
円覚寺の花たち(その2 白木蓮)[2025年03月24日(Mon)]
◆円覚寺を訪ねてみようと思ったきっかけは、知友からのSNS。
作家・魯迅ゆかりの白木蓮があり、間もなく花ざかりを迎えそうだと教わった。
同寺の塔頭・仏日庵(ぶつにちあん)は円覚寺の開基・北条時宗の廟所である。
以前ここを訪ねたのは新年早々(三が日だけ公開される舎利殿を見に)と夏だったか。植わっている樹については記憶がない。
訪ねてみると、相応の樹高だ。左手の本堂の屋根をはるかに越えている。
木蓮の花は青い空をバックにしてこそ美しい。
昭和8(1933)年に魯迅(1881−1936)から寄贈された由。魯迅晩年の上海時代ということになる。
上方の枝に花が見当たらないのが気になる。
左にある泰山木もやはり魯迅寄贈のもの。
梅雨の時期には豊かな花を咲かせることだろう。泰山木も白い花だ。
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◆円覚寺を訪ねたのは22日。その翌日のTBS日曜劇場『御上先生』の最終回、常盤貴子が白く咲きそろった花を見上げる印象的なシーンがあった。
枝ぶりから白木蓮と見えた。
人の命を奪った罪を償う道を歩み始めた娘、その我が子とともに生きていくことを誓った母にとって、最もふさわしい花だと思われた。