香月泰男「サンジュアンの木」[2026年04月25日(Sat)]
◆香月泰男美術館の「おもちゃ」シリーズは楽しさ満載だったが、その終わりに平和へのメッセージをこめた作品も並んでいた。
ごくごく小さな作品だが、脚が不自由で右手に杖を、左手では「ベトナム戦争をやめろ」と書いたプラカードを掲げて歩く「デモをする人」。
今なら「イラン」や「ガザ」と書いたおもちゃたちを作っていたに違いない。
「避難民」
貨車で運ばれてゆく避難民たち。小石の一つ一つに顔が描かれている。
香月の代表作〈シベリヤ・シリーズ〉に登場する抑留者たちの顔を彷彿とさせる。
彼らの頭上を覆う麻布には手が描き添えられている。
★以上の2点の画像は、美術館で求めた『香月泰男 おもちゃの世界』(香月泰男美術館発行、2014年)から。
***
◆美術館の2階は展望室になっていて、香月が「〈私の〉地球」と呼んだ三隅の風土をぐるり展望できる。
西を展望する窓の上にはインド侵攻を目指した無謀な作戦とされる「インパール」の名が……
北向きの窓には「ハイラル」や「シベリヤ」の文字が。
展望室から中庭を見下ろすと「サンジュアンの豆の木」を真ん中に、おもちゃたちが思い思いに遊んでいる。
サンジュアンの木とは、香月がシベリアから持ち帰った豆を育てたものという。
(ロビーのビデオで紹介されていた。)
◆近々香月泰男の生涯が映画になるという話を、この日の夕方に乗ったタクシーの運転手さんから聞いた。
帰宅後調べてみたら、「サンジュアンの木 - 画家 香月泰男」というタイトル(仮題)で、五十嵐匠監督のメガホンのもと、香月役に萩原聖人、婦美子夫人に伊勢佳世という布陣。
出演のお二人とも、舞台で拝見したことのある役者さんたち。どんな映画になるか楽しみだ。
この5月から撮影に入り、10月完成を目指しているという。クラウド・ファンディングも募集中とのことだ。
*詳しくは下記サイトから――
⇒https://readyfor.jp/projects/kazukiyasuo



