松山真子「心待ち風」[2026年03月25日(Wed)]
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◆昨日に続く風の詩−−
心待ち風 松山真子
木の芽風
花風
若葉風
白南風
熱風
夏はやて
萩風
雁渡し
舟待ち風
落葉風
天狗風
虎落笛
松山真子詩集『迷子』(四季の森社、2023年)より
◆「白南風(しろはえ)」は梅雨明けの風だが、季語では晩夏のようだ。南北に細長い日本列島では京や江戸の季節感が基準となってきただろうから、所によるズレは致し方ない。
「萩風」は対照的に秋の萩を揺らす冷涼を含む風だろう。ただし、よく使われる言葉かどうかは不案内だ。
「雁渡し」「虎落笛(もがりぶえ)」など秋や冬の言葉はその一語だけで体の中を風が吹き抜ける感じを伴う。ぬくぬくと室内で過ごしている生活では死語になってしまう運命かもしれない。
窓を開け、流れる時間に身をゆだねない限り、かすかな風の気配は詩歌の中に淀み埋もれたままだ。



