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炎熱下の落としもの[2026年08月02日(Sun)]

◆土手の散歩道にはいろんなものが落ちている。
今日は空き缶4本。これは用水路でザッと洗って回収ボックスに入れた。

あと、まっすぐ伸ばせば4,50センチもあろうかというヘビのなきがら。
これには小さく手を合わせたのみで通り過ぎた。許せよ。

◆境川の両岸は草刈りが進行中だ。おそらく急に住処を失って新天地求め移動中に力尽きたのだと思う。同じ道では今年2度ほどもっと大きいのに出くわしている。
それに比べて小ぶりな今日のやつは、ひょっとして未だ子どもだったかも知れない。

DSCN5261.JPG


谷川俊太郎「黙る」[2026年08月02日(Sun)]
IMG_20260731_153152.jpg

木槿(ムクゲ)。夏の陽ざしに負けずに咲く芙蓉(フヨウ)の仲間はどれも良いけれども、懐かしさを覚えて足を停めたくなる点で、この季節、いちばん好きな花かも知れない。

***


黙る   谷川俊太郎


黙るということ
いま黙っているということ
それは多数に耳をかさないこと
口をつぐみながら
つぐむ自分を疑うこと

黙るということ
ひとり黙っているということ
草木を味方にするということ
曇り空の下の小石とともに
世界の饒舌(じょうぜつ)に耐えること

黙るということ
日々の暮らしの一々を
言挙げしないこと
心だけでなく体ぐるみ
明日を信ずること

黙るということ
内なる騒音を鎮め
沈黙を金にする錬金術を
先賢の言葉に学ぶこと
宇宙の沈黙にたじろがぬこと


  『今日は昨日のつづき どこからか言葉が』(朝日新聞出版、2025年)より
   ※初出2021年9月1日朝日新聞

◆TVは画像と音がないと寸刻も存在価値を維持できない、と作り手たちは思い込んでいるのか、ひたすら饒舌だ。
風景だけを延々と映し出している深夜の番組でさえ、BGMを、静かだが絶対に途切れることなく流し続けている。
逆に無音ボタンを押したわけではないのに、映像だけで全く音が聞こえてこないとか、その反対に、音は聞こえているのに画面は真っ黒のままだったり、ごま塩模様が明滅するだけのいわゆる「砂嵐」状態だったりしたら、それは恐怖を覚えさせるだろう。
何か異常な状態になっていると判断せざるを得ないからだ。平時に培われた「ふつうの状態」を参照して、そう感じてしまうだけなのだろうけれど。

◆この詩で「黙る」ことにいざなわれてみると、人がいかに饒舌にしゃべる生き物であったか思い知る。

そうして「沈黙」がいかに豊饒深遠か思って粛然となる。




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