プラスの利子が競争を激化する2 [2009年03月06日(Fri)]
なぜ、プラスの利子が競争を激化させるのでしょう?
通貨は社会に十分に流れていないのでしょうか? 通貨は十分にあると思います。 ただし、その多くに利子が伴っているので、とても いびつな形で社会に流通しているのです。 なぜ、多くの通貨に利子が伴っていると言えるのか というと...。 まず、あなたの預金に利子がついていますね。 それから、車を買うときに全て現金で支払うと利子は 付きませんが、ローンにすると利子が付きます。 国(中央政府)は、さまざまな公共事業や行政サービ スを行いますが、莫大な借金を抱えていて、それは国民 一人当たり650万円を超えています。 あなたがボールペンを買ったときにも利子を支払ってい ます。 なぜなら、企業はさまざまな生産活動を行いますが、 そのための設備投資のために銀行から融資を受けます。 そして、その利子が含まれた借金の支払いを製品の売 り上げによって捻出しますから、商品の価格にはなんら からの利子が含まれていることになります。 へ理屈でしょうか? いいえ、通貨の流れはつながっているので、このことが 言えます。 2月24日のブログで、銀行の信用創造のことを書き ましたが、信用創造は銀行の融資によって生じますから、 そこで生まれたお金には利子がついています。 では、なぜその通貨の流れがいびつなものになってし まうのでしょうか? 借金するのと預金するのでは、どちらの利子が高いで しょう? 借金する方ですよね、じゃないと金貸しは成り立ちま せん。 スタート時点で、共に10万円ずつ持っていた5人の うち、何かの拍子でお金を沢山持てるようになった人は 使わないお金を預金して「利子によって」増やすことが できます。 何かの拍子にお金が足りなくなった人は、借金して、 借金した金額より多くの金額(利子分)を返していかな いとなりません。 お金持ちになった人は、無い人に直接貸すこともでき ますよね。 お金が無い人は大変です。 ただでさえお金が無いのに、借りた金額より多くの額 を返さなくてはならないのですから、預金ができるよう な立場の人とは格差が大きいです。 挽回できないかもしれません。 これです。↑ これが、お金の流れがいびつになる理由です。 挽回できないと、さらにお金が来なくなります。 一方、お金があるほうには、無い人にお金が行かなく なる分が回ってきます。 お金が回ってくる人と来ない人は確定しつつ(流通先 の固定化)、差が広がっていきます。 プラスの利子は、借りた方(お金のない方)がより不 利になるシステムなのです。 実は、実際にこのことがデータとして現れています。 下は、お金持ちはよりお金持ちに、中所得者から下は より低所得者の方に移っていることを示すグラフです。 ![]() 国税局 平成19年度民間給与実態統計調査から 次回も、もう少し、利子が競争を激化することについ て考えてみましょう。 |