
茨木のり子「瞳」[2021年12月31日(Fri)]
◆2021年、散歩がてらのペットボトル・空き缶&ビン拾いもしめくくりの日を迎えた。
今年1年の回収本数は、ペットボトル441本、缶834本、ビン26本の計1,301本。2010年からの総合計は19,503本となった。
相棒との散歩の距離が半減しているにもかかわらず、年間本数は今年も千本越えを達成した。
課題は、木々に包まれて山道を下る坂の途中のポイ捨て空き缶が一向に減らないことだ。
以前はほとんどウーロン茶のペットボトルばかりだったのが、最近はカフェ・オレの空き缶がほとんど。捨て方から見て同じ人物とおぼしい。
厄介なのは中に吸い殻が詰め込んであることで、カフェ・オレと煙草の相性が良いうえに、ネジ式のキャップだから吸い殻入れとしても重宝するわけである。
夏はコゲラやアゲハが耳目を楽しませてくれる坂道だけに、ゴミ無縁の状態になるよう秘策を練らねば。
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瞳 茨木のり子
ぼくらの仕事は 視ている
ただ じっと 視ていることでしょう?
晩年の金子光晴がぽつりと言った
まだ若かったわたしの胸に それはしっくり落ちなかった
視ている ただ視ているだけ?
なにひとつ動かないで? ひそかに呟いた
今頃になって沁みてくる その深い意味が
視ている人は必要だ ただじっと視ている人
数はすくなくとも そんな瞳(め)が
あちらこちらでキラッと光っていなかったらこの世は漆黒の闇
でも なんて難しいのだろう 自分の眼で
ただじっと視ているということでさえ
詩集『食卓に珈琲の匂い流れ』(花神社、1992年)所収。
ちくま文庫『茨木のり子集 言の葉 3』(2010年)に拠った。
★12月28日のNHKWeb特集、韓国でも人気だという茨木のり子をソウル支局・長野圭吾が伝えていた。
ハングルを学び翻訳詩集『韓国現代詩選』を出した詩人の蒔いた種が、いま大きく育ちつつあるということだろう。
【人生を変える“言葉” 韓国で出会った茨木のり子】
⇒https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211228/k10013406381000.html
◆来年こそはマシな世の中になって欲しいと、願うことは増えて行くばかりだけれど、自分に「水やりを怠」らず、「時代のせいに」することなく、彼我のあいだに豊かに育つものがありますようと念じつつ新年を迎えたい。
(「 」内、ともに「自分の感受性くらい」より)