柳 致環(ユ・チファン)「猫」[2025年11月08日(Sat)]
クロガネモチ
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猫 柳 致環(ユ・チファン)
金 素雲(キム・ソウン)訳
猫は憎し。
その声の佞(おもね)りたる、
その動作の敏捷にして小なる、
そのあまりにも山脈の匂ひを忘れたる、
しかして人を憤怒(ふんぬ)せざる、
虎に似て虎ならざる――。
西原大輔・編『日本名詩選2(昭和戦前篇)』(笠間書院、2015年)より
◆高市外交に褒貶かまびすしい。
「へつらい外交」だとの批判の声も多い。
米海軍基地での表情・ふるまいのあれこれを見てまさしく、と思うしかなかった。
続けてトランプ米大統領をノーベル平和賞に推薦する、と述べたと知って、あぶくのように肚(はら)の底から繰り返し浮かんできたのが「おもねる」という言葉だった。
そこまでして歓心を買わねばならないのか、一体何のために?
◆柳致環(ユ・チハン 1908〜1967)は韓国を代表する詩人にして教育者。若き日々日本への留学経験もある。
植民地時代、不公正な現実に苦悶しながらそれを押さえ込んで生きている身を「猫」になぞらえ、「虎」のような不羈独立の生き方への憧れをうたう。



