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メジロたち[2025年03月21日(Fri)]

◆満開の樹に鳥たちがにぎやかに群がっていた。
花の蜜が目当てなのか、十数羽はいるだろうか。

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近づいて見るとメジロである。

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逆さま、斜め懸垂、ずいぶんいろんなポーズでぶら下がったり急降下したり忙しい。

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人間で言えば多動系である。




葦原の雀たち[2025年03月20日(Thu)]

◆境川を常より南まで歩いていたら葦原に鳥たちの群れ。
こちらが動くとせわしなく動く。
足を止めて見やると雀たちだった。

カメラを構えるとまた一斉に動く。
こちらが静止すると彼らもピタリと静止して素知らぬ顔をして見せる。
「だるまさんが転んだ」で遊んでいる感覚だ。

★時系列順に数点並べておく。


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ポーラ・ミーハン「雑草取りはいたしません」[2025年03月19日(Wed)]



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◆今年初にお目にかかったツクシ。
地元では「トマト・ロード」と呼ぶ、トマト栽培のビニル・ハウスが多く並ぶ県道沿いで。

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*******


雑草取りはいたしません  ポーラ・ミーハン
          Not Weeding

イラクサ イバラ それから ナズナ――
裏の空き地に建物がたつことになったので
避難してきた草たち

未開地からやってきたこのスパイたちは
かつては不倶戴天の敵だったのですが
今ではわたしの大切なお客様です

    〈栩木伸明(とちぎ・のぶあき)訳〉


   ポーラ・ミーハン選詩集『まるで魔法のように』(思潮社、2022年)より


◆ポーラ・ミーハン(Paula Meehan 1955〜)はアイルランドの詩人。
上掲詩はこの選詩集の中では短い一篇だが、雑草たちの背丈まで身を縮めているところがゆかしく、かつ楽しい。
けだし、いわゆる上から目線ほど詩から遠いものはないのだから。



 
  
カモたち[2025年03月19日(Wed)]

境川の昼下がり、カモのペアがシンクロしていた。

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ブレスも、しとかないと。

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池井昌樹「心」[2025年03月17日(Mon)]

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境川沿いの早咲き桜。

*******


心   池井昌樹


このかたい
線でできているこの文字も
このやわらかい
線でできてるこの文字も
いつかはいなくなるんだなあ
ぼくのなかから
そうしてぼくも
いつかはいなくなるんだなあ
このかたい
線でできてるこの文字が
しるしつづけたあなたやわたし
このかたい文字やわらかい文字
いりまじりあいことほぎあって
おりなしてきたなにもかも
いつかはきえてなくなるんだなあ
いつものようにそうおもいながら
あなたやわたしやそらやうみ
しるしつづけているそのうちに
あやしうこそものぐるほしけれ
ことばにならないいつかのだれか
それよりもっとうんとむかしの
かずかぎりないおおぜいの
ことばにさせたいゆめのおもいが
うなされるよううなずくよう
ぼくのおくからうんうんと
うんうんとおしよせてきて
たちこめてきて
どこなのだろう
ここはいったい
はれわたる
なぎわたる
そらとうみ
かがみみたいなそのまんなかに
どこのだれよりとおいだれかが
てもちぶさたにそらをみあげる
どこよりとおくふるくてちかい
なつかしいのにあたらしい
こんなところでひざかかえ
どこのこだろう
ぽつんとひとり
ぼくのこころが
ああそらを
そらをみあげる

 『現代詩手帖』(思潮社、2025年1月号、特集〈現代日本詩集2025〉)より


◆紙に書きつけた「かたい」/「やわらかい」文字――漢字だったり、ひらがなだったり、――角張った外国語のゴシック文字だったり、くねくねしたアラビア文字でもよい――普通、それらは「ことば」を表していると了解されている。

◆詩人はさらに一歩だけ進めて、それは「心」なのだと言う。
(文字を「情報」だと思っている人には、詩人はほとんど別世界の生き物に思えるかもしれないが。)

「心」が生きている者に与えられている以上、それはいずれ無くなる。そのことを生き始めのころからずっと感じていて、だからこそ、そらやうみ(=この世界すべてだ)やわたしやあなた(=この世界に生きているかけがえのない人&人々)を「心」でとらえ、文字にしてしる(記・印・誌・識etc.)さないではいられない。





石川逸子「大津島」:「回天」の島[2025年03月16日(Sun)]

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***


大津島  石川逸子


3月さくら咲く大津島
丘の上に置かれた鋼鉄の魚のなかに入りました
全長14・75メートル
胴直径わずかに1メートル
真ん中に開いた円形の入口の蓋を
同行の水上さんに閉めてもらうと
まっくら
真の闇

どうあがこうともう自分からは抜け出せない
両脚を前に出して坐ります
発射される
きこえてくるのは
荒いさびしい波の音
闇のなかにありありと見えてくるのは
あと何秒後のいのちの終わり

魚の突端の1・5トンの芍薬
(さくやく)もろとも
粉々に千切れ飛ぶ いのち

「海は静か これが決戦の最中だろうかと心を疑わせます」
と友への手紙に書いた 19歳の小森一之
「母よ、ああお母ちゃん、光雄は護国の鬼となり
母さんに面会に家に帰りますと、特眼鏡に映じた地平線に祈りたり」
はたち、沖縄の海に散らばった松田光雄
「8月11日、1730、敵発見、輸送船団なる、我落ち付きて体当たりを敢行せん。
只天皇陛下万歳を叫んで突入あるのみ、さらば、神州の曙よ、きたれ」
8月11日朝 下ろされた人間魚雷に
乗りこんでいった 佐野元
彼は 18歳
その死の4日後に 日本は無条件降伏します
それから38年経って 天皇は天皇のまま
元気です

3月さくら咲く大津島
人間魚雷 「回天」のどてっ腹の闇のなかで
ふるえながら
海の音を聞いています。


 『もっと生きていたかった――風の伝言』(一葉社、2021年)より

※大津島(おおづしま)は山口県周南市、沖合にある島。戦時中、人間魚雷「回天」の基地があった。現在は回天記念館がある。
※魚雷から発想された「回天」は、特攻兵器として開発され、たとい体当たりに失敗しても脱出装置はなく、回収や乗員の救出は想定されていなかった。

◆特攻兵器を着想する人間の心と原水爆を開発する人間の心とに違いはないように見える。どちらも相手に甚大な被害を与えることを目的とする点では。
「大量破壊兵器」には核兵器や生物化学兵器も含むだろうけれど、この言い方には、意図的に人間くささを消滅させた感じがある。

それに対して、生身の人間が乗り込んで自ら兵器の一部となる回天には人間くささがつきまとう。
その胴体に入ってみたのは、その人間くささと、人間自身を兵器に組み込む発想とのギャップをどうにかしたい気持ちもあってのことではなかろうか?

◆兵士たちが遺した遺書や手紙は、たとい紋切り型の忠君報国の文章であれ、そこに断念や葛藤を想像しないではいられない。一つ一つに、それを遺した若者たちの名前があるからだ。
だが、「回天」の必要とその実戦投入を認めた最終責任者の目には彼らの名前など意味は無かっただろう。
さて、「回天」の闇の中に大元帥陛下が身を投じたことは果たしてあっただろうか?


エディット・マティスさん逝く[2025年03月15日(Sat)]


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カンザキハナナ(寒咲き花菜)。開花前のつぼみを食するもののよう。

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◆ソプラノのエディット・マティスが亡くなったことを不覚にも知らずにいた。
先月2月9日の由。
今日の朝刊の地方欄に、地元のレストランで定期的に開かれている「鵠沼サロンコンサート」が35周年を迎えるという記事が載った。これまで出演した顔ぶれの中に、彼女の名前もあった。ただし「故」の一字が付いて。

ここで彼女を聴いたのは2000年のことで、このコンサートへの出演は4度目だった。その翌年には引退を表明したので、藤沢のファンにとっては最後の機会となったわけである。
会場にはヴィデオカメラを手にした夫君の姿もあった。

◆その名を知ったのは、1973年だったろう。「FMfan」という雑誌の記事で、モーツァルトの「フィガロの結婚」というオペラの題名とともに胸に刻まれたが、まさか直接その歌声を耳にする日が来ようとは思いもしなかった。

その時からさらに四半世紀。
歌う姿は今も目に焼き付いているが、その歌声は、あの時も今も、頭上はるか彼方の宙(そら)で響いているように思って来た。

◆このところカール・リヒターによるJ.S.バッハのカンタータのいくつかを聴いていた。そのソプラノの清らかな歌声に驚いてライナーノートを見たら、彼女が歌っているのだった。
(イヤホンで聴いているので、脳内に在って直に語りかけるように歌っているように感じる。)

大変な贈り物をこんなにたくさん遺してくれていたことに今ごろ気づくとは。




アベ化したトランプ[2025年03月14日(Fri)]

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ツグミ。かん高い声で鳴いた。


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◆BSワールドニュースで、ニューヨークの卵の値段を聞いてびっくり。
12ヶ入りパックがおよそ1,500円だという。
日本の10ヶ入りに換算すると1,250円ナリ。日本の卵も値上がりしたとは言え、まだ250〜260円だから、その4〜5倍もする高級食材だ。

◆この件でもトランプ大統領はワンパターンを繰り返す。
卵の値段が高いのはバイデン前大統領のせいだと言うのだ。
1月の大統領就任式典でも同様の発言があった。バイデン氏の面前で、知性も品性も欠いた前任者批判を口にした。

◆この責任押しつけの手法には既視感がある。
故安倍首相が執拗に繰り返した「悪夢のような民主党政権」というフレーズ、あれだ。

どちらも、人のせいにして、自分は違う、と言い張る。「アベ化したトランプ」と言おうか。子どもじみた責任転嫁だ(――と言えば、子どもたちに叱られてしまうか)。
いずれにせよ、ドリフのコントに親しんだ世代でさえ、トランプ&アベのスモック姿など想像するだにおぞましい。

◆かつてダグラス・マッカーサーは「日本人は12歳」と言ってのけたが、今や彼我のリーダーたちに精神的年齢差はない。ともに手に手を取って幼児期に退行しているだけだ。



「地と空のあいだ」に鳥[2025年03月13日(Thu)]

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コガモたち。
食足り、水に遊んでのちの日光浴。

「地と空のあいだ」に在る鳥(小池昌代「木より遅れて」)の方から、少しだけ人間に親しく近づいて見せる時間。




タネツケバナ(らしい)[2025年03月12日(Wed)]

DSCN2930タネツケバナ?.JPG

タネツケバナ、というものらしい。
ペンペングサに似ているが、腰を下ろし顔を近づけないと花の形も良く分からないほど目立たない。
慎ましく生きるのにもホドがある!と言いたいぐらい。

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