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野木ともみ「今生の別れ」[2025年05月18日(Sun)]


DSCN3619.JPG


***


今生の別れ   野木ともみ


ひと頃親しくつきあった人が突然現れました。

闘いに行く
たたかう?

闘うことにした
なにと?

そのことを言いにきた
なぜわたしに?

わかってくれると思った
わからないよ

わたしたちは十代のある時期ある場所で
同じ種類の人間だと感じてつきあいました
共に描いた夢は実現せず別々の道を歩いてきました。

とにかく行く
ほんき?

行かなきゃならない
どうして?

どうしても
どうしても?

さよなら
さよなら

わたしたちは十代のある時期ある場所で
同じ種類の人間だと感ちがいしてつきあいました。

もともと違う種類の遠いその人は
わたしとの今生の別れを果たしたと同時に
わたしの頭蓋骨の中に飛びこみ
きれいに弾んで着地しました。


『その日も曇天で』(思潮社、2025年)より


◆「十代に/同じ種類の人間だと感じて/つきあっていた」人。
それが突然現れて「闘いに行く」と告げる。
いかにも唐突・一方的で、悪く言えば独りよがりで、よく言えば十代と変わらぬ純粋さで――。

しかもそれは「今生の別れを」告げるために来たのだ。
まるで出征する兵士のように。

別々の道を歩いてきたために完結しなかったもの、それは相手にとっても「わたし」にとっても「完結しない」ままだった。
あたかも灼けたアスファルトと一緒に溶けた飴のように全身に粘り着いて消化されず仕舞いだったもの、それが一気に完成するとは。
命終を悲しむいとまさえ与えないあっけなさを、ただ一瞬の驚きに凝結させた詩。




米軍隊記念日のMLB迷彩柄キャップ[2025年05月18日(Sun)]

◆今日のMLBドジャースvsエンゼルス戦をTVで観ていたら、どの選手も迷彩柄の帽子をかぶっている。先日は母の日にちなんでどの選手もピンクのバットやソックスでプレイしていたが、今日は軍隊関係か、と思って調べたら、アームド・フォーシズ・デー(Armed Forces Day)だという。要するに軍隊記念日ということだ。例年5月の第3土曜日になっているそうだ。

ロサンゼルスの山火事で奮闘した消防士たちに敬意と感謝を表すイベントもあったのは理解できるが、人の生き死にに直接かかわる軍隊というもの(というより人の命を奪う行為が常につきまとう組織について)球界挙げて何らかの表現をとる、ということに違和感がある。
米軍は今も各地で殺傷を行っているのだから。

日本だって、つい80年前の今頃、沖縄で、大陸や南洋の各地で、敵や現地の人々を殺傷し、こちらも傷つき、やせさらばえて果てていった(その中に我々の父や伯父・叔父たちもいる)のだから。
そうして、再びそれを繰り返さぬ保障などどこにもないのだから。

◆そう思うので、迷彩柄は帽子であれ衣類であれ、ちょっとした小物であれ、買わないことにしている。

※ちなみにMLBの公式グッズを扱ったサイトには、今回の迷彩柄の野球帽、7,480円ナリで各球団マーク入りがズラリと並んでいた。商魂たくましいかぎりだが、通常のキャップより高そうだった。


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