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ペルーアマゾン便り

南米ペルーのアマゾン地域でNPOアルコイリスが行っている国際協力事業を中心に報告するブログリポートです。対象地域はペルーの中央ジャングルにあるウカヤリ州で、主にアグロフォレストリーを中心とした、コミュニティトレードと伝統植物の活用促進を目的としています。
このブログではNPOアルコイリスの活動と自分が参加している日系社会、それからペルーの情報を記載しています。


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パラパラ [2019年11月07日(Thu)]
Para Para(パラパラ、ザミア属、学名:Zamia ulei)の根芋には男性の性機能増強効果があることから知られています。「Para」はスペイン語では「立ち上がる」と言う意味があり、文脈によっては「止まる」と言う意味もあります。この植物はブラジル、コロンビア、エクアドルとペルーに生息していると言われています。

Para para R1081390.JPG
娘の後ろに見えるヤシの様な植物が
パラパラです。大きいものでは
3メーターを越えるそうです。


子供の頃から聞いた植物でしたが、ウカヤリ州で仕事をする様になって、始めて実物を見ることが出来ました。正直、最初の頃はあまり興味がなかった植物ですが、農園で10年かけて育てたパラパラが花を咲いたことから興味を持つ様になりました。

Para para R1081528.JPG
紫トウモロコシの様な形の
花です。大きさは50cm近くあって
触ると硬くて、表面はザラザラしています。

Para para R1081548.JPG
今回初めて農園で見つけた
パラパラの花は10歳の娘の
顔より大きいです。


農業技師や環境技師がKizuna農園に来ると「パラパラの花は初めて見た」と言う声が多く上がり、「今ではこの植物の花すら見ることが珍しいんだ」と気付かされました。インターネットで情報を探してみると、精力剤効果については殆ど見つからず、逆に国際自然保護連合のレッドリストカテゴリの「絶滅危惧II類 (VU)」に指定されていることが分かりました。この植物の成長は非常に遅く、森林伐採、焼け畑農業、観葉植物や薬用ハーブとしての販売が主な原因であると言われています。コロンビアでは絶滅危惧種に指定されたザミア属の保全活動が行われており、ザミア属の多くは恐竜時代から殆ど形を変えずに生き延びたことから「生きた化石」とも呼ばれているみたいです。

スペイン語ですが、絶滅危惧についての記事を紹介します:
- S.O.S. en Colombia por fósiles vivientes de plantas milenarias
- Los fósiles vivientes de Colombia que podrían extinguirse
- Lanzan SOS por fósiles vivientes de plantas milenarias

paraparaIMG_20180121_115317.jpg
パラパラの芋です。

para paraIMG_20180121_115335.jpg
写真の芋はまだ若く、
大きいものでは数キロにも
及ぶと言われています。
いつかパラパラの巨大な芋が見られる日を
楽しみにしています。


効果についてインターネットで調べたところ、情報が殆ど見つからず、根芋の有効成分報告も見つかりませんでしたふらふら。ブラジルマナオス州の一部とペルーで伝統的に精力剤として使われている情報は稀に見かけますが、細かい内容はほぼ0でした。面白い情報としましては「茎には草食動物から身を守るためのトクシンが含有しており、抽出したものを虫除け、寄生虫剤としての効果研究」が見つかりました。

マエストロのLindolfiz氏に話を聞いたところ、「ウカヤリでは古くからパラパラの根芋を精力剤として使われているよ。強いサトウキビ酒(40°以上)に数ヶ月漬け込んで飲んだり、先住民族の間では根芋を乾燥させ、Mazamorra(フルーツチェやゼリーの様なもの)を作り、サトウキビ酒を保存剤として1:1の割合で使い、土壷に入れて、3ヶ月近く土の中に埋めた状態で寝かせたものを飲んでいたよ。でも最近あまり見なくなったよね。。。」と昔を思い出す悲しい眼差しを浮かべました。「病院や薬局が普及してから、先住民族たちの多くは伝統医療を忘れ、薬に頼る傾向が多くなってきているよ。ついこの間まで、アマゾンの薬草だけで多くの病を治していたのにね・・・それに植物に対する尊敬と信頼が薄れてくると、資本主義社会に誘惑されやすくなり、なんの罪悪感もなく、大量に伐採したり、燃やしたりするんだよね・・・」と付け加えていました。

ここまで分かってしまうと農園にあるパラパラは非常に可愛く見える様になりました。これからは大切にしながらどんどん増やして行きたいと思っています。面白い有効成分が見つかれば、成長が遅いことから、持続可能なアフロフォレストリー栽培モデルの開発が不可欠となります。現在モデルがあるわけではないので、必要に応じて試行錯誤で進めることになります・・・

面白い情報が見つかればこれからも紹介して行きたいと思います。



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