国立訪問、近現代詩講座を聴く[2026年03月14日(Sat)]
◆国立市を訪ねた。
同市公民館で開かれた近現代詩講座『いま戦後詩をみつめる』の第V回、生誕百年を迎えた茨木のり子が取り上げられた。公的な施設として近現代詩を読むシリーズ企画を続けているというのは極めて珍しいのではないか。
◆講師は詩人の河津聖恵さん「響き合う双子の星――茨木のり子と尹東柱(ユン・ドンジュ)」、および水島英己さんの「戦後詩を越えて 茨木のり子と戦争」。
ともに茨木のり子の詩作品をとことん読み込んで話されたのはむろんだが、用意されたテキストと資料も充実していた。
同時に、肉声で聴衆に語ることは、文字で論考を読むのとは違う、強いメッセージとなることを実感した。
たとえるなら、よく知られた曲を音楽家がライブで演奏する場合と同じように、唯一無二、その場限りの朗読や語りをじかに聴く体験と言おうか。
現在進行中の世界規模の非常事態への危機に対して、茨木のり子の強靭な詩を私たちが受け止め、抵抗と変革の礎となしうるか、その働きかけが詩の言葉によって表現されたと思う。
※国立市はさまざまな大学や関連する小中高が存在する学園都市だ。
駅を降りた時から、コントラバスやチェロ、管楽器のケースを抱えた若い人たちも多く行き交っていた。可能なら、音楽を楽しむのと同じ感覚で近現代詩の話を聴きに来る若い世代が増えてほしい。
世界は、彼らのみずみずしい詩魂によってこそ、光を取り戻すと信じるから。
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◆講演前、国立駅から真南に伸びる大学通りを歩いていたら、たくさんのパブリックア・アートに出会った。2015年に全国公募した第一回野外彫刻展の入賞作品たちらしい。
その中から一つ――
チーム美山(びざん)「風の球体」



