ご報告が遅れて恐縮ですが、掲載いたします。
真岡市市民活動推進センター コラボーレもおか 開設10周年おめでとうございます!
平成30年2月11日(日)、にのみや”とちおとめ”ホールにて、開設10記念事業が行われ、
ぽぽらスタッフが参加しました。
1記念式典では、真岡市長のあいさつに続き、栃木県県民文化課県民協働推進室長、真岡市議会議長から来賓祝辞がありました。
2パネルディスカッション「みらいを紡ぐ市民活動」では、宇都宮大学地域連携教育研究センター 土崎雄祐氏をコーディネーターに、
5名のパネリストの方々から活動発表がありました。主なやりとりは次のとおり。
(1) パネリスト 中澤徳光氏(ハート二宮)・平成15年度に開設した、通所型の障がい者就労施設。誰もが働ける環境を目指し、『市民農園』の取組みを提案したい。(中澤)
・障がい者法定雇用率は年々上昇傾向で推移している。これからは、地域の人と関わりを持つ機会が増えていく。障がい者の雇用を地域全体で考える。また、真岡市には手帳や難病指定を受けた方が4,292名、人口比でみると5.4%になる。なぜ農園を通して市民参加を求めるのか。(土崎)
・農園を通して、障がい者の活躍の場を作りたい。収穫の楽しさで市民同士がつながり、障害への理解促進につながる。(中澤)
(2) パネリスト 永島朋子氏(NPO法人いちかい子育てネット羽ばたき)・「子育て支援」を目的に活動している。事業として、@親子ひろば、A町から受託した廃校を利用した学童保育、B多世代交流の“地域食堂”、Cサシバの里いちかいで自然体験活動を行っている。地域で子育てを。子どもが地域を知り、大きく羽ばたいてほしい。(永島)
・子どもの貧困は、2012年時点で6人に1人、2015年の調査では7人に1人となった。国・県・市町の対応が改善につながっているのではないか。しかし、継続的な取組みが必要であり、まだまだ施策は甘いのでは。そこで、市民の視点で考えて、活動する必要がある。(土崎)
・地元の良さに気づくことが大切。自然体験は親の関心も高いため、保護者も巻き込んで、自分で五感をフルに使って、多くの人に体験してほしい。(永島)
(3) パネリスト 布川裕美氏(真岡女子高等学校JRC部)・「JRC(Junior Red Cross)部では、「気づき、考え、実行する」を理念に、「地域に関わる、活動する、人と繋がる」ことを活動の視点としている。地域では、市内の学童保育や保育所訪問、清掃活動やそらまめ食堂との交流、老人ホーム訪問や災害復興住宅訪問、赤十字関連活動のイベント
補助など、様々な活動に取り組んでいる。また、障害者の純粋さと一生懸命さをもっと多くの人に知ってもらいたいという思いから、そらまめ食堂(NPO法人手仕事工房そら)と真岡市立図書館との協働による図書館プロジェクトを実施し、理解促進のためにパンフレットを作成した。(布川)
・県内における高校生の取組みは活発で、主体的な取組みと連携がある。那須烏山、日光、栃木における事例が挙げられる。これらの体験を経験した高校生(若者)が捉えた社会環境、経験による学生のキャリア形成はどのように変化し影響を与えているのか。(土崎)
・「体験」が人を変えていく。進路を見出すために、大きな意味がある。(布川)
(4) パネリスト 鈴木良雄氏(ちいきカフェ“円と縁”)・手作りの居場所として、『ちいきカフェ“円と縁”』を始めた。経験豊富なスタッフ8名と利用者7名と共に、仲間と短い時間でも楽しめる居場所。高齢化もあり、自分たちの終活も考える。これからは、より多くの市民に認知してもらいながら関心を持ってもらう。運営には、会費の他に福祉財団の助成を受けている。(鈴木)
・元気な高齢者が役割を持つこと、これは今後の市民活動支援と地域包括ケアシステムをどのように捉えていくのか、課題になってくる。(土崎)
・住み慣れた町で安心して暮らせることが幸せなこと。しかし、現状では、自治会離れなど、地域の結びつきが薄れてきており、「結い」のような制度が必要と思う。自分の自治会班は16世帯のうち、子どもがいるのは1世帯のみ。班でどれだけ助け合えるかが重要。(鈴木)
(5) パネリスト 飯野滋生氏(NPO法人ま・わ・た)・センターの開所は、地域でNPOをサポートしようという流れが始まり。市民が“気軽に集まれるサロンづくり”。空間としての拠点、団体同士をつなぐ、発表の場。(飯野)
・10年経っての現状は、自己評価としてはどうか。(土崎)
・市民活動は、自発的なもの。当時はまだまだ方向性が見えていなかった。(飯野)
◎団体同士のつながりをつくる。体験を通して、地域とつなぐ。誰と何で、どうやってつなぐのか。『ボランティアをしてみませんか?』では、敷居が高いのではないか。これからの市民参加は、関心をもってもらう工夫をすべきではないか。(土崎)3講演「市民活動の先にあるまちづくり」では、一般社団法人とちぎ市民協働研究会代表理事 廣瀬隆人氏を講師に、今後の市民活動やまちづくり、中間支援センターのミッションなどについて、お話がありました。
・社会福祉施設が市民農園をやるのは、機能を拡張して自己改革を図ること。施設は、地域に積極的に出ていこうと開くことを行っている。
・地域が“コミュニティカフェ”を月2〜3回実施すること。これは地域が社会福祉施設化している。コミュニティカフェは利用者と支える側の人数が同数くらい。地域のサロンやカフェは居場所になっている。
・社会福祉施設と地域が、「二極」をなしている。
・羽ばたきの活動は、体験から“まちづくり”になってきた。
・学校支援ボランティア等は、地域をより良くすることにエネルギーを使わないと“学校”が変わらない。学校支援ボランティアは、地域づくりの一環。
・真岡女子高JRC部の取組みは、地域に根差した活動をしている。これは、少子化の流れを受けた学校の統廃合による学校存続の危機がある。自分たちの学校が生き残るため、高校と地域の連携の取組みが行われている。高校の生き残りをかけた全国的な流れで、高校生のキャリア形成につながっており、これが、高校生の主体的な活動・取組みになっている。
・青年の活動は、ボランティアでは人が集まらない。動機として“まちづくり”が必要となっている。今市で行っている「日光創新塾」では、地元のシャッター商店街の空き店舗の利活用を行っている。
・大沢地区大沢公民館では、11名で青年団を立ち上げる。
・子どもや若者が健全に育成するためには、体験すること、地域を知ること。
・2000〜2010年頃までは、NPO・ボランティアバブルだった。人が沢山集まった。右肩上がりの時代だった。
・2011年を境にボランティアが低調な時期を迎える。今は正に衰退・低調。
・(行政は)課題解決を地域住民に担わせようという傾向にある。
・2000年代に活動をはじめた人が20年を迎え、ボランティア団体も高齢化で維持ができなくなりつつあり、団体数は減少していく。
・一方、NPOでは起業する流れや営利事業に積極的な団体が増えつつある。
・自治会は、高齢者の単身世帯の見守りや空き家対策など、目の前の課題に忙殺されている。
・これからは、自分の趣味や教養を、課題解決やまちづくりに活かしていくことが重要。そのためには、行政に頼まれたことのみをやって、主体性を持たないと危険。自分で考え、自分で判断し、自分で決めた自発的な活動をすべき。
・安全安心なまちづくりには、住民の合意形成が必要になる。しかし、合意形成はとても大変なこと。そもそも“経験”がない。
・文科省では、コミュニティスクールなど、学校を核としたまちづくりをすすめている。
・地方創生においては、人口減少、地域のリーダーが不在、人材不足、これをどうするか。
・担い手の育成のため、子どもを地域に戻す、学校を地域に開く必要がある。
・個人それぞれの活動を活かしつつ、市民活動の発展につなげていく。
・人材を計画的に作っていくこと。
・学習を経てからの市民活動。
・公民館と市民活動支援センターは、同じような機能をもっている。
◎コラボ−レのミッションは、人々の教養や文化の幅を広げていくこと。「学び」を大切に。登壇された皆様のお話を聞いて、様々な分野で信念をもって頑張っていらっしゃる方が、県内に沢山いらっしゃること、また、それぞれの取組みが素晴らしいと思いました。
コラボ−レもおかの今後ますますのご発展を祈ります。

