小学生の大麻使用のニュースが広がるのを見て、薬物が止まらない、、、どうしようと悩んでいる子どもたちが、ますます相談しにくくなってしまうと、とても心配になりました。
話せない、話をしたら大事になるのを恐れて、子どもだけで抱え込んでしまうのではないでしょうか、、、そんな視点を持って頂きたいです。
「話をしてくれてありがとう」のひとことを。
子どもが話しにくいことを打ち明けてくれたときには、驚いても、まずは、話をしてくれた勇気を受け止め、ありがとうを伝えて欲しいです。
・・・・・
コラムを書きました。子ども情報ステーションへ。
小学生の大麻使用の報道をみて思うこと〜「相談」できる環境を
2015年11月11日
小学生の大麻使用の報道をみて思うこと〜「相談」できる環境を
posted by ぷるす at 16:54| 時事ネタ
2015年04月17日
精神科の期待のギャップを少しうめる〜Dr.倫太郎より...
精神科医が主人公のドラマが始まりました。
15分ほどの鑑賞でしたので(出張中で番組全体は見れず...)、偏りがあるかもしれませんが、現実の精神科医療からはなれて【一般の方の期待する精神科医像】が投影されている印象でした。ドラマですからね、そう思って見る分にはよいですが...そう思って見てくださいね、とお伝えしたいです。
直後に、こんなつぶやきをツイッターのタイムラインで見かけました。「Dr.倫太郎いいね〜精神科の受診を考えてるからひきこまれるわ〜」
・・・きっとこのイメージで精神科を受診したら、多くの病院に失望するでしょう・・・
この記事のテーマは期待のギャップです。
よいか悪いかということとは別の視点で、現状を知って精神科を受診しましょうという内容です。記事の終わりの方には、病院選びについての参考ページなども載せています。
◉精神科の外来は、一般的に、ゆっくり時間をかけてカウンセリングを行っている場所ではありません
誤解の多いところではないかと思います。失望した方…すいません。
精神科の外来は、(多くの場合)薬物療法を併用しながら、短時間の診察の中で、病状や、人間関係や生活上の困りごと、対応について助言したり話し合うことが一般的です。初診は30分〜1時間程度。再診からは短時間の診察になることがほとんどです。5分や10分ということも珍しくありません(ここの議論は置いておきます。精神科医個人の裁量をこえたシステムの課題と考えています)。毎回50分間の診察を行うといったことは、極めて特殊な状況と言えます。このことを現状として知っていないと、「精神科なのにちっとも話をきいてもらえない!!」という期待とのギャップが生まれますし、病院を変えても同じことが起きてしまいます。このギャップを埋めておくことは、受診のひとつのコツです。
精神科の診察になにを期待していますか? 期待は自然な気持ちなのですが…それは現状の精神科でできそうなこと?という視点です。
精神科でできることを考えるときには、精神科(医療)でないとできないことを整理しておくとよいです。
◉精神科(医療)でないと絶対にできないことは、投薬、医学的検査、診断(診断書)です
精神の不調の中でも、薬物療法が有効とされているものがあります。統合失調症や躁うつ病、重症のうつ病などが代表的なものです。医学的な検査とは、血液検査や画像検査、脳波検査など。精神科の病気はこれらの検査ではわからないことが多いですが、他の病気でないことを確認する目的もあります(気分の落ち込みがある(うつの)とき、血液検査で、甲状腺ホルモンの異常がないかを確認するといったこと)。
投薬、医学的検査、診断書が必要な場合は、受診です。
一般の方がイメージする「時間をかけたカウンセリングを行っている場所」は、医療機関に近いところだと、病院に併設しているカウンセリングです。(保険診療でのカウンセリングを、適応をしぼって行っているところもありますが)多くの場合は、自由診療=診療以外のお金がかかります。臨床心理士が担っていることが多いです。病院によってカウンセリングがあるところ、ないところがあります。独立したカウンセリング室もあります。
カウンセリングにもいろいろなスタイルがありますが、短期間で一方的に問題を解決してもらえる場所ではなく、相談者とカウンセラーとが協働して地道にとりくむものです。適不適もあります。例えば、統合失調症で具合が悪いときは、カウンセリングよりも精神科医の診察の方がよいです。
◉受診した方がよいか、受診先にどんなところがあるかの相談は、保健所や精神保健福祉センターで行えます
公的機関ですので相談は無料です。まずは電話してみます。電話で相談・受診先を案内してもらったり、状況によっては、面接予約をしての相談になる場合もあります。
病院の探し方、選び方、全国の保健所・精神保健福祉センターの一覧は、《みんなのメンタルヘルス総合サイト(厚生労働省)》に紹介されていますのでご参照ください。紛らわしい[精神科、精神神経科、心療内科、神経内科の違い]についての記述もあります。
相談にしても診察にしても、人と人とのことですので、相性もあります。それぞれに違う専門性、個性、属性(年齢や性別)があり、精神科医、心理士、などとひとくくりにはできません。口コミの評価が自分にあてはまるとは限りません。場所や診療時間など通いやすいことも大切です。
行ってみなければわからない要素も大きいですが、期待と現実とのギャップを埋めておくと、うまくいく確率が少しあがるかもしれません。
補足:診察時間を有効に使うコツとして、メモの活用があります。必ず伝えること、確認することなど、事前に整理しておきます。メモに書いていても、なかなか伝えられないときは、メモを渡してしまいましょう(なにが重要かわからなくなるので、分量は多くなりすぎないようにします。A4一枚まで、できればその半分くらいにします)。
病院では、医師以外の専門家がいて、相談できることもあります。主治医に尋ねてみてください。
・お金のことや社会制度・サービス → ソーシャルワーカー
・薬についての一般的な質問 → 薬剤師
・日常生活上のことや体調面 → 看護師 など
*プルスアルハ 精神科Ns+Drで絵本などの心理教育ツールの制作と普及活動を行っています
http://pulusualuha.p2.bindsite.jp/
*関連記事
#臨床心理士の専門性と倫理 〜Dr.倫太郎よりA
15分ほどの鑑賞でしたので(出張中で番組全体は見れず...)、偏りがあるかもしれませんが、現実の精神科医療からはなれて【一般の方の期待する精神科医像】が投影されている印象でした。ドラマですからね、そう思って見る分にはよいですが...そう思って見てくださいね、とお伝えしたいです。
直後に、こんなつぶやきをツイッターのタイムラインで見かけました。「Dr.倫太郎いいね〜精神科の受診を考えてるからひきこまれるわ〜」
・・・きっとこのイメージで精神科を受診したら、多くの病院に失望するでしょう・・・
この記事のテーマは期待のギャップです。
よいか悪いかということとは別の視点で、現状を知って精神科を受診しましょうという内容です。記事の終わりの方には、病院選びについての参考ページなども載せています。
◉精神科の外来は、一般的に、ゆっくり時間をかけてカウンセリングを行っている場所ではありません
誤解の多いところではないかと思います。失望した方…すいません。
精神科の外来は、(多くの場合)薬物療法を併用しながら、短時間の診察の中で、病状や、人間関係や生活上の困りごと、対応について助言したり話し合うことが一般的です。初診は30分〜1時間程度。再診からは短時間の診察になることがほとんどです。5分や10分ということも珍しくありません(ここの議論は置いておきます。精神科医個人の裁量をこえたシステムの課題と考えています)。毎回50分間の診察を行うといったことは、極めて特殊な状況と言えます。このことを現状として知っていないと、「精神科なのにちっとも話をきいてもらえない!!」という期待とのギャップが生まれますし、病院を変えても同じことが起きてしまいます。このギャップを埋めておくことは、受診のひとつのコツです。
精神科の診察になにを期待していますか? 期待は自然な気持ちなのですが…それは現状の精神科でできそうなこと?という視点です。
精神科でできることを考えるときには、精神科(医療)でないとできないことを整理しておくとよいです。
◉精神科(医療)でないと絶対にできないことは、投薬、医学的検査、診断(診断書)です
精神の不調の中でも、薬物療法が有効とされているものがあります。統合失調症や躁うつ病、重症のうつ病などが代表的なものです。医学的な検査とは、血液検査や画像検査、脳波検査など。精神科の病気はこれらの検査ではわからないことが多いですが、他の病気でないことを確認する目的もあります(気分の落ち込みがある(うつの)とき、血液検査で、甲状腺ホルモンの異常がないかを確認するといったこと)。
投薬、医学的検査、診断書が必要な場合は、受診です。
一般の方がイメージする「時間をかけたカウンセリングを行っている場所」は、医療機関に近いところだと、病院に併設しているカウンセリングです。(保険診療でのカウンセリングを、適応をしぼって行っているところもありますが)多くの場合は、自由診療=診療以外のお金がかかります。臨床心理士が担っていることが多いです。病院によってカウンセリングがあるところ、ないところがあります。独立したカウンセリング室もあります。
カウンセリングにもいろいろなスタイルがありますが、短期間で一方的に問題を解決してもらえる場所ではなく、相談者とカウンセラーとが協働して地道にとりくむものです。適不適もあります。例えば、統合失調症で具合が悪いときは、カウンセリングよりも精神科医の診察の方がよいです。
◉受診した方がよいか、受診先にどんなところがあるかの相談は、保健所や精神保健福祉センターで行えます
公的機関ですので相談は無料です。まずは電話してみます。電話で相談・受診先を案内してもらったり、状況によっては、面接予約をしての相談になる場合もあります。
病院の探し方、選び方、全国の保健所・精神保健福祉センターの一覧は、《みんなのメンタルヘルス総合サイト(厚生労働省)》に紹介されていますのでご参照ください。紛らわしい[精神科、精神神経科、心療内科、神経内科の違い]についての記述もあります。
相談にしても診察にしても、人と人とのことですので、相性もあります。それぞれに違う専門性、個性、属性(年齢や性別)があり、精神科医、心理士、などとひとくくりにはできません。口コミの評価が自分にあてはまるとは限りません。場所や診療時間など通いやすいことも大切です。
行ってみなければわからない要素も大きいですが、期待と現実とのギャップを埋めておくと、うまくいく確率が少しあがるかもしれません。
補足:診察時間を有効に使うコツとして、メモの活用があります。必ず伝えること、確認することなど、事前に整理しておきます。メモに書いていても、なかなか伝えられないときは、メモを渡してしまいましょう(なにが重要かわからなくなるので、分量は多くなりすぎないようにします。A4一枚まで、できればその半分くらいにします)。
病院では、医師以外の専門家がいて、相談できることもあります。主治医に尋ねてみてください。
・お金のことや社会制度・サービス → ソーシャルワーカー
・薬についての一般的な質問 → 薬剤師
・日常生活上のことや体調面 → 看護師 など
*プルスアルハ 精神科Ns+Drで絵本などの心理教育ツールの制作と普及活動を行っています
http://pulusualuha.p2.bindsite.jp/
*関連記事
#臨床心理士の専門性と倫理 〜Dr.倫太郎よりA
posted by ぷるす at 00:43| 時事ネタ