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みんなバラバラなものを食べるメリッット [2012年05月21日(Mon)]

 みんながバラバラなものを食べるとは、

給食の子、

弁当の子、

家に帰って食べる子、

売られてる弁当やパンを持ってくる子などが一緒に食べる

ということです。


 で、このことによる一番のメリットは、

親が自分の責任において自分の子の健康を守れるということです。

 別な言い方をすると、

親が自分の責任を自覚するということです。

 給食はどんなに美しく言っても、

所詮、子どもの食べる物を人任せにするということです。

 本質的に売ってる弁当やパンを与えるのと同じことです。
 (「売ってるのは危険」と言ってるのじゃないですよ。誤解されないように)

 給食にするか弁当にするか等、

親が自分の責任を自覚します。


 また、もし「給食は安全面で不安」という声が大きくなれば、

給食を食べる子が減ります。

 そうすると、給食をやっている企業は困るので安全面を強化しようとします。
(ただし、「子どもの好きな物が入ってない」という声で売り上げが落ちれば、毎日がお子様ランチみたいになってしまうわけですが。まあ、それでも、それがイヤな親は給食をやめればいいのです。)

 こうやって、親が企業をコントロールすることができます。

 
 「仕事などで忙しくてお弁当を作れないから給食はちゃんとしてくれないと」

という声もあると思いますが、

そのような人達に対してはさらに良い効果を生みます。

 みんな、給食に関心が無さすぎです。

 みんな同じ物を食べてるから、無関心で居られますが、

バラバラになったら、他の子がどうしてるのか気になるでしょう。

 お金を払って食べさせている給食がどんな内容で、

どんなふうに作られているかきっと関心がわくはずです。

 それは、先ほどの給食を請け負う企業をコントロールすることや、

親自身が責任を自覚することにつながっていきます。


 こんなふうに、給食の民営化で生まれるデメリットをメリットに変えて行くことができます。


 ついでに言うと、給食の滞納問題もほぼ解決します。

 給食を.食べるには、給食を作っている企業(委託であれば自治体)と

契約を結ばなければなりません。

 そうなると「食べてるのに払わない」という理屈は成り立ちません。

 また、昼食の選択肢が広がるわけですから、

払わない人には「他の方法で子どもに昼食をとらせてください」と言えるわけです。


 さて、どんなものごとにもメリットがあれば デメリットがあります。

 例えば、本当に子どもに関心のない親がいて、

給食費は払わないし弁当も持たせないということがあるかもしれないです。

 しかし、それは「虐待」という別次元の問題で

「給食」の範疇で解決できるものではありません。 
 

 給食費よりさらに少しだけ安い、

毎日「コンビニお握り2つだけ」という事例もあるかもしれません。

 それについては、学校栄養教諭の出番でしょう。


 「みんな食べている物が違う」というごく普通な状態に戻すことで

現状とこれから生まれると思われる問題を

解決することができるのです。


 早めに少しづつ取り組んでおかなくちゃならないですね。
子どもたちを守るために [2012年05月19日(Sat)]

 これまで、自治体が学校給食から撤退する可能性と、

その場合の危険性を考えて来ました。

 もし、撤退せずに現状のままでいったとしても、

同じ課題は残ります。

 苫小牧の場合を例にとれば、

第1センターの調理部門は民間委託ですが、
(第2もいずれそうなります)

役所はいろんな委託費の予算を削って来ています。

 給食だけが特別扱いされるわけはないでしょう。

 賃金を減らせなければ人数を減らす。

 人数を減らせなければ賃金を減らす。


 「施設が新しい」ことは安全の第一条件なのではなく、

「働く人達のモチベーション」が第一だということは、

給食の厨房メーカーの方が言っていたことでもあります。


 働く人のモチベーションと言えば、

栄養教諭である栄養士の業務負担が増加している上に、

道職員なのに他の地域への転勤がなく同じところに配属されたままです。

 ずっと同じところに居れば、

そこで起きていることが当たり前になってしまいます。

 どんな組織でもそうですが、

新しく来た人がベテランさんと対等に議論するまでには時間がかかりますよね。

 そうすると組織もなかなか刷新されず、

モチベーションは上がりません。

 
 ちょっと横道にそれました。



 民間委託が直接リスクの増大ではなく、

「民間委託をした行政が委託費を切り詰めて行く可能性」

によってリスクが増大してしまいました。


 また、放射性物質による汚染という問題も生まれています。

 出荷時の検査をすり抜けしてしまう食品がある確率は高いです。

 特に苫小牧は、冷凍食品やレトルトに大きく依存していますから、

そういう危険性は高いです。(素材一つ一つの産地まで把握できない)


 ある市民団体が出した提案書は「10ベクレル以下を検出できるように」と

しているそうですが、

 「20とか50とかの測定限界値でやります」とか言いそうで怖いですね。


 さて、こういった中で私たちが子どもたちを守るためにはどうしたらいいか?

 それは、学校給食という制度は残しつつ、

「給食を食べるのは当たり前」ではない社会を創ることです。

 具体的には、お弁当を持って来たり、

自宅に帰って食べてくる子がいてなんの不思議もない状況です。


 給食とお弁当の子が一緒に食べて

子どもたちはお昼の食事が楽しくないと感じると思いますか?

 家でマイペースで食べたいという子は仲間はずれになると思いますか?

 そんなことないですよね。


 「みんながバラバラなものを食べる」という状況、

これには沢山のメリットがある、子どもたちを守るための手法です。
自治体が学校給食事業から撤退したら? [2012年05月18日(Fri)]

 自治体が学校給食事業から撤退するケースは2つあります。

 一つは、全く完全に手を引き、

企業が自由に参入する、学校給食という形式のみを残すケース。

 もう一つは、自治体が学校給食を提供するという形式のまま、

献立作成、食材発注、調理などの全てを委託先に任せるケース。

 この場合、5年くらいの間隔で新たな委託先を決める入札を行うことになるでしょう。
(苫小牧で考えれば、こちらの方の可能性が高いでしょう)


 前回のブログに書いたとおり、

見かけは十分な給食は作れますから、

どちらの方法でも「価格勝負」になることは間違いありません。

 そうすれば、競争力に勝る大きな企業が勝ち残ることは間違いありません。


 例えば、苫小牧の第1給食センターの調理部門を受託している東洋食品。

 学校給食の受託シェアは全国一です。

 その他、官庁、企業の食堂やレストランも経営していますから、

独自の食材購入ルートも持っているでしょう。

 それに調査能力もばっちりです。

 ぱくぱく給食プロジェクトも、

確か第1センターの受託企業が決まる前だったと思いますが、

面談を申し込まれましたからね。

 おそらく「うるさい市民団体はいないか」という調査だったんでしょうね。

 会談の席ではそんな素振りは見せませんでしたが。

 受託に自信があったんでしょうね。


 話が横道にそれましたが、

そんなわけで大手が勝ち残るわけです。


 価格勝負になると、当然人件費は圧縮されます。

 圧縮されるとそこで働く人のモチベーションが下がります。

 岩見沢で昨年起きた事故は、

施設の古さではなく働く人のモチベーションの低下だと思います。
(それは、表に出ないんですよね。証明するのは難しいから)

 食材もより安い物を選ぶ方針が強まるでしょう。

 ミートホープ事件を思い出してください。


 最初に示した2つのケースの両方が、

献立を立て、食材をチェクする栄養士が給食を提供する企業内に取り込まれています。

 歯止めをかける人がいません。


 働く人のモチベーションの低下は外からは見えません。

 食材の質がどうなっているのかも分りません。

 見かけはいつもどおりの給食です。

 そして、安いです。

 子どもは美味しそうに食べています。
 (だって、みんなで食べる楽しさは味を凌駕します)

 
 経費のかからない給食を実現するために同時に得るのは

安全面で危険性が拡大した給食です。
(建物が最新式でも動かすのは人間です)(癒着という危険性もあるかも?)


 さて、私たちはどうやって子どもたちを守って行けばいいでしょうか?

 
(追記)

 視点を追加すると、

現在給食に食材を入れている地元企業も徐々に排除されて行くでしょう。

 地域とつながりのない給食になって行く可能性がありますね。
二本松市の今 最終回 [2012年05月17日(Thu)]

 二本松の人達と話した中で、

これまでの5回の中では書ききれなかった、

心に残ったことを記します。


 一時避難で行った先で交流会を開くのはとても有意義なことだそうです。

 お母さんたちも、日常では言えない、

心の中にたまっていた感情を言葉にして出すことで

負担が軽くなるのだそうです。

 また、受入れた方も、

被災地の現状を直接知ることができます。

 ただ、気をつけなければならないことは、

受けれた方の参加者の中には、

正義感からでしょうか、

「どうしてそんなところに暮らしているの?子どもがいるのに」

などど言う人がまれにいるそうです。

 別に居たくているわけじゃなく、

いろんな事情があって悩みながらそこで暮らしているわけです。

 そういう風に言われると、

開かれた心がまた閉じてしまうそうです。


 脱(反)原発派も原発推進派も、

自分の主張に都合の悪いことを隠そうとするのは同じ。

 そうですね。そう思います。

 自分にも覚えがあります。


 原発事故後にいろんな団体が生まれましたね。

 TEAM二本松にも、いろんなところから接触されるそうですが、

「実際に会ってみないと分らない」そうです。

 私にはそういう経験はないですが、

なんとなく理解できます。


 二本松は家具のまちでもあります。
kagutakedasaka.png
 お世話になった真行寺も酒蔵の大七も、

何百年の歴史があります。

 脈々と息づく文化が。

 
 もし、泊原発で事故があったら、

周りの市町村からはあっという間に人が居なくなるでしょう。

 残る人がいても福島県ほどは残らないでしょう。

 
 歴史の違いなのだと思います。

 

 大事なことを忘れていました。


「二本松から離れるのも離れないのも、どちらも間違いではないと思う」

otera.png

 そう思います。
Posted by がばめん太 at 06:02 | 自治、協働、参加 | この記事のURL | コメント(0)
自治体が学校給食から完全撤退する日 [2012年05月17日(Thu)]

 苫小牧市を例に考えてみましょう。

 給食費は食材購入にのみ充てられ、

1食当たり小学校で211円、中学校で252円でした。

 人件費、維持管理費などは別に200円くらいで、

それは市の予算から出ています。
(16日のブログ参照)


 例えばスーパーで売られている弁当、

280円とか300円とかのものがあり、みかけは問題ありません。

 現実に、給食の単価と同じような価格で一般に売られています。 

 以前は、「こんな価格で食事を提供できないよね。給食って貴重だよね」

というのが定説でしたが、今は、そうではないのです。

 人件費、維持管理費などを含まれれば給食の単価は400円を超えるわけだし。


 実際に、250円〜300円の単価で

給食の提供を請け負う企業が表れるでしょうか?

 私は充分に可能性があると思います。

 それには「食材購入も全て任せる」という条件がありますが、

その条件は市の割り切り一つで充分にクリアできると言うことは

前回、前々回のブログで書いて来ました。


 給食は、春、夏、冬休みがあるとはいえ、

売れ残りを心配することもなく、

安定して販売することができるものです。

 また、この規模の給食に対応することのできる企業なら、

独自の食材調達ルートも持っているでしょうから、

調理員だけを派遣するような現在の形より、

食材購入も任せてくれた方が利益を上げる要素が増えます。
(例えば、調理はA社が請け負い、そこが収支トントンにしかならなくても、食材を納品する会社Bがグループ企業なら、そっちで利益を上げることができるのです)

 肝心の設備も、

一度に9000,5000食を作れる設備を自分で用意することも無く

借りて使えるということになれば、十分なのではないでしょうか。


 では、市が学校給食を全て民間に任せると決断したとき、

どのように市民、学校、議会を説得するでしょうか。


 市民に対しては、

その企業が示した単価が例えば少し高い300円であっても、

人件費、維持管理費等にかかっている税金で負担している費用を示して

「これは税金で今まで払ってましたが、この分がなくなるのです」

ということを強くアピールするでしょう。

 全面撤退なら給食費を集める手間もなくなるのも魅力です。


 学校は、そもそもよく分ってないから問題になりません。


 議会は、「安全が守られるなら」とだけ言い、賛成するでしょう。

 だって、自分の子が給食を食べてるという世代の議員は圧倒的に少ないし、

男ばっかりだし。

 調理部門の民間委託に反対しなかったわけだから、

全面撤退に反対する理由もないでしょう。


 あくまでも仮定の一つでしかありませんが、

全く可能性がないことではありません。

 
 実際、調理部門の民間委託の話は、ずーっと前にも一度ありました。

 その時は、反対の声が強く撤回されましたが、今回はほぼすんなりです。

 こんなふうに社会は変わって行くのです。


 苫小牧市が給食から撤退することがあるとすれば、

第1センターの民間委託の実績がある程度固まって、

第2センターの建替えが本格的に議論される頃だと

私は思います。


 さて、では自治体が給食から全面撤退することに問題は無いのか?

 私はあると思っています。

 次回は、そのことについて考えます。
「学校給食は教育の一環」という題目は消える? [2012年05月16日(Wed)]

 自治体は「学校教育は教育の一環」という言葉で、

民間委託にしてもPFIにしても、

学校給食のために自治体が栄養士を配置し、

学校給食の献立を作らせて来たわけですが、

 国(中央政府)は、PFIにより、

「自治体が学校給食を直接作らないくても給食を実施しているように見える」手法を提示したわけです。


 また、栄養教諭という制度を作り、

学校給食を担当する栄養士は、

毎日学校へ栄養指導をしに行かなくてはならなくなりました。
(栄養教諭でなくても、栄養士免許を持っていて学校給食に関する充分な智識があれば、学校給食を担当する栄養士になれます)

 だけど、例えば給食センターの栄養士を考えてみましょう。

献立を作り、食材の発注をし、調理状況を点検し、

そして学校に栄養指導をしに行く。

 特に、学校での栄養指導を充実させようとしたら、

こんな状態で満足なことができますかね?


 私は、栄養教諭という制度は、

のちのち給食調理の現場から自治体の栄養士を引きはがす、

つまり学校給食から自治体を引き離す、

学校給食を民間に任せてしまうための方策の一つだったのではないかと考えています。

 偶然なのかもしれませんが。


 例えば、神戸市は以前から中学校は親の弁当です。

 ただし、どうしても作れない家庭のためにお弁当を販売しています。

 安全衛生面で「必要があれば』教育委員会が指導するとうことですから、

ほぼ全面的に業者に任せているものでしょう。


 これらを考えれば、

例えば、学校に給食を提供する企業は、

栄養士免許を持ち、学校給食の経験を持つ栄養士を雇い、

教育委員会と安全栄養面で何らかの協定を結ぶなどすれば、

法律と「学校給食は教育の一環」という言葉は残したまま、

自治体は経費面で完全に学校給食から手を引くことができるのです。


 例えば、センターの建設費はどうするか?

 企業に売ってもいいし、貸し出してもいいでしょう。

 建設費の支払いが終わっていれば、

買い取る企業が無くても給食が何らかの形で継続されるのなら、

センターを動かして維持管理比をかけるより安上がりですという言い方もできる。

 
 民間委託により学校給食の事故が増えたということはききません。

 いずれ「学校給食も民間で大丈夫」というのが定説ということになるでしょう。

 教育の一環の学校給食に民間が参加しておかしいということもないのだし。


 さらに「『学校給食は教育の一環』という時代は終わりました」

と宣言するところが出てくるかもしれません。

 「食の教育は、正式な教育プログラムの中でやるべきで、給食の中ではできない」

などと言ったりして。


 いずれにしろ、

「『給食は自治体が作る』というのは当たり前ではない社会にいる」

ことを踏まえて、

これからどうしたらいいか考えなくてはなりません。
行政は給食を止められない代わりにどうしたか? [2012年05月15日(Tue)]

 できればやめたい学校給食。

 でも「やめる」と言えない学校給食。

 「学校給食は教育の一環」という看板を下ろさずに、

経費削減をする方法。

 それが、調理部門の民間委託またはPFIという手法でした。

 
 前者は、調理員部門を民間会社に任せることでその費用を安くあげるというものです。

 ただし、調理施設などは市が買ったものそのまま使うので、

受託した民間会社の経費は、

調理員の人件費、光熱水費、洗剤や包丁などの道具類です。

 ほとんどが人件費と言っていいので、

要するに調理部門の民間委託とは、調理員の人件費を安くするということです。

 栄養士が自治体の職員で、

食材の購入も自治体が行うので、
(名義上は、学校とPTAで組織する学校給食会という半官半民みたいな組織)

「『教育の一環』としての責任は形式上も実務上も守られる」

という理屈になります。

 法律的にも、自治体は学校給食を提供するなら、

その栄養を管理する専属の栄養士を置いて

給食の内容を管理させなければならないことになっているので

それもクリアできます。

 
 一方、PFIは、
(ごく簡単に説明するために、代表的な手法を紹介します)

民間企業に給食センターを建てさせ、

そこに調理部門も任せてしまい、

建築にかかる費用も調理にかかる費用も、

一括して給食購入費としてその企業に支払うという方法です。
(給食購入費には、自治体の予算と保護者が負担する給食費が充てられます)
(「食材は学校給食会が購入する」なら、自治体の予算と給食費の一部が充てられる)

 この方法でも、栄養管理を民間委託の時と同じようにするなら

「教育の一環」という言葉は守られるということになります。


 さて、この線でとどまり続けるでしょうか?

 例えばPFIなら、民間企業から自治体が給食を購入して子どもたちに配るわけです。

 これは、「自治体が学校給食を実施している」のではなく、

「自治体が学校給食を買って子どもに配ってる」のです。

 「自治体が仕出し弁当を配って全部の児童・生徒に配ってる」と同じ意味です。

 最初に自治体が直接やっていた学校給食があって、

その後にPFIという制度が続いたから、

あたかも自治体が提供しているように見えますが、

PFIのスタートを始まりとしてみれば、

 自治体は学校給食事業を行っているのではなく、

安いところから「給食という名の仕出し」を買って配っているということが見えて来ます。


 自治体の栄養士が献立を作るということが、

その事実の目くらましとして効いていますね。
学校給食をなぜ廃止できないか。 [2012年05月14日(Mon)]

 学校給食は、行政にとってみればそんなに魅力ある事業とは思えません。

 美味しさや安全性を追求すれば費用がかかるし。

 美味しさと経済性は並び立たないし。

 安全性と経済性は並び立ちそうに見えても、

100%の安全はないから、

事故が起きた時の被害は経済性を重視するほど大きくなるし。
(経済性を重視して同じ食材で同じ場所で同じメニューを大量に作れば、食中毒が起きた時の確率と被害の大きさは上昇する)

 政策的には(政治家的にも)

 「小中の子どもを持つ親」という限られた範囲の市民にしかアピールしないし、
(導入時こそ大きく歓迎されるが、すぐに「当たり前」のことになる)

経済効果を与える範囲(業種)も規模(金額)もそんなに大きくない。

 だけど、直接の対象は子どもだから、

失敗を起こせば大きな批判を受けることになる。

 財政的に余裕がないと言っている以上、

少なくとも進んでやりたい事業ではないですね、多分。


 でも、学校給食は一度始めたらなかなか廃止できません。

 法律上は止める時の規定もあるのですが、

まず、保護者が許さないでしょう。

 昭和40年初めくらいまでを除き、

給食は「親の都合」で

求められて各自治体で開始されて来ているのですから。

 だから、多くの親が子どもが何を食べているのかも知らない。

 子どもは「美味しい」って言うしね。
 
 給食センターが全てのメニューを作っていると思っていたり、

試食会に行っても、

懐かしさで嬉しくて何のために試食会やってるんだか分んなくなっちゃったりする。


 一方、行政の方にも止められない理由があります。

 これまで「学校給食は教育の一環である」と言ってきました。

 さらに数年前からは、「学校給食で食育もする」なんて言い出してます。

 止めると「教育の一部を財政難を理由に放棄した」ことになってしまい、

他に止める理由を見つけられませんから、

仕方なく続けることになってしまいます。


 親の無関心と役所の都合で、

昭和43年に建てられた給食センターが、

栄養士の再三の要望にも関わらず

40年以上建て替えられなかったりする。

 そりゃあ、そこで働く人のモチベーションも上がらないわな。


 昨年、岩見沢で起きた学校給食の食中毒、

苫小牧の第1で起きていても何も不思議ではないことでした。


 ちょっと、.ずれちゃったな話が。

 次回は「行政は、止められない代わりにどうしたか」を考えます。
二本松市の今 その5 [2012年05月13日(Sun)]

 コインランドリーへの道すがら、

街の様子を眺めて歩きました。

 マスクを着けている子は半分もいたでしょうか。

 一見したところ、何もかも普通のままです。

 安達太良山がとてもきれいです。

 北海道にはない、濃い緑が輝いています。


 私は、どんなところへどんな理由で行っても、

できるだけ観光を.します。

 不謹慎?

 冗談じゃない。

 そこへ行って、見て、食べ、土地の人と話してこそ、

その土地のことが少し分ってくるんじゃないですか。

 だいたい、

人間は楽しみがないと、動き出さないものです。


 今回の私の楽しみは、

二本松にある、「大七」という日本酒の酒蔵を訪問することです。

 日本酒造りの基本中の基本、

手のかかる「生もと造り」をしている酒蔵です。

 お世話になった真行寺の住所を確認していたら、

大七と番地のみ違う。

 よもやと思って地図で確認したら、

なんと真裏じゃありませんか!!

 こんなラッキーなことないです。


 で、最終日行って来ました。

 前日に、住職に同行してもらって挨拶をしておいて。

 当日は他に見学者もなく、

マンツーマンで案内していただけました。
(マンツーマンというのはかえって、こそばゆいものですね)


 まず、驚いたのはとても立派な社屋だと言うこと。
daisiti.png
 木造のもっと古めかしい建物かと思っていました。

 中に入ると、受付が吹き抜けでとても天井が高く、

ちょっとしたコンサートができそう。

 それをねらって設計したわけではないそうですが、

実際、福島へ来ていた有名なオペラ歌手が

「酒蔵でオペラを披露したい」と言ったら

相談を受けた人が大七に連れて行ったところ

「ここならできそう」と実際に上演したり、

バイオリンなどのミニコンサートも開かれたりしているそうです。

 大七を紹介するビデオを見た後、

扁平精米など大七の特徴をうかがったあと、酒蔵内部の案内です。

 扁平精米についてちょっとだけ紹介します。

 精米は、雑味の元になるでんぷん質や油分を除くために行います。

 通常は、米全体を削って行くのですが、

米はまん丸じゃなくてラグビーボールのような形をしていますよね。

 それを縦長に置いたとして、

お腹や背中に当たる部分にでんぷんや油分が多く含まれています。

 だから、丸く削るよりお腹や背中をより削るようにすればよい

というのが扁平精米の考え方です。

 精米したお米の比較がありましたが、

確かに扁平精米の方がクリアです。

 大七のお酒が、骨太なのにクリアなのは、

ここに理由があったのだなと思いました。


 さて、蔵内部の見学ですが、

改修などの最中で、

麹室のある建物の入り口で終わったのは残念でした。
koujisitu.png
  大七は、原発事故後すぐに外部からの空気の侵入を遮断し、

現在は倉庫等の入り口に強力なエアカーテンを設置するなどして、

放射能で汚染された空気の侵入を防いでいます。

 現在も内部の数値は平常時とほとんど変わらないそうです。

 また、水は安達太良山の水からの地下水を使っていますが、

すぐに水脈の流れが変わってしまわないように流れを確保する処置をし、

現在も同じ水脈を使っているそうです。
(地震後に温泉が出て来たとか、水が来なくなったとかいうところもあったそうです)

 何にしてもここのすごいのは、

伝統(経験)と現在の科学の両方が

十二分に生かされているということだと思います。


 さて、いよいよその成果の確認です。(笑)

 まず酒器。
siin1.png
 一般には、底に青いぐりぐりのついたぐい飲みを使いますが、

ここはグラスです。

 その下に青いぐりぐりがモチーフされた磁器の台がセットされています。

 おしゃれ。

 奥のでかいグラスは、

ワイングラスで有名なオーストリアのリーデル社が

「日本酒大吟醸のグラスを作りたい」と

酒蔵12社と相談しながら作ったものだそうです。
 

 さて、ラインナップ。
siin2.png
 左側から順にいただきました。

 左端はおなじみ、その隣も一回だけ呑んだことがあります。

 衝撃だったのは、宝暦大七。(5本のうちの右から2番目)

 冗談でなく今まで飲んだ日本酒の中で一番美味しいです。

 本当に微かに香る木のような香り、

先に呑んだ3つにはありませんでした。

 甑(こしき)など、使う道具は全て同じだそうです。

 絞り方も含め、他より手がかかっているのは確かですから、

道具の匂いが酒に移り、それがそのまま生かされたのか、

酵母の活動から生まれてくるものなのか、

 とにかく「気のせい?」と思うほどの香りで、

案内の方に「勘違いかもしれませんが...」と確認してしまいました。

 勘違いではないとのことで、

自分の感覚もまだ大丈夫と安心しました。

 いやあ、驚いた。

 そのあと、お土産買う時に値段を聞いてまた驚いたけど。(笑)
 (もちろん買えませんでした。苦笑)

 
 最後にいただいた梅酒も美味しかったですよ。


 二本松は人も酒も良いところです。
Posted by がばめん太 at 06:53 | 自治、協働、参加 | この記事のURL | コメント(0)
学校給食についていったんまとめ [2012年05月13日(Sun)]

 5月6日から書いて来たことをいったんまとめてみますね。

 まず、一般論。

 学校給食は出すのがふつうになっているが絶対出さなきゃならないものではない。

 学校給食は食べなくたってかまわない。

 学校には「みんなで同じものを食べることに教育上の意義がある」という間違った認識を持っている傾向がある。

 学校給食で食事のマナーは育てられない。


 次に苫小牧市の給食について。

 苫小牧市の給食センターは、第1センターが9000食、

第2センターで5000食作る、全道でもまれな巨大な施設。
(全国でも、9000食作る施設はそんなに多くない)

 毎日つく、温食以外のおかず(フライとか焼き物とか)の9割以上が冷凍やレトルトの既製品で、

給食センターでは揚げるだけ、茹でるだけ、蒸すだけ。

 給食センターで作っているのは温食だけ。 
 (ごくたまーに、おかずも作る)

 第1センターは新しくなったが、献立はこれまでと同じ。
 (第2センターが古いままだから)

 第1センターにサラダや和え物を作る部屋はあるが、調理器具はない。
 (第2センターが古いままだから)

 第2センターは古いままだが、いつ建て替えることやら分らない。

 作っている調理員さんは第1センターが民間企業の社員。

 第2センターは現在、市職員だけどいずれ民間企業の社員になる。

 食材は、公務員(道職員よ市職員)の栄養士が発注している。

 給食費(1食当たり小学校211円、中学校252円)は、食材購入費に充てる。

 人件費や施設維持費など(1食当たり200円くらい)は、税金でまかなわれる。

 だから、1食にかかる費用は全部で411円〜452円ということ。


 さて、現在の学校給食は苫小牧市が作って提供しているかたちになっています。

 第1センターは民間企業が調理していますが、

あくまでも「委託」なので形式上は苫小牧市が行っていることになります。

 これからも、苫小牧市が学校給食を作っていくでしょうか?

 私には、そんなふうに思えないんですよね。

 次回以降、いろんな方向を探るための参考として

学校給食のこれからについて考えていきます。
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