まど・みちお「いちばんぼし」[2026年05月18日(Mon)]
いちばんぼし まど・みちお
いちばんぼしが でた
うちゅうの
目のようだ
ああ
うちゅうが
ぼくを みている
伊藤英治・編『まど・みちお全詩集』(理論社、1994年)より
◆夕刻、いつもより遅い散歩をしての帰り道、西の空に、細い細い筆で描いたような眉月が……
そうして、そのやや斜め上に一番星が輝いていた。
呼びかけたいがためらわれるようなやさしいお姉さまのような……
そう思って『まど・みちお詩集』を開いたら、やっぱりあった。
それが上の詩。
夢のような、童謡の世界。
ただし、「うちゅうが ぼくを みている」と言うのだから、ただ頑是ない幼年の詩、というわけじゃない。
《みられる》《ぼく》が《永遠》に近づくことを刹那許されていると思えるから、しぜん背筋を伸ばさずにいられないような、そんな世界だ。



