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異例の国会 違例の神経[2020年04月30日(Thu)]

DSCN3188イモカタバミ.JPG
イモカタバミ。
1月にも林の切れ間に咲いていたが、春の日を浴びた姿はやはり伸びやかだ。

*******

◆昨日、国会審議が中継されていて、ふとカレンダーを見たら祝日だった。休みの日に国会とは。
そう思い始めたらドキドキして落ち着かない時間を過ごした。
カレンダーは赤く「29」と言う数字を刻んであるものの、祝日名や休日の扱いについてさまざま変更がなされて来たところに改元などもあって、ひょっとして今年のカレンダーを刷り終えてから4月29日はただの日になったのかも知れない、そうしてそのことを知らぬまま己は昼行灯のようにボウッと過ごしていたのかも知れないなどと疑い始めてザワザワする感じを覚えたのだった。

朝令暮改が世の習いとなりつつあるうえに、わが日課も締まりのない日々で、すっかり日が高くなってから起き出して相棒との散歩に出かければ、来る日も来る日もゴールデンウィークと変わらない散歩・ジョギング、サイクリングの人たち……。
4月29日が「昭和の日」などと名を変えたのもいつのことだったか思い出せない。昭和生まれの人が数えやすいように、壁のカレンダーには西暦と並べて「昭和95年」と刷ってあるが、昨年の改元以降はこうした換算が便利とも思えなくなった。
ともあれ、あと5年で「昭和百年」か、と気づいてみると感慨なきにしもあらず……かと言えば、おそらくこの2ヶ月余りの気鬱が数年続くのだろうとしか思われない。

◆曜日が変わって行くと実感できるのは分別して出すゴミ回収の曜日ぐらい。

昨日29日水曜はプラゴミ回収の日だったが、隣家だけ回収されず、途方に暮れている様子だったのが気の毒だった。環境事業所に電話することを勧めたら、幸い夕刻には再回収に来てくれた由。
(医療・介護に限らずゴミ回収もまた我々の生活を支えている不可欠の存在でありながら、この数ヶ月ウィルス感染の危険と向かい合って奮闘しているわけである。)
いずれにせよ昨日はゴミ回収のある水曜日の29日であることが確認できて気分は落ち着く。
知らないうちに世の時計とこちらの茫洋とした時の刻みとがすっかり別のものになっているのでは、と神経の方が「違例」=常ならず不調だったわけである。

◆4月末とて月替わりカレンダーを一枚剥がすと小文字で刷られた最上段の4月29日はやはり赤で刷られている。
祝日でもゴミは回収される。ではきのうの国会審議もゴミ回収のごときものか、と連想が飛び、とりとめのない感じが再び湧いて来て落ち着かない。
こんな時はネットで検索、と思いついて「祝日にも国会」で入力してみた。
幾つか記事が見つかりホッとする。
その一つ、時事通信は次のような見出しだった――

祝日に異例の国会審議 東日本大震災以来

「異例」の2文字を見出してようやく安堵するのだから皮肉なものだ。
「異例ずくめの日常」のただなかに在って神経がまともに作動しないのは議事堂内の諸氏も違いはなさそうだけれど、それはさておいて。


「9名」という数字の切実さ[2020年04月29日(Wed)]

DSCN3150デモルフォセカ(アフリカキンセンカ).JPG

アフリカキンセンカ。デモルフォセカという名も。
キンセンカは「金盞」、さかずき型の花の形による。

*******

◆東京都では新型コロナウイルスによる死亡者が1日最多の9名にのぼった(新たな感染者は47人)。
ところがNHK夕方のニュースでは見出し・記事本文とも次のような平板な伝え方であった。

東京 新たに9人死亡 都内死者計117人に 新型コロナウイルス
NHKニュース2020年4月29日 18時35分

東京都は29日、新型コロナウイルスの感染が確認されていた男女9人が死亡したことを明らかにしました。これで都内で死亡した感染者は合わせて117人となりました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200429/k10012410791000.html

連日の報道で数字に鈍感になっているのか、人間の命に関心がなくなっているのか。
これでは医療崩壊・介護崩壊の現実も、全くないもののごとくに扱うことになるだろう。
報道崩壊の一例だと思う(今に始まったことではないが)。
東京新聞(共同配信)の見出しは次の通り。

東京、死者が1日最多の9人 新たな感染確認は47人
(2020年4月29日 21時20分

後から報じる方が伝え方を吟味する時間的余裕がある、というのはその通りだが、現時点で注意を払うべきは何なのか、という問題意識をもって報道に臨んでいるのであれば、「9」という死者数を目にしてただちに反応しないはずはない。都内の死亡者数でこれまでの最多は「7名」(4/5、4/17、および4/25の3回)だったのだから。
それが都から発表された数字をこれまでの累計に加えて数字を伝えるだけ、とでもいうようなルーティンそのものの報知。
まるで、感情がにじむような表現は一切排除すべし、という絶対的なルールの呪縛に押さえ込まれているかのようだ。

東京(共同)の「1日最多の」という見出しは、少しも情緒的なものでない。
冷厳な事実が簡潔かつ重みを伴って表現されているではないか。
そのようにきちんと伝える姿勢を支えているのは、読者がスルーすることなく受けとめてくれることへの期待と信頼ではないか。



ふりむくこころ[2020年04月28日(Tue)]

DSCN3181ウキツリボク(チロリアンランプ).JPG
チロリアンランプ(ウキツリボク)。去年も4月に咲いていた。
釣りざおのように歩道に伸びて来ているが、人間と違って悪さする風はない。

*******


花   池井昌樹

このよにはなのあることの
なんというふしぎさだろう
ああきれいだな
ふりむくこころ
はなをきれいとおもうこころの
なんといううれしさだろう
はなときれいと
こころとひとと
このよにともにあることの
なんとふしぎなよろこびだろう
それだけなのに
それでいいのに
こんなけわしくいやしくにがく
けさもひとごみかきわけながら
ああきれいだな
ふりむくこころ


池井昌樹 詩集『未知』(思潮社、2018年)

***

◆「ひとごみかきわけ」たのが遠く懐かしい日々のように思われてくるころ、失われたものの大きさが、実寸はさほどでなかったことにも気づいて、生きて在ることを思い設けぬ仕合わせと観じられればそれで良い。
ただし、同じ人間にいくら諭されても承服しないのが人間のヘソ曲がりなところだから、ヘソの位置を落ち着かせ、ちっとはマシな生き物になるためには、花であれ、鳥であれ、風や水の輝きであれ、外からしみ込む何かが必要だ。


人の命は後回しの報道[2020年04月27日(Mon)]

人の命は後回しの報道


◆NHKニュース(総合)の文字データを見て驚いた。

東京 新たに39人感染確認
6人死亡 新型コロナウイルス


という見出し。

都内だけで6名の命が失われたことよりも、新たな感染者数が少なかったことを強調している。
記事本文の扱いも同様。
しかし、土曜・日曜の後に感染者数が減るのは検査数がグッと減るためだと言われている。
潜在的な感染者が把捉されていない状態の数字を見て朗報と報じるのはいくら何でも脳天気な話だ。連日100名を超える感染者数におののく日が続いたために、明るい兆しを見出したいのだろうが、それを強調して死者数が減らぬことをきちんと伝えないでいては、手立てを尽くしていない(例えば、韓国のアプローチに学ぶこと)政府や自治体へのチェックを怠っている点で、失われた命への二重の冒瀆であろう。

【NHKニュース】4月27日 20時51分
東京 新たに39人感染確認 6人死亡 新型コロナウイルス
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200427/k10012407421000.html

◆2月26日に東京都最初の死亡者が確認されて以降、6名以上の死亡者が出た日だけを東洋経済オンラインの集計のグラフから拾うと、3/31(6名)、4/5(7名)、4/15(6名)、4/17(7名)、4/20(6名)、4/23(6名)、4/24(6名)、4/25(7)名(=100名に達した日)、そして今日4/27(6名)と、死亡数は減る気配を全く見せていない。そのことに注意を促し、政府や都の状況認識を質すべきだろう。

★東洋経済オンラインの《新型コロナウイルス国内感染の状況》
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/



スローな配達にしてくれ[2020年04月26日(Sun)]

DSCN3076アケビ(ミツバアケビ)-A.jpg

アケビ(ミツバアケビ)の花のようだ。
ぶどうの房のように暗紫の花が付いていて、下の小さいのは雄花、上方の大き目のが雌花(下に拡大写真)とのこと。

DSCN3075アビ(雌花)-A.jpg

*******

◆予期しないものが店頭から姿を消している。
「LR41」というタイプのボタン電池だ。百均でも2ヶ110円で買えるありふれたものだが、トンと見当たらなくなった。電子体温計の需要増の影響だろうとふんでいたら案の定であった。
コロナ禍のもと、日に何度も体温を測る人も急増していることだろう。
この国の強みと言われてきた「ものづくり」、もはや昔の栄光に過ぎないことが電池1ヶで実感させられる。
おでこに手を当ててみる、という電池不要のやり方も、少なからぬひとり暮らしの人には無理な話だろうと案じられるが、今や必需品というべき電池も体温計本体も、しばらくお目にかかれないかも知れない。

◆机のまわりを整理したら、木製の本立てがしばらくぶりに姿を現した。
中学一年の技術家庭で作った本立てである。半世紀以上前の、たぶん最初の立体的自作木工作品である(花瓶の置き台のようなものを作った記憶もあるが、それは2枚の板を小さな板きれで釘打ちしてつないだだけの平べったい細工で、ショボかったという印象しか残っていない)。
何回か釘を打ち損ねた跡やトンカチの頭の使い方を間違えた凹みも残っている。最後に釘を完全に打ち込む時にはトンカチの丸く盛り上がっている方で打つのを間違えてしまったのだった。
リンゴ箱を作る手伝いで使い慣れていた釘抜き付きの金槌とは、使い勝手がずいぶん違った。

幅30cm余りの小さな本立てながら、砥の粉をすり込みニスを塗ってつややかな輝きを目の当たりにした時のちょっとした感動も記憶にある。
材は当時大量に輸入して安価だったラワン材。グレタさんに「あなたたちがして来たことと言ったら……」と叱られそうな森林破壊の証拠品でもある。

◆玄関先に本立てを置き、郵便物3日分を溜めておくスペースとして活用することにした。
本立ての背板にプラスチック版を2枚、スライドできるように嚙ませて可動式の仕切りとし、左から「おととい」「昨日」「今日」と書いたシールを貼って3日分が置いとけるようにした。
郵便・メール便を問わず「不急」のものが大半だから、そこに待機してもらい、3日経たものからおもむろに開封する、というルールを定め、家族に周知した。
仮に配達物にウィルスが付いていたとしてもその間に死滅してくれるだろう、という読みである。

もし、請求書や納税通知など、喫緊の書類が来たらどうするか?
――気散じついでに慎重に封筒の端をつまんではさみをもって開封、中身を滑らせて下に落とし、目を通した後に丁寧に手洗いすることを原則とする。

中身にウイルスが付着していたら?
――運ばれてくる間に死滅しているものとみなすこととする。仮に付いていても手洗い励行で撃退できるだろう。

願わくは、配達の方々、投函翌日にも読みたいなどという希望は微塵も持っておりませんので、昔のように、3日ぐらいかけてゆっくり届けて下さいますよう。


飛沫感染防止より君が代〞執着の都教委[2020年04月25日(Sat)]

DSCN3134コマツヨイグサ.JPG
コマツヨイグサ

***

◆県・市の呼びかけが利いたか、江ノ島、湘南海岸への人出は先週とは打って変わってまばらだったようだ。
境川のサイクリングロードでは、遠出せずサイクリングや散歩を親子で楽しむ姿が目に付いた。

◆だが、長引く休校で生徒たちには、進路への不安もふくらんで来ているはず。
変則的な卒園・卒業式や入学式を経験した子どもたちには、新しい学びのスタートを切れぬもどかしさが、最終学年を迎えた生徒たちにとっては進路への不安が増すばかりとなりつつある。
そうした見通せない状況のもと、学校とはそもそも何か、大人たちは子どもたちをダシにしているのではないかと疑わせる教育行政の頑迷さが露わになっている。

◆卒業式・入学式をめぐる都教委の迷走をレポートした永野厚男氏の記事を紹介する。
掲載誌は月刊『紙の爆弾』(鹿砦社)2020年6月号〈【特集】《続》「新型コロナ危機」安倍失政から日本を守る〉からである。

***


都立学校卒業式 
飛沫感染防止より君が代〞執着の都教委

    
     取材・文 永野厚男


 東京都教育委員会は3月26日の定例会で、「都教育委員会は、子供たちの命と健康を守り、新型コロナウイルスの感染リスクにあらかじめ備える観点から、国の要請も踏まえ、3月2日から春休みまでの間、(略)一斉休校としたところです」で始まり、「今後とも(略)学校の円滑な再開及び再開後における子供たちの安全・安心の確保に向け、対策に万全を期してまいります」で終わる、保護者宛メッセージ〞を議決、公表した。
 このメッセージは「子供たち」の「命・健康・安全・安心」等の語句を四回繰り返し、都教委がとても子ども思いである〞かのように、保護者・都民に印象付けようとしている。
 だが、都教委指導企画課が2月28日に発出した二通の事務連絡(後述)を入手していた筆者は、このメッセージを見た瞬間、「都教委の正体は、児童・生徒の卒業を祝うのとは無関係の、天皇の治世の永続を願う歌君が代〞を強制し、その実施調査まで学校に押し付ける国家主義的な施策の方を、児童・生徒の『命・健康…』(コロナ感染防止)よりも大切だと考えている恐ろしい組織なのに。偽善的だ」と思った。


都開示200228入式君代調査用紙200409左写真.jpg
都教委が都立高校校長らに提出を求めた、入学式用の"国旗掲揚・国歌斉唱”の調査用紙
〜民主主義国で行政がこんな調査、やっている国はないはず



二十年来の都教委の君が代〞への執着

 2003年10月、都教委の当時の教育長・横山洋吉(ようきち)氏は「入学式、卒業式等の実施に当たっては、別紙のとおり行うものとすること。教職員が本通達に基づく校長の職務命令に従わない場合は、服務上の責任を問われる(注、地方公務員法第29条により懲戒処分にする意)ことを、教職員に周知すること」と恫喝したうえで、別紙≠ナ「国旗は、式典会場の舞台壇上正面に掲揚する。式典会場において、教職員は、会場の指定された席で国旗に向かって起立し(注、児童・生徒に尻を向ける意)、国歌を斉唱する。国歌斉唱は、ピアノ伴奏等により行う」等盛った、第二次の「10・23通達」を発出した(これに反対する日弁連等、弁護士会や教育学者・教職員・保護者らの声明・意見書・要請は枚挙に暇(いとま)がない。なお通達は「上級行政機関が下級行政機関に対し命令・示達する」意で、通知より強制力大)
 この通達は1999年8月成立の国旗国歌法を受けた、同年10月の中島元彦都教育長名の第一次通達による君が代°ュ制を、一層強化したものだ。

 都教委の君が代°ュ制は教職員だけでなく、生徒にも牙(きば)を剝(む)いている。
 都教委の君が代°ュ制はおかしいと考える都立高校生が不起立を貫いたのを敵視した、自民党の古賀俊昭都議(日本会議系・日本教育再生機構の06年の設立時の発起人。3月、72歳で死去)は、15年12月8日の都議会本会議で「改めて生徒への適正指導を通達として出すべきだと考える」と質問。
 これに横山氏の後継の教育長、中村正彦氏は「生徒を適正に指導する旨の通達を速やかに発出いたします」と答弁し、16年3月13日、「一部の都立高定時制の卒業式で、国歌斉唱時に学級の生徒の大半が起立しないという事態が発生した」のを口実に、「校長は自らの権限と責任において、学習指導要領に基づき適正に児童・生徒を指導する(注、起立し君が代≠斉唱させる意)ことを、教職員に徹底する」よう強制する第三次の通達まで発出してしまった(これにも大学教授らが反対アピールを出し、54校もの都立高校保護者・卒業生有志が抗議・撤回を求める申入れを都教委に出している)

 通達以外でも都教委の君が代≠ヨのこだわりやしつこさは凄(すさ)まじい。
 その一例が、04年春までの君が代&s起立等で懲戒処分にされた、都立学校教職員らの2件の処分取消し訴訟で、最高裁が12年1月16日、戒告は容認しつつも、教諭2人への減給処分を「重きに失し社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を超え違法」と判じ、都教委に取消しを命じる教職員側一部勝訴判決を出した時の、都教委の反発ぶりだ。
 判決を受け都教委は一週間後の1月24日、臨時会を招集し、「児童・生徒一人一人に、(略)自国の一員としての自覚をもたせることが必要である。また国家の象徴である国旗及び国歌に対して、正しい認識をもたせるとともに、(略)それらを尊重する態度を育てることが大切である。(略)都教育委員会は(略)各学校の入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱が適正に実施されるよう、万全を期していく。都教育委員会は、委員総意の下、以上のことを確認した」(下線は筆者)と議決≠オ、都立学校校長宛、通知している。
 都教委の君が代°ュ制は、この傍点部から、児童・生徒・教職員の思想・良心・表現の自由(日本国憲法第19・20・21条)を侵害し、国家主義イデオロギーを押し付けているのは明白だし、かつ、「個人の尊重」を規定した憲法第13条、「個人の尊厳を重んじ」「個人の価値を尊重して」と規定した教育基本法の前文と第2条2号(OECDの「学びの羅針盤」2030も、「地球全体のwell-being、即ち全ての人々が個人的・社会的に健やかに生きること、幸福が最終的に目指すべき目標だ」としている)にも真っ向違反している。

 また、前記都議会での中村氏と古賀氏とのエール交換ぶりや、前記・横山氏が05年5月、自民党宮崎県連と熊本県連が主催した新しい歴史教科書をつくる会系教科書≠フ採択推進集会等に、基調報告者やパネルディスカッションの一員として登壇した、地方公務員トップとしての政治的中立性を疑わせる行為から、都教委の君が代°ュ制は教育とは無縁な政治色の濃い施策だ、と断言できる。


生徒の命・安全より君が代〞優先

 東京で新型コロナ感染者が増えてきた2月26日、都教委の藤田裕司教育長は「新型コロナウイルス感染症に関する学校における対応について」と題する通知を出し、3月の卒業式は保護者・来賓の参加を禁じ、卒業生(全日制は3年生、定時制は4年生)と式に関係する在校生のみの参加とし、「時間短縮」を求め、祝電披露も禁じた(掲示のみ)

 この2日後の28日10時32分、指導企画課の小寺(こでら)康裕課長、桐井裕美(きりいひろみ)主任指導主事、金澤剛志統括指導主事らは、都立学校長宛「卒業式における国旗・国歌に関する調査の実施について」と題する1通目の事務連絡を出した(区市町村教委宛は10時37分)
 この1通目は、多忙化する学校に小寺・桐井両氏らが未だに強制している、詳細な国旗・国歌£イ査の用紙に、「◆例1」として、「各教室で放送等を活用して式を実施したため、国旗を掲揚できなかった場合」は、「オ 式典会場内掲揚せず」「ノ 演台を設置せずに実施」と回答するよう指示。
 次に「◆例2」として、「飛沫感染を防ぐため、国歌を含め全ての式歌の斉唱や合唱を行わな」い場合は、「ス 斉唱せずメロディも流さず」と回答し、「(7)教職員の状況」(注、不起立者の炙(あぶ)り出し)は空欄にせよ、と指示。
 そして「本年度に限り、上記回答を不適切な状況(注、処分対象とする意)として取り扱わない」と明記している。要するに、「体育館で一斉」でなく分散実施の場合は、日の丸・君が代≠ネしも可、という指示だ。

 ところが、小寺・桐井両氏らはこの約3時間後の13時38分、「先ほど、当課から(略)本年度の調査の回答例等を示したところですが(略)現時点で、都立学校における卒業式の国旗国歌の取扱いについては、『国旗掲揚の下に、体育館で実施する。』『国歌斉唱を行う。』という方針に変更はありません。説明不足であったことをお詫び申し上げます。御理解を賜りますようお願い申し上げます」などと傍線まで付して明記した、2通目の事務連絡を出した。
 だが1通目ですでに「なお、体育館で実施しながら国旗掲揚を行わない事例や、校歌や他の式歌を斉唱(合唱)しながら国歌斉唱を行わない事例等は、不適切な事例に該当します」とダメ押ししている。これに対し、70歳代の都立高校元教諭は「都教委は生徒のための式でなく、国家権力のための式と考えている。本末転倒だ」と厳しく批判している。
 百歩譲って国旗・国歌$юiの立場になってみても、2通目は不要のはずだ。教員出身で50歳代の小寺・桐井氏らは、調査もの≠ェ学校多忙化の大きい要因であり、働き方改革で削減するべきなのは熟知しているはずだからだ。

 以上の事実を踏まえ、2通の事務連絡を出した経緯・理由を、研究者ら都民が都教委に情報開示請求すると、桐井氏は金澤氏を伴い3月31日、都庁内で面会に現れた。桐井氏が面会とメールで説明した要旨は次の通り。
@1通目の発出理由は、発出数日前から複数の区市町村教委から、「コロナ感染防止のため例年と異なる方法での卒業式実施を検討しているが、毎年実施の国旗・国歌調査にどう回答すればよいか」と問合せがあったから。
A1通目の内容は、発出日時点で区市町村立校(主に小中)の卒業式は、児童生徒・学校の実態により様々な形態での実施が検討され、また都立学校(高校・特支)の式は、発出日以降のコロナ感染拡大等により実施方法の変更も想定され、生徒等の安全・健康確保のため飛沫感染防止で、国歌を含め全式歌の斉唱・合唱を行わないこともあり得、そうした場合の調査への回答の仕方を例示したもの。ただ都教委は「卒業式は指導要領と通達がベース」と考えており、国旗・国歌のない卒業式を推奨しているわけではない。
B1通目発出後、複数の都立学校校長から電話で「国歌を含めた全式歌の斉唱・合唱を行なわない式は、指導要領に基づいたものでなくなるが、よいか」との質問を受け、誤解を生じていると気付いた。このため2月26日付藤田教育長名通知の「1 令和元年度卒業式の実施」の(2)に「実施要項等は、変更した内容に合わせて修正する」とある、その趣旨を改めて正しく伝える目的で、都立校に対してのみ改めて、1通目の見解を変える内容のものではないという2通目を発出した。
C(1通目発出〜2通目の間に政治家等から介入はないか、と問うと)一切、ない。

 これら桐井氏からの説明を受け、都民側は4月3日、桐井氏宛3点、メールで追加質問した。
㋐ 2通目で「体育館で国旗掲揚・国歌斉唱≠」という箇所に傍線を施したのは、教室での分散型はお勧め≠ナなく、「飛沫感染のリスクはあっても、体育館で国旗・国歌やらなきゃ」と、校長を誘導する意図はないか。
㋑ 「1通目が誤解を生じているから2通目を発出」というなら、2通目は、「体育館で国旗掲揚・国歌斉唱≠」という記述だけでなく、「飛沫感染防止のため、国歌を含め全式歌の中止もあり得る」等、併記するべきではないか。
㋒ ㋑で併記しないなら、「都教委は、児童・生徒の生命(飛沫感染防止)よりも、君が代≠フ方を大事に考えている。人命軽視だ」と批判されても、致し方ないのではないか?

 だが文書回答はなく、都民側が4月16日と21日に電話すると、桐井氏は「広報統計課(4月に教育情報課から名称変更)を通してしか回答できない」と、電話回答は拒否した。
 ところで3月19日、「被処分者の会」の現・元教職員ら32人が都教委に行なった「卒業式の君が代°ュ制と処分をするな要請行動」で、教職員側は「2通目は朝令暮改だ。コロナは接触感染と飛沫感染で罹患(りかん)する。接触感染を防ぐのが、放送等を活用した各教室での分散実施だ。君が代$ト唱中止は飛沫感染を防ぎ生命を守る意義があるはず」などと追及したが、中西正樹教育情報課長(当時。現・指導部管理課長)は「所管課に伝える」と回答するに留まった。

 なお、文科省の君が代≠ヨの異常なこだわりは、教職員らが3月1日、千代田区内で開催した「日の丸・君が代 ILO/ユネスコ勧告実施市民会議発足集会」で、以下の通り暴き出された。
 社民党の吉川元(はじめ)衆院議員が「2月、議員会館での、立憲・国民・社民など野党共同会派の文部科学部会で、新型コロナ・ウイルス対策で、卒業式の時間短縮や規模縮小が要請されている点について、出席者が文科省に質問したところ、初等中等教育局の担当者が、校長の式辞は紙で配布して省略することは可能だが、君が代$ト唱は学習指導要領で指導対象になっているから、省略は困難と平然と答えていた」という事実を紹介した。
 そのうえで、「日の君の強制は、思想・信条・良心の自由を明確に侵すものです。これまでの皆さんのご努力に敬意を表すと共に、勧告が実現されるよう、私も微力ながら奮闘して参ります」という激励のメッセージを、この集会に寄せている。


小池都知事の選挙の事前運動に

 10・23通達発出後、都教委は祝意≠表すると称し、君が代♀ト視を兼ね、全都立高校の卒業式に幹部職員≠派遣。壇上正面の日の丸に何度も敬礼し、直立不動・大声で君が代≠歌う姿を生徒・保護者らに見せ付けたうえで、「各校の特色ある教育活動を校長らに記入させる70字〜120字以外は、全校同一の挨拶文」を読み上げさせてきた。
 また都教委は19年3・4月の卒業・入学式で初めて、小池百合子都知事の「お祝いのメッセージ」を、祝電披露の冒頭、副校長に読み上げさせたうえ、「生徒・参列者が見やすい場所」に掲示までさせた。

 今回の卒業式は前述通りコロナ対策で、都教委が卒業生と、送辞を読む等最小限の在校生以外の参列を禁じたため、幹部職員#h遣はなく、都教委挨拶文と小池氏メッセージの読み上げもなかった。だが、前記藤田教育長は2月25日付通知で、都教委挨拶文と小池氏メッセージの二種を「校内に掲示するとともに、卒業生に配布する」よう指示。
 筆者が13校の教職員・保護者に取材すると、12校は都教委の指示・命令通り、2種を掲示に加え増プリまでし、卒業生全員に配布してしまった。だが、中身が無味乾燥だったり、五輪大会の宣伝等政治色が濃かったりするため、多くの生徒はそれらを教室のリサイクルボックスやゴミ箱に捨てて行ったという。ただ、1校の校長が2種ともA4判の掲示に留め、配布はしなかったという情報もあり、都教委支配下の管理統制型卒業式に、ささやかな抵抗をしたと言える。

 なお18歳選挙権になり、19年夏の参院選挙で投票に行った生徒が少なからずおり、7月の都知事選では全員が有権者となることから、「校内での小池氏メッセージの配布は、政治的中立性に反するし、選挙の事前運動になるのでないか」と批判する保護者もいる。

 最後に今春の入学式は、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言による5月6日までの休校措置により、都立学校では未実施だ。藤田教育長が4月1日に出した「都立学校の休業の措置等について」と題する通知は、「3 臨時休業中の教育活動について」の「(1)高等学校・中等教育学校・附属中学校」の「イ 入学式」で、「各学校が予定した日程で、来賓や保護者を招待せず実施する。内容は入学許可、校長式辞、新入生代表の言葉とし、国歌斉唱を含め歌の斉唱は行わない」と記述。さすがの都教委も感染者急増の状況下、飛沫感染の元凶の君が代≠ヘ断念したようだ。



永野厚男(ながのあつお)
文科省・各教委等の行政や、衆参・地方議会の文教関係の委員会、教育裁判、保守系団体の動向などを取材。平和団体や参院議員会館集会等で講演。



ガスのような悲しみ[2020年04月24日(Fri)]

DSCN3149.JPG
ツリガネズイセン

*******

◆行き倒れ、孤独死など新型コロナウイルスによる痛ましい犠牲が続いている。
当初37.5℃が4日続いたらという目安が喧伝され、家で様子を見て、という保健所からの指示が、実際には救えたかも知れない命を死へと追いやった。
数週間前にすでに、発熱4日どころか、2日でも続いたら受診すべきであることを保健所のスタッフも認めざるをえない状態になっていた。

その後、若い人でも急に容態が悪化する人が出てきた。
今や懸念される変化が生じたら、ためらうことなく受診・検査を、という局面に入っている。
そのことを繰り返しアナウンスしなければならない。

だが、市中感染の広がりが医療の現場を疲弊に追い込んでいる。
その窮状に負担をかけては済まないと思うゆえにじっと堪え忍んでいる人たちもあまたいるのではないか。


***


倦怠の本質  ゴンサロ・ロハス
            寺尾隆吉=訳

理性のパンも狂気のパンも
固体の思考も液体の思考も
退屈に曇った
頭ほど人間については理解はできない。

それは、星雲のように内側に保管された
悲しみ、喉を詰まらせるガスのように、
死の白い細菌に巣食われた悲しみ全体から
湧き出る蒸気。


*グレゴリー・サンブラーノ編(寺尾隆吉=訳)
『ゴンサロ・ロハス詩集(アンソロジー)』(現代企画室、2015年)p.218

◆「理性」やその反対、常軌をはずれた「狂気」を熱源としても、理解できない「人間」という捉えがたきもの。実験室で固体や液体を扱うようさまざまに思考を働かせてもその本然に迫ることは至難に見える。

何しろ、人間の内側にあるものと言えば、それを吸えばたちまち息がつまるほかない「悲しみ」というガス=気体なのであって、それは「死の白い細菌に巣食われ」た状態から湧き出てくるのだという。

であれば、むしろ「退屈に曇った/頭」のほうが、その悲しみの蒸気を吸い込んだということも意識しないでいられる点で(いわば「酔生夢死」を体現するという点で、あるいは怠惰に身を委ねるという点で)実際の生のありように近く、実験材料として人間をためつすがめつ分析することで人生を空費するよりもましだ、ということになる。
――これは諦めだろうか? それとも皮肉や自嘲だろうか? さもなくば「退屈」とは、「悲しみ」の別名だとでも言いたいのだろうか?


誰が、誰が、我々の紡いだ糸を紡ぐのだろう?[2020年04月23日(Thu)]

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アジアの野蛮人   ゴンサロ・ロハス
              寺尾隆吉=訳

ここが世界の中心、だが、地球は世界の中心ではない、
人は燃え上がるのか干上がるのか。地球自体は荒野。我々はそこより出ずる。
我々はその皮膚にも似て、季節によって緑の音、柔らかい音を立てる、
その移動のうちにすべてが流れ、我々は軽々と歳を重ねる、
我々は燃え盛り、焼け落ち、猶予、もっと猶予をくれとせがむ。時が訪れ、いったい
誰が、誰が、我々の紡いだ糸を紡ぐのだろう?

時は先を急ぎ、その針が鳥の飛翔に跡を残す。


*グレゴリー・サンブラーノ編(寺尾隆吉=訳)
『ゴンサロ・ロハス詩集(アンソロジー)』(現代企画室、2015年)p.147





消毒用の微酸性電解水[2020年04月22日(Wed)]

DSCN3143.JPG
ヤエヤマブキ

◆回覧板が回ってきて、消毒水の配布(無料)があるとのことだったので、500mlのペットボトルを手に市民センターに出かけた。

市民センター入口の手前横に大きなタンクが数基置いてあり、蛇口をひねると真水のような液だった。

消毒水の正体は「微酸性電解水(微酸性次亜塩素酸水)」というもので、地元企業が製造し無償で提供してくれた生成装置により生成したものを、第一弾は市内の福祉施設等に配布、今回、第二弾として広く一般市民にも配布できるようにしたとのこと。

説明書きを頂戴したので抜き書きしておく。

◇特徴
・最近、カビ、酵素、ウィルス等に殺菌効果があります。
・アルコール消毒等と異なり揮発性はありません。
・紫外線にあたると1週間程度で殺菌作用がなくなります。(紫外線にあたらなければ1ヶ月程度効果があります。)
飲料用には使用しないでください。


◆帰宅後、試みに手に注いでみると、エタノールのような皮膚を刺激する感じはなく、無臭でサラサラした水である。

酒造会社も動員して消毒に使えるアルコールの増産体制ができつつあるというが、それらは何よりも医療機関に届いて欲しい。
消毒用エタノールは全く手に入らぬご時世で、それに代わるものが技術を備えた企業の厚意によって提供されるのは旱天の慈雨に等しく有り難い。

◆紫外線に当てないように、ということなので、牛乳1ℓパックの外を黒く塗りつぶしてその中に保管することにした(500ccのペットボトルがちょうど収まる)。
ボトルそのものはアルミホイルで覆って中に入れた。
あと、ボトルのキャップ部分にはまるスプレー用ノズルを付ければムダなく使えるだろうと思って百均に行ってみたが、欠品。除菌関連商品として引き合いが多いのだろう。
ホームセンターも同様だった。

★藤沢市の告知サイト
〈微酸性電解水の市民配布を開始します〉
https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/bousai/press/bisanseidenkaisui.html

◆たまたま回ってきた回覧で知ったわけで(市のホームページ等に先週アップされていたようだが)、未だ知らない市民が多いのではと思った。市民センターを訪ねた午後3時にもらいに来た市民はいずれも徒歩で、3,4人程度。

市民多数が列をなす事態になることへの懸念はあろうけれど、自治会に入っていない人もいるわけだし、市民センターまで足を運ぶことが難しいお年寄りにも適当な手立てを工夫することでこの恩恵が行き渡ることを願う。
当分この取り組みは続けられるとのことなので、高齢者世帯などの情報弱者にも広報してもらえればと、市民センタースタッフに要望を伝えた。



〈間違い〉なのか[2020年04月21日(Tue)]


死すべき者  ゴンサロ・ロハス
         寺尾隆吉=訳

あらゆる死すべき者と同じく、私は空気、空気、
恐ろしい大飛行、そして今、星に立ち寄る、
繰り返し言おう、人間たちは今や互いに接近している、
爆発そのものが間違いなら間違いなのだ、
愛し合おうということ自体が間違いなのだ。


◆昨日と同じくグレゴリー・サンブラーノ編(寺尾隆吉=訳)『ゴンサロ・ロハス詩集(アンソロジー)』(現代企画室、2015年)より。

コロナ禍の今を宇宙から俯瞰したかのような詩。
宇宙の開闢と言われるビッグ・バンの果てに漂う人間たちが、無辺際の孤独の余りの耐えがたさゆえに、あい寄り番おうとする習性を獲得してきたことがそもそも間違いだった、ということになるのか。

◆あちこちで感染への恐怖から差別やいじめ、憎悪の攻撃が起きているという。
アジア系の人々に対するヘイトクライム、家庭内の暴力、果ては休業に協力しない企業や店を公表すると、自治体首長自らが市民に相互監視と密告を煽動する発言まで。
排除の論理が喝采を博すなら、酔いどれたちが徒党を組んで打ち壊しが続出するだろう。


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