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どこまで踏みにじるのか[2024年06月30日(Sun)]

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◆どんぐりが膨らんできていた。マテバシイなら、面長に成長するはず。

放って置いても木々は花咲き実を付けるようでいて、本当は命を次代につなぐ大変な努力を経て獲得した仕組みなのだろうし、種の存続のために懈怠も油断も廃して健気に生きている。

◆沖縄の非道な暴行事件、政府こぞって隠蔽していた模様。
日米地位協定を見直し、ついで安保条約廃止へと、怠けることなく進むのが人の道だろう。
鬼畜に成り下がらないためにも。


アオサギとイネたち[2024年06月29日(Sat)]

◆イネの伸びて来た田んぼにアオサギが3羽。
戯れるでも競うでもなく、ましていがみ合うでもなく歩き回っている。

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啄み頭をめぐらし、きびすを返す。
何かリズムがあるようにも思われてくる。

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水に映る彼らの影も、印象を残す。

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伸び盛りの直線的なイネと鳥たちが生み出す逍遙のリズム。

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木槿(むくげ)の季節[2024年06月28日(Fri)]

◆木槿(むくげ)の季節となった。

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白やピンクのほかに、次のような花もあった。

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庭のはし、道に面した方に植えてある例が多いように思う。
(芭蕉の句のイメージが影響しているかもしれない)

前を通る人間への心ばせが感じられ、住まう人の人柄まで想像したくなる花だ。



桐の実[2024年06月27日(Thu)]

桐の実が青々とふくらんでいた。

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クルミよりは小さい。

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そう言えば、冬に黒く干からびたのが枝に残っているのを見たことはあった。
この時期に、こんなたわわな実を育てていたとは知らなかった。


ブラック・ベリー(?)[2024年06月26日(Wed)]

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検索にかけたら、ブラックベリーと出たのだが、どうだろう。
くすんだ赤がいずれ黒くなるのか、続けて見ていないと分からない。
その前に、誰か(or何物か)が平らげてしまうのかもしれないが。
横浜市泉区の泉川畔で。

*******


来羅ゆら「若い人へ」[2024年06月25日(Tue)]

◆ヒマワリが泉川沿いの畦に咲き始めた。

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*******


若い人へ  来羅ゆら


私の前に坐り
何度もため息をつく
決心したように口を開きかけ
その度 きつく下を向く

あなたの中では
嵐が吹き荒れ
動くことも
留まることもできない
何に捉えられてしまったのか
躰が悲鳴を上げている

私は
きらめく眩しさにとまどいながら
無言でいる
何を言っても届かないことを
知っているから
この道は一人で行かねばならないことを
知っているから

あなたの命は強く痛むんだ
生きているってことは痛いことだから
耐えがたい痛みは
生きたあかしになる
あなたがまっすぐ立つよすがになる

震えているあなたの横顔が眩しい
ひりひりした痛みと
諦めを知らない若さという傲慢を目の前にして
抱きしめたいけれど
あなたのために
もうすぐ雨が降る

嵐になるといいのにね



来羅(らいら)ゆら詩集『闇を泳ぐ』(竹林館、2022年)より


◆生きることを代わってやることはできない。
間近で見守ることができるだけだ。

諦めないことは傲慢さだという。
それなら私にも覚えがある。
痛みを、むしろ心張り棒のようにして嵐に立ち向かったことなら、私にもある。


来羅ゆら「手が」[2024年06月24日(Mon)]


手が   来羅ゆら


赤ん坊がばんざいをするように
両手を上げた

幼い子が
笑いながら真似て手を上げた

小さな世界から
笑い声が広がっていく

私の手が
わずかに持ち上がる

光の輪に
少しだけ入りたい手が



来羅(らいら)ゆら詩集『闇を泳ぐ』(竹林館、2022年)より

◆休日の公園、それとも郊外に向かう電車の中だろうか。
小さな笑いさざめきが静かに広がって「私」のところまで届く。

◆誰もが、赤児のころには世界の中心に居て輝いていたのだった。
そのことを忘れた大人たちを、赤ん坊の方こそがWelcome!と、世界の方に招じ入れてくれるのだ。


仲間友佑「これから」(沖縄・平和の詩)[2024年06月23日(Sun)]

◆沖縄慰霊の日を迎えた。
若者の詩の朗読が胸を打つ。

ウクライナ、ガザ、スーダン、無辜の幼い命が非道な暴力にさらされ、解決の見えないいま、若者の真っ直ぐを見つめて訴える魂のことばよ、どこまでも届け、と祈る。



これから    仲間友佑(なかま ゆうすけ)
              沖縄県立宮古高校3年 


短い命を知ってか知らずか
蝉が懸命に鳴いている
冬を知らない叫びの中で
僕はまた天を仰いだ
あの日から七十九年の月日が
流れたという
今年十八になった僕の
祖父母も戦後生まれだ
それだけの時が
流れたというのに
あの日
短い命を知るはずもなく
少年少女たちは
誰かが始めた争いで
大きな未来とともに散って逝った
大切な人は突然
誰かが始めた争いで
夏の初めにいなくなった
泣く我が子を殺すしかなかった
一家で死ぬしかなかった
誰かが始めた争いで
常緑
(じょうりょく)の島は色を失くした
誰のための誰の戦争なのだろう
会いたい、帰りたい
話したい、笑いたい
そういくら繰り返そうと
誰かが始めた争いが
そのすべてを奪い去る

心に落ちた
暗い暗い闇はあの戦争の副作用だ
微かな光さえも届かぬような
絶望すらもないような
怒りも嘆きも失くしてしまいそうな
深い深い奥底で
懸命に生きてくれた人々が
今日を創った
今日を繋ぎ留めた
両親の命も
僕の命も
友の命も
大切な君の命も
すべて

心に落ちた
あの戦争の副作用は
人々の口を固く閉ざした
まるで
戦争が悪いことだと
言ってはいけないのだと
口止めするように
思い出したくもないほどの
あの惨劇がそうさせた

僕は再び天を仰いだ
抜けるような青空を
飛行機が横切る
僕にとってあれは
恐れおののくものではない
僕らは雨のように打ちつける
爆弾の怖さも
戦争の「せ」の字も知らない
けれど、常緑の平和を知っている
あの日も
海は青く
同じように太陽が照りつけていた
そういう普遍の中にただ
平和が欠けることの怖さを
僕たちは知っている

人は過ちを繰り返すから
時は無情にも流れていくから
今日まで人々は
恒久の平和を祈り続けた
小さな島で起きた
あまりに大きすぎる悲しみを
手を繋ぐように
受け継いできた

それでも世界はまだ繰り返してる
七十九年の祈りでさえも
まだ足りないというのなら
それでも変わらないというのなら
もっともっとこれからも
僕らが祈りを繋ぎ続けよう
限りない平和のために
僕ら自身のために
紡ぐ平和が
いつか世界のためになる
そう信じて
今年もこの六月二十三日を
平和のために生きている
その素晴らしさを噛みしめながら



沖縄県平和祈念資料館提供の詩全文を載せた琉球新報記事より。

◆次の詩句はとりわけ心に響いた。

それでも世界はまだ繰り返してる
七十九年の祈りでさえも
まだ足りないというのなら
それでも変わらないというのなら
もっともっとこれからも
僕らが祈りを繋ぎ続けよう



琉球新報が朗読をYouTubeにアップしている。
【沖縄全戦没者追悼式 平和の詩「これから」朗読 慰霊の日】
https://www.youtube.com/watch?v=D3jJREbae4k




河野進「一人」[2024年06月22日(Sat)]

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アカメガシワの花。
子どもの味噌っ歯のようにこころもとない感じだが。梅雨入りの空のもと、葉も花もやわらかなたたずまい。
わずかな土さえあれば旺盛な繁殖力を示す木。
せっかく花開いても、一年も経たずに刈られることしばしばなのだが、それでも。

***


一人   河野進


おさなごが
一人も
微笑まなければ
世界は暗黒である
おさなごが
一人でも
微笑めば
世界に希望がある


『ぞうきん』(幻冬舎、2013年)より


河野進「岩」[2024年06月21日(Fri)]


岩   河野進


ほめられて
おどらず
けなされて
しずまず
うたれて
ながれぬ
千年の岩



「ぞうきん」(幻冬舎、2013年)より

◆作者河野進(こうのすすむ)氏はキリスト者として救ライ教会などで活躍された方。今年生誕120年となる(1904-1990)。

人間は岩にかなうはずもないが、そのようにありたいと思う心は個を超えて伝わることで千年先へと歩みを運ぶ。
それを可能にするのが言葉というものであることのふしぎ。




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