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高野喜久雄「蓮の花」[2021年08月21日(Sat)]

◆蓮の花の季節はとうに過ぎたが、盂蘭盆会の折でもあり、混声合唱組曲『この地上』からもう一篇――


蓮の花  高野喜久雄


蓮の花が咲いている
泥の中にさえこれだけの
きよらかな色と形が
ひそんでいるというように

蓮の花が咲いている
忘れたものの遙けさを
遙けさと 大きさを
思い起せというように

蓮の花が咲いている
葉の上にいま 落ちた雨
白銀(しろがね)の玉となれ
なお輝けというように

蓮の花が咲いている
問われた問いは大きくて
問われつつ 身をゆだね
咲くほかないというように


高野喜久雄=詩/田三郎=曲『混声合唱組曲 この地上』(音楽之友社、1981年)より

*曲は最後に「蓮の花が咲いている」を繰り返し、〈calando〉(だんだんと遅く弱く)で歌い収める。

◆蓮は和歌にも画にも取りあげられて来た。とりわけ仏の表象として。

最終連「問われた問いは大きくて」という感受の姿に惹かれる。
問われたことに答えずに話をズラしたり、スリカエたりする政治の言葉に消耗することが多すぎるからだろう。


モネ_0001.jpg




高野喜久雄「蟬」:曲 田三郎[2021年08月20日(Fri)]

◆夜の虫の声を聞きながら、今年の夏は蟬の声のうるささを意識したことがないことに気づいた。
雨の晴れ間を待ち焦がれていたように蟬が鳴き始めるのは何度かあったが、その鳴き方も控え目なものだった。

今年ばかりは蟬も、束の間の生を謳歌する、という気分になれずにいるのかもしれない。


*******

蟬  高野喜久雄


卵から孵(かえ)った蟬は
七年(ななとせ)を土の中
土にこもって その身体(からだ)
透きとおるほどに 土を聴く

耳をすませて地の底の
焰の音を聴きながら
やがて己を脱ぎ捨てる
残る七日の いのちのために

蟬は はげしく鳴いている
すべての耳の高さを超えて
すべての耳は土となれ
土の祈りを引き継げと
身をふるわせる蟬の声

耳廃(みみし)うほどの蟬しぐれ
結びつながれ 大いなる
一つの耳によみがえれと
鳴きつづけている蟬の声



田三郎の『混声合唱組曲 この地上』(音楽之友社、1981年)より。

◆作曲者の田三郎は、「坐禅を組んでいる蟬」と評されたことがあると記している。
なるほど「ミ」の基音で貫かれた曲は観想する僧たちの気韻が漂う。
混声合唱でなく男声合唱で聞けばその印象は一層深いだろう。






「コメンテーター」なる人々[2021年08月19日(Thu)]

◆今朝の相棒との散歩中に聞こえて来たのは境川の向こう、横浜市側(戸塚区か泉区)の救急車のサイレンだった。2種類の音が錯綜するように聞こえ遠ざかっていった。

新型コロナ感染者、藤沢市は再び100人台となり最多を更新した(114人)。近県の埼玉、静岡をはじめとして約半数の県で最多を更新した。

千葉県では感染した自宅療養中の妊婦さんが、入院受け入れ先が見つからぬまま自宅で出産し。赤ちゃんが亡くなったという痛ましい例があった。

NHKニュース 8月19日 20時18分更新記事】
自宅療養中の妊婦 自宅で出産 新生児死亡
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210819/k10013212441000.html

◆TVのニュースワイドショーでも踏みこんだ内容のものが時々ある。
日本テレビ系「ミヤネ屋」で、神奈川県が設置している酸素ステーションの紹介があった。
リモート出演で神奈川県の医療機器対策統括官である阿南英明医師が話していた。今年初めに藤沢に、また最近では横浜・関内ののホテルを活用して酸素ステーション開設の話はそれぞれ話題になったが、地元の現状が分かるかと思い、しばらく視聴した。

◆阿南医師がここでも繰り返し強調したのは、酸素ステーションはあくまでも入院等の医療に「つなぐ」しくみだということだ。
先日、会見で酸素ステーションに言及したスカ首相は、それを医療破壊を防ぐ決め手であるかのような言い方をしたために、国民に誤解が広がらぬよう、阿南氏が直ちに「あくまでつなぎ」であると強く念押しして来た経緯がある。

司会者はスタジオのコメンテーター(元経産官僚)K氏に、その点について首相の認識はどうか確認した。するとK氏は「(首相は)しっかり認識していらっしゃる」と解説する。
何のことはない。首相ヨイショ役をスタジオに呼び、ほころびを言いつくろうコメントをさせ、無難にこなそうというのが局側の台本なのだ。

ワイドショーの茶番は珍しくないけれど、医療につながることのできない命を目の当たりにしている今現在、クサい芝居は百害あって一利ナシだ。

◆同番組では元国会議員で現在は政治評論家という触れ込みのS氏もリモートでコメンテーターとして出ていた。司会から指名されて慌て、失笑を買う一幕もあった。スタジオでのやりとりをボーッと聞いていたのだろう。
加えてピントが合わない質問を連発。それでは専門家から現状打開へのヒントを得るせっかくの機会を生かすことができない。予習して番組に臨んでいない証拠であろう。

自分の関心を引くもの以外は耳に入らないコメンテーターや評論家のムダなしゃべりは「公共の電波」を浪費し私物化するものだ。

何より、多忙を極める中、せっかく番組に出てくれた専門家を消耗させ、失礼千万。

残念というより、害の方が多い。



谷川俊太郎「ミライノコドモ」[2021年08月18日(Wed)]

◆今朝も救急車のサイレンで一日が始まった。

解熱剤を買いにドラッグストア2軒回ったが「品切れ」の貼り紙。
備えておこうと思う誰もが似たような行動をとることは去年のマスク騒動で経験済みなのに、どこかタカをくくっていたことは認めざるを得ない。

◆医療につないでもらえぬまま自宅療養中に亡くなった母親の悲報。
あってはならないことがあちこちに起きている。
パラリンピックどころではない。

NHKニュース 8/18午後】
東京都内 親子3人全員が感染し自宅療養中 40代母親が死亡
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210818/k10013209851000.html


*******


ミライノコドモ   谷川俊太郎


キョウハキノウノミライダヨ
アシタハキョウミルユメナンダ
ダレカガアオゾラヤクソクシテル
ミドリノノハラモヤクソクシテル
コレカラウマレルウタニアワセテ

    *

ミライノコドモハ
オトウサンヲシカッテル
ミライノコドモハ
オカアサンヲアヤシテル

マチヲコエテ
ハタケヲコエテ
オカヲコエテ
ミズウミヲコエテ
チヘイセンノムコウカラ
ミライノコドモハスキップシテキタ

ナニガスキ?
ナニガキライ?
ドコカラキタノ?
ナニヲキイテモ
ミライノコドモハシズカニワラウダケ

コカゲニスワッテミエナイモノヲミツメテイル
ブランコニノッテキコエナイオトヲキイテイル
ミライノコドモノアタマノウエヲ
サヨナラトコンニチハガ
チョウチョミタイニヒラヒラトンデル


『ミライノコドモ』(岩波書店、2013年)より
*初出「階段のうた」(season4)TBSテレビ、2011年

◆〈ミライノコドモ〉は文字通り未だこの世に生まれてはいない子ども、それも永遠に子どもの姿のままの、座敷ワラシのような存在か。
現世の私たちには見えも聞こえもしないものが、でも確かにあるんだよ、と教えてくれる者。

彼の頭に舞う蝶は、言葉によることなく魂に直に語りかけてくる〈サヨナラトコンニチハ〉。
――挽歌のようでもあり、遠い世界からの招待状でもあるような。



甲子園出場辞退のモヤモヤ[2021年08月17日(Tue)]

◆甲子園の全国高校野球大会、新型コロナ感染者が選手に出て、2校が出場辞退を申し出た。
19日に初戦を控えていた宮崎商業と、すでに初戦を突破して松商学園との2回戦(8/21予定)に臨むはずだった東北学院である。

地方大会で同様に出場辞退=不戦敗を余儀なくされた高校がすでにある。感染爆発のさなか、甲子園でも同様の事態が起きることは予想されたこととはいえ、宿舎・練習と行動を共にするチーム競技、やはり防ぐことは難しかった。
今夏の甲子園大会実施の判断は、強行されたオリンピックが少なからず牽引役となったであろう。


◆これを報じた夜のNHKニュースで腑に落ちなかったのは、東北学院が公表した辞退理由である。
次のように文字データで報じている。

辞退の理由については、チームが次の試合に出場することによって感染した選手が特定され、将来に影響を及ぼす可能性があるとしています。

これは学校側の言い方を高野連が代わりに述べたものだろう。

感染が判明した選手は現時点で一人。高野連が設定した方針に照らせば「個別感染」と見なされ、出場選手を交代させて試合に参加することは不可能ではない段階だが、学校としては上の理由で辞退したいと申し出たということのようだ。

しかし、選手を代えて次の試合に臨んだ場合、感染生徒が特定される、それは避けたい、というのはどういう理屈なのだろう。

取材陣も納得しなかったのだろう、学校側を取材して得られたコメントが載っていた。


東北学院の岩上敦郎副校長は17日夜、報道各社の取材に応じ「今まで戦ってきた選手や監督の思い、声援をいただいた方のことを思うと2回戦に進ませたい気持ちは強くあったが、どうしても感染者や濃厚接触者が特定されてしまう。学校として生徒のプライバシーを絶対に守るという方針から、大変残念だが学校長をはじめとした管理職による会議で辞退することを決定した」と経緯を説明しました。


やっぱり、分からない。
これではコロナに感染したこと自体が、申し開きできない不始末だ、と言っているようなものではないか。
不祥事ではなく、チームの出場の道が閉ざされてしまってはいないのに「辞退」する方が、罹った生徒を「みんなに済まない、申し訳ない」という気持に追い込むのではないか?

若い人でも重い症状や後遺症に苦しむ人もいることが分かって来ている訳だし、感染した生徒の容態はどうなのか?、ほかの生徒たちの体調は大丈夫か?等々、他人事でなく心配するのが普通の人の反応ではないか?(そう言えば、このNHKの記事は、感染した生徒の状態については最初の発熱以外、書いていない。収まったか、軽症で推移していると想像するしかないが、肝心なのはそこをきちんとおさえた上で、モヤモヤに迫る記事にすることだろうと思う。)

当該部員が感染防止策を全く守らなかった、などというのでない限り、チームは堂々と試合に注力すればよい。
学校として「SNSやメディアで個人特定に血道をあげることは絶対にやめてほしい」と、毅然とした姿勢を示せば足りる。興味半分で騒ぐ輩やそれを載せる媒体には法的措置も辞さない覚悟で。


◆東北学院出場辞退のNHK記事で、高野連のコメントは――

チームが次の試合に出場することによって、感染した選手が特定される可能性があるという辞退の理由については「学校が慎重に考えて下されたご判断ですので尊重したいと思います」と話しました。

地方大会の時と同様に、「学校の判断尊重」という言い方で高野連の責任は回避している。
生徒ファーストでない、学校スポーツの在りよう、これでいいのか???

◆連日雨雲に覆われている甲子園球場みたいにモヤモヤ感がつのる。
何なんだ、大事なことが抜け落ちているこの感じは。


***

【NHKニュース:8/17夜】

夏の甲子園 宮城 東北学院が出場辞退 選手の感染や濃厚接触で
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210817/k10013208751000.html

夏の甲子園 宮崎商 出場辞退 選手など13人が新型コロナ感染
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210817/k10013206031000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001

なお、宮崎商業の場合は13名の感染が判明したことを受けて高野連は「集団感染」と判断していたが、高野連の指示が出る前に学校側から辞退申し出があった由。
宮崎商の校長は「「苦渋の決断だが、感染が確認された選手はもちろんのこと、すべての生徒の健康、対戦相手への影響を考えると、辞退はやむをえなかった。」と述べている。このコメントは理解できる。



金準泰「刀と土」   [2021年08月16日(Mon)]

◆アフガニスタン、混迷に向かうのか、安定的な体制が新たに築かれるのか。

彼の国をみどり豊かな希望の大地に変えて行った中村哲医師が凶弾に倒れてから2年も経たぬうちに、政権崩壊という大きな変動を迎えた。


*******


刀と土   金準泰(キム・ジュンテ)

           金正勲(キム・ジョンフン)・訳


刀と
土が闘うと
どちらが勝つか

土を
刺した刀は
あっという間に
土がついて
錆びてしまった。



金準泰詩集『光州へ行く道』(風媒社、2018年)より


◆この詩集の序に、金準泰は次のようなことばを掲げている。

詩人は銃を花で作って
銃と刀を溶かして農具を作る



まさしく。



敗戦・コロナ禍・靖国参拝[2021年08月15日(Sun)]

◆ようやく2回目のワクチン接種完了。
デルタ株や上陸したラムダ株に太刀打ちできるのか不明だが、ともかくもスカ首相が高齢者への接種を7月中に完了すると宣言して果たせず、80%が済んだらしいことをもって「ほぼ達成」と自画自賛して見せたことの例外がここに少なくとも一人いることの証拠として、ここに記し置く。

◆接種完了が奇しくも8月15日の敗戦の日となった。
市の広報スピーカーによる黙禱要請放送は、8月6日のヒロシマ、8月9日のナガサキについで今日15日も行うのが恒例で、時間も正午と決まっている。全国戦没者追悼と足並みを揃えているわけだが、これは終戦を告げる玉音放送の日と時刻に揃えたわけだから、天皇が読み上げる詔書を臣民が謹聴する光景の残像を戦後76年経っても引きずっていると言える。

日本敗戦の日はポツダム宣言受諾の8月14日とすべきという意見もあり、また米艦ミズーリにおいて降伏文書に調印した9月2日とすべきとする声もあるが、そのことは置いて、雲の上の現人神が肉声で語る声に森厳な気分を味わった(であろう)日時に黙禱する習慣には、戦前と地続きの精神風景がひろがっていると意識せざるを得ない。

この日を避けて13日に靖国参拝に及んだ岸信夫防衛相いわく、「8月15日に対する思いはもちろんある」と。特別な思い入れを支えているのが敗戦までの天皇制であることが想像される。

やはり13日に現職閣僚で参拝した西村康稔経済再生相は、コロナ担当大臣として「ステイホーム」を国民に求めていることとの矛盾を批判されているが、昨年11月には「感染がどうなるかっていうのは、本当に神のみぞ知る……」と言い放った人物だから、今さら驚くには当たらない。「神」を持ち出して自らの責任は棚上げにしているのだ。

その他、萩生田光一文科相、小泉進次郎環境相、井上信治万博担当相らも今日15日に靖国参拝したという。

国の敗亡も戦後の対米従属も認めないのでそうしたことができる。
失われた命が目に入らなければ、国が破れたと意識することもない。

ウイルスとの闘いについても同じだろう。



〈海の底〉のよう[2021年08月14日(Sat)]

◆神奈川、2日連続で新型コロナ感染者最多更新(2356人)。藤沢市も111人と最多(居住地によるカウント)、42万の人口を数える当市だが、ついに3ケタに突入した。

県内のコロナ対応病床の使用率は8割を越え、県では入院基準を厳しくせざるを得ないとしていたが、さらに本日、パルスオキシメーターによる血中酸素濃度の値が94%以上の人は原則自宅や宿泊施設で療養とする方針を示したという。基礎疾患の有無などを考慮して対応を調整して来たこれまでの対応がもはや無理として、命の選別が始まったわけである。

いかなる罪科への罰なるや?

五輪のはるか以前から「公平・公正」であることに心を砕く気風は踏みにじられて久しいのではあるけれど。

*******


ピアノ   嵯峨信之


海の底にはピアノが沈んでいる
深夜
だれもが眠つているとピアノは静かに鳴りはじめる
奏者は
地球創造のとき生まれたひとりのみなし児だという

ぼくはそのピアノの音をきいたことがない

地球が傾くと
ピアノの旋律が静かにながれはじめる

その夜
王者は未知の大陸へたち去つていつたという



嵯峨信之『小詩無辺』(詩学社、1994年)より


◆ドビュッシーの「沈める寺」(前奏曲集第1巻の第10曲)を連想させる詩篇。

音楽の方は、人々の不信仰ゆえに、罰として海の底に沈んだ都市と寺院の伝説に基づく。

★ポリーニ来日公演時のアンコール演奏がYouTubeにアップされている。
https://www.youtube.com/watch?v=XWpN5ioWr2g




落下[2021年08月13日(Fri)]

◆朝早くから救急車のサイレンが聞こえていた。
13日、全国の新型コロナ新規感染者は初めて2万人を超えた。
神奈川県は2,281人で、過去最多。
首都圏ほとんどの都県で過去最多(東京:5,773、埼玉:1,696、千葉:1,089)。

朝刊が伝える医療現場の一つに、家人が以前通っていた総合病院が出ていた。
昨年、早い段階から発熱外来を開設し、積極的にコロナ患者を受け容れてきた病院で、今回の感染爆発に対して病床を増やしたにもかかわらず、すぐ埋まってしまったという。

◆日本が今や世界でも感染者数が多い国の一つ、という現状。
もっと大変なところがあるじゃないかと思うのは全く慰めにならない。ブレイクスルー感染により亡くなった方の報に接すればなおさらだ。
スカ首相が繰り返す「安心」など、どこにもないと思い知る。
全国知事会が政府の対応を批判する声明を出した。当然のことだ。

*******

水の思想   嵯峨信之


大きな瀧でも骨格がない
生まれるとすぐから落下がはじまるからだ
しかし 水には思想がある
七色の論理でつづられる一つの無形の思想が


『小詩無辺』(詩学社、1994年より)

◆詩題通り、「水には思想がある」という感慨・認識がこの詩の中心なのだとは思うが、現下の不安な世情に身を置いて読むせいか、2行目の「生まれるとすぐから落下がはじまる」という一節の方に強い共感を覚える。



”制御不能な災害レベルの非常事態”[2021年08月12日(Thu)]

◆全国の新型コロナ感染者数がまた更新された今日12日、東京都の重症者(都基準による)は218名を数え、自宅療養者は2万726人に達した。1万人を越えた7月31日から2週間も経たないのに倍増である。

東京都のモニタリング会議では、これまで控えめに懸念として表明されてきた危機が、いよいよ現実のものとなったことを告げる発言が続いた、

●「制御不能な状況で災害レベルの非常事態だ」(大曲貴夫・国際感染症センター長)
●医療提供体制は「救急や手術なども含めて深刻な機能不全に陥っている」(猪口正孝・東京都医師会副会長)

大曲氏のコメントには「「もはや災害時と同様に自分の身は自分で守るための行動が必要だ」との表現まであった。

敗亡明らかであるにもかかわらず突撃敢行を言い渡された戦闘員の気分にさせられる。

すでに罹ってしまった人間はどうしたらいいのか?
絶望しかないではないか。

◆神奈川県もコロナにより亡くなった人は1000人を超え、重症者は182人、重症者用ベッドの使用率は97%で、ほぼ満杯だ。県の医療危機対策のトップ阿南英明医師も、「災害級の患者発生状況」として医療体制崩壊を認めた。

◆政府分科会の尾身茂会長は今日、「救える命が救えなくなる危機的状況」と述べ、分科会としての提言を公表したが、説得力に欠ける。

政府の対策も国民への切実な訴えも聞こえてこない。
なすすべないまま責任回避の沈黙に逃げ込んでいると見える。

◆パラリンピックについてもズルズル実施に向かっている中、来日した関係者にすでに陽性者が出ている。

オリンピック強行後であるためか、それともパラリンピックであることに声を揚げにくいためか、中止を!という声が今回は弱い印象だ。
だが、「制御不能の災害状況」のもとで大規模なイベントを打つのはやっぱり正気の沙汰ではない。

二つのイベントの影響が露わになるのはもう少し先だし、直接の因果関係を証明するのは難しいとタカをくくっているのなら、それは心得違いというしかない。
「救える命を救えない」事態を容認できる人が居るとすれば、さてそれはどこの誰なのか?


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