前回までは、データから「基本的に子どもはマスク不要」という根拠を示してきました。
今回は、子どもが常時マスクをしていることの弊害を考えます。
まずは、身体面から考えます。
〈体温調整への弊害〉
子どもの発汗機能は未発達で、大人より発汗量が少ないです。
運動などして多くの汗をかいて体温を調整する必要があるときは、それを他の機能で補わなくてはなりません。
だから、子どもは頭部や躯幹部の皮膚血流量を大人より増加させて、身体の表面積をフルに使って大人と同等の放熱をしています。
子どもは、大人に比べ体全体に対する顔や頭の面積の比率が大きいいですから、そこが放熱に大きな役割をしています。
口や鼻をマスクで覆ってしまうといくことは呼吸で熱を放熱することはもちろん、このような皮膚からの放熱も阻害してしまうわけで、子どもの体への負担は大きいと思います。
(参考 「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック PART4」 日本スポーツ協会)
〈口呼吸による弊害〉
鼻呼吸では、鼻の入口にある鼻毛が侵入しようとする花粉やホコリなどをブロックしてくれます。また、鼻腔粘膜では、線毛の上皮細胞と粘液の分泌によってウイルスや細菌などのさらに小さな異物を絡め取ってくれます。
さらに、鼻から入った空気は、鼻腔の中を通過する際に適切な温度と湿度に調整されるので、肺の負担を軽減し肺の中でスムーズに循環されます。
一方、マスクを常にしている方は気づくと思いますが、マスクをすると自然と口呼吸になります。
口呼吸は、冷たく乾いた異物だらけの空気が直接、咽頭や喉頭に当たってしまい、口内は乾燥し、病原体が繁殖しやすい状態になります。
人間が発症する病気の7割は口呼吸が原因とも言われていて、呼吸器系疾患やアレルギー性疾患、皮膚疾患、自己免疫性疾患、精神性疾患などに罹るリスクを高めることになります。
口から入る空気は、鼻から入る空気よりも感染症その他の疾患に罹るリスクが高いのです。
(参考 大脇薬品工業HP 健康ひとくちメモVol.17)
前回までに取り上げた、子どもが新型コロナウィルスを発症する可能性とこのような健康に対する影響を比較してどうでしょうか?
新型コロナウィルス感染症の特徴を振り返ってみましょう。
これは、「今の大人の」病気なのです。
大人は恐怖のあまり、子どもたちへも同じような対策をさせているようです。
そうやって、子どもの本来もつ能力を低下させて、結果新型コロナに感染させてはもともこもありません。
少なくとも、屋外活動や子どもたちだけでの環境ではマスクを外し、大声を出して笑って走り回らせ、大きな息をさせましょう。
それが、子どもたちにとって一番良い「新型コロナ感染症対策」だと思います。
次は、20日に更新します。