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ディキンソン〈一つの心が壊れるのをとめられるなら〉[2026年03月27日(Fri)]

◆詩人の長田弘がNHKテレビの『視点・論点』で語ったことをまとめた『なつかしい時間』という本がある。その中にアメリカの詩人、エミリ・ディキンソンについて語った回がある。2007年11月13日に放送したものだそうだ。



〈一つの心が壊れるのをとめられるなら〉  ディキンソン


一つの心が壊れるのをとめられるなら
わたしの人生だって無駄ではないだろう
一つのいのちの痛みを癒せるなら
一つの苦しみを静められるなら

一羽の弱ったコマツグミを
もう一度、巣に戻してやれるなら
わたしの人生だって無駄ではないだろう



  長田弘『なつかしい時間』(岩波新書、2013年)より



◆この詩を紹介しながら長田は人としてのディグニティ、尊厳ということに話を進める。
この大事な価値を身をもって伝えて来た人たちは、いつの世にも「変わった人」たちであったという。「ふつう」のモノサシからは外れたところから、忘れがちな大事なことを思い出させてくれる人々。

◆国の場合も同じだろうか?
これから「ふつうの国」になって、ふつうに戦争する国々に伍して行こうとしているこの島国は、変わり者はむろんのこと、病み疲れたちっぽけなものたちの尊厳など気にかけてはいられないということだ。








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