセーをお届けしております。
本日も聞風坊さんのエッセーを続けて掲載させて頂いております。


思いやってる気持ちを伝えよう  聞風坊

皆さん、こんにちは。経済的には豊かじゃないけど自然は豊かな日本のひなた・宮崎の地から、当事者や心理相談職の立場から率直な発信をしている聞風坊(もんぷうぼう)です。

今回は、親の人に向けたメッセージです。

不登校やひきこもりなどの専門家から、「自分の気持ちを伝えましょう」とアドバイスされることがあるでしょう。

ところが、親である自分の気持ちといえば、早く学校に行ってほしい、友だちと遊んでほしい、早く働いてほしい、できれば正社員で、あ、公務員なんかもいいな…。みたいに、○○してほしいという風に「要望」となっている場合が多いようです。

またこれは、学校に行った方がいいと思うよ、みたいに「提案」の形をとることもあります。

さて、実際にこんな風な「要望」や「提案」を口にしたらどうなるか?

親が口にするや否や、子どもは、心を閉ざし口を閉ざし部屋のドアを閉ざすという「3閉ざし」状態となることが簡単に予想されます。

にも関わらず、平然と「自分の気持ちを伝えましょう」とアドバイスする専門家には納得がいかないし、そんな専門家たちを頼らなくなってしまっていることもあるでしょう。

では、私の気持ちを伝えるには、どうしたらいいんでしょう?

さしあたり、子どもの思いを推察した結果を報告してみるスタイルがいいかもしれません。

学校にいかなきゃと思ってる様子はよく分かるよ。でも、なかなか行き出せずに苦労してるようだね。そんなお前を見て、頑張ってるなぁといつも思ってるよ。

こんな感じで。
お父さん、お母さん、ご自分の心の中に、こんな思いやりの気持ちはありませんか? 
子どもの頑張りを認める気持ちですよ!

ここで大事なことは、この後にアドバイスを追加しないことです。
「でもね、このままじゃ…」
「だから、○○したらいいんじゃない?」
こういうのはやめた方がいいようです。

子どもを思いやっての私の気持ちだけを短く伝える。
これがちょっとした伝えるコツなんです。

以上、聞風坊からのアドバイスでした。
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著作:『こもって、よし!』、『「親」を育てる「ひきこもり」』&『関わることを考えよう ボクたちはこうしてほしいんだ。』。購入ご希望の方はブログまでご連絡を。


【通信2017.1月ひきこもり】親は変わらなくても子は変わろう [2020年05月04日(Mon)]
こんにちは。広島県呉市を中心に、発達しょうがいのある子どもや大人の当事者、保護者、そして不登校、学校に行きづらいこどもの保護者の居場所作りを行っているNPO法人らぽーる代表の長尾です。

親は変わらなくても子は変わろう   聞風坊

皆さん、こんにちは。実はスキー場もある日本のひなた・宮崎の地から、当事者や心理相談職の立場から率直な発信をしている聞風坊(もんぷうぼう)です。

今回は、ひきこもる当事者活動人として、本人向けのメッセージです。

ひきこもる本人である私たちのほとんどは、親子関係がよくありません。
親子関係という人生最初の人間関係に困難を持つために、その後の人間関係に困難を持つことが多くなっているようです。

私たちは、
人とどうやって関係を築いたらいいのか? で戸惑います。
人とどういう会話、応答をしたらいいのか? で悩みます。
勇気をふるって会話や応答をしたとして、それを振り返って後悔します。

そうして、私たちは徐々に人と関わることがわずらわしくなり、こもるのです。

この時、多くの人がこう思います。
ガマンして親の言うとおりにしてきたのにぜんぜんイイことない。
もうあんな努力するのは絶対イヤだ! 
こうなったら親に責任を取ってもらおう。

こんな風に、親に要望し、親に期待し続ける「こもる人」は少なくありません。
今度こそ理解してもらえる。今度こそ親は変わってくれる。
そんな思いもあるでしょう。

でも、この期待はことごとく外れます。

親は変わらない。

私たちにとってこの事実を引き受けることはとてもつらいことであり、そしてとっても重要なことでもあります。

親が変われば自分も変われる、親が変わらなければ自分は変われないという発想は、自分の人生は親次第という考え方です。

自分の人生は親次第。
これは、子どもの頃から私たちを苦しめている考え方です。

私たちは今、この考え方を替えるチャンスを手にしています。
親に期待しない。そのかわり自分に期待する。
今、自分が自分のために直接的に何ができるかを考える。
親は変わりません。それでいて私たちは、自分次第でいつでも変われます。私たちは、親が変わることを辛抱強く待たずに、親より先に変わっていいのです。

◎当事者の心に響くと話題の聞風坊のブログもご覧下さいませ。
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著作:『こもって、よし!』、『「親」を育てる「ひきこもり」』&『関わることを考えよう ボクたちはこうしてほしいんだ。』。購入ご希望の方はブログまでご連絡を。
【通信2016.10月ひきこもり】何してほしい? [2020年04月27日(Mon)]
こんにちは。広島県呉市を中心に、発達しょうがいのある子どもや大人の当事者、保護者、そして不登校、学校に行きづらいこどもの保護者の居場所作りを行っているNPO法人らぽーる代表の長尾です。

月曜日になりました!新しい1週間の始まりです。
今週も元ひきこもり当事者で現在は支援者となって活動をされている聞風坊さんのエッセーを掲載させて頂きます。

何してほしい?  聞風坊

皆さん、こんにちは。日本のひなた・宮崎の地から、ある時は当事者の立場で、またある時は心理相談職の立場から率直な発信をしている聞風坊(もんぷうぼう)です。
今回は、親が自分の本音にどう応えるかについてのお話しです。

前回もお伝えしましたが、子どもが不登校してたり、ひきこもってたりしている親の方は、いろいろな講演会や著名な本などでたくさん勉強して、なんとかうちの子を学校に行かせよう、働かせよう、外に出そうと一生懸命に頑張り続けている方がほとんどです。

そして、
なのに、一向にうちの子は動く気配がない。
と落胆ししている方も大勢ですね。

さて、こんな風になんだかすっきりしない気分の時は、優しい親の雰囲気で、そっと自分に尋ねてみるのもいいかもしれません。

「何してほしい?」

すると、
「私の言うとおりにしてほしい」「安心させてほしい」「親の立場も分かってほしい」「この役目、代わってほしい」「優しくしてほしい」「頑張りをねぎらってほしい」いろいろな声がふっと現れるかもしれません。自分の本音ですね。

そうしたら、「そうなんだ」「そんな気持にもなるよね」と、自分の素直な気持ちにより添って、そして、なにか自分にしてあげてもいいかもしれません。

美味しいお茶を味わう時間をとるとか、友だちと他愛のないおしゃべりの時間をとるとか、自分に優しい時間をとるのですね。

自分に優しく。

すると、家族に向き合うときに少し心がほぐれているかもしれませんよ。
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【通信2016.7月ひきこもり】あなた、子どもさんからどうされたいの? [2020年04月20日(Mon)]
こんにちは。広島県呉市を中心に、発達しょうがいのある子どもや大人の当事者、保護者、そして不登校、学校に行きづらいこどもの保護者の居場所作りを行っているNPO法人らぽーる代表の長尾です。

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今週も元ひきこもり当事者で現在は支援者となって活動をされている聞風坊さんのエッセーを掲載させて頂きます。

皆さん、こんにちは。九州南国宮崎の地で当事者意識を忘れない心理相談職をやっている聞風坊(もんぷうぼう)です。

今回は、親の方と話をしてるとしばしば質問したくなるフレーズ。
ズバリ「あなた、子どもさんからどうされたいの?」についてです。

親の皆さんは、たとえるなら東に有名な先生の講演会があれば電車に飛び乗り、西に当事者の話が聞けると知れば車を飛ばし、南に良い病院があるとなったらすぐに電話予約し、北で親が変われば子が変わると教われば説教せずにニコニコ笑顔で接しと、子どものために24時間ガンバっておられます。

でもそれなのに、「うちの子は、学校に行かない! 部屋にこもっている!」ので、とっても不満がたまっているのですね。

さて、上記の質問がしたくなるのは、この切なる親の願いに思いを寄せたときなんです。

「子どもから、どうされたいの?」その答えは「私のガンバリを認めてほしい」かもしれません。

そしてそれは「私のガンバリを分かってくれているんだろうかあの子は?」という疑心と不安も含んでいるかもしれませんね。

しかーし、ご懸念無用! 私が出会った当事者本人たちは、誰一人とて親のガンバリを認めていない人はいません。むしろ、そのガンバリに応えられず、ガンバレナイ自分を情けなく思っている人が大勢です。

私たちは親も子もガンバリ屋なんです。
子どもは、親のガンバってる姿を幼い頃からよく知ってます。

だからお父さん、お母さん! 自分のガンバリを分かってもらおうと必死にならなくても大丈夫。どーんと構えていて下さいね。
子どもは分かってますよ。

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【通信2016.4月ひきこもり】皆さん、不愉快になる天才ですね [2020年04月13日(Mon)]
こんにちは。広島県呉市を中心に、発達しょうがいのある子どもや大人の当事者、保護者、そして不登校、学校に行きづらいこどもの保護者の居場所作りを行っているNPO法人らぽーる代表の長尾です。

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皆さん、不愉快になる天才ですね。  聞風坊
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皆さん、こんにちは。九州南国宮崎の地で当事者意識を忘れない心理相談職をやっている聞風坊(もんぷうぼう)です。

今回は、親と子ども両方に通じる「デキてないことを天才的に発見する才能!」についてお話しします。

私たちはよく、10のよいことを1の悪いことで払いのけます。
そういう才能に長けているんです!

「うちの子は、勉強はそこそこデキる。好き嫌いもなく食べる。友だちも多くはないけど楽しく遊んでる。でも、朝起きない。このままじゃ昼夜逆転だ。ひきこもりだ! でも、うちの子は何にもしない。まったくどうしようもない」

または「うちの子は家事はよくやってくれる。バイトもちょこちょこ自分で探してやっている。でも、長続きしない。定職に就かない。このままじゃ将来が大変だ。でも、うちの子は何にもしない。ホントどうしたらいいんだろう」

これ、デキていないことを鵜の目鷹の目で探し出して、デキていないことを巨大化させて、最終的には、子どもや、親である自分が「まったくなんにもデキてない」ことにしてしまっています。

こうして、自分で自分を不愉快にさせている。
そんな天才なんです私たちは。

でも、ホントにそんなにデキてませんか? 
私が出会った多くのひきこもり本人たちは、いろんなことがデキてる人たちばかりです。
ただ、そのことを親からはちっとも認められてないかも。
なにより自分を自分で認めていない。
だから社会に出ることに怯えている。

そこで、一つ提案です。
前述の例文の前後を、逆にしてみましょう。

「うちの子は朝起きない。でも、勉強はそこそこデキてる。好き嫌いもなく食べる。友だちも多くはないけど楽しく遊んでる」
事実はまったく変わってないけれど、不快な気分は、どうなりました?
「自分の不安な気分に合致するデキないこと」を発見する天才である私たち。
でも、事実はちょっと違うかも。


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【通信2015.10月ひきこもり】どっちがいい? [2020年03月30日(Mon)]
こんにちは。広島県呉市を中心に、発達しょうがいのある子どもや大人の当事者、保護者、そして不登校、学校に行きづらいこどもの保護者の居場所作りを行っているNPO法人らぽーる代表の長尾です。

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どっちがいい? 聞風坊

皆さん、こんにちは。九州南国宮崎の地から、ある時は当事者の立場で、またある時は心理相談職の立場から率直な発信をしている聞風坊(もんぷうぼう)です。

今回は、子どもの心の声についてちょっとだけお話しします。

うちの子は、ゲームばっかりしよる。
仕事もせん、朝も起きてこん、親の言うことなんにもきかん、ちょっと言うとすぐプイッとなる。
よく聞く親御さんからの言葉です。

これ、こんな(行動してる)うちの子はダメって意味なんですね。

ということは、ゲームをしないで、正規雇用で仕事に行って、朝きちんと起きて、しっかり挨拶して、親の苦言にも耳を傾ける子どもだったらOKとなります。

さて、この親の本音を肌で感じ取っている子どもは、心の中で問答します。

もし、そんなもう一人のボクが現れたとしたら、お父さんどっちを選ぶ? お母さんどっちがイイ? 間違いなくそっちの方だよね。
分かるよ分かるよくわかる。

だから、
「ボクいらないよね」「アタシ、いないほうがいいんだよね」
子どもが発するきわどい言葉の奥には、深く痛々しい思いがあるようです。

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聞風坊主著
こもった体験と自助グループ体験を赤裸々につづった
『こもって、よし! ひきこもる僕、自立する私』(鉱脈社 2005)、

ひきこもる時間の中で自分の心の中の親を育てるセルフワークハンドブック
『「親」を育てる「ひきこもり」』(私家版 2009)

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【通信2015.7月ひきこもり】社会資源を知ろう [2020年03月23日(Mon)]
こんにちは。広島県呉市を中心に、発達しょうがいのある子どもや大人の当事者、保護者、そして不登校、学校に行きづらいこどもの保護者の居場所作りを行っているNPO法人らぽーる代表の長尾です。

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社会資源を知ろう  聞風坊
   
皆さん、こんにちは。九州宮崎の地から、ある時は当事者の立場で、またある時は心理相談職の立場から率直な発信をしている聞風坊(もんぷうぼう)です。

今回は、家族が利用できるサービスのご紹介です。
名称やサービス内容は地域ごとに多少違っていますが、おおむね同じです。

ひきこもり支援センターは中核機関で、ひきこもる本人や家族が相談できます。
家族教室や訪問支援も行っています。およそ都道府県に一つは開設されています。

40歳未満の人の相談事のワンストップ窓口である子ども・若者総合相談センターも気さくに相談できます。

保健所では心の悩みや食生活や心身の健康全般の相談ができますし、他の相談機関の紹介もしてくれます。また精神保健福祉センターは精神面の相談ができる中核の一つです。

若者サポートステーションは、だいたい10代後半から30代の人の就労に向けた準備を手伝ってくれます。多くがコミュニケーション講座やパソコン講座などをやっています。

精神科病院・クリニックは、心の不調の治療ができます。
お薬を活用する場合が多く、お医者さんなので医療的な指導の面が強くなるようです。
カウンセリングなどの心によりそうケアは別のサービスになります。
最近では、看護師さんなどが自宅に訪問する訪問看護サービスも増えてきていますし、お医者さんの往診は昔からとても助かるサービスですね。

親の会・家族会は、同じ境遇にある人どうしが集うので、気さくに話ができます。どんな風に対応しているかというコツもお互いに知ることができます。

さて、これらのサービスを利用するときのコツは、相手に完璧を求めるのではなく、自分に役立つことに意識を向けることです。

気に入らないことに意識を向けると不満がたまるばかり。

だから、ヒントをもらった、話ができて気持ちが軽くなったなど、自分が楽になるのに役立つことに意識を向けます。

そんな風に社会資源を利用しながら少しずつ自分の日常をよくしていくことが大事なようです。
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聞風坊主著
こもった体験と自助グループ体験を赤裸々につづった
『こもって、よし! ひきこもる僕、自立する私』(鉱脈社 2005)、

ひきこもる時間の中で自分の心の中の親を育てるセルフワークハンドブック
『「親」を育てる「ひきこもり」』(私家版 2009)

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【通信2015.4月ひきこもり】納得はいかないけど理解くらいはできるのさ [2020年03月16日(Mon)]
こんにちは。広島県呉市を中心に、発達しょうがいのある子どもや大人の当事者、保護者、そして不登校、学校に行きづらいこどもの保護者の居場所作りを行っているNPO法人らぽーる代表の長尾です。

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納得はいかないけれど理解ぐらいはできるのさ  聞風坊

皆さん、こんにちは。九州宮崎の地から、ある時は当事者の立場で、またある時は心理相談職の立場から率直な発信をしている聞風坊(もんぷうぼう)です。

今回は、家族が持つ最大不満の一つ「なぜうちの子は○○しないんだ?」について、心理相談職の立場からお話しします。

家族の方は、「あの子が頑張ってるのは分かります」「辛いのも分かるんです」とよく言われます。
皆さん、我が子の心情を思いやっていらっしゃる方ばかりなのでいつも感嘆します。

ところが、この次の展開で問題が起きるのです。
100%に近い確率で、「でもねぇ」と続きます。

我が子の頑張りや苦労は重々理解はするけれども、でもだからといって、学校に行かずにゲームばかりしてたり、部屋にひきこもったりするのは、納得がいかないのですね。

頭で理解はできているけど、胸のうちにはもやもや感がとどまっている感じでしょうか。

さて人は、私が考えるところの望ましい行動を相手がとらないと不満を持つもの。
そして、相手は自分の思い通りには行動しないもの。私たちは、この二つの現実の狭間で不満をため続けます。

そこで、不満をためるのをやめたくなったら「納得はいかないけれど、まぁ理解はできるから、実際にどう(行動)するかはあいつに任せようか」こんな風に考えると少しは気が楽になります。
お試しあれ。

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聞風坊主著
こもった体験と自助グループ体験を赤裸々につづった
『こもって、よし! ひきこもる僕、自立する私』(鉱脈社 2005)、

ひきこもる時間の中で自分の心の中の親を育てるセルフワークハンドブック
『「親」を育てる「ひきこもり」』(私家版 2009)

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【通信2015.1月号ひきこもり】嫌だ!を受け止めてもらえると嬉しいんです [2020年03月09日(Mon)]
こんにちは。広島県呉市を中心に、発達しょうがいのある子どもや大人の当事者、保護者、そして不登校、学校に行きづらいこどもの保護者の居場所作りを行っているNPO法人らぽーる代表の長尾です。

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「嫌だ!を受け止めてもらえると嬉しいんです」 聞風坊

こんにちは。九州宮崎の地から、ひきこもる当事者として正直な思いを発信している聞風坊(もんぷうぼう)です。
今回は、家族の人が一番難しさを感じているコミュニケーションについてお話しします。

私がよく耳にする家族の方の不満は「何か言うとすぐプイッとなる」「ちょっと言っただけですぐ去って行く」「戸をバタン! と閉めて部屋に閉じこもる」というもの。

そうでしょうそうでしょう。
家族との会話にうんざりすると私もそうしてました。
そうすれば、会話が止むからです。

さんざん言葉で頼んでも止まないから、自分から口を閉ざす、立ち去る、バタンと閉じるのです。そういう理由があります。

では、相手がこんな態度を取ったとき、私たちはどういうコミュニケーションができるでしょう? 
オーソドックスな方法は、相手の気持ちを汲んでそれを言葉にして返すこと。
「この話嫌なんだね。じゃこれ以上は話さないね」
「ゴメンゴメン、ちょっと言いすぎたね。嫌な話は終わりにするよ」

人は、自分の気持ちを分かってもらえるとなんだか嬉しくなるものです。
たとえそれがプイッとなったり、その場を去りたいほど、またはバタンとドアを激しく閉めたいほどに嫌な気持ちであったとしても「自分は今嫌な気持ちなんだ!」ということを相手が分かってくれたら、なんとなく心がホッとします。

自分の気持ちを分かってくれる人。そんな人に私たちは信頼を寄せます。

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聞風坊主著
こもった体験と自助グループ体験を赤裸々につづった
『こもって、よし! ひきこもる僕、自立する私』(鉱脈社 2005)、

ひきこもる時間の中で自分の心の中の親を育てるセルフワークハンドブック
『「親」を育てる「ひきこもり」』(私家版 2009)

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