みなさん、こんにちは。
ここのところ、地震や豪雨など、災害のニュースが相次いでいます。
避難生活が長引くと、住み慣れた地域や人とのつながりが失われ、「孤独」や「孤立」を感じやすくなると言われています。
これは災害時に限った話ではなく、実は日常の中にも同じ課題が潜んでいます。
今回は、「孤独や孤立」の解消に向けて地域で取り組まれている活動をご紹介します。
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孤独や孤立は、高齢者だけでなく若者や子どもにまで広がる、今日における社会課題の一つとなっています。
そんな中、地域に根ざした「居場所づくり」を通じて、世代を超えたつながりを生み出そうとしているのが「一般社団法人えんがお」の取組みです。
今回は、代表の濱野将行(はまのまさゆき)さんにお話を伺い、活動のきっかけから現在の姿、そしてこれから目指す未来までを紹介します。

## 活動のきっかけと居場所にかける想い
孤独・孤立を強く意識したのは、大学を卒業後、臨床の仕事と並行してボランティア活動を続ける中での出会いにありました。
「1週間に1回、電話で良いから誰かと話がしたい」というおばあちゃん。
認知機能や健康状態を悪化させていく孤独な高齢者。
そんな姿を目のあたりにして、もっとできることがあるのではないかと考えたことから「えんがお」の活動が始まっていきます。
驚いたのは、孤独を高齢者や若者といった属性でひとくくりにせず、「個」の多様性に寄り添う支援の設計です。
「どんな人でも、当人が『苦しい』と感じた瞬間に、つながれる場所が地域にあることが、課題が深刻化する前に少しでも解消できるカギだ」と濱野さんは考えています。

(子どもから高齢者まで集う「えんがお」)
## 現在の活動について
「えんがお」の居場所づくりの特徴は、意図的に整えすぎないことにあります。
少し古びていたり、雑然としていたり、ときにはリクガメが歩いているような「ごちゃまぜの場」だからこそ、洗練された空間では得られない、偶発的な化学変化が生まれているようです。
運営の姿勢も独特です。
全員を救おうとするのではなく、「えんがお」が考える理想の居場所に惹かれてやって来る人たちに向き合っています。
リクガメやリスがいるユニークな空間づくりも、その一環です。
制服や名札はあえて使用せず、「支援されている感」を消すことで、暮らしの延長としての関わりを徹底しています。

(リス(
)が自然に溶け込む居場所)
現在は徒歩圏内に11拠点を展開し、そのうち9つは空き家を活用しています。
一つの地域で活動してきたことで、地域の様々なリソースが集まりやすくなったのだそうです。
特に、学生や定年後の専門職経験者などで「こういうことずっとやりたかった」人たちが、職員として、あるいはボランティアとして集ってきています。
そんな、お金では測れない、人が集まり、力を発揮できる場としての「非財務価値」がとても充実しているのを感じているとおっしゃっていました。
虐待背景を持つ児童と孤独感をもつ高齢者が出会ったことで、双方が満たされる相互作用が生まれたケースもあります。
「次いつ来るの」という高齢者の一言を、「うれしい」と感じた子が通い続けるようになったのです。
かつては地域の中で高齢者も子どもも互いに支え合いながら満たされ、自然な受容と教育が成り立つ環境でした。
しかし、核家族化やコミュニティの分断化により、高齢者は寂さを抱え、子どもは愛されている実感がないままという現状があるようです。
時代に合わせたつながりづくりとして、「地域の中にこういった循環を生み出す、ちいさな『リビング』があったほうが良い」と濱野さんはお話されていました。
若者たちも様々な形でかかわっています。
高校生のボランティアグループ、大学生のアルバイトや、20〜30代のもやもやを抱えた社会人、就労していない若者まで、若い世代も多様な人が集う場になっています。
また若者の参加を後押しする上では、SNSの発信も欠かせない存在です。
特にInstagramを中心に、「えんがお」では現場の楽しさや「誰が笑顔になっているか」を視覚的に伝えることを大切にしています。
「スタッフ側のみんなが心から活動を楽しむ姿こそが、最も強い巻き込みの力になる」と、濱野さんは実感しています。
## 地域の中で目指す姿
一方で、「新進気鋭のNPO」という印象や若い人たちが楽し気にやっている感じが、地域住民の気軽な参加を遠ざけていのではと感じることもあるといいます。
そこで今後は、虐待支援の拠点におしゃれなカフェを併設するなど、「異なる分野を掛け合わせることで、福祉に興味がない人たちと福祉が自然に交わるような接点を作りたい」と、「えんがお」はビジョンを描いています。
濱野さんはこう語ります。
「えんがおでは、社会全体を一気に変えるような大きなアドボカシーを目指すことより、目の前にいる一人ひとりの課題に着実に向き合っています。その積み重ねを『ごちゃまぜリビングモデル』のような名前を付けることで、他の人も『こういうのをイメージしながら目指していく』みたいなのがあってもいいのかなと感じています。」
小さく確実な関わりを重ねながら、先進事例として各地にその仕組みを広げていってほしいと思いました。
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今回の取材を通じて印象に残ったのは、「支援している感をなくす」という発想です。
制服や名札をあえて置かないという工夫一つとっても、支える側と支えられる側という境界線をいかに取り払うかに、徹底したこだわりが感じられました。
実際、濱野さんは生まれたばかりのお子さんを連れてきていましたが、支援者というより一人のパパとして周りの方たちと一緒に子育てをしているように見えました。
整えすぎない居場所だからこそ生まれる安心感や自然な交流が、新しいつながりの場になっているの実感しました。

(お子さんとともにインタビューを受けてくれました)
また、高齢者の何気ないひと言が虐待された子どもの気持ちを動かしたエピソードは、専門的な支援だけでは届かない部分に、日常のつながりがいかに大きな力を持つかを教えてくれました。
孤独・孤立という大きな社会課題に対して、一気に解決策を打ち出すのではなく、目の前の一人の幸せを積み重ねていく姿勢は、地道でありながら最も確かな道筋なのかもしれません。
「えんがお」の取り組みは、これからのつながりづくりのヒントを多く含んでいると感じました。

(多世代が集まり自然に会話が生まれていました)
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取材協力:一般社団法人えんがお
ウェブサイト https://www.engawa-smile.org/
Instagram https://www.instagram.com/engaogram/
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