
実践的農本主義に軌道修正を[2025年06月07日(Sat)]
◆外を歩けば草いきれに息苦しいほどだが、ほっといても雨に恵まれ作物が豊かに実る国土というのは世界中どこでにもあるわけではない(たぶん)。
ただ、そのことを当たり前に思って放置された田畑が各地に増えているのも事実――これは推測に非ず。田舎に帰るたびに眼に否応なく飛びこんで来る田園の現状だ。
減反に固執し、低い食糧自給率を放置してきた自民党ノー政が農村の荒廃を助長してきた。
その歴史的経緯を抜きにしてシンジローのパフォーマンスをヨイショしていてもしょうがない。
◆生産者の生活を真剣に守り育てる政策の本気度は、今や野党の方が一歩も二歩も先んじている。
持てるものを長く有効に活かす。
SDGs(持続可能な開発目標)と外来語を弄ぶより、素朴な農本主義に立ち返ってみたら、と思う。
◆先日、桑の実が熟してきた、と書いた。ヒヨドリや雀などの野鳥もこれを啄む。
それでもなお実は余りあるほどだ。丹念に集めたら、サラダやジャムなど、いかようにもおいしく食べられるはずと思うのだが、学校でそんなことは教えないんだろうか。
◆「君が代」をどの学年でも歌えるようにする(現行の小学校学習指導要領)などと躍起になるよりも、童謡「赤とんぼ」を聞きながら、桑の実の食べ方を実地に学ぶ方が、腹の足しになって生きる力を培うこととなり、かつ情操教育としても意義深いと思うのだが。