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ペルーアマゾン便り

南米ペルーのアマゾン地域でNPOアルコイリスが行っている国際協力事業を中心に報告するブログリポートです。対象地域はペルーの中央ジャングルにあるウカヤリ州で、主にアグロフォレストリーを中心とした、コミュニティトレードと伝統植物の活用促進を目的としています。
このブログではNPOアルコイリスの活動と自分が参加している日系社会、それからペルーの情報を記載しています。


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NPOアルコイリスの紹介 [2010年06月07日(Mon)]




NPOアルコイリスはペルーのNGO・企業・大学と連携し、熱帯雨林保全と地域経済開発の両立を目指し、アグロフォレストリーやコミュニティートレードを実践しています。2006年1月に設立され、アルコイリスがプロジェクトの中で、特に力を入れて取り組んでいるグリーンナッツ(学名:プルケネティア・ボルビリス)は、アマゾンの豊かな森と先住民の知恵が凝縮されています。グリーンナッツの種子から搾るオイルは、オメガ3脂肪酸や天然ビタミンEなどの抗酸化成分を豊富に含んでいて、美味しさに加え、高い機能性を兼ね備えています。また、搾った後に残るトルタは、アミノ酸バランスに優れ、大豆に匹敵する豊富な植物タンパクが含まれています。

活動内容を大きく分けると次の通りとなっています:

アグロフォレストリーとコミュニティートレード開発

グリーンナッツを環境に配慮したアグロフォレストリー方式で生産する技術を、現地大学や地域のモデル農家と共同で開発し、その啓発普及活動を行いました。また、モデル工場に新たに搾油機器を設置し、ナッツオイルを加工生産しました。


ジャイカ草の根技術協力助成事業
(2008年2月〜2009年4月)


地域特産品開発のためのモデル施設設置

ペルー・ウカヤリ州の国立大学に、地域で伝統的に利用されているハーブ、ナッツ、フルーツ等の有用植物を加工したり商品開発を行うためのモデル施設と、アグロフォレストリー実験農場を設置しました。


日本ペルー見返り資金助成事業
(2007年10月〜2008年12月)


アマゾンの森と子供たちを育てる
エコ・クッキングレシピ

グリーンナッツオイルを製造する過程で残る、おから状の『トルタ』を有効活用し、地域の人々、とりわけ貧困層の子供たちの栄養改善に役立てることを目標に現地NGOと共同で、トルタ料理の開発や啓発活動を実施しました。

味の素AIN助成事業
(2008年4月〜2009年3月)


アマゾンの芳香植物と職能開発

ウカヤリ州の少年院施設内に精油蒸留器を設置し、地域で伝統的に利用されている芳香植物からアロマオイルやフローラルウォーターを製造し、子供たちの職業能力開発に役立てるための事業を実施しました。


日本大使館草の根無償資金助成事業
(2008年4月〜2009年7月)


団体のホームページ:http://arcoiris.jp/
2010年3月までの活動紹介:http://amazonherb.exblog.jp/


自己紹介 [2010年06月07日(Mon)]


日本で約7年、留学生活を繰り返し、久しぶりにペルーに生活の基盤を置くことになりました。自分のバックグラウンドとNPOアルコイリスとの出会いを少し紹介しますと、私はペルーリマ市で生まれ、小学校5年生まで、リマの私立学校に通いました。その後、両親の仕事の都合により、日本に渡り小学校5年生から中学校3年生まで、神奈川県小田原市で勉強しました。中学校卒業後、ペルーに戻り、高校と大学を卒業しました。

大学はペルーの国立サンマルコス大学獣医学科を専攻しました。子供の頃から犬が好きで、動物を助けたいという思いを強く抱いたことから選びましたが、実際勉強し始めると、想像していた世界とかけ離れていました。大学では「いかに動物を利用できるか」、「生産効率をいかに上げられるか」、「利益を最大に活かす方法」などを中心にカリキュラムが組まれていました。自分が目指していた暖かみのある世界ではなく、冷たい産業の現実に触れてしまいました。このギャップの大きさに不満を抱き、自分で東洋を中心とした哲学の本を読むようになりました。第12回世界青年の船に参加することができ、世界の様々な現実を見たり、聞いたりすることができ、自分の不満が更に大きくなりました。


2007年に亡くなった自分の大好きな「ナミちゃん」です。



大学卒業後に、県費留学生として山口大学農学部獣医学科付属家畜病院で1年間、臨床研修をしましたが、自分の心は獣医の世界からあまりにも離れているのに気づきました。「環境や動物たちのため、自分に何ができるか」と問い続けた結果、違ったライフスタイルを提案する東洋医学を新たに目指すことに決めました。大きな理由として精神・身体・食・休養・環境などを統合的に見た東洋の視点は、バランスの崩れた今の世界に必要な思考だと感じたからです。少しでも人間が変われば、結果的に自然、動物、そして世界のためになると思いました。

2003年に恩師との出会いの影響もあり、鍼灸の道に入りました。そして運よく2003年に日本財団が新しく始めた奨学金「日系スカラーシップ」を活用することができ、2004年から日本で専門学校と大学院に進むことができました。鍼灸の勉強をしながら、ピースボートナマケモノ倶楽部のように「新たなライフスタイル」を提案している活動やイベントにも参加していました。その様な中、2008年にペルーアマゾンで国際協力事業を行っているNPOアルコイリスと出会い、「環境・コミュニティ・伝統医療」という理念に共感し、共に歩むことを決めました。

東洋医学・思考を中心とした新たなライフスタイルを提案し、少しでも人々や世界や自然のバランスを取り戻すお手伝いのできる存在になることが自分の夢です。このようなコンセプトの普及と実践ができる「場」の開業を目指しながら、アルコイリス活動に取り組んでいきたいと思っています。


ペルーアマゾンで撮った夕日。



このブログではペルーアマゾンで行われている国際協力事業(現在、主にアグロフォレストリー、伝統植物の活用やコミュニティトレード)を中心としたリポートや自分の想いを発信していきたいと思っています。

個人ブログです:https://blog.canpan.info/heiji興味のある方は是非覗いて見てください。