ガザ=ひろしま[2024年08月10日(Sat)]
◆ガザ、イスラエル軍による学校への空爆は、この2週間だけで少なくとも8カ所に達した。
8日も、ガザ北部ガザ市の学校が攻撃され15名が亡くなった。(イスタンブール=時事)
ユニセフのサリム・オウェイス広報官は「子どもたちは絶望している」と訴えたという(時事)。
では、何をしているのだ、「おとなたち」は?
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〈 墓標 〉より 峠三吉
風は海から吹き
あの日の朝のように
空はまだ 輝くあおさ
君たちよ出てこないか
やわらかい腕を交くみ
起き上がってこないか
君たちよ
もういい だまっているのはいい
戦争をおこそうとするおとなたちと
世界中でたたかうために
そのつぶらな瞳を輝かせ
その澄みとおる声で
ワッ! と叫んでとび出してこい
そして その
誰の胸へも抱きつかれる腕をひろげ
たれの心へも正しい涙を呼び返す頬をおしつけ
ぼくたちはひろしまの
ひろしまの子だ と
みんなのからだへ
とびついて来い!
◆詩には「斉美(せいび)小学校戦災児童の霊」と、墓標の文字が繰り返し記される。
ヒロシマ、1945年8月6日。登校していた子どもたちや職員、約160名が、骨も残さず全滅した。
(夏の会・編『夏の雲は忘れない ヒロシマ・ナガサキ一九四五年』[大月書店、2020年]より)
◆「ひろしま」が「ガザ」に置き換わっただけで、世界は、おとなたちは全く成長していない、どころか、人間の皮をかぶったまま、充血した野蛮な目と臭い息の獣へと退化した姿をさらしている!