京都府南丹市美山町[2026年02月03日(Tue)]
◆驚いた。偶然の一致ということはあるものだ。
今日の朝日新聞夕刊、京都府南丹(なんたん)市の美山町(みやまちょう)の写真が大きく載っていたからだ。
2026年2月3日の朝日新聞夕刊「いいね!探訪記」:美山かやぶきの里
★記事:木子慎太郎 ★撮影:新井義顕
夕刊が届いたのとほぼ同時刻、まさにその南丹市の地域振興課の方と電話で話していたからである。
同市の存在を知ったのも電話したのも今日が初めて。しかも用件は写真にある同市の美山町に関することであった。
◆きっかけはロジャー・パルバースの『記憶の一針一針』(作品社、2025年)という昨年末に出たばかりの本。
宮澤賢治の英訳や大島渚「戦場のメリークリスマス」の助監督、さらには自身の小説「星砂物語」を自身のメガホンで映画化したことでも知られるロジャー・パルバースが来し方をふり返った本である。彼が1992年まで住んでいたのが、その美山町であった。
◆この本の〈京都 一九六八年春〉と記す章、パルバースは版画家ヨルク・シュマイサー(1942〜2012)との交友を誌す。
p.231〜p.232に次のような記述がある。
私は長い間、オーストラリア大陸のレッドセンターにある世界最大の一枚岩、ウルルを描いた彼のエッチング作品を大切にしていた。この巨大な岩のさまざまな「景色」を描いた作品の左下には、彼が感じたことや考えたことを、筆記体で書き綴った箱がある。一九七九年に制作された「日記とエアーズロック(ウルルの旧称)」は、見たものを想像力の目で捉え、宮沢賢治がmental sketch modified「心象スケッチ」と呼んだもの、つまりその瞬間の作家の心境や欲望を精緻に視覚化しようとする彼の熱意が見事に表れた作品だ。私がこのエッチングを「大切にしていた」というのは、一九九二年の初めに妻のスーザンと私が京都府のほぼ中央に位置する美山町の家を離れる際、彼の別の大きなエッチングと共にこのエッチングを子供が通っていた美山町の大野小学校に寄贈したからだ。こうして現在、京都から舞鶴のほぼ中間地点にある山奥のその小学校の壁に、ヨルクの象徴的な作品が二つ飾られている。
◆美山町は2006年に園部町・八木町・日吉町と合併して南丹市となった。上掲記事の写真が伝えるように、冬は雪に包まれ神秘性すら漂う土地のようだ。
大野小学校は、その10年後の2016年に閉校となり、現在は「美山虹の湖交流センター」として自然体験の拠点として整備されている。
気になったのはパルバースが美山町を離れるにあたり大野小に寄贈したというシュマイサーのエッチング作品の現況だ。旅する版画家として知られるヨルク・シュマイサーの作品、可能なら見てみたいと思って電話してみたわけである。
選挙対応で忙しい時期に申し訳ない話だが、忘れぬうちにと思って南丹市役所に電話し、情報を待っているところだ。
★あわせて町田市の国際版画美術館にもシュマイサー作品がないかと思って電話してみた。すると現在開催中の展覧会に同館収蔵の「ウルル」(オーストラリア大陸の有名なエアーズロックの旧称)と題する作品が出ているというではないか。これはぜひお目にかからねば(3月下旬までの由)。
※その後調べたら同館では2018年に回顧展が開かれていた。下にそのリンクを張っておく。
【町田市立国際版画美術館「ヨルク・シュマイサー 終わりなき旅」】
⇒https://hanga-museum.jp/exhibition/past/2018-383
◆南丹市美山町も雪深いところのようだ。寒波再び襲来の心配がある。総選挙無事に進むことを祈るばかり。
(それにしても、全国で30名にのぼる大雪の犠牲者に心痛む。豪雪地の困苦を全く意に介さない選挙強行って犯罪的ではないか?)



