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2015年04月30日

きょうだいを亡くした子どものケアの絵本『さくとさようなら』の制作にあたって〜被害者支援都民センター様より

[発行元である被害者支援都民センターの新井様に制作にあたってのコラムを書いていただきました!]
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◉「さくとさようなら」は、きょうだいを亡くし残された子どものために描かれた絵本です。

関連記事:きょうだいを亡くした子どものケアの絵本ができました[被害者支援都民センター発行 プルスアルハ制作協力]─あらすじ・申し込み方法等

 現在、私は被害者支援都民センターにて、事件事故などの犯罪被害に遭われた方とそのご家族に対する支援活動を行っています。犯罪被害は、予期せぬ出来事であり、その理不尽な出来事に対する怒りと悲しみは甚大なものです。特にお子さんが犯罪被害に巻き込まれて命を落とされたとき、そのご両親は強い怒りと深い悲しみとそして自責感などに苦しみ、ご自身がなんとかその瞬間を生きることに精一杯になるかもしれません。そして、残された子どもたちに、これまでと同じように目を向けることが難しいときもあるでしょう。このような渦中で、きょうだいを亡くした子どもたちは、あたかも彼らの存在を忘れられてしまったかのように感じていることが少なくありません。そんな彼らと接する中で、「きょうだいを亡くして寂しさや罪悪感を抱えている子どもたちに、寄り添って読んであげられる絵本があるといいな」と思うようになりました。

 ところが、いろいろと探してみたのですが、彼らの気持ちに寄り添うことができる絵本を見つけることができませんでした。つまり、彼らの存在は、世界から取り残されていたのです。

 あるとき、臨床活動中に一冊の絵本に出会いました。それは、プルスアルハさんが制作した「ボクのせいかも...ーお母さんがうつ病になったのー」という絵本でした。ちあきさんのやさしいタッチの絵と北野陽子先生の丁寧な解説に、目が釘付けになり、その瞬間に「プルスアルハさんに、きょうだいを亡くした子どものための絵本を作ってもらいたい」と強く思ったのです。

 強く願い、それを声に出すと、願いは叶うものですね。「絵本を作りたい」と思い始めてから2年後に、「さくとさようなら」が完成しました。

 「さくとさようなら」には、犯罪被害だけに限らず、何らかの理由できょうだいを亡くしたすべての子どもたちに向けて、「忘れられたわけじゃないんだよ。あなたはとても大切な存在なんだよ」というメッセージが込められています。そして周囲の大人たちには、「悲しくてさみしい思いをしている子どもたちに、どんなふうに接すればいいのかという具体的なヒント」を、そして、お子さんを亡くされたご家族には「ほんの少し、前に進む勇気を持っていただけたら」という願いが込められています。
 ちあきさんのやさしいタッチの絵が、少し切なくて、そして少しほっこりさせてくれますし、解説は経験豊富な北野先生にアドバイスを頂き、読みやすく仕上げました。
 ご家族を亡くされた悲しみは、一生なくなることはないかもしれません。なかには、辛い気持ちを忘れてはいけないと思い込むこともあるかもしれません。ですが、今この瞬間の人生を楽しむことを禁じられたわけではありません。悲しみは悲しみとして心にとどめつつも、ご家族が、再び穏やかな時間を感じていただけることを願っています。

公益社団法人被害者支援都民センター 臨床心理士 新井陽子
「さくとさようなら」に関するお問い合わせは、support@shien.or.jp まで

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最初に構想をいただいたとき、'本当に大切で必要で、これまでになかった絵本'だと思いました。大変な中でがんばっておられるきょうだいさん、ご家族の方を少しでも応援できたらと思い、そして新井さん、センターのみなさんの専門性と熱量にふれて、ぜひ一緒に作りたいと制作を決めました。新井さん、センターのみなさん、ありがとうございました。この絵本が、きょうだいさんの存在に早めに気づき、ケアへとつながるきっかけになれば幸いです。

『さくとさようなら』2015年3月 
公益社団法人被害者支援都民センター発行
プルスアルハ:制作協力[チアキ:イラストほか キタノ:編集協力]

関連記事:きょうだいを亡くした子どものケアの絵本ができました

2015年04月29日

「生活保護」は、働いていても、若くても、持ち家があっても、車があっても申請可能です─日弁連の生活保護の申請についてのパンフレットより

「生活保護」は、働いていても、若くても、持ち家があっても、車があっても申請可能です

・日本では、受給資格がある世帯のうち、約80%は利用していない
・全体から見れば、不正受給は1%にも満たない

ビッグイシュー・オンラインのシェア
日弁連の生活保護の申請についてのパンフレット「あなたも使える生活保護」の紹介記事です
パンフレットには、申請窓口での対応で困ったときの相談先の情報もあります(無料相談)
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1%未満の不正受給が取り上げられる影で、多くの必要としている方が手をあげられない現実があります
そしてそれは、人の命、子どもの育ちに直結する課題です
タグ:生活保護
posted by ぷるす at 20:14| 精神保健に関する情報あれこれ

2015年04月28日

絵本の活用法1〜大人編〜家族のこころの病気を子どもに伝える絵本シリーズ/プルスアルハ

伝える絵本の使い方1〜大人編〜.jpg

プルスアルハの心理教育絵本『家族のこころの病気を子どもに伝える絵本』
シリーズ4巻刊行中です[@うつ病編 AB統合失調症編 Cアルコール依存症編]
絵本の活用法について、記事とイラストにまとめました。
絵本なので子どもに読み聞かせるもの? 子どもに精神疾患の話をすることはハードルが高いし機会もないかな… と思っていらっしゃる方に、ぜひ読んでいただきたいです。

◉絵本をまず手に取っていただきたいのは大人の方です

 子どもや病気の方のまわりにおられる方。医療、保健、福祉など援助職の方、学校の先生や保育士さん、地域で子育て支援にかかわっておられる方。そして病気のご本人ご家族。など。

「お母さんが元気がない…どうしちゃったの?ボクのせいかも…」
 絵本は子どもの視点の物語です。作者ちあきの子ども時代の体験と、臨床経験が元になっています。絵本のよさは、読んでいる大人も子どもの気持ちを体感できることです。具体的なかかわりや声かけを、その雰囲気とともに学べることです。「キミのせいじゃないよ」のことばに、子どもが少し安心するストーリーとともに、後半は温かい色遣いが画面に広がります。
 解説ではシーン毎の詳しい説明を書きました。子どもの気持ちの理解と対応のポイントをまとめ、「困ったときに活用するカード」など具体的なヒントも掲載。ABCには病気の基礎知識も加わり入門書としても活用できます。
 「病気を伝える」ことは、この絵本の大切なテーマではありますが、一部分です。子どもの安心のためにできること、たくさんのヒントを盛り込みました。

◉活用法あれこれ

@支援者の方が読むことで、子どもの気持ちを知り、支援を振り返る機会に。かかわりの具体的なヒントに。

A家族へ紹介し子どもへのかかわりをいっしょに考える機会に。病気について伝えたり、尋ねられたときの心づもりができるように。

Bクリニックや相談室の待ち合い、子育てサロンなどに置いたり、勉強会で紹介することで、どなたにとっても身近なこととして、精神疾患のある家庭の理解につながるように。

この絵本が、子どもと家族の安心に少しでもつながれば幸いです。
(つづく:子どもへの活用法、注意点は、また別の記事にまとめてご紹介します)

解説1.jpg
[↑シーン毎の解説 @うつ病編より]

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家族のこころの病気を子どもに伝える絵本
プルスアルハ著[お話と絵:細尾ちあき/解説:北野陽子]/ゆまに書房
@「ボクのせいかも…ーお母さんがうつ病になったのー」
A「お母さんどうしちゃったの…ー統合失調症になったの・前編ー」
B「お母さんは静養中ー統合失調症になったの・後編ー」
C「ボクのことわすれちゃったの?ーお父さんはアルコール依存症ー」
Amazon(プルスアルハ著書一覧)
youtubeで作者による朗読動画公開中(全4巻全編)
プルスアルハのHP内、絵本紹介ページ(絵本のチラシや読者からの声を読めます)


[新シリーズ]子どもの気持ちを知る絵本
@『わたしのココロはわたしのもの─不登校って言わないで─』
A『ボクの冒険のはじまり─家のケンカはかなしいけれど…』
posted by ぷるす at 15:22| プルスアルハについて

2015年04月25日

バベルの学校 → トークバック → ライファーズ おすすめ映画選

チャンスがあったらぜひ観てください
映画×3の紹介です

*トークバック 沈黙を破る女たち

サンフランシスコを舞台に、HIV/AIDS陽性者と元受刑者の女性がつくる劇団のドキュメンタリー。沈黙を破り、自分の人生を語る演じる様が圧倒的な印象を残します。
http://www.talkbackoutloud.com

「照明と音楽、そして仲間があれば」いつでもやり直せる。
素敵なことばでした。
劇団員、最初の応募60人の中で、最後まで残った人は1名だったそうです。自分のストーリーを振り返り、語る作業はものすごくしんどい。ステージに立つ選択をしなかった多くの人も、自分の中の光る何かと心を揺らすリズム、そして人との繋がりによって、やり直せるというか自分の人生を生きることができる。勇気の湧く映画でした。

*LIFERS[ライファーズ 終身刑を超えて]
カリフォルニア州を舞台に、終身刑受刑者、社会復帰後も「更生」に力を注ぐ元受刑者たち、そして彼らを取り巻く現実を描くドキュメンタリー。
上記、坂上香監督の映画2本だて!下北沢で5/1までです

*バベルの学校

パリの中学校の適応クラス(この言葉にかわる訳はなかったのかな...)を舞台に、世界中から集まった24人の生徒の1年を追いかけたドキュメンタリー。
http://unitedpeople.jp/babel/
今日は小澤いぶき先生のトーク付きで楽しんできました♬

3作。子どもも大人も様々なバックグラウンドも、ひとりひとりへの当たり前の敬意がそこにあって、素敵な映画です。
外国の遠い世界の話としてではなく、身近なこととして、多くの方に観ていただきたいです。
posted by ぷるす at 20:52| 映画や本

2015年04月19日

「不登校あるあるだと思う」中学生のときに不登校を経験した10代後半の方より

子どもの気持ちを知る絵本@
『わたしのココロはわたしのものー不登校っ言わないでー』

学校がしんどくなり家にとどまる主人公ミク。ゆっくり休もうと思っても、学校の様子が気になり、今頃はみんなお昼を食べてる時間…とため息が出ます。
中学生のときに不登校を経験した10代後半の方が絵本を読んで感想をくれました。
学校に行かないって決めているのに、当時は学校が終わる時間になるとすごくホッとした。同じ不登校の人と会うこともないから、ミクちゃんが学校の様子が気になるシーンは、他の人も同じなのか…と。不登校あるあるだと思う。
閉じこもってたら、みんな何を考えてる?と思っても聞く機会がないから、あるあるがあると安心できるような気がする。この絵本は嬉しいかも。

Amazonのページ http://www.amazon.co.jp/dp/4843346012
絵本紹介のページ http://pulusualuha.p2.bindsite.jp/project/kimochi.html
posted by ぷるす at 23:39| ミクの絵本[不登校編]

2015年04月17日

精神科の期待のギャップを少しうめる〜Dr.倫太郎より...

 精神科医が主人公のドラマが始まりました。
 15分ほどの鑑賞でしたので(出張中で番組全体は見れず...)、偏りがあるかもしれませんが、現実の精神科医療からはなれて【一般の方の期待する精神科医像】が投影されている印象でした。ドラマですからね、そう思って見る分にはよいですが...そう思って見てくださいね、とお伝えしたいです。
 直後に、こんなつぶやきをツイッターのタイムラインで見かけました。「Dr.倫太郎いいね〜精神科の受診を考えてるからひきこまれるわ〜」
・・・きっとこのイメージで精神科を受診したら、多くの病院に失望するでしょう・・・
 この記事のテーマは期待のギャップです。
 よいか悪いかということとは別の視点で、現状を知って精神科を受診しましょうという内容です。記事の終わりの方には、病院選びについての参考ページなども載せています。

◉精神科の外来は、一般的に、ゆっくり時間をかけてカウンセリングを行っている場所ではありません

 誤解の多いところではないかと思います。失望した方…すいません。
 精神科の外来は、(多くの場合)薬物療法を併用しながら、短時間の診察の中で、病状や、人間関係や生活上の困りごと、対応について助言したり話し合うことが一般的です。初診は30分〜1時間程度。再診からは短時間の診察になることがほとんどです。5分や10分ということも珍しくありません(ここの議論は置いておきます。精神科医個人の裁量をこえたシステムの課題と考えています)。毎回50分間の診察を行うといったことは、極めて特殊な状況と言えます。このことを現状として知っていないと、「精神科なのにちっとも話をきいてもらえない!!」という期待とのギャップが生まれますし、病院を変えても同じことが起きてしまいます。このギャップを埋めておくことは、受診のひとつのコツです。
 精神科の診察になにを期待していますか? 期待は自然な気持ちなのですが…それは現状の精神科でできそうなこと?という視点です。
 精神科でできることを考えるときには、精神科(医療)でないとできないことを整理しておくとよいです。

◉精神科(医療)でないと絶対にできないことは、投薬、医学的検査、診断(診断書)です

 精神の不調の中でも、薬物療法が有効とされているものがあります。統合失調症や躁うつ病、重症のうつ病などが代表的なものです。医学的な検査とは、血液検査や画像検査、脳波検査など。精神科の病気はこれらの検査ではわからないことが多いですが、他の病気でないことを確認する目的もあります(気分の落ち込みがある(うつの)とき、血液検査で、甲状腺ホルモンの異常がないかを確認するといったこと)。
 投薬、医学的検査、診断書が必要な場合は、受診です。
 一般の方がイメージする「時間をかけたカウンセリングを行っている場所」は、医療機関に近いところだと、病院に併設しているカウンセリングです。(保険診療でのカウンセリングを、適応をしぼって行っているところもありますが)多くの場合は、自由診療=診療以外のお金がかかります。臨床心理士が担っていることが多いです。病院によってカウンセリングがあるところ、ないところがあります。独立したカウンセリング室もあります。
 カウンセリングにもいろいろなスタイルがありますが、短期間で一方的に問題を解決してもらえる場所ではなく、相談者とカウンセラーとが協働して地道にとりくむものです。適不適もあります。例えば、統合失調症で具合が悪いときは、カウンセリングよりも精神科医の診察の方がよいです。

◉受診した方がよいか、受診先にどんなところがあるかの相談は、保健所や精神保健福祉センターで行えます

 公的機関ですので相談は無料です。まずは電話してみます。電話で相談・受診先を案内してもらったり、状況によっては、面接予約をしての相談になる場合もあります。
 病院の探し方、選び方、全国の保健所・精神保健福祉センターの一覧は、《みんなのメンタルヘルス総合サイト(厚生労働省)》に紹介されていますのでご参照ください。紛らわしい[精神科、精神神経科、心療内科、神経内科の違い]についての記述もあります。

 相談にしても診察にしても、人と人とのことですので、相性もあります。それぞれに違う専門性、個性、属性(年齢や性別)があり、精神科医、心理士、などとひとくくりにはできません。口コミの評価が自分にあてはまるとは限りません。場所や診療時間など通いやすいことも大切です。
 行ってみなければわからない要素も大きいですが、期待と現実とのギャップを埋めておくと、うまくいく確率が少しあがるかもしれません。

 いっしょに考えます.jpg

補足:診察時間を有効に使うコツとして、メモの活用があります。必ず伝えること、確認することなど、事前に整理しておきます。メモに書いていても、なかなか伝えられないときは、メモを渡してしまいましょう(なにが重要かわからなくなるので、分量は多くなりすぎないようにします。A4一枚まで、できればその半分くらいにします)。
 病院では、医師以外の専門家がいて、相談できることもあります。主治医に尋ねてみてください。
・お金のことや社会制度・サービス → ソーシャルワーカー
・薬についての一般的な質問 → 薬剤師
・日常生活上のことや体調面 → 看護師  など

*プルスアルハ 精神科Ns+Drで絵本などの心理教育ツールの制作と普及活動を行っています
 http://pulusualuha.p2.bindsite.jp/

*関連記事
#臨床心理士の専門性と倫理 〜Dr.倫太郎よりA
posted by ぷるす at 00:43| 時事ネタ

プルスアルハ3周年です☆4年目の3大テーマ

プルスアルハ3周年です。
多くの方に応援していただきここまでこれました。
ありがとうございます!
4年目は
・組織作り[法人化]
・情報サイト
・課題の認知拡大[精神疾患の親をもつ子どもの支援がもっと世の中に知られる]
が3大テーマです。保健室作戦も準備中です。
絵本は7冊目、発達凸凹の男の子が主人公のお話を、秋に刊行目標です。

4年目が飛躍の年になるよう、目の前のことにひとつひとつ
丁寧に取り組んでいきたます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

2015.4.16(日付が変わってしまいました...)
チアキ・キタノ・ゴマスキー
タグ:記念日
posted by ぷるす at 00:29| プルスアルハについて

whisky+Doctor+Nurseでニッチなコンテンツをつくる@アサヒ ラボ・ガーデン

4/15 Whisky+(ウイスキープラス)という社会起業家のお話をウイスキー片手に楽しむイベントに呼んでいただきました。
場所は大阪!学生時代を過ごした関西でこんなご縁があり嬉しいです。
絵本の朗読をして、社会課題について、そしてプルスアルハのストーリー(はじまり・今・これから)について、駆け足で。
想いをもっとうまくストーリーにこめられたんでは...という反省が残りますが、参加者の方、スタッフのみなさんと、素敵な時間を共有することができました。
どうもありがとうございました。

早速アルバムに!
↓↓
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.902527589813863.1073741848.568479236552035&type=1
posted by ぷるす at 00:19| イベント・講演活動

2015年04月10日

感覚過敏への工夫2[視覚過敏]〜人とテキストとの相性

身近な感覚過敏[視覚過敏]エピソードをご紹介します。
薄々気づいている方もいらっしゃると思いますが、ぷるすの制作担当、なかなかの感覚過敏持ちです。

***

今取り組んでいる制作が先日から足踏み中です。参考テキストを元に、イラストをつけてオリジナルのツールにするものですが、筆が進まないばかりか「気持ち悪い」「意識が遠のくー」となんだか重症。
締切が迫り事務所の雰囲気もピリピリ、あれこれ対策を考える中で、ひょっとしてこの参考テキストに一因があるかも?との気づきにいたりました。

・やたらカラフルである そして、色の組み合わせの相性が悪い
 つるつるの良い紙が光が反射する

断っておきますがテキストに罪はないです、内容はよいのに内容までたどり着けない。個人の感覚との相性の問題です。(もう1人の方は、それを見てて気分が悪くなったりは全然しないわけです。先日のエピソード募集でも「苦手なイラストや色の組み合わせや柄がある」というのがありました)
それで対処をどうしたかというと...必要部分を【白黒コピー】をとって制作再開。
これだけで、全然ラクになりました。。。。

ひょっとしたら、(ある特定の)仕事や学習に集中できない・やらない、の中には、そのテキストやプリントの視覚的な刺激が決定的に苦手、という原因もあるかもしれない

今回は、そのテキストを使ってこの仕事を完成させる、という絶対に見ないといけない状況だったので発覚しました。そこまでの必要性がなければ、そのテキストは見ない、開かない、それを使った学習の場は参加しない、という対処になるんだろうと思います。
いろんな可能性を考え始めたらもうきりがないのですが・・・どこでひっかかっているんだろう?と探る、想像を巡らせる、工夫してみる。何歳になっても試行錯誤の連続・・・と感じるエピソードでした。

おがてぃからは「識別系」の話もありました。あらかじめどんな刺激がくるのか自分なりに整理しておくと少しはマシになるかも、という話。
このみんなの感覚過敏のコーナー、みんなの経験、知恵を集めて、少しでものりきりやすくなったらと思います。

***

最後に実例で...苦手要素を敢えて盛り込んだチラシです。
(色以外にも、影とかオブジェクトの回転、斜め文字、テイストの異なるフォントやイラストの組み合わせなど、チアキにとって視覚的に刺激になる要素がたくさん><)

FullSizeRender-7.jpg

白黒になると、だいぶ目に優しいかんじがしますね。
コピーできない環境であれば、必要箇所以外は紙で覆って隠す、などの工夫があるかもしれません。

追記:それから数日...制作が進みました
しばらく、色とイラストの残像に悩まされていましたが、好きなぬり絵でイメージを払拭して、カラフルなテキストは開かないようにして、乗り切りました

2015年04月09日

感覚過敏への工夫〜「識別系」で「原始系」を押さえこんでしまおう byおがてぃ

 どうも。おがてぃです。ゆるゆる子育ての担当です。
 今回はぷるすのスタッフからお題をいただきました。テーマは子育てからは少し離れて...「感覚過敏」について。いま、ぷるすあるはでは旬なテーマですね。この間の体験談[みんなの感覚過敏]もいろいろな意見があって興味深かったです。

 普段の相談業務の中でも「感覚過敏で困っている」という話を良く聞きます。聴覚や視覚だけでなく、触覚過敏で困っていることも多く、なかなか対処が難しいのが現状です。
 音への過敏さは耳栓やイヤーマフ等が対処の基本、光のまぶしさはサングラス等、物理的にどうするかという対処を進めることが多いのですが、なかなかそれだけでは追いつかないことがあります。

 以前相談されていた方の中には「水にあたる感覚がダメ」と話していて、食器を水洗いすることが苦手で、どうしても洗い物が溜まってしまうと悩んでいました。
 最終的にはお金を貯めて食器洗い機を買いましょうというところになったのですが、ホントに日常生活で困るよなぁと思いました。

 そんなとき、自分の尊敬している作業療法士さんから「感覚統合療法」というリハビリテーションのお話をうかがう機会がありました。感覚というのは脳の中で処理されるモノで、外からの刺激が上手く処理できないことからいろいろな不都合が生じるので、上手く処理できるように刺激を選んで提供したり、運動の中に取り入れたりするというモノでした。
 その中で感覚には「原始系」と「識別系」の2種類があるという話がありました。

★原始系:刺激に対して防衛的に働くのが「原始系」
→例)嫌な感覚が生じてその刺激を避けようとする

★識別系:物の形や大きさ、素材等を触って弁別するのが「識別系」
→例)ポケットの中に何があるのか手で触ってわかるようなこと

 「識別系」が発達すると「原始系」が押さえ込まれるような働きがあるそうです。
 「お化け屋敷みたいな暗いところで、突然首筋にこんにゃくみたいなのがさわって触れるのと、明るい場所で「これから首のところにこんにゃくをあてます」と言われてから触れるのでは、感じ方が違う」という説明がありましたが、これがなんとなく腑に落ちた感じがしました。

 そういえば、発達障害の子たちも、普段苦手な刺激でも自分から主体的に触りにいく時には案外大丈夫だったり、あらかじめどんなことをするのかよく説明して予告しておくと平気だったりすることがあります。
 それは感覚統合の観点からすると「あらかじめ何が触るのか、どんな刺激が来るのか予測しておくと脳の方が準備をして感じ方が変わってくる」ということになるのかと思いました。

 まぁ自分から嫌な刺激に無理に触れることはないと思うのですが、あらかじめどんな刺激がくるのか自分なりに整理しておくと、少しはマシになるのかなと思った次第でした。

おがてぃ.jpg

★おがてぃのコラム
#2 ゆるゆる子育て活用法〜『完璧主義になって辛くなっているなというエピソードがでてきたときに...』
#1 気持ちに余裕を持って子どもに関わる「ゆるゆる子育て」へ/おがてぃ&プルスアルハ