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備蓄米とガザ[2025年05月31日(Sat)]

DSC_0553コメツブツメクサ.jpg

コメツブツメクサ。
今年2回目の登場だが、もう花期を終え、田んぼに水が入るのを待つ季節となった。

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◆チャンネルを変えても、備蓄米とシンジローのアップばかりが画面に映る。
何なんだろう、天下の大事はこれだ、と押しつけて平気でいる、この無神経さは。

◆一方で、たちまちカラになった大鍋のコメを素手でかき集め口にする子どもたち。その後ろには、全く配給にありつけなかった人々……ほぼ全員が餓死に直面しているガザ。
そうしてそのことを知っていて見ないフリをしている世界の罪の深さ。

(かつて絶滅収容所のガス室で行われたことは、解放されるまで外には顕れなかっただろうけれど、今進行中の事態は、映像と音によって世界から隠しようもない。だが、それとてごくごく一部に過ぎないことは誰にも分かっている)



カヴァフィス「窓」[2025年05月30日(Fri)]

DSC_0551クラピア(ヒメイワダレソウ)?.jpg

クラピアという日本産の花らしい。
在来種のイワダレソウを改良したものだとか。
葉も花も丈低く、地を緑で覆ってくれる。
花の名は、これを創生した倉持仁志氏にちなむのだろう。

********


窓   カヴァフィス
          池澤夏樹 訳


暗い部屋から部屋をうろついて
重い日々を送りながらわたしは、
あちらこちらと窓を探しまわった。――開いた
窓は心を慰めてくれるだろう。――
しかし窓はなかった、あるいはわたしに
見つけられなかったのか。その方がよいのかもしれない。
外の光はまた別の圧制者かもしれない。
新しいものの正体がいったい誰にわかるだろう。


   池澤夏樹 『カヴァフィス詩集』(岩波文庫、2024年)より

◆破壊と殺戮の現代にこの詩を置いて読むとき、「外の光」の正体を知りながら、手出しも口出しもしないのはいつも「わたし」ではない人間で、――それを「人間」と呼ぶことが可能だとして、だけれど――いつも「無関心」という仮面の下に素顔を隠している彼らは、その仮面を「わたし」に向けてぐるりを囲むことで窓をふさぎ圧制者のかばい立てに加担しているのだ。


コンスタンティノス・カヴァフィス(1863-1933)の詩との出会いからこの詩集へと実を結ぶまで実に60年の息の長さでこつこつ紹介し続けた訳者・池澤夏樹氏に感謝。





曇り空を遠望する鳥[2025年05月29日(Thu)]

◆夕暮れ時のどんよりした空を見上げると、電線に鳥が一羽とまっていた。

DSCN3676.JPG

雀よりやや大きい。
くちばしの感じからしてカワラヒワではなかったか。



DSCN3681カワラヒワ.JPG

ひとり遠くを見つめながら、群れていないのがいい。






花と蝶[2025年05月28日(Wed)]

DSC_0555ベニシジミとハルジオン.jpg

ハルジオンとベニシジミ。
羽を広げた蝶は、花と一体化したところを撮ってくれと言わんばかり。





シロバナマンテマ[2025年05月27日(Tue)]

DSC_0557.jpg

シロバナマンテマという名の、ナデシコ科マンテマ属の花だという。

「マンテマ」という名前の由来が分からない。
江戸時代に渡来した植物だと言うが、そのころの呼称が変化したものだろうか?
(境川遊水地公園にて)



木下裕也「魂」[2025年05月27日(Tue)]


魂   木下裕也


壊れてしまった魂を
さらに壊そうとする
わるい力が
わたしたちの社会
わたしたちの身近な場所にも
働いている

壊れてしまった魂が
すぐ隣にあることに
わたしたちは気づかない

壊れてしまった魂も
流行の服をまとい
布の鞄に入れた文庫本を
電車の中で取り出したりする
あたりを見回して
集まっている人々に
調子を合わせたりもする

壊れてしまっているので
もう泣くことも 叫ぶこともせず
静かにしている

壊れてしまった魂を抱えて
ひとりの若者が電車を降りた


壊れてしまった魂は
まだいくつも
電車に揺られている

  詩集『梯子』(土曜美術社出版販売、2022年)より


◆電車の中で揺られている「壊れてしまった魂」が見える人は、自らも〈魂が壊れてしまった〉経験を持つ人だろう。
同時に、そこから恢復を果たした人でもあるだろう。
そうして、いつまた、その崖っぷちの風を受けることになるか、震えつつも、それに耐えることが不可能ではないことを知っている人でもあるだろう。

◆若者の「事件」が続いている。
その一方で、壊れてしまわないために「無関心」という胞衣(えな)の中から出たがらない人が増えているようにも思える。
「壊れてしまった魂を/さらに壊そうとする/わるい力」の暴威を止めるには、見えないものに向ける想像力が要る。





アメリカフウロの黒い種[2025年05月25日(Sun)]

◆昨日のアメリカフウロ(亜米利加風露)、種が姿を現していた。
その前に、昨日の「三銃士が剣を捧げ持った」ような姿のものも載せて置く。

DSCN3649.JPG

青から茶へと変容していた。付け根の萼に包まれた部分に種が出来ている。

DSCN3657.JPG


DSCN3658.JPG

この後、種は面白い拡散の仕方を遂げるらしい。撮れたらまた紹介したい。




アメリカフウロ(亜米利加風露)[2025年05月24日(Sat)]

DSCN3478アメリカフウロ.JPG

◆アメリカフウロという外来種らしい。
(漢字では「亜米利加風露」と書くが、別にウクライナをめぐってくっついたり離れたりする米露を揶揄した名前ではない。)

ゲンノショウコの仲間らしい。

◆花を終えた実の形が面白い。

DSCN3479アメリカフウロの実.JPG

剣を捧げ持って誓いを立てる三銃士の姿に見えてくる。
実際は花も実も小さく、丈低い姿なのだが。

このあと、種を落とすパフォーマンスがまた面白いのだそうだが、あいにく見届けてない。






キキョウソウ+α[2025年05月23日(Fri)]

DSCN3628.JPG

キキョウソウ。
アスファルトのすきまに一列小さな緑の塔のようにまっすぐ並んだ茎のてっぺん、あるいは塔の途中に紫の可憐な花を次々開き始めた。
思わず「かくてもあられけるよ」と感嘆してしまう。

DSCN3646.JPG

足元を彩る黄色い花は、ダールベルグデイジーとかいう外来種の野草らしい。
これも道のわずかなすきまから芽を出し、春を謳歌している。




日英同盟[2025年05月22日(Thu)]

◆昨日のパレスチナをめぐるイギリスと日本の歴史的関わりについて、もう少し触れて置く。

日英同盟(1902年~23年。1905、1911年に改定)がロシアのアジア進出を牽制するのが目的の軍事同盟であったことは世界史の教科書で出てくる。日露戦争における日本の勝利の大きな要因だ。

一方それは、イギリスが中東において自国の権益をしっかり確保する条件整備の一環であった。
そのことについて早尾貴紀は、次のように指摘する。


パレスチナヘの侵略の決定的な転換点は第一次世界大戦であった。オスマン帝国が敗北し、その帝国領だったアラプ地域がイギリスとフランスによって分割され、パレスチナは英国支配を受けた。戦時中に確認されたバルフォア宣言によって、パレスチナは欧米のシオニストと諸政府によってユダヤ人国家へと乗っ取られることが既定路線となってしまった。三次にわたる日英同盟によって、イギリスの植民地支配を側面支援しつつ、アジア地域での日本の植民地支配を優位に進めることができた日本もまた、この「新世界秩序」の共犯者であることは間違いない。

『パレスチナ、イスラエル、そして日本のわたしたち 〈民族浄化〉の原因はどこにあるのか〈まえがき〉より(皓星社、2025年4月)。

バルフォア宣言…1917年イギリス外相A.バルフォアが、パレスチナにおけるユダヤ人国家の建設を支持した宣言。イギリスの中東政策におけるいわゆる「三枚舌外交」を象徴するものの一つ。




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